注目トピックス 日本株
日新 Research Memo(1):2025年3月期は増収増益・大幅増配予想
配信日時:2025/01/14 13:31
配信元:FISCO
*13:31JST 日新 Research Memo(1):2025年3月期は増収増益・大幅増配予想
■要約
日新<9066>は1938年の創業以来90年近い歴史を誇る大手総合物流会社である。社名の由来である「日々新たに、また、日に新たなり」の精神を基本として、安全・迅速・低コストに高品質な物流・旅行サービスを提供することで、豊かな社会の実現に貢献するとともに、企業価値を高め、株主をはじめとする全てのステークホルダーの期待に応えることを経営の基本方針としている。
1. 「国際物流のパイオニア」として国際複合一貫輸送に強み
同社は物流事業、旅行事業、不動産事業を展開している。物流事業は国際複合一貫輸送、海外物流、航空貨物輸送、港湾運送、自動車運送、倉庫、構内作業などを、旅行事業は主に企業・団体向けの旅行業を、不動産事業は主に京浜地区において不動産賃貸を行っている。物流事業は世界24の国・地域のグローバル・ロジスティクス・ネットワークを活用して、トラック・鉄道・船舶・航空機など陸海空全ての輸送手段を最適に組み合わせた輸送ルートを構築し、自動車関連・化学品・食品・機械設備・医薬品など多様な産業の貨物について高品質の輸送サービスを提供している。特に「国際物流のパイオニア」として国際複合一貫輸送を強みとしている。
2. 2025年3月期中間期は計画水準の増収増益と順調
2025年3月期中間期の連結業績は、売上高が前年同期比13.5%増の93,452百万円、営業利益が同10.1%増の4,543百万円、経常利益が同3.3%増の4,974百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同112.6%増の7,743百万円だった。おおむね前回予想(2024年5月9日付の期初公表値)水準の増収増益と順調だった。売上面は全セグメントが増収と順調に推移した。利益面は物流事業において海外の一部地域が伸び悩んだものの、日本が堅調に推移し、旅行事業と不動産事業も伸長した。なお親会社株主に帰属する中間純利益については、政策保有株式売却により、特別利益で投資有価証券売却益6,569百万円を計上したため大幅増益だった。
3. 2025年3月期通期は期初計画を据え置いて増収増益予想
2025年3月期通期の連結業績予想は、売上高が前期比7.7%増の183,000百万円、営業利益が同12.7%増の9,100百万円、経常利益が同3.6%増の9,800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同19.1%増の10,300百万円としている。想定為替レートは1米ドル151円(2024年3月期実績は1米ドル=151円)である。期初計画を据え置いて増収増益予想としている。全セグメントで増収増益を見込んでいる。物流事業ではアジアと中国の回復が鈍いが、日本と欧州が堅調に推移し、米州の回復も寄与する見込みだ。中間期の進捗率は売上高が51.1%、営業利益が49.9%、経常利益が50.8%、親会社株主に帰属する当期純利益が75.2%と順調であり、通期ベースでも好業績が期待できるだろうと弊社では考えている。
4. 中期経営計画「NN7」フェーズ2はさらなる成長を図るステージ
同社は2022年3月に、第7次中期経営計画「Nissin Next 7th(以下、NN7)」(2022年4月~2027年3月)を策定し、フェーズ1(2022年4月~2024年3月)は事業ポートフォリオ戦略の推進、ESG経営の推進、DXの推進の3点に重点を置いて事業基盤・経営基盤を強化するステージ、フェーズ2(2024年4月~2027年3月)は企業価値を高める新しい施策によってさらなる成長を図るステージと位置付けた。フェーズ2では重点分野を自動車関連物流、化学品・危険品物流、食品物流として、産業別営業体制による事業の深耕・拡大を図る。資本政策については、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて、株主還元充実化と資本効率化を進める。配当についてはDOE(株主資本配当率)4.0%を下限とする累進配当を基本方針として、2025年3月期は大幅増配予想としている。成長投資と新規事業の拡大による収益性向上、政策保有株式縮減による資本効率性改善などの施策によってROEの向上を図るとともに、ESG経営や株主還元の強化、さらに投資家との対話などIR活動も強化して、PBR1倍超の早期達成に取り組む方針だ。
5. 株主還元強化や資本効率改善を評価、NN7フェーズ2の進捗状況に注目
同社が主力とする物流事業は景気変動の影響を受けやすく、業績変動の一因となることを否定できないが、配当についてDOE4.0%を下限とする累進配当を基本方針とするなど、株主還元強化や資本効率改善に向けた経営姿勢を強めており、この点で安定的な投資対象となりうるだろうと弊社では評価している。今後は全体としての利益率向上が課題となるが、同社は中期経営計画「NN7」フェーズ2、さらにその先の成長戦略として、従来型の輸送サービスの拡大にとどまらず、脱炭素・循環型社会の実現に貢献する成長分野・新領域のサービス拡大、デジタルやAIを活用した新サービスの開発・事業化への取り組みを加速させる方針としている。こうした取り組みの成果で利益率が着実に向上することも期待される。したがって中期経営計画「NN7」フェーズ2の進捗状況に注目したいと弊社では考えている。
■Key Points
・「国際物流のパイオニア」として国際複合一貫輸送に強み
・2025年3月期中間期は計画水準の増収増益と順調
・2025年3月期通期は期初計画を据え置いて増収増益予想
・中期経営計画「NN7」フェーズ2はさらなる成長を図るステージ
・株主還元強化や資本効率改善を評価、NN7フェーズ2の進捗状況に注目
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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日新<9066>は1938年の創業以来90年近い歴史を誇る大手総合物流会社である。社名の由来である「日々新たに、また、日に新たなり」の精神を基本として、安全・迅速・低コストに高品質な物流・旅行サービスを提供することで、豊かな社会の実現に貢献するとともに、企業価値を高め、株主をはじめとする全てのステークホルダーの期待に応えることを経営の基本方針としている。
1. 「国際物流のパイオニア」として国際複合一貫輸送に強み
同社は物流事業、旅行事業、不動産事業を展開している。物流事業は国際複合一貫輸送、海外物流、航空貨物輸送、港湾運送、自動車運送、倉庫、構内作業などを、旅行事業は主に企業・団体向けの旅行業を、不動産事業は主に京浜地区において不動産賃貸を行っている。物流事業は世界24の国・地域のグローバル・ロジスティクス・ネットワークを活用して、トラック・鉄道・船舶・航空機など陸海空全ての輸送手段を最適に組み合わせた輸送ルートを構築し、自動車関連・化学品・食品・機械設備・医薬品など多様な産業の貨物について高品質の輸送サービスを提供している。特に「国際物流のパイオニア」として国際複合一貫輸送を強みとしている。
2. 2025年3月期中間期は計画水準の増収増益と順調
2025年3月期中間期の連結業績は、売上高が前年同期比13.5%増の93,452百万円、営業利益が同10.1%増の4,543百万円、経常利益が同3.3%増の4,974百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同112.6%増の7,743百万円だった。おおむね前回予想(2024年5月9日付の期初公表値)水準の増収増益と順調だった。売上面は全セグメントが増収と順調に推移した。利益面は物流事業において海外の一部地域が伸び悩んだものの、日本が堅調に推移し、旅行事業と不動産事業も伸長した。なお親会社株主に帰属する中間純利益については、政策保有株式売却により、特別利益で投資有価証券売却益6,569百万円を計上したため大幅増益だった。
3. 2025年3月期通期は期初計画を据え置いて増収増益予想
2025年3月期通期の連結業績予想は、売上高が前期比7.7%増の183,000百万円、営業利益が同12.7%増の9,100百万円、経常利益が同3.6%増の9,800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同19.1%増の10,300百万円としている。想定為替レートは1米ドル151円(2024年3月期実績は1米ドル=151円)である。期初計画を据え置いて増収増益予想としている。全セグメントで増収増益を見込んでいる。物流事業ではアジアと中国の回復が鈍いが、日本と欧州が堅調に推移し、米州の回復も寄与する見込みだ。中間期の進捗率は売上高が51.1%、営業利益が49.9%、経常利益が50.8%、親会社株主に帰属する当期純利益が75.2%と順調であり、通期ベースでも好業績が期待できるだろうと弊社では考えている。
4. 中期経営計画「NN7」フェーズ2はさらなる成長を図るステージ
同社は2022年3月に、第7次中期経営計画「Nissin Next 7th(以下、NN7)」(2022年4月~2027年3月)を策定し、フェーズ1(2022年4月~2024年3月)は事業ポートフォリオ戦略の推進、ESG経営の推進、DXの推進の3点に重点を置いて事業基盤・経営基盤を強化するステージ、フェーズ2(2024年4月~2027年3月)は企業価値を高める新しい施策によってさらなる成長を図るステージと位置付けた。フェーズ2では重点分野を自動車関連物流、化学品・危険品物流、食品物流として、産業別営業体制による事業の深耕・拡大を図る。資本政策については、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて、株主還元充実化と資本効率化を進める。配当についてはDOE(株主資本配当率)4.0%を下限とする累進配当を基本方針として、2025年3月期は大幅増配予想としている。成長投資と新規事業の拡大による収益性向上、政策保有株式縮減による資本効率性改善などの施策によってROEの向上を図るとともに、ESG経営や株主還元の強化、さらに投資家との対話などIR活動も強化して、PBR1倍超の早期達成に取り組む方針だ。
5. 株主還元強化や資本効率改善を評価、NN7フェーズ2の進捗状況に注目
同社が主力とする物流事業は景気変動の影響を受けやすく、業績変動の一因となることを否定できないが、配当についてDOE4.0%を下限とする累進配当を基本方針とするなど、株主還元強化や資本効率改善に向けた経営姿勢を強めており、この点で安定的な投資対象となりうるだろうと弊社では評価している。今後は全体としての利益率向上が課題となるが、同社は中期経営計画「NN7」フェーズ2、さらにその先の成長戦略として、従来型の輸送サービスの拡大にとどまらず、脱炭素・循環型社会の実現に貢献する成長分野・新領域のサービス拡大、デジタルやAIを活用した新サービスの開発・事業化への取り組みを加速させる方針としている。こうした取り組みの成果で利益率が着実に向上することも期待される。したがって中期経営計画「NN7」フェーズ2の進捗状況に注目したいと弊社では考えている。
■Key Points
・「国際物流のパイオニア」として国際複合一貫輸送に強み
・2025年3月期中間期は計画水準の増収増益と順調
・2025年3月期通期は期初計画を据え置いて増収増益予想
・中期経営計画「NN7」フェーズ2はさらなる成長を図るステージ
・株主還元強化や資本効率改善を評価、NN7フェーズ2の進捗状況に注目
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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