注目トピックス 市況・概況
国内株式市場見通し:追加利上げ実施で「脱デフレ」を意識した展開となるか
配信日時:2025/01/18 14:02
配信元:FISCO
*14:02JST 国内株式市場見通し:追加利上げ実施で「脱デフレ」を意識した展開となるか
■買い手不在で38055円まで下落する場面も
今週の日経平均は週間で738.94円安(-1.89%)の38451.46円と下落。米国株は消費者物価指数が想定よりも強くなかったことから年内利下げ観測が再燃し持ち直したが、日本株は上昇スタートしても買いが続かないなど買い手不在の弱い展開となった。連休明けの14日、氷見野良三日本銀行副総裁が講演において、「23-24日開催の金融政策決定会合では利上げを行うかどうか議論し、判断したい」と発言したことで、昨年12月の植田和男日銀総裁の記者会見以降、後退していた「1月利上げの可能性」が再燃。長期金利の指標となる10年物国債利回りが一時1.25%まで上昇し、メガバンクや保険株など金融株の刺激材料となった。ただ、利上げ実施を見越した積極的な売買はさほど見られず、買い一巡後の金融株は高安まちまちの展開に。エヌビディアなど米ハイテク株の下落を受けて、値がさ半導体関連も方向感に乏しい展開となったことから、週末の日経平均は38055円まで下げ幅を広げる場面も見られた。
なお、1月第1週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を3786億円買い越したほか、TOPIX先物を5509億円売り越し、225先物は596億円売り越したことから、合計2319億円の売り越しとなった。一方、個人投資家は現物を6783億円買い越すなど合計で6866億円買い越し。なお、事業法人は現物を3266億円買い越した。
■日経平均は25日、75日、200日線をそれぞれ下回る
17日の米国株式市場は反発。ダウ平均は前日比334.70ドル高の43487.83ドル、ナスダックは同291.91ポイント高の19630.20で取引を終了した。大証ナイト・セッションの日経225先物は、日中終値比380円高の38830円で取引を終えた。日経平均は9日以降、6日連続で陰線が出現しており、25日移動平均線(25MA)、75日移動平均線(75MA)、200日移動平均線(200MA)をそれぞれ下回っている。これらの水準を終値ベースで全て下回るのは、昨年10月25日以来となる。38000円割れは何とか回避したが、買い手不在の状況は続きトレンドは弱い。週明けの日経平均は反発スタートとなりそうだが、仮に節目の38000円を割り込むと、下値を模索する可能性があるチャート形状と言えよう。
東京市場の買い手不在の背景としては、20日のトランプ第二次政権の発足が大きい。市場では大統領就任式を迎えた20日の段階で、矢継ぎ早に関税引き上げなどの政策をSNSにて改めて発信すると見られている。最新情報では「関税引き上げは段階的な制度をとる」との話も聞かれるが、正式に発信されるまで不透明なことから、市場は疑心暗鬼に陥っており、買いを手控えている様子だ。
また、来週末の日銀会合を意識したイベントドリブン的な積極的な売買も見られず、様子見姿勢の強い地合いが続いている。報道では「過半の政策委員が追加利上げを支持する見通し」と伝っているため、利上げを実施しても市場はほぼ織り込み済みで、昨年7月末から8月上旬のような急変動は起きないと想定。植田日銀総裁から「段階的に利上げを実施していく」といったタカ派な発言がでれば話は別だが、ハト派な植田日銀総裁からそのような言葉は出ないだろう。為替市場では1ドル154円台を付けるなど円安ドル高は一服。円安一服を受けて、トヨタ自<7203>など自動車株の重しとなったが、利上げ実施となった場合、「脱デフレ」を意識した好意的な日本株買いが入るか注目したい。
■NISAを経由した個人投資家の年始の買いは一巡か
積極的な買い手が不在の一方、NISAを経由した個人投資家の買いが日本株を下支えしているとの見方はある。実際、昨年9月末時点におけるNISA経由の個人投資家の買い(2024年からのデータ)は海外投信が多いものの、日本株の割合は33%ほどで4.5兆円ある。単純計算で年間6兆円、毎月5000億円の買い需要が見込まれる。1月第1週の投資主体別売買動向で個人投資家が現物を6783億円買い越していたことから見ても、新年を迎え、成長投資枠が復活したタイミングで個人投資家は買いを入れていたようだ。週末の日経平均は確かに下げ幅を縮小したが、6日連続で陰線を残すなど底堅さは感じられない。個人投資家による年始のNISA経由の買いが1月第1週で一巡したとなれば、需給面は弱いと言えよう。
■24日に日銀政策金利を発表
来週、日本では、20日に11月機械受注、鉱工業生産(確報値)、23日に12月貿易収支、24日に政策金利、12月消費者物価指数などが予定されている。
海外では、20日に中・最優遇貸出金利、米・大統領就任式、21日に英・11月ILO失業率、12月失業率、失業保険申請件数、独・1月ZEW景況感指数、22日にNZ・第4四半期消費者物価指数、23日にトルコ・政策金利、米・週次新規失業保険申請件数、週次原油在庫、24日に仏・1月製造業PMI、サービス業PMI、独・1月製造業PMI、サービス業PMI、欧・ユーロ圏1月製造業PMI、サービス業PMI、英・1月製造業PMI、サービス業PMI、米・1月製造業PMI、サービス業PMI、コンポジットPMI、ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)、12月中古住宅販売件数などが予定されている。
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今週の日経平均は週間で738.94円安(-1.89%)の38451.46円と下落。米国株は消費者物価指数が想定よりも強くなかったことから年内利下げ観測が再燃し持ち直したが、日本株は上昇スタートしても買いが続かないなど買い手不在の弱い展開となった。連休明けの14日、氷見野良三日本銀行副総裁が講演において、「23-24日開催の金融政策決定会合では利上げを行うかどうか議論し、判断したい」と発言したことで、昨年12月の植田和男日銀総裁の記者会見以降、後退していた「1月利上げの可能性」が再燃。長期金利の指標となる10年物国債利回りが一時1.25%まで上昇し、メガバンクや保険株など金融株の刺激材料となった。ただ、利上げ実施を見越した積極的な売買はさほど見られず、買い一巡後の金融株は高安まちまちの展開に。エヌビディアなど米ハイテク株の下落を受けて、値がさ半導体関連も方向感に乏しい展開となったことから、週末の日経平均は38055円まで下げ幅を広げる場面も見られた。
なお、1月第1週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を3786億円買い越したほか、TOPIX先物を5509億円売り越し、225先物は596億円売り越したことから、合計2319億円の売り越しとなった。一方、個人投資家は現物を6783億円買い越すなど合計で6866億円買い越し。なお、事業法人は現物を3266億円買い越した。
■日経平均は25日、75日、200日線をそれぞれ下回る
17日の米国株式市場は反発。ダウ平均は前日比334.70ドル高の43487.83ドル、ナスダックは同291.91ポイント高の19630.20で取引を終了した。大証ナイト・セッションの日経225先物は、日中終値比380円高の38830円で取引を終えた。日経平均は9日以降、6日連続で陰線が出現しており、25日移動平均線(25MA)、75日移動平均線(75MA)、200日移動平均線(200MA)をそれぞれ下回っている。これらの水準を終値ベースで全て下回るのは、昨年10月25日以来となる。38000円割れは何とか回避したが、買い手不在の状況は続きトレンドは弱い。週明けの日経平均は反発スタートとなりそうだが、仮に節目の38000円を割り込むと、下値を模索する可能性があるチャート形状と言えよう。
東京市場の買い手不在の背景としては、20日のトランプ第二次政権の発足が大きい。市場では大統領就任式を迎えた20日の段階で、矢継ぎ早に関税引き上げなどの政策をSNSにて改めて発信すると見られている。最新情報では「関税引き上げは段階的な制度をとる」との話も聞かれるが、正式に発信されるまで不透明なことから、市場は疑心暗鬼に陥っており、買いを手控えている様子だ。
また、来週末の日銀会合を意識したイベントドリブン的な積極的な売買も見られず、様子見姿勢の強い地合いが続いている。報道では「過半の政策委員が追加利上げを支持する見通し」と伝っているため、利上げを実施しても市場はほぼ織り込み済みで、昨年7月末から8月上旬のような急変動は起きないと想定。植田日銀総裁から「段階的に利上げを実施していく」といったタカ派な発言がでれば話は別だが、ハト派な植田日銀総裁からそのような言葉は出ないだろう。為替市場では1ドル154円台を付けるなど円安ドル高は一服。円安一服を受けて、トヨタ自<7203>など自動車株の重しとなったが、利上げ実施となった場合、「脱デフレ」を意識した好意的な日本株買いが入るか注目したい。
■NISAを経由した個人投資家の年始の買いは一巡か
積極的な買い手が不在の一方、NISAを経由した個人投資家の買いが日本株を下支えしているとの見方はある。実際、昨年9月末時点におけるNISA経由の個人投資家の買い(2024年からのデータ)は海外投信が多いものの、日本株の割合は33%ほどで4.5兆円ある。単純計算で年間6兆円、毎月5000億円の買い需要が見込まれる。1月第1週の投資主体別売買動向で個人投資家が現物を6783億円買い越していたことから見ても、新年を迎え、成長投資枠が復活したタイミングで個人投資家は買いを入れていたようだ。週末の日経平均は確かに下げ幅を縮小したが、6日連続で陰線を残すなど底堅さは感じられない。個人投資家による年始のNISA経由の買いが1月第1週で一巡したとなれば、需給面は弱いと言えよう。
■24日に日銀政策金利を発表
来週、日本では、20日に11月機械受注、鉱工業生産(確報値)、23日に12月貿易収支、24日に政策金利、12月消費者物価指数などが予定されている。
海外では、20日に中・最優遇貸出金利、米・大統領就任式、21日に英・11月ILO失業率、12月失業率、失業保険申請件数、独・1月ZEW景況感指数、22日にNZ・第4四半期消費者物価指数、23日にトルコ・政策金利、米・週次新規失業保険申請件数、週次原油在庫、24日に仏・1月製造業PMI、サービス業PMI、独・1月製造業PMI、サービス業PMI、欧・ユーロ圏1月製造業PMI、サービス業PMI、英・1月製造業PMI、サービス業PMI、米・1月製造業PMI、サービス業PMI、コンポジットPMI、ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)、12月中古住宅販売件数などが予定されている。
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