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トランプ圧勝の反騰相場で最高値を更新 (4) 【シルバーブラットの「S&P500」月例レポート】
配信日時:2024/12/16 13:41
配信元:MINKABU
●配当金
○2024年11月の配当支払額は前年同月比11.0%減となりました。10月は同16.2%増、9月は同31.3%増でした。年初来の配当支払い額は4.3%増で、11月までの12ヵ月間では3.7%増加しています。
⇒11月の配当支払金は前年同月の1株当たり8.82ドルから7.86ドルに減少しました。
⇒年初来の配当支払金は1株当たり67.71ドルと、前年同期の64.91ドルから増加しました。
⇒過去12ヵ月間の配当支払金は1株当たり73.11ドルと、前年同期の70.58ドルから増加しました。
○2024年11月は、増配が27件、配当開始が0件、減配が2件で、配当停止は0件でした。2023年11月は、増配が32件、配当開始が1件で、減配が2件、配当停止は0件でした。
⇒年初来では、増配が304件、配当開始が6件、減配が14件、配当停止が2件となっています。2023年の同期間は、増配が316件、配当開始が10件、減配が12件で、配当停止は2件でした。
⇒2023年通年では、増配が348件、配当開始が11件、減配が26件、配当停止が4件ありました。2022年は、増配が377件、配当開始が7件、減配が5 件で、配当停止はありませんでした。
○11月の増配率の中央値は、10月の5.26%から7.14%に上昇しました(9月は4.63%でした)。年初来では6.25%(10月末時点は6.25%、9月末時点は6.45%)となっています。11月の平均増配率は10月の7.91%から7.52%に低下し(9月は7.66%)、年初来では8.20%(10月末時点は8.26%。いずれも2倍以上になった銘柄は除く)。2023年の年間の増配率の中央値は7.01%(2022年と2021年はともに8.33%)、平均値は8.68%(同11.80%、同11.76%)でした。
○2024年の配当に関しては、大半が支払い済みないし発表済みとなっており、暫定結果では前年比5.6%増が見込まれています。今年増加すれば、S&P500指数の株主への実際の年間の現金配当は15年連続で増加し、13年連続で過去最高を更新することになります。
⇒2025年に関しては、(今年これまでの)168億ドル相当の配当開始(アルファベット、ボーイング、メタ・プラットフォームズ、ロイヤル・カリビアン・クルーズ、セールスフォース)と、21億ドル相当の配当停止(クーパー、インテル)を考慮し、更にS&P500指数構成銘柄の各年の増配の傾向(過去20年間、各年で平均58.5%の企業が増配、対して3.3%の企業が減配)、足元と今後も予想される過去最高益、並びに金利の低下と雇用と基調的な経済成長の力強さを踏まえ、2025年の配当支払い額も過去最高を更新し、実際の1株当たり配当額は前年比6-6.5%程度増加すると予想します(2023年は前年比5.05%増、2022年は同10.80%増)。
●インデックス・レビュー
S&P 500指数
米大統領選の結果を占う世論調査は今回も外れました。選挙翌日(11月6日)の早朝には選挙戦でのトランプ氏の勝利が見込まれる情勢となり、勝敗が読めないほどの接戦との予想は、トランプ氏の明確な勝利に終わりました。市場の反応として、S&P500指数 は6回にわたり終値での史上最高値を更新し(年初来では53回)、初めて終値での5900と6000の大台を突破しました。
11月にS&P500指数は5.73%と大幅に上昇しました(配当込みのトータルリターンはプラス5.87%)。10月は0.99%下落(同マイナス0.91%)、9月は2.02%上昇(同プラス2.14%)でした。過去3ヵ月間のS&P500指数の騰落率は6.80%の上昇となりました(同プラス7.15%)。年初来では26.47%上昇(同プラス28.07%)となり、年率換算すると29.08%上昇(同プラス30.86%)に相当します。過去1年間では32.06%上昇(同プラス33.89%)となっています。11月は20営業日中15日で上昇しました(10月は23営業日中11日)。年初来では231営業日中134日で上昇しています。11月は値上がり銘柄数が増加して値下がり銘柄数を大幅に上回り、値上がり銘柄数が385銘柄、値下がり銘柄数が118銘柄でした(10月は値上がり銘柄数が199銘柄、値下がり銘柄数が304銘柄)。11月の出来高は前月比17%増加、前年同月比では9%増加となりました。
マグニフィセント・セブンの影響力は低下し、S&P500指数の年初来のリターンに占める割合は10月末の47%から11月末は44%に縮小しました。11月はリターンの32%を占め、同指数の時価総額に占める割合も32%となっています。11月5日の米大統領選以降ではリターンの28%を占めています。
11月は11セクター全てが上昇しました。10月は3セクターが上昇、9月は8セクターが上昇しました。11月のパフォーマンスが最高となったのは一般消費財で、13.24%上昇しました(年初来では26.19%上昇、2021年末比では11.09%上昇)。パフォーマンスが最低だったのはヘルスケアで、0.13%上昇しました(同7.76%上昇、同4.25%上昇)。
11月の日中ボラティリティ(日中の値幅を安値で除して算出)は0.83%と、10月の0.81%か上昇し(9月は1.08%)、年初来では0.91%となっています。なお、2023年通年は1.04%、2022年は1.83%、2021年は0.97%、2020年は1.51%でした(長期平均は1.42%)。
11月の出来高は、10月に前月比10%減少した後に、同17%増加し(営業日数調整後)、前年同月比では9%増加となりました。2024年11月までの12ヵ月間では前年同期比2%減少しています。2023年通年では前年比1%減で、2022年通年では同6%増でした。
11月は1%以上変動した日数は20営業日中3日(上昇が2日、下落が1日)で、市場は2%以上変動を1日(上昇)記録しました。10月は1%以上変動した日数は23営業日中1日(下落)、2%以上変動した日はありませんでした。年初来では、1%以上変動した日数は45日(上昇が29日、下落が16日)で、2%以上変動した日数は6日(上昇が3日、下落が3日)でした。2023年通年は、1%以上変動した日数が250営業日中63日(上昇が37日、下落が26日)、2%以上変動した日数が2日(上昇が1日、下落が1日)でした。
11月は20営業日中6日で日中の変動率が1%以上となり、日中の変動率が2%以上となった日はありませんでした。対して10月は1%以上の変動が23営業日中5日で、2%以上変動した日はありませんでした。年初来では、76日で日中の変動率が1%以上となり、2%以上変動した日数は9日ありました。2023年通年では1%以上の変動が113日、2%以上の変動が13日で、3%以上の変動はありませんでした(直近で3%以上の変動があったのは2022年11月30日)。2022年は1%以上の変動が219日、2%以上の変動が89日、3%以上の変動が20日でした(4%以上の変動が4日、5%以上の変動が1日)。
11月は前月から一転し、値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を大幅に上回りました。11月の値上がり銘柄数は385銘柄(平均上昇率は9.21%)と、10月の199銘柄(同5.31%)から増加しました。10%以上上昇した銘柄数は147銘柄(同15.28%)と、10月の30銘柄(同15.27%)から増加し、9銘柄(10月は2銘柄)が25%以上上昇しました。一方、11月の値下がり銘柄数は118銘柄(平均下落率は4.39%)と、10月の304銘柄(同6.35%)から減少しました。11月の10%以上下落した銘柄数は12名柄(同17.20%)と10月の54銘柄(同15.90%)から減少し、2銘柄が25%以上下落しました(10月は5銘柄)。年初来では、値上がり銘柄数が増加し、引き続き値下がり銘柄数を大幅に上回りました。値上がり銘柄数は383銘柄(平均上昇率は32.28%)で、318銘柄(同37.77%)が10%以上上昇し、188銘柄が25%以上上昇しました。一方、値下がり銘柄数は117銘柄(平均下落率は16.04%)で、67銘柄(同24.32%)が10%以上下落し、23銘柄が25%以上下落しました。2023年通年では、値上がり銘柄数は322銘柄で、値下がり銘柄数は179銘柄でした。10%以上上昇した銘柄数は248銘柄、10%以上下落した銘柄数は85銘柄でした。143銘柄が25%以上上昇し、20銘柄が25%以上下落しました。
[執筆者]
ハワード・シルバーブラット
S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス
シニア・インデックス・アナリスト
※このレポートは、英文原本から参照用の目的でS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス(SPDJI)が作成したものです。SPDJIは、翻訳が正確かつ完全であるよう努めましたが、その正確性ないし完全性につきこれを保証し表明するものではありません。英文原本についてはサイトをご参照ください。
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