注目トピックス 日本株
天昇電 Research Memo(1):歴史ある合成樹脂成形品メーカー。非自動車向けの拡充を進める
配信日時:2025/01/06 15:51
配信元:FISCO
*15:51JST 天昇電 Research Memo(1):歴史ある合成樹脂成形品メーカー。非自動車向けの拡充を進める
■要約
天昇電気工業<6776>は、1936年(昭和11年)に創業した歴史のある合成樹脂(プラスチック)成形品メーカーである。その間に培われた技術力は高く、顧客との信頼関係も厚い。製品の向け先は幅広い業種に及んでいるが、現在は自動車向けの比率が高い(約60%)。今後は、内需向けの製品を拡充する方針である。長い間業績低迷に苦しんだが、2017年3月期に復配(年間3円)し、2024年3月期には年間5円へ増配した。足元では偽装問題による自動車の生産調整の影響を受けたが、非自動車分野への投資を積極化しており、今後の動向が注目される。
1. 2025年3月期中間期の連結業績
2025年3月期第2四半期(以下、中間期)の連結業績は、売上高13,667百万円(前年同期比6.4%増)、営業利益291百万円(同42.0%減)、経常利益309百万円(同57.4%減)、親会社株主に帰属する中間純利益174百万円(同69.2%減)となり、営業利益は期初予想(550百万円)を大きく下回った。主要な向け先である自動車メーカーが、データ偽装問題で生産調整を行ったことが主要因だ。一方で、米国で積極的に投資を行ってきた物流向け製品の製造は順調に拡大したが、自動車向けを補うところまではいかなかった。減価償却費は1,103百万円(前年同期比2.3%増)であったことから、減価償却前営業利益(EBITDA)は1,394百万円(同11.8%減)に留まり、営業利益ほどは落ちていない点は注視すべきだろう。減益とは言え、利益を計上しているので、財務基盤はさらに強化されたと言える。
2. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期通期の業績は、売上高28,500百万円(前期比5.9%増)、営業利益1,000百万円(同5.9%減)、経常利益1,000百万円(同24.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益600百万円(同36.8%減)を予想しており、上半期の不振から営業利益は期初予想(1,400百万円)から下方修正された。ただしこの予想では下半期の業績も下方修正されたことになるが、主要顧客である大手自動車メーカーの生産は下半期には通常に戻っている点を考えると、この予想は固めの予想と思われる。米国での物流事業も堅調に推移しているとのことであり、修正された予想を下回ることはないと弊社では見ている。さらに通年の減価償却費は2,000百万円ほどの予想であることから、EBITDAは3,000百万円(前期比9.0%減)となる見込みで、注目する必要がありそうだ。
3. 年間5円配当は継続。非自動車分野への積極的な投資が回収期入りへ
同社は2017年3月期からは年間3円の配当を継続してきたが、2024年3月期から年間5円へ増配した。進行中の2025年3月期は減益予想であるが、前期と同様の年間5円配当を予定している。主要顧客の生産調整により足元の業績は足踏みとなっているが、これは一過性のものだ。今後さらに業績が拡大するようになれば増配の可能性もありそうで、動向が楽しみである。
■Key Points
・プラスチック製品の老舗メーカー。技術力は高く顧客からの信頼は厚い
・2025年3月期は5.9%の営業減益予想だが、上振れの可能性も
・年間5円配当を継続。米国子会社の大型設備投資の回収が進めば増配の可能性も
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<YS>
天昇電気工業<6776>は、1936年(昭和11年)に創業した歴史のある合成樹脂(プラスチック)成形品メーカーである。その間に培われた技術力は高く、顧客との信頼関係も厚い。製品の向け先は幅広い業種に及んでいるが、現在は自動車向けの比率が高い(約60%)。今後は、内需向けの製品を拡充する方針である。長い間業績低迷に苦しんだが、2017年3月期に復配(年間3円)し、2024年3月期には年間5円へ増配した。足元では偽装問題による自動車の生産調整の影響を受けたが、非自動車分野への投資を積極化しており、今後の動向が注目される。
1. 2025年3月期中間期の連結業績
2025年3月期第2四半期(以下、中間期)の連結業績は、売上高13,667百万円(前年同期比6.4%増)、営業利益291百万円(同42.0%減)、経常利益309百万円(同57.4%減)、親会社株主に帰属する中間純利益174百万円(同69.2%減)となり、営業利益は期初予想(550百万円)を大きく下回った。主要な向け先である自動車メーカーが、データ偽装問題で生産調整を行ったことが主要因だ。一方で、米国で積極的に投資を行ってきた物流向け製品の製造は順調に拡大したが、自動車向けを補うところまではいかなかった。減価償却費は1,103百万円(前年同期比2.3%増)であったことから、減価償却前営業利益(EBITDA)は1,394百万円(同11.8%減)に留まり、営業利益ほどは落ちていない点は注視すべきだろう。減益とは言え、利益を計上しているので、財務基盤はさらに強化されたと言える。
2. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期通期の業績は、売上高28,500百万円(前期比5.9%増)、営業利益1,000百万円(同5.9%減)、経常利益1,000百万円(同24.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益600百万円(同36.8%減)を予想しており、上半期の不振から営業利益は期初予想(1,400百万円)から下方修正された。ただしこの予想では下半期の業績も下方修正されたことになるが、主要顧客である大手自動車メーカーの生産は下半期には通常に戻っている点を考えると、この予想は固めの予想と思われる。米国での物流事業も堅調に推移しているとのことであり、修正された予想を下回ることはないと弊社では見ている。さらに通年の減価償却費は2,000百万円ほどの予想であることから、EBITDAは3,000百万円(前期比9.0%減)となる見込みで、注目する必要がありそうだ。
3. 年間5円配当は継続。非自動車分野への積極的な投資が回収期入りへ
同社は2017年3月期からは年間3円の配当を継続してきたが、2024年3月期から年間5円へ増配した。進行中の2025年3月期は減益予想であるが、前期と同様の年間5円配当を予定している。主要顧客の生産調整により足元の業績は足踏みとなっているが、これは一過性のものだ。今後さらに業績が拡大するようになれば増配の可能性もありそうで、動向が楽しみである。
■Key Points
・プラスチック製品の老舗メーカー。技術力は高く顧客からの信頼は厚い
・2025年3月期は5.9%の営業減益予想だが、上振れの可能性も
・年間5円配当を継続。米国子会社の大型設備投資の回収が進めば増配の可能性も
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<YS>
Copyright(c) FISCO Ltd. All rights reserved.
ニュースカテゴリ
注目トピックス 市況・概況
NY市場・クローズ
海外市場動向
注目トピックス 日本株
注目トピックス 経済総合
強弱材料
コラム【EMW】
オープニングコメント
日経225・本日の想定レンジ
寄り付き概況
新興市場スナップショット
注目トピックス 外国株
個別銘柄テクニカルショット
ランチタイムコメント
後場の投資戦略
後場の寄り付き概況
相場概況
本日の注目個別銘柄
JASDAQ市況
マザーズ市況
Miniトピック
来週の買い需要
日経QUICKニュース
みんかぶニュース 投資家動向
みんかぶニュース 為替・FX
みんかぶニュース 市況・概況
みんかぶニュース 個別・材料
みんかぶニュース コラム
みんかぶニュース その他
ビットコインニュース
アルトコインニュース
GRICI
暗号資産速報
Reuters Japan Online Report Business News
金融ウォッチ その他
FISCO その他
グロース市況
