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M7がトータルリターンの53%占める (1) 【シルバーブラットの「S&P500」月例レポート】
配信日時:2025/01/23 11:40
配信元:MINKABU
S&P500月例レポートでは、S&P500の値動きから米国マーケットの動向を解説します。市場全体のトレンドだけではなく、業種、さらには個別銘柄レベルでの分析を行い、米国マーケットの現状を掘り下げて説明します。
●THE S&P 500 MARKET:2024年12月
個人的見解:「70歳だったあの頃は、とても良い年だった」
69歳だったあの頃は、とても良い年だった(2023年のS&P500指数のトータルリターンはプラス26.29%)
マグニフィセント・セブンにとって、とても良い年だった(マグニフィセント・セブンを除いたS&P500指数の上昇率は9.94%)
株価は日々上昇し続けた、69歳だったあの頃は…
70歳だったあの頃は、とても良い年だった(2024年のS&P500指数のトータルリターンはプラス25.02%)
マグニフィセント・セブンにとって、とても良い年だった(マグニフィセント・セブンを除いたS&P500指数の上昇率は11.75%)
株価は日々上昇し続けた、70歳だったあの頃は…
(2年間の累計では、S&P500指数のトータルリターンはプラス57.88%、マグニフィセント・セブンを除いた上昇率は24.35%)
71歳だったあの頃は…
2023年はとても困難な年となり、2024年はもっと厳しい年でしたが、どちらも投資家には報いてくれました(少なくとも大型株投資家やビットコイン投資家は利益を得ました)。S&P500指数 は2023年に24.23%、2024年に23.31%上昇し、2年間の累計では53.19%上昇となりました。値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を上回り(指数の騰落率が示唆するほどの力強さはありませんでしたが)、2024年は332銘柄が上昇、169銘柄が下落、2023年は322銘柄が上昇、179銘柄が下落、2年間では353銘柄が上昇、146銘柄が下落しました。もちろん、今さら2022年の話をしたくはないでしょうが、2022年にS&P500指数は19.44%下落し、上昇したのはわずか139銘柄で、363銘柄が下落しました。3年間の累計では、S&P500指数は23.40%上昇(年率換算で7.26%上昇)、274銘柄が上昇、224銘柄が下落し(生存者バイアスがかかっています)、そのうち117銘柄は3年間で20%以上の下落となりました。合計すると、S&P500指数の時価総額は2024年に9兆7600億ドル増加し(2023年は7兆9100億ドル増加、2022年は8兆2300億ドル減少)、さらに配当として総額6300億ドル(過去最高)が投資家に支払われました(2023年は5880億ドル、2022年は5650億ドル。株価が低迷する年でも配当は支払われます)。
代替投資では、石油価格は1バレル=71.75ドルで年を終えました(2023年末は同71.31ドル、2022年末は同80.45ドル)。金価格は1トロイオンス=2638.40ドルで年を終えました(同2073.60ドル、同1829.80ドル)。VIX恐怖指数は17.42で年を終えました(同21.57、同17.22)。ビットコインは9万3417ドルで年を終えました(同4万2265ドル、同1万6548ドル)。
金利を見ると、米国10年国債利回りは4.58%で年を終えました(同3.88%、同3.88%)。米国30年国債利回りは4.78%で年を終えました(同4.04%、同3.97%)。その他の主な参考指標として、フェデラルファンド(FF)金利は4.50%で年を終えました(同5.50%、同4.50%)。ガソリン価格(EIAによる全等級)は1ガロン=3.128ドルで年を終えました(同3.238ドル、同3.203ドル)。
マグニフィセント・セブンに関しては、インデックスファンドを含め、どのような形であれ投資していなかったとしたら、ビットコインに投資しておくべきだったかもしれません。マグニフィセント・セブンは2024年のS&P500指数のトータルリターンの53.1%を占めました。マグニフィセント・セブンを除くと、S&P500指数のトータルリターンはプラス25.02%ではなくプラス11.75%になります。11月5日の米大統領選以降のトータルリターンもプラス1.95%からマイナス0.35%に低下します。2023年のトータルリターンはプラス26.29%からプラス9.94%に低下し、2年間の累計ではS&P500指数のトータルリターンはプラス57.88%、マグニフィセント・セブンを除くとプラス24.35%となります。それでも、年率ではプラス11.5%となり、1926年以降の長期の年率トータルリターンのプラス10.5%を上回ります(ただし、筆者がS&Pに入社した1977年以降の年率リターンのプラス12.0%には届きません)。
セクター別では、マグニフィセント・セブンが含まれるセクターが好調で、2024年に最も好調だったのはコミュニケーションサービス(アルファベットとメタ・プラットフォームズが含まれます)で38.89%上昇(2021年末以降では27.73%上昇)、次いで情報技術(アップル、マイクロソフト、エヌビディアが含まれます)が35.69%上昇(同50.86%上昇)、一般消費財(アマゾン・ドット・コム、テスラが含まれます)が29.13%上昇(同13.68%上昇)しました。金融セクターにはマグニフィセント・セブン銘柄は含まれませんが、2024年は28.43%上昇し(同23.75%上昇)、公益事業も19.58%上昇(同5.84%上昇)しました。最もパフォーマンスが悪かったのは素材セクターで、2024年は1.83%下落と、唯一下落したセクターとなりました(同7.00%下落)。
●インデックスの動き
○12月の株式市場は力強いスタートを切り、1週目に史上最高値を4回更新しましたが、その後に下落しました。マグニフィセント・セブンが市場を牽引し、全体では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を上回りました。ダウ・ジョーンズ工業株価平均(ダウ平均)も終値で4万5000ドルを突破して過去最高値を1回更新しましたが(4万5014.04ドル、最高値更新は2024年に48回目)、やはりその後に下落し、1974年10月以来となる10営業日続落を記録しました。
⇒12月にS&P500指数は2.50%と大幅に下落しました(配当込みのトータルリターンはマイナス2.38%)。11月は5.73%上昇(同プラス5.87%)、10月は0.99%下落(同マイナス0.91%)でした。
⇒過去3ヵ月間(2024年第4四半期)のS&P500指数の騰落率は2.07%の上昇となりました(同プラス2.41%)。
⇒2024年通年では、S&P500指数は23.31%上昇しました(同プラス25.02%)。2023年は24.23%上昇(同プラス26.29%)、2022年は19.44%下落(同マイナス18.11%)でした。
⇒12月は値上がり銘柄数が減少し、値下がり銘柄数を大幅に下回り、値上がり銘柄がわずか54銘柄だったのに対し、449銘柄が値下がりしました(11月は385銘柄が値上がり、118銘柄が値下がり、10月は199銘柄が値上がり、304銘柄が値下がり)。
⇒12月は21営業日のうち9営業日で上昇しました(11月は20営業日のうち15営業日で上昇、年間では252営業日のうち143営業日で上昇)。5営業日で1%以上変動し、そのうち2営業日が上昇、3営業日が下落(1営業日は2.95%下落)でした。これに対して11月は3営業日で1%以上変動し、そのうち2営業日が上昇(1営業日は2%超上昇)、1営業日が下落でした。2024年通年では50営業日で1%以上変動しました(31営業日で上昇し、そのうち3営業日で2%以上上昇、19営業日で下落し、そのうち4営業日で2%以上下落)。
⇒11セクターのうち、3セクターが上昇しました(11月は11セクターすべてが上昇)。
○S&P500指数の時価総額は12月に1兆2240億ドル減少して(11月は2兆7930億ドル増加)、49兆8050億ドルとなりました。年間では9兆7660億ドル増加しました。2023年は7兆9060億ドルの増加、2022年は8兆2240億ドルの減少でした。
○ダウ平均は、12月に終値での最高値を1回更新し(年初来では48回)、終値で4万5000ドルを突破しました(終値の最高値は4万5014.04ドル、取引時間中の最高値は4万5074.63ドル)。なお、11月は4回、10月は7回、9月は7回、8月は4回、7月は3回、最高値を更新しています。ダウ平均は12月に5.27%下落して(配当込みのトータルリターンはマイナス5.13%)4万2544.22ドルで月を終えました。11月は7.54%上昇して(同プラス7.74%)4万4910.65ドル、10月は1.34%下落して(同マイナス1.26%)4万1763.46ドルでした。過去3ヵ月(2024年第4四半期)では0.51%上昇(同プラス0.93%)、2024年通年では12.88%上昇(同プラス14.99%)となっています。2023年は13.70%の上昇(同プラス16.18%)、2022年は8.78%の下落(同マイナス6.86%)でした。
○12月の日中ボラティリティ(日中の値幅を安値で除して算出)は、0.91%と11月の0.83%から上昇しました(10月は0.81%)。2024年通年は0.91%、2023年は1.04%、2022年は1.83%、2021年は0.97%、2020年は1.51%でした(長期平均は1.42%)。
○12月の出来高は、11月に前月比17%増加した後に、同3%減少し(営業日数調整後)、前年同月比では1%増加となりました。2024年通年では前年比2%減少しています。2023年は同1%減で、2022年は同6%増でした。
○12月は1%以上変動した日数は21営業日中5日(上昇が2日、下落が3日)、2%以上変動した日が1日(下落)ありました。11月は1%以上変動した日数は20営業日中3日(上昇が2日、下落が1日)、2%以上変動した日が1日(上昇)ありました。2024年通年では、1%以上変動した日数は50日(上昇が31日、下落が19日)で、2%以上変動した日数は7日(上昇が3日、下落が4日)でした。2023年は、1%以上変動した日数が250営業日中63日(上昇が37日、下落が26日)、2%以上変動した日数が2日(上昇が1日、下落が1日)でした。12月は21営業日中7日で日中の変動率が1%以上となり、2%以上となった日は2日、3%以上となった日は1日ありました。対して11月は1%以上の変動が20営業日中6日で、2%以上となった日はありませんでした。2024年通年では1%以上の変動が83日、2%以上の変動が11日でした。2023年は1%以上の変動が113日、2%以上の変動が13日、3%以上の変動はありませんでした(直近で3%以上の変動があったのは2022年11月30日)。2022年は1%以上の変動が219日、2%以上の変動が89日、3%以上の変動が20日でした(4%以上の変動が4日、5%以上の変動が1日)。
過去の実績を見ると、12月は72.9%の確率で上昇し、上昇した月の平均上昇率は2.95%、下落した月の平均下落率は3.19%、全体の平均騰落率は1.31%の上昇となっています。2024年12月のS&P500指数は2.50%の下落でした。
1月は61.9%の確率で上昇し、上昇した月の平均上昇率は4.19%、下落した月の平均下落率は3.81%、全体の平均騰落率は1.19%の上昇となっています。
今後の米連邦公開市場委員会FOMCのスケジュールは、2025年は1月28日-29日、3月18日-19日、5月6日-7日、6月17日-18日、7月29日-30日、9月16日-17日、10月28日-29日、12月9日-10日となっています。
※「M7がトータルリターンの53%占める (2)」へ続く
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