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橋本総業HD Research Memo(2):水回りに強い管材・住宅設備機器の1次卸
配信日時:2025/01/23 13:02
配信元:FISCO
*13:02JST 橋本総業HD Research Memo(2):水回りに強い管材・住宅設備機器の1次卸
■会社概要
1. 会社概要
橋本総業ホールディングス<7570>は管材・住宅設備機器の1次卸である。水回りに強く、管材や衛生陶器・金具、住宅設備機器、空調・ポンプなどの住宅設備・建設関連資材を大手有力メーカーなどから仕入れ、全国の2次卸や工事店や工務店、ゼネコンやサブコンなどに販売している。1次卸として在庫機能や情報機能、配送機能を十分に生かすことで、メーカーや2次卸などの取引先と強く結び付いたバリューチェーンを形成していることが特長である。足元では中期計画に基づき、既存事業を強化するとともに、取引先からの要望の多い建材や電材など新たな領域への進出を加速している。
同社は、1890年に橋本久次郎(はしもときゅうじろう)氏が神田岩本町にパイプや継手などを販売する個人商店を開業したことが始まりで、同氏が130年以上にわたる歴史を持つ老舗管材商としての基礎を築いた。二代目の政次郎(まさじろう)氏は製造卸としてカタログ販売や自社製品の製造を行い、戦後に同社を引き継いだ三代目の政雄(まさお)氏はメーカーの特約店として商売を広げた。そして、現社長である四代目の政昭氏は、「ベストパートナー」としてメーカーや販売先など取引先の満足度を向上させるとともに、地域密着営業やM&A、IT技術・システムの活用、新規事業領域への進出、ESG活動をベースにした「HSDGCG活動」など、新たな時代に対応した経営を積極的に推進している。
地域のニーズを的確に汲み取るグループ体制
2. グループ体制
同社グループは、持株会社の同社及び橋本総業(株)など連結子会社10社、非連結子会社6社により構成されている(2024年9月末時点)。このうち橋本総業は、全国に46の営業拠点(本社のほか35支店、11営業所、5センター)を擁する最大の子会社である。その他子会社としては、大明工機(株)が全国に16拠点、若松物産(株)が愛知県に2拠点、(株)大和が大阪府に1拠点、(株)永昌洋行が福岡県に2拠点、(株)ムラバヤシが青森県に2拠点、みらい物流(株)が1拠点、橋本総業ファシリティーズ(株)が全国で7拠点、サンセキ(株)(旧 山陰セキスイ商事(株))が山陰で4拠点・1センターを展開している。このように県別の営業体制で全国をフルカバーし、工事現場や販売店に密着することで地域のニーズを的確に汲み取り、シェア拡大につなげている。ただし、同社発祥の関東から東海にかけて比較的拠点が充実しているものの、関西など西日本を中心に拠点拡張の余地が依然残されていると言える。
各社とも管材類、衛生陶器・金具類、住宅設備機器類、空調・ポンプの販売を主たる業務としているが、それぞれに特長がある。橋本総業はオールマイティな品揃えと機能を持ち、グループのリーダー格であり成長のけん引役でもある。大明工機は創業70年以上にわたる歴史があり、各種プラント用機器・装置の専門商社としてエンジニアリング産業の一翼を担っている。自動弁の組み立てや各種メンテナンスなど独自の技術を有し、あらゆる産業プラントの環境改善・省エネに貢献している。若松物産は空調設備の販売及び施工、大和は関西エリアで鋼管の販売、橋本総業ファシリティーズはゼネコンやサブコン向け取引、永昌洋行とムラバヤシ、サンセキは強固な地盤を生かした地域密着型営業を展開している。また、隣接業界の建材商社大手のJKホールディングス<9896>とは、経営資源・ノウハウの相互活用、営業面などの協力体制の構築を目的に、両社の主要事業会社である橋本総業とジャパン建材(株)との間で業務提携している。近年は、2021年3月期にみらい物流の事業を開始、タイにHASHIMOTO SOGYO (THAILAND) CO.,LTD.を設立、オーテック<1736>と業務提携、2023年3月期には特需部門を統合して橋本総業ファシリティーズを設立、山陰を地盤とするサンセキを子会社化するなど、グループの動きが活発化している。
特需部門や海外など新領域を強化
3. グループ企業の動き
同社の営業ルートは主に2次卸や工事店を販売先とするルート営業部門と、ゼネコンやサブコン、住宅メーカー向けの特需営業部門に分けられる。特需部門は売上高全体の10%ほどを占め、管材や住宅設備機器といった資材を販売するだけでなく、施工や現場管理の提案・対応、鋼管や樹脂管の切断・加工など、建築工事における幅広いニーズに対応している。こうしたニーズにはサブコン向けを得意とする大和や、橋本総業の各地特需部門がそれぞれ対応していたが、拡大余地の大きい領域であることから、2020年9月に大和と橋本総業関西特需部門を統合し、関西地区の特需部門強化を図った。また、2023年1月には特需部門のさらなる事業成長と意思決定の迅速化を目的に橋本総業ファシリティーズを設立、同年4月に橋本総業の特需部門を統合・承継した。橋本総業ファシリティーズを強化することで、特需部門の売上高構成比の引き上げを図る。
同社はタイでの事業も活発に展開している。2020年6月にHASHIMOTO SOGYO (THAILAND) CO.,LTD.を設立し、富裕層物件のリノベーションや、物件引き渡し直前に行う品質管理サービスなどを行ってきたが、加えて、タイに本社がある図面製作会社SHOH PLANNINGと提携し、積算・設計事業に乗り出した。もともと積算や設計は中国で行われることが多かったが、中国の人件費が高騰していることを受け、東南アジア、なかでも教育水準の高いタイに白羽の矢を立てた。SHOH PLANNINGは橋本総業ファシリティーズと連携して、大手取引先から受注しSHOH PLANNINGが作成した設計図により橋本総業ファシリティーズに加工を指示し、橋本総業ファシリティーズがプレカットして現場に送る。同社にとって、構造計算や省エネ計算など卸売業以外の新たなサービス領域への進出となる。このほか、タイで最も歴史のある国立大学であるチュラロンコン大学と産学連携協定を締結した。卒業生を対象にインターンなどを実施して人材の獲得につなげ、HASHIMOTO SOGYO (THAILAND) CO.,LTD.がタイで手掛ける住宅設備事業や、SHOH PLANNINGと連携した積算・設計事業を強化する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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1. 会社概要
橋本総業ホールディングス<7570>は管材・住宅設備機器の1次卸である。水回りに強く、管材や衛生陶器・金具、住宅設備機器、空調・ポンプなどの住宅設備・建設関連資材を大手有力メーカーなどから仕入れ、全国の2次卸や工事店や工務店、ゼネコンやサブコンなどに販売している。1次卸として在庫機能や情報機能、配送機能を十分に生かすことで、メーカーや2次卸などの取引先と強く結び付いたバリューチェーンを形成していることが特長である。足元では中期計画に基づき、既存事業を強化するとともに、取引先からの要望の多い建材や電材など新たな領域への進出を加速している。
同社は、1890年に橋本久次郎(はしもときゅうじろう)氏が神田岩本町にパイプや継手などを販売する個人商店を開業したことが始まりで、同氏が130年以上にわたる歴史を持つ老舗管材商としての基礎を築いた。二代目の政次郎(まさじろう)氏は製造卸としてカタログ販売や自社製品の製造を行い、戦後に同社を引き継いだ三代目の政雄(まさお)氏はメーカーの特約店として商売を広げた。そして、現社長である四代目の政昭氏は、「ベストパートナー」としてメーカーや販売先など取引先の満足度を向上させるとともに、地域密着営業やM&A、IT技術・システムの活用、新規事業領域への進出、ESG活動をベースにした「HSDGCG活動」など、新たな時代に対応した経営を積極的に推進している。
地域のニーズを的確に汲み取るグループ体制
2. グループ体制
同社グループは、持株会社の同社及び橋本総業(株)など連結子会社10社、非連結子会社6社により構成されている(2024年9月末時点)。このうち橋本総業は、全国に46の営業拠点(本社のほか35支店、11営業所、5センター)を擁する最大の子会社である。その他子会社としては、大明工機(株)が全国に16拠点、若松物産(株)が愛知県に2拠点、(株)大和が大阪府に1拠点、(株)永昌洋行が福岡県に2拠点、(株)ムラバヤシが青森県に2拠点、みらい物流(株)が1拠点、橋本総業ファシリティーズ(株)が全国で7拠点、サンセキ(株)(旧 山陰セキスイ商事(株))が山陰で4拠点・1センターを展開している。このように県別の営業体制で全国をフルカバーし、工事現場や販売店に密着することで地域のニーズを的確に汲み取り、シェア拡大につなげている。ただし、同社発祥の関東から東海にかけて比較的拠点が充実しているものの、関西など西日本を中心に拠点拡張の余地が依然残されていると言える。
各社とも管材類、衛生陶器・金具類、住宅設備機器類、空調・ポンプの販売を主たる業務としているが、それぞれに特長がある。橋本総業はオールマイティな品揃えと機能を持ち、グループのリーダー格であり成長のけん引役でもある。大明工機は創業70年以上にわたる歴史があり、各種プラント用機器・装置の専門商社としてエンジニアリング産業の一翼を担っている。自動弁の組み立てや各種メンテナンスなど独自の技術を有し、あらゆる産業プラントの環境改善・省エネに貢献している。若松物産は空調設備の販売及び施工、大和は関西エリアで鋼管の販売、橋本総業ファシリティーズはゼネコンやサブコン向け取引、永昌洋行とムラバヤシ、サンセキは強固な地盤を生かした地域密着型営業を展開している。また、隣接業界の建材商社大手のJKホールディングス<9896>とは、経営資源・ノウハウの相互活用、営業面などの協力体制の構築を目的に、両社の主要事業会社である橋本総業とジャパン建材(株)との間で業務提携している。近年は、2021年3月期にみらい物流の事業を開始、タイにHASHIMOTO SOGYO (THAILAND) CO.,LTD.を設立、オーテック<1736>と業務提携、2023年3月期には特需部門を統合して橋本総業ファシリティーズを設立、山陰を地盤とするサンセキを子会社化するなど、グループの動きが活発化している。
特需部門や海外など新領域を強化
3. グループ企業の動き
同社の営業ルートは主に2次卸や工事店を販売先とするルート営業部門と、ゼネコンやサブコン、住宅メーカー向けの特需営業部門に分けられる。特需部門は売上高全体の10%ほどを占め、管材や住宅設備機器といった資材を販売するだけでなく、施工や現場管理の提案・対応、鋼管や樹脂管の切断・加工など、建築工事における幅広いニーズに対応している。こうしたニーズにはサブコン向けを得意とする大和や、橋本総業の各地特需部門がそれぞれ対応していたが、拡大余地の大きい領域であることから、2020年9月に大和と橋本総業関西特需部門を統合し、関西地区の特需部門強化を図った。また、2023年1月には特需部門のさらなる事業成長と意思決定の迅速化を目的に橋本総業ファシリティーズを設立、同年4月に橋本総業の特需部門を統合・承継した。橋本総業ファシリティーズを強化することで、特需部門の売上高構成比の引き上げを図る。
同社はタイでの事業も活発に展開している。2020年6月にHASHIMOTO SOGYO (THAILAND) CO.,LTD.を設立し、富裕層物件のリノベーションや、物件引き渡し直前に行う品質管理サービスなどを行ってきたが、加えて、タイに本社がある図面製作会社SHOH PLANNINGと提携し、積算・設計事業に乗り出した。もともと積算や設計は中国で行われることが多かったが、中国の人件費が高騰していることを受け、東南アジア、なかでも教育水準の高いタイに白羽の矢を立てた。SHOH PLANNINGは橋本総業ファシリティーズと連携して、大手取引先から受注しSHOH PLANNINGが作成した設計図により橋本総業ファシリティーズに加工を指示し、橋本総業ファシリティーズがプレカットして現場に送る。同社にとって、構造計算や省エネ計算など卸売業以外の新たなサービス領域への進出となる。このほか、タイで最も歴史のある国立大学であるチュラロンコン大学と産学連携協定を締結した。卒業生を対象にインターンなどを実施して人材の獲得につなげ、HASHIMOTO SOGYO (THAILAND) CO.,LTD.がタイで手掛ける住宅設備事業や、SHOH PLANNINGと連携した積算・設計事業を強化する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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