注目トピックス 市況・概況
国内株式市場見通し:米利下げ幅縮小の可能性や、トランプリスクを改めて意識する展開に
配信日時:2025/01/11 13:20
配信元:FISCO
*13:20JST 国内株式市場見通し:米利下げ幅縮小の可能性や、トランプリスクを改めて意識する展開に
■半導体株買われるもトランプ発言をネガティブ視
年末年始(24年12月30日から25年1月10日まで)の日経平均は1090.76円安(-2.71%)の39190.40円と下落。日本が年末年始の長期休暇入りしたなか、米国市場でNYダウがやや軟調に推移したことから、大発会の東京市場は徐々に売り優勢となり、日経平均は一時700円近い大幅安となった。売り一巡後は、半導体受託生産の世界最大手である台湾積体電路製造(TSMC)の決算発表を控え、良好な内容を先取りしようとする動きが活発となり、東京エレクトロン<8035>やアドバンテスト<6857>など値がさ半導体株が買われ、日経平均をけん引。大発会の翌日7日には終値ベースで40000円台を回復した。
ただ、トランプ米次期大統領による関税引き上げに関する発言やデンマーク領グリーンランドの購入発言などを受け、貿易摩擦の懸念などがネガティブ視されて日経平均は失速。週末は、日経平均インパクトが大きいファーストリテ<9983>が決算発表をきっかけに大幅安となったことも影響し、25日移動平均線(25MA:39395円)を明確に割り込み、39100円水準まで押し下げられた。なお、週末に算出された1月限オプション特別清算値(SQ値)は39343.19円。
24年12月第4週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を4663億円買い越したほか、TOPIX先物を1200億円買い越し、225先物は1000億円買い越したことから、合計6863億円の大幅な買い越しとなった。一方、個人投資家は現物を8433億円売り越すなど合計で8522億円売り越し。自己は現物を7657億円と大幅買い越し、事業法人は現物を123億円売り越し、26週ぶりの売り越しとなった。
■日経平均先物は75日線水準を下回る
10日の米国株式市場は下落。ダウ平均は前日比696.75ドル安の41938.45ドル、ナスダックは同317.25ポイント安の19161.63で取引を終了した。大証ナイト・セッションの日経225先物は、日中終値比480円安の38770円で取引を終えた。想定以上に強い12月米雇用統計を受けて、年内利下げ幅縮小観測が強まり米国株は下落。先物市場では、39000円台及び75日移動平均線(75MA:38909円)も下回った。
市場は、改めて強い米国経済による年内利下げ幅縮小の可能性とトランプリスクを再認識した様子だ。グリーンランドに関する話は、既にデンマーク首相がトランプ氏との会談に前向きと伝わっていることから、「最初にぶち上げてから対話を進める」いつものトランプ外交に見える。ただ、昨年最後に開催された12月米連邦公開市場委員会(FOMC)で、トランプ次期政権による関税引き上げとインフレ率の高止まりに米連邦準備制度理事会(FRB)が警戒感を強めていたことが公開された矢先だったことから、トランプリスク再燃につながったと考える。また、来週は、米国の12月消費者物価指数(CPI)や小売売上高など米利下げ判断に重要な経済指標の発表が相次ぐため、米雇用統計同様、市場予想よりも強い数字だった場合を警戒し、先回りした売りが出たようだ。新規の買い材料不足の東京市場は、米国株の追い風が期待しにくい状況下、積極的な買いは手控えられよう。
■10年物国債利回りは13年半ぶりの水準まで上昇
日本の長期金利の指標となる10年物国債利回りは、1.20%台と13年半ぶりの水準まで上昇している。日本銀行による利上げ実施期待が高まっているわけではなく、米金利の上昇が直接的な要因と考えるが、日本の金利上昇は、地銀やメガバンク、保険など金融株の買い材料となろう。目に見えて金融株が強い地合いとはなっていないが、金融株の動向には引き続き注目したい。一方、米金利上昇を受けて、ドルインデックスは22年11月以来の109.4水準まで上昇するなどドル独歩高の地合いは変わらず。日米金利差拡大への思惑も根強いことから、為替市場では1ドル157円から158円を推移している。
急ピッチな円安進行ではないことから、政府・日銀による為替介入実施の思惑は高まっておらず、来週の米経済指標が市場予想よりも強かった場合、ドル・円は24年7月以来となる1ドル160円台乗せも視野に入ろう。円安推移は自動車株など輸出関連銘柄への下支えとなりそうだが、トランプリスクに伴う貿易摩擦懸念が高まっているなか、素直に輸出関連銘柄が買われる楽観的な相場展開とはなりにくいだろう。
■15日に米CPI発表
来週、日本では、14日に11月国際収支、12月景気ウォッチャー調査、15日に12月マネーストックM2、16日に12月国内企業物価などが予定されている。
海外では、13日に中・12月貿易収支、14日に豪・1月Westpac消費者信頼感指数、米・12月生産者物価指数、15日に英・12月消費者物価指数、小売物価指数、生産者物価指数、欧・11月ユーロ圏鉱工業生産指数、米・12月消費者物価指数、1月NY連銀製造業景気指数、週次原油在庫、16日に豪・12月雇用統計、独・12月消費者物価指数、英・11月鉱工業生産指数、月次GDP、製造業生産高、貿易収支、米・週次新規失業保険申請件数、12月小売売上高、1月フィラデルフィア連銀景況指数、17日に中・12月新築住宅販売価格、第4四半期実質GDP、12月鉱工業生産指数、小売売上高、英・12月小売売上高、米・12月住宅着工件数、鉱工業生産指数などが予定されている。
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年末年始(24年12月30日から25年1月10日まで)の日経平均は1090.76円安(-2.71%)の39190.40円と下落。日本が年末年始の長期休暇入りしたなか、米国市場でNYダウがやや軟調に推移したことから、大発会の東京市場は徐々に売り優勢となり、日経平均は一時700円近い大幅安となった。売り一巡後は、半導体受託生産の世界最大手である台湾積体電路製造(TSMC)の決算発表を控え、良好な内容を先取りしようとする動きが活発となり、東京エレクトロン<8035>やアドバンテスト<6857>など値がさ半導体株が買われ、日経平均をけん引。大発会の翌日7日には終値ベースで40000円台を回復した。
ただ、トランプ米次期大統領による関税引き上げに関する発言やデンマーク領グリーンランドの購入発言などを受け、貿易摩擦の懸念などがネガティブ視されて日経平均は失速。週末は、日経平均インパクトが大きいファーストリテ<9983>が決算発表をきっかけに大幅安となったことも影響し、25日移動平均線(25MA:39395円)を明確に割り込み、39100円水準まで押し下げられた。なお、週末に算出された1月限オプション特別清算値(SQ値)は39343.19円。
24年12月第4週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を4663億円買い越したほか、TOPIX先物を1200億円買い越し、225先物は1000億円買い越したことから、合計6863億円の大幅な買い越しとなった。一方、個人投資家は現物を8433億円売り越すなど合計で8522億円売り越し。自己は現物を7657億円と大幅買い越し、事業法人は現物を123億円売り越し、26週ぶりの売り越しとなった。
■日経平均先物は75日線水準を下回る
10日の米国株式市場は下落。ダウ平均は前日比696.75ドル安の41938.45ドル、ナスダックは同317.25ポイント安の19161.63で取引を終了した。大証ナイト・セッションの日経225先物は、日中終値比480円安の38770円で取引を終えた。想定以上に強い12月米雇用統計を受けて、年内利下げ幅縮小観測が強まり米国株は下落。先物市場では、39000円台及び75日移動平均線(75MA:38909円)も下回った。
市場は、改めて強い米国経済による年内利下げ幅縮小の可能性とトランプリスクを再認識した様子だ。グリーンランドに関する話は、既にデンマーク首相がトランプ氏との会談に前向きと伝わっていることから、「最初にぶち上げてから対話を進める」いつものトランプ外交に見える。ただ、昨年最後に開催された12月米連邦公開市場委員会(FOMC)で、トランプ次期政権による関税引き上げとインフレ率の高止まりに米連邦準備制度理事会(FRB)が警戒感を強めていたことが公開された矢先だったことから、トランプリスク再燃につながったと考える。また、来週は、米国の12月消費者物価指数(CPI)や小売売上高など米利下げ判断に重要な経済指標の発表が相次ぐため、米雇用統計同様、市場予想よりも強い数字だった場合を警戒し、先回りした売りが出たようだ。新規の買い材料不足の東京市場は、米国株の追い風が期待しにくい状況下、積極的な買いは手控えられよう。
■10年物国債利回りは13年半ぶりの水準まで上昇
日本の長期金利の指標となる10年物国債利回りは、1.20%台と13年半ぶりの水準まで上昇している。日本銀行による利上げ実施期待が高まっているわけではなく、米金利の上昇が直接的な要因と考えるが、日本の金利上昇は、地銀やメガバンク、保険など金融株の買い材料となろう。目に見えて金融株が強い地合いとはなっていないが、金融株の動向には引き続き注目したい。一方、米金利上昇を受けて、ドルインデックスは22年11月以来の109.4水準まで上昇するなどドル独歩高の地合いは変わらず。日米金利差拡大への思惑も根強いことから、為替市場では1ドル157円から158円を推移している。
急ピッチな円安進行ではないことから、政府・日銀による為替介入実施の思惑は高まっておらず、来週の米経済指標が市場予想よりも強かった場合、ドル・円は24年7月以来となる1ドル160円台乗せも視野に入ろう。円安推移は自動車株など輸出関連銘柄への下支えとなりそうだが、トランプリスクに伴う貿易摩擦懸念が高まっているなか、素直に輸出関連銘柄が買われる楽観的な相場展開とはなりにくいだろう。
■15日に米CPI発表
来週、日本では、14日に11月国際収支、12月景気ウォッチャー調査、15日に12月マネーストックM2、16日に12月国内企業物価などが予定されている。
海外では、13日に中・12月貿易収支、14日に豪・1月Westpac消費者信頼感指数、米・12月生産者物価指数、15日に英・12月消費者物価指数、小売物価指数、生産者物価指数、欧・11月ユーロ圏鉱工業生産指数、米・12月消費者物価指数、1月NY連銀製造業景気指数、週次原油在庫、16日に豪・12月雇用統計、独・12月消費者物価指数、英・11月鉱工業生産指数、月次GDP、製造業生産高、貿易収支、米・週次新規失業保険申請件数、12月小売売上高、1月フィラデルフィア連銀景況指数、17日に中・12月新築住宅販売価格、第4四半期実質GDP、12月鉱工業生産指数、小売売上高、英・12月小売売上高、米・12月住宅着工件数、鉱工業生産指数などが予定されている。
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