注目トピックス 日本株
CSSHD Research Memo(3):2024年9月期は3事業とも堅調。上方修正予想を上回る好決算
配信日時:2025/01/06 14:03
配信元:FISCO
*14:03JST CSSHD Research Memo(3):2024年9月期は3事業とも堅調。上方修正予想を上回る好決算
■CSSホールディングス<2304>の業績動向
1. 2024年9月期の業績概要
2024年9月期におけるわが国経済は、雇用や所得環境が改善するなかで緩やかな回復基調で推移した。一方、長引く円安や原材料価格・エネルギーコストの上昇に伴い生活必需品の値上げが続いており、個人消費の持ち直しの動きに足踏みが見られ、加えて不安定な国際情勢における地政学的リスクの高まりなど懸念材料も多く、依然として先行き不透明な状況が続いている。同社グループが関係するレジャー・観光・飲食業界においては、新規ホテル開業が依然引き続いていること、外食、宿泊・温泉施設、遊園地・テーマパークなど外出を伴うレジャーの参加人口が全般的に伸びていること、訪日客のインバウンド需要も伸びており、これらに加えて物価や消費単価が上がっていることなどが、マーケットの拡大に寄与した。
こうした事業環境のなか、同社グループの2024年9月期連結業績は、売上高で前期比18.9%増の17,631百万円、営業利益で同115.9%増の595百万円、経常利益で同100.9%増の630百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同86.4%増の429百万円と、大幅な増収増益となった。同社では第2四半期決算発表時に通期業績予想を上方修正していたが、この修正予想をさらに上回る好決算で、2024年9月期を最終年度とする中期経営計画の業績目標を超過して着地した。修正予想も引き続き保守的な予想を発表していたが、結果的には3事業とも堅調で、スチュワード事業を中心に下期も好調に推移し、フードサービス事業は年間を通じて好調であったことが要因として挙げられる。従来は上期偏重型の業績であったが、2024年9月期は下期も堅調に推移したことで、営業利益率は前期の1.9%から3.4%へと大きく改善した。コロナ禍により人件費などの固定費が利益を圧迫していた状況が続いたが、2024年9月期はコロナ禍の影響が収まり、事業も正常化に向かったことで営業利益率が上昇した。事業環境の改善や同社の取り組みが反映された好決算であったと弊社では評価している。
2. 事業セグメント別動向
(1) スチュワード事業
売上高は過去最高の8,487百万円(前期比28.0%増)、営業利益は538百万円(同110.6%増)、営業利益率は6.3%(同2.4ポイント上昇)と、大幅な増収増益で全体の好業績をけん引した。ホテルの開業に伴う新規顧客の獲得は順調で、前期に取引を開始した顧客が通期で業績に寄与した。加えて、取引先ホテルの宿泊費増加に応じて同社の売上が増える契約による既存取引からの収益拡大が大きく、増収増益に寄与した。
2024年9月期においては、年間で19件の新規事業所を開業した。単に稼働が高いだけではない、新たな現場を立ち上げる負荷の高いシーズンとなった。ベテラン人材を中心に全国規模で体制を相互サポートしつつ、年間で845人の純増となった社員及びパート・アルバイトの育成を並行して進め、2025年9月期の売上底上げのベースを着実に作った。また、労働環境のモニタリング強化やケガや事故事例の迅速な共有と対応など、稼働の高まりによって生まれがちな無理やムラ、気のゆるみを予防強化した。
同事業のトピックスとしては、東京ビッグサイトで開催されたワインイベント「Pro Wine Tokyo 2024」の会場内でワイングラスを洗浄する機会があった。また、「BRING Material」のリサイクル素材を使用した新ユニフォームを導入したほか、武蔵野調理師専門学校の『環境と食』カリキュラムにおいてSDGs講義を同社社長が行うなど社会的な取り組みにも積極的に参加した。
(2) フードサービス事業
売上高は3,919百万円(前期比21.1%増)、営業利益は104百万円(同20.2%増)、営業利益率は2.7%(同増減なし)となった。同事業ではホテルでの飲食に応じて売上が計上されるが、訪日外国人の増加に伴いホテルで食事を取る外国人が増えたこと、飲食にかける価格が上昇したことなどが寄与した。ただ、従来はほかの事業が負担していた総務・労務・人事等の販管費を見直し、前期より同事業が負担すべき販管費を計上するようになったため、営業利益率は低位に留まった。
2024年9月期においては、依然として宿泊特化型ホテルにおける朝食レストランの需要の伸びが売上の底上げに寄与した。食材の高騰や円安が影響し、喫食単価の上昇も売上増につながった。新規事業所の開業は、年間で10件の業務受託スタートとなった。このうち2件が、近年第3の柱として注力している老人ホーム等ライフケア分野である。新卒採用の人員も、この分野のスキル・知識習得者を増やすことを目的に集中的に配属しており、2025年9月期のマーケット開拓に期待が持てる期となった。
同事業のトピックスとしては、新たな取り組みとして朝食ビュッフェの受託を請けているホテルでランチ営業の取り組みをスタートしたことである。また、かねてより参画して進めてきた大阪農業園芸・食テクノロジー専門学校との産学連携企業プロジェクトにおいて入選した肉不使用の大豆ミートで実現したガレットやスコッチエッグといったメニューが、センダンが運営するレストラン「ナンバリボン」で提供された。
(3) 空間プロデュース事業
売上高は5,236百万円(前期比5.6%増)、営業利益は224百万円(同81.1%増)、営業利益率は4.3%(同1.8ポイント上昇)となった。収益マネジメントを強化した結果、大幅な増益となった。同事業では終了後に売上を計上するため、早期に収益計上できるものを中心に施行を進めたことや利益率の高い海外ブランド音響設備の比率を増やしたことの結果である。
2024年9月期においては、引き続き堅調な監視カメラ関連及び音響・映像関連設備の新規設置及び更新が収益を支えた。また、売上の伸びに対して利益の伸びが格段に高いことは、近年のコスト意識の強化の成果と言える。
同事業のトピックスとしては、テクノロジー統合型グリーンウォール「bio」のリリース、アートグリーン<3419>との業務提携発表、フレグランス事業の輸入・販売元であるScentAir Technologies, LLC.からの実績表彰が挙げられる。また、子会社の東洋メディアリンクスが玉川大学の「STREAM Hall 2019」において映像アート演出をプレゼンした“「art(アート)」の力で社会課題を解決する試み”が、産学連携のより踏み込んだ課題解決のプレゼンを行った。音響特機は「InterBEE2023」、プロ機器展・機材フォーラムなどの全国のイベントに出展し、取扱商品の先取性やバリエーションを紹介した。併せて、本社ビル1階に多目的モデルルームを設置し、最新取扱ブランド機器の製品トレーニングや設備用スピーカー試聴・デモンストレーションの随時開催をスタートした。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
<HN>
1. 2024年9月期の業績概要
2024年9月期におけるわが国経済は、雇用や所得環境が改善するなかで緩やかな回復基調で推移した。一方、長引く円安や原材料価格・エネルギーコストの上昇に伴い生活必需品の値上げが続いており、個人消費の持ち直しの動きに足踏みが見られ、加えて不安定な国際情勢における地政学的リスクの高まりなど懸念材料も多く、依然として先行き不透明な状況が続いている。同社グループが関係するレジャー・観光・飲食業界においては、新規ホテル開業が依然引き続いていること、外食、宿泊・温泉施設、遊園地・テーマパークなど外出を伴うレジャーの参加人口が全般的に伸びていること、訪日客のインバウンド需要も伸びており、これらに加えて物価や消費単価が上がっていることなどが、マーケットの拡大に寄与した。
こうした事業環境のなか、同社グループの2024年9月期連結業績は、売上高で前期比18.9%増の17,631百万円、営業利益で同115.9%増の595百万円、経常利益で同100.9%増の630百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同86.4%増の429百万円と、大幅な増収増益となった。同社では第2四半期決算発表時に通期業績予想を上方修正していたが、この修正予想をさらに上回る好決算で、2024年9月期を最終年度とする中期経営計画の業績目標を超過して着地した。修正予想も引き続き保守的な予想を発表していたが、結果的には3事業とも堅調で、スチュワード事業を中心に下期も好調に推移し、フードサービス事業は年間を通じて好調であったことが要因として挙げられる。従来は上期偏重型の業績であったが、2024年9月期は下期も堅調に推移したことで、営業利益率は前期の1.9%から3.4%へと大きく改善した。コロナ禍により人件費などの固定費が利益を圧迫していた状況が続いたが、2024年9月期はコロナ禍の影響が収まり、事業も正常化に向かったことで営業利益率が上昇した。事業環境の改善や同社の取り組みが反映された好決算であったと弊社では評価している。
2. 事業セグメント別動向
(1) スチュワード事業
売上高は過去最高の8,487百万円(前期比28.0%増)、営業利益は538百万円(同110.6%増)、営業利益率は6.3%(同2.4ポイント上昇)と、大幅な増収増益で全体の好業績をけん引した。ホテルの開業に伴う新規顧客の獲得は順調で、前期に取引を開始した顧客が通期で業績に寄与した。加えて、取引先ホテルの宿泊費増加に応じて同社の売上が増える契約による既存取引からの収益拡大が大きく、増収増益に寄与した。
2024年9月期においては、年間で19件の新規事業所を開業した。単に稼働が高いだけではない、新たな現場を立ち上げる負荷の高いシーズンとなった。ベテラン人材を中心に全国規模で体制を相互サポートしつつ、年間で845人の純増となった社員及びパート・アルバイトの育成を並行して進め、2025年9月期の売上底上げのベースを着実に作った。また、労働環境のモニタリング強化やケガや事故事例の迅速な共有と対応など、稼働の高まりによって生まれがちな無理やムラ、気のゆるみを予防強化した。
同事業のトピックスとしては、東京ビッグサイトで開催されたワインイベント「Pro Wine Tokyo 2024」の会場内でワイングラスを洗浄する機会があった。また、「BRING Material」のリサイクル素材を使用した新ユニフォームを導入したほか、武蔵野調理師専門学校の『環境と食』カリキュラムにおいてSDGs講義を同社社長が行うなど社会的な取り組みにも積極的に参加した。
(2) フードサービス事業
売上高は3,919百万円(前期比21.1%増)、営業利益は104百万円(同20.2%増)、営業利益率は2.7%(同増減なし)となった。同事業ではホテルでの飲食に応じて売上が計上されるが、訪日外国人の増加に伴いホテルで食事を取る外国人が増えたこと、飲食にかける価格が上昇したことなどが寄与した。ただ、従来はほかの事業が負担していた総務・労務・人事等の販管費を見直し、前期より同事業が負担すべき販管費を計上するようになったため、営業利益率は低位に留まった。
2024年9月期においては、依然として宿泊特化型ホテルにおける朝食レストランの需要の伸びが売上の底上げに寄与した。食材の高騰や円安が影響し、喫食単価の上昇も売上増につながった。新規事業所の開業は、年間で10件の業務受託スタートとなった。このうち2件が、近年第3の柱として注力している老人ホーム等ライフケア分野である。新卒採用の人員も、この分野のスキル・知識習得者を増やすことを目的に集中的に配属しており、2025年9月期のマーケット開拓に期待が持てる期となった。
同事業のトピックスとしては、新たな取り組みとして朝食ビュッフェの受託を請けているホテルでランチ営業の取り組みをスタートしたことである。また、かねてより参画して進めてきた大阪農業園芸・食テクノロジー専門学校との産学連携企業プロジェクトにおいて入選した肉不使用の大豆ミートで実現したガレットやスコッチエッグといったメニューが、センダンが運営するレストラン「ナンバリボン」で提供された。
(3) 空間プロデュース事業
売上高は5,236百万円(前期比5.6%増)、営業利益は224百万円(同81.1%増)、営業利益率は4.3%(同1.8ポイント上昇)となった。収益マネジメントを強化した結果、大幅な増益となった。同事業では終了後に売上を計上するため、早期に収益計上できるものを中心に施行を進めたことや利益率の高い海外ブランド音響設備の比率を増やしたことの結果である。
2024年9月期においては、引き続き堅調な監視カメラ関連及び音響・映像関連設備の新規設置及び更新が収益を支えた。また、売上の伸びに対して利益の伸びが格段に高いことは、近年のコスト意識の強化の成果と言える。
同事業のトピックスとしては、テクノロジー統合型グリーンウォール「bio」のリリース、アートグリーン<3419>との業務提携発表、フレグランス事業の輸入・販売元であるScentAir Technologies, LLC.からの実績表彰が挙げられる。また、子会社の東洋メディアリンクスが玉川大学の「STREAM Hall 2019」において映像アート演出をプレゼンした“「art(アート)」の力で社会課題を解決する試み”が、産学連携のより踏み込んだ課題解決のプレゼンを行った。音響特機は「InterBEE2023」、プロ機器展・機材フォーラムなどの全国のイベントに出展し、取扱商品の先取性やバリエーションを紹介した。併せて、本社ビル1階に多目的モデルルームを設置し、最新取扱ブランド機器の製品トレーニングや設備用スピーカー試聴・デモンストレーションの随時開催をスタートした。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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