注目トピックス 市況・概況
来週の相場で注目すべき3つのポイント:日銀副総裁講演・記者会見、米CPI、米小売売上高
配信日時:2025/01/11 17:31
配信元:FISCO
*17:31JST 来週の相場で注目すべき3つのポイント:日銀副総裁講演・記者会見、米CPI、米小売売上高
■株式相場見通し
予想レンジ:上限39700円-下限38500円
10日の米国株式市場は下落。ダウ平均は前日比696.75ドル安の41938.45ドル、ナスダックは同317.25ポイント安の19161.63で取引を終了した。大証ナイト・セッションの日経225先物は、日中終値比480円安の38770円で取引を終えた。想定以上に強い12月米雇用統計を受けて、年内利下げ幅縮小観測が強まり米国株は下落。先物市場では、39000円台及び75日移動平均線(75MA:38909円)も下回った。
市場は、改めて強い米国経済による年内利下げ幅縮小の可能性とトランプリスクを再認識した様子だ。グリーンランドに関する話は、既にデンマーク首相がトランプ氏との会談に前向きと伝わっていることから、「最初にぶち上げてから対話を進める」いつものトランプ外交に見える。ただ、昨年最後に開催された12月米連邦公開市場委員会(FOMC)で、トランプ次期政権による関税引き上げとインフレ率の高止まりに米連邦準備制度理事会(FRB)が警戒感を強めていたことが公開された矢先だったことから、トランプリスク再燃につながったと考える。また、来週は、米国の12月消費者物価指数(CPI)や小売売上高など米利下げ判断に重要な経済指標の発表が相次ぐため、米雇用統計同様、市場予想よりも強い数字だった場合を警戒し、先回りした売りが出たようだ。新規の買い材料不足の東京市場は、米国株の追い風が期待しにくい状況下、積極的な買いは手控えられよう。
日本の長期金利の指標となる10年物国債利回りは、1.20%台と13年半ぶりの水準まで上昇している。日本銀行による利上げ実施期待が高まっているわけではなく、米金利の上昇が直接的な要因と考えるが、日本の金利上昇は、地銀やメガバンク、保険など金融株の買い材料となろう。目に見えて金融株が強い地合いとはなっていないが、金融株の動向には引き続き注目したい。一方、米金利上昇を受けて、ドルインデックスは22年11月以来の109.4水準まで上昇するなどドル独歩高の地合いは変わらず。日米金利差拡大への思惑も根強いことから、為替市場では1ドル157円から158円を推移している。
急ピッチな円安進行ではないことから、政府・日銀による為替介入実施の思惑は高まっておらず、来週の米経済指標が市場予想よりも強かった場合、ドル・円は24年7月以来となる1ドル160円台乗せも視野に入ろう。円安推移は自動車株など輸出関連銘柄への下支えとなりそうだが、トランプリスクに伴う貿易摩擦懸念が高まっているなか、素直に輸出関連銘柄が買われる楽観的な相場展開とはなりにくいだろう。
■為替市場見通し
来週のドル・円は底堅い値動きか。米連邦準備制度理事会(FRB)の追加緩和姿勢の後退を受け、ドル高円安の流れは継続しそうだ。1月8日に公表された連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(12月17-18日開催)の議事要旨で、インフレ鈍化の一服について認識を共有。また、トランプ政権の政策運営によるインフレ再燃を懸念していることが明らかになった。米国のインフレ指標に対する関心が再び高まりそうだ。14日発表の12月生産者物価指数(PPI)、15日発表の12月消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回った場合、1月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で利下げ見送りの可能性が一段と高まり、ドル買い・円売りが強まりそうだ。
一方、12月ISM非製造業景況指数など主要指標は改善が示され、16日発表の12月小売売上高が強い内容なら景況感の回復を好感したドル買いも見込まれる。トランプ政権発足に向け、政策期待が高まればドル買いを後押しか。ただ、日本政府は2024年に1ドル=158円以上の水準で為替介入を実施しており、円安進行によって為替介入に対する警戒感が一段と高まった場合、リスク回避の米ドル売り・円買いが強まり、ドルの上昇を抑えるとみられる。
■来週の注目スケジュール
1月13日(月):株式市場は祝日のため休場(成人の日)、米・財政収支(12月)、中・貿易収支(12月)、中・資金調達総額(12月、15日までに)、中・元建て新規貸出残高(12月、15日までに)など
1月14日(火):氷見野日銀副総裁が神奈川県金融経済懇談会で講演、国際収支(経常収支)(11月)、景気ウォッチャー調査 現状判断(12月)、景気ウォッチャー調査 先行き判断(12月)、銀行貸出動向(含信金前年比)(12月)、米・生産者物価コア指数(12月)など
1月15日(水):工作機械受注(12月)、訪日外客数(12月)、米・消費者物価コア指数(12月)、米・ニューヨーク連銀製造業景気指数(1月)、米・地区連銀経済報告(ベージュブック)公表、欧・ユーロ圏鉱工業生産(11月)、独・GDP(2024年)、英・消費者物価コア指数(12月)、英・生産者物価産出指数(12月)、石油輸出国機構(OPEC)月報など
1月16日(木):国内企業物価指数(12月)、米・新規失業保険申請件数(先週)、米・小売売上高(12月)、米・フィラデルフィア連銀製造業景況指数(12月)、米・企業在庫(11月)、米・NAHB住宅市場指数(1月)、欧・欧州中央銀行(ECB)議事要旨(12月会合)、欧・ユーロ圏貿易収支(11月)、英・鉱工業生産指数(11月)、英・商品貿易収支(11月)、豪・失業率(12月)、中・SWIFTグローバル支払い元建て(12月)、独・CPI(12月)など
1月17日(金):米・鉱工業生産(12月)、米・住宅着工件数(12月)、米・住宅建設許可件数(12月)、米・対米証券投資収支(ネット長期TICフロー)(11月)、欧・ユーロ圏CPI(12月)、欧・ユーロ圏経常収支(11月)、英・小売売上高指数(12月)、中・新築住宅価格(12月)、中・中古住宅価格(12月)、中・GDP(10-12月)、中・鉱工業生産指数(12月)、中・小売売上高(12月)、中・固定資産投資(都市部)(12月)、中・不動産投資(12月)、中・調査失業率(12月)など
<YU>
予想レンジ:上限39700円-下限38500円
10日の米国株式市場は下落。ダウ平均は前日比696.75ドル安の41938.45ドル、ナスダックは同317.25ポイント安の19161.63で取引を終了した。大証ナイト・セッションの日経225先物は、日中終値比480円安の38770円で取引を終えた。想定以上に強い12月米雇用統計を受けて、年内利下げ幅縮小観測が強まり米国株は下落。先物市場では、39000円台及び75日移動平均線(75MA:38909円)も下回った。
市場は、改めて強い米国経済による年内利下げ幅縮小の可能性とトランプリスクを再認識した様子だ。グリーンランドに関する話は、既にデンマーク首相がトランプ氏との会談に前向きと伝わっていることから、「最初にぶち上げてから対話を進める」いつものトランプ外交に見える。ただ、昨年最後に開催された12月米連邦公開市場委員会(FOMC)で、トランプ次期政権による関税引き上げとインフレ率の高止まりに米連邦準備制度理事会(FRB)が警戒感を強めていたことが公開された矢先だったことから、トランプリスク再燃につながったと考える。また、来週は、米国の12月消費者物価指数(CPI)や小売売上高など米利下げ判断に重要な経済指標の発表が相次ぐため、米雇用統計同様、市場予想よりも強い数字だった場合を警戒し、先回りした売りが出たようだ。新規の買い材料不足の東京市場は、米国株の追い風が期待しにくい状況下、積極的な買いは手控えられよう。
日本の長期金利の指標となる10年物国債利回りは、1.20%台と13年半ぶりの水準まで上昇している。日本銀行による利上げ実施期待が高まっているわけではなく、米金利の上昇が直接的な要因と考えるが、日本の金利上昇は、地銀やメガバンク、保険など金融株の買い材料となろう。目に見えて金融株が強い地合いとはなっていないが、金融株の動向には引き続き注目したい。一方、米金利上昇を受けて、ドルインデックスは22年11月以来の109.4水準まで上昇するなどドル独歩高の地合いは変わらず。日米金利差拡大への思惑も根強いことから、為替市場では1ドル157円から158円を推移している。
急ピッチな円安進行ではないことから、政府・日銀による為替介入実施の思惑は高まっておらず、来週の米経済指標が市場予想よりも強かった場合、ドル・円は24年7月以来となる1ドル160円台乗せも視野に入ろう。円安推移は自動車株など輸出関連銘柄への下支えとなりそうだが、トランプリスクに伴う貿易摩擦懸念が高まっているなか、素直に輸出関連銘柄が買われる楽観的な相場展開とはなりにくいだろう。
■為替市場見通し
来週のドル・円は底堅い値動きか。米連邦準備制度理事会(FRB)の追加緩和姿勢の後退を受け、ドル高円安の流れは継続しそうだ。1月8日に公表された連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(12月17-18日開催)の議事要旨で、インフレ鈍化の一服について認識を共有。また、トランプ政権の政策運営によるインフレ再燃を懸念していることが明らかになった。米国のインフレ指標に対する関心が再び高まりそうだ。14日発表の12月生産者物価指数(PPI)、15日発表の12月消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回った場合、1月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で利下げ見送りの可能性が一段と高まり、ドル買い・円売りが強まりそうだ。
一方、12月ISM非製造業景況指数など主要指標は改善が示され、16日発表の12月小売売上高が強い内容なら景況感の回復を好感したドル買いも見込まれる。トランプ政権発足に向け、政策期待が高まればドル買いを後押しか。ただ、日本政府は2024年に1ドル=158円以上の水準で為替介入を実施しており、円安進行によって為替介入に対する警戒感が一段と高まった場合、リスク回避の米ドル売り・円買いが強まり、ドルの上昇を抑えるとみられる。
■来週の注目スケジュール
1月13日(月):株式市場は祝日のため休場(成人の日)、米・財政収支(12月)、中・貿易収支(12月)、中・資金調達総額(12月、15日までに)、中・元建て新規貸出残高(12月、15日までに)など
1月14日(火):氷見野日銀副総裁が神奈川県金融経済懇談会で講演、国際収支(経常収支)(11月)、景気ウォッチャー調査 現状判断(12月)、景気ウォッチャー調査 先行き判断(12月)、銀行貸出動向(含信金前年比)(12月)、米・生産者物価コア指数(12月)など
1月15日(水):工作機械受注(12月)、訪日外客数(12月)、米・消費者物価コア指数(12月)、米・ニューヨーク連銀製造業景気指数(1月)、米・地区連銀経済報告(ベージュブック)公表、欧・ユーロ圏鉱工業生産(11月)、独・GDP(2024年)、英・消費者物価コア指数(12月)、英・生産者物価産出指数(12月)、石油輸出国機構(OPEC)月報など
1月16日(木):国内企業物価指数(12月)、米・新規失業保険申請件数(先週)、米・小売売上高(12月)、米・フィラデルフィア連銀製造業景況指数(12月)、米・企業在庫(11月)、米・NAHB住宅市場指数(1月)、欧・欧州中央銀行(ECB)議事要旨(12月会合)、欧・ユーロ圏貿易収支(11月)、英・鉱工業生産指数(11月)、英・商品貿易収支(11月)、豪・失業率(12月)、中・SWIFTグローバル支払い元建て(12月)、独・CPI(12月)など
1月17日(金):米・鉱工業生産(12月)、米・住宅着工件数(12月)、米・住宅建設許可件数(12月)、米・対米証券投資収支(ネット長期TICフロー)(11月)、欧・ユーロ圏CPI(12月)、欧・ユーロ圏経常収支(11月)、英・小売売上高指数(12月)、中・新築住宅価格(12月)、中・中古住宅価格(12月)、中・GDP(10-12月)、中・鉱工業生産指数(12月)、中・小売売上高(12月)、中・固定資産投資(都市部)(12月)、中・不動産投資(12月)、中・調査失業率(12月)など
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