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ティア Research Memo(2):葬儀会館の運営を行う葬祭事業を主力にFC事業、TLD事業へと展開
配信日時:2024/12/16 12:02
配信元:FISCO
*12:02JST ティア Research Memo(2):葬儀会館の運営を行う葬祭事業を主力にFC事業、TLD事業へと展開
■ティア<2485>の事業概要
1. 会社沿革と事業内容
同社は名古屋を地盤とした葬儀会館「ティア」の運営を目的に、1997年に設立された。「日本で一番『ありがとう』と言われる葬儀社」を目指して、「葬儀価格の完全開示」「適正な葬儀費用」を業界に先駆けて提唱し、葬儀業が究極のサービス業であるとの認識のもと、「徹底した人財教育によるサービスの向上」によって顧客からの支持を集め、成長を続けている。2017年に愛知県内で湯灌サービス及びメイク納棺、生花販売業務を行う(有)愛共(現 (株)ティアサービス)を子会社化し、連結決算を開始した。また、葬儀周辺サービスに事業領域を拡大することを目的に2022年11月に(株)ベンリーコーポレーションが展開する生活支援サービス「Benry」にFC加盟し、「ティアの会」会員向けの生活支援サービスや自社葬儀会館の営繕業務を名古屋市内の一部地域で開始した。直近では、2023年11月に葬儀会館を運営する2社を子会社化し※、事業規模を拡大している。
※ 大阪府八尾市を中心に葬儀会館「八光殿」「リエラ」などを運営する八光殿、愛知県豊川市を中心に葬儀会館「東海典礼」「家族の新しいお葬式」を運営する東海典礼を子会社化した。投資ファンドから全株式を7,304百万円(諸経費含む)で取得。のれんは6,889百万円で15年定額償却となる。
事業セグメントは、葬儀・法要の請負、葬儀施行後のアフターフォロー、葬儀会館の運営などで構成される葬祭事業のほか、FC加盟企業向けのサービスとなるFC事業、不動産事業や八光殿で行うリユース事業などで構成されるその他事業に分けて開示しているが、売上高、利益ともに9割超を葬祭事業が占めている。なお、FC事業では、出店エリアの市場調査から会館企画、従業員教育、経営指導、葬儀付帯品などの販売、アフターフォローに至るまでトータルサポートを行っており、売上高は加盟時に支払う加盟金(2百万円)のほか、出店申込金(3百万円)やロイヤリティ収入(売上高の3%)、物品売上、社員に対する教育サービス料などが含まれる。なお、FC加盟に関しては同一商圏内に複数出店が可能な事業者であることを条件としている。以前は同業者の加盟を認めていなかったが、今後は理念に共感する同業者であればFC加盟だけでなく、M&A対象としての検討も進める。
愛知県を中心に店舗展開を進め、「ティア」直営・FC及びグループ会社店舗を含め202店舗に拡大
2. 店舗数の推移
2024年9月期末の店舗数は、同社直営店91店舗(うち、葬儀相談サロン3店舗)、FC店70店舗(うち、サロン1店舗)に、八光殿18店舗、東海典礼23店舗が新たに加わり、グループ合計で202店舗となっている。また、2024年10月末時点の地域別店舗数で見ると直営店は名古屋市内で38店舗、名古屋市内を除く愛知県で32店舗、三重県8店舗、大阪府5店舗(うち、サロン1店舗)、東京都4店舗(うち、サロン2店舗)、埼玉県5店舗、千葉県2店舗となっている。また、FC店は愛知県22店舗、岐阜県20店舗、大阪府17店舗(うち、サロン1店舗)、富山県3店舗、三重県、静岡県、神奈川県で各2店舗、和歌山県、茨城県で各1店舗を展開している。FC加盟社数は14社で前期末と変わりない。
2019年9月期以降の出店形態は、葬儀会館よりも規模の小さい家族葬専用ホールを主に出店している。従来の葬儀会館では敷地面積で500坪前後が必要となり、条件(交通の利便性等)に見合う立地の物件探索が難しいが、家族葬専用ホールは200坪前後の敷地面積、例えばコンビニエンスストアの跡地でも出店可能なため候補物件が見つかりやすいこと、またここ数年は家族葬ニーズが高まっており、店舗運営の面からも家族葬ホールで出店を進めていくことが効率的と考えているためだ。
なお、名古屋市内の斎場シェアは2023年9月期に26.6%と一時的に低下したが、2024年9月期は28.4%と再上昇している。店舗数は37店舗と前期と変わりなかったが、2023年4月より非会員向けに提供を開始した低料金プラン「ティアシンプル」(火葬式・一日葬)※の受注増加が一因となっている。全国のなかで最も競争の激しい名古屋市内でトップシェアの地位を確立したノウハウを他の出店地域やグループ子会社に横展開しながら、グループシェアを拡大していく戦略だ。
※ 火葬式セットプラン(132千円~)、一日葬セットプラン(330千円~)。
将来の見込み顧客となる個人会員数は年間2~3万人のペースで拡大
3. 顧客内訳と会員数の推移
同社は「ティアの会」の会員並びに同等のサービスを受けられる提携団体(法人・各種団体)を獲得することで、売上の成長につなげている。2024年9月期の葬儀売上高(単体)の顧客別構成比を見ると、「ティアの会」会員で66.8%、提携団体で24.4%となっており、会員・提携団体向けで売上高の90%以上を占めていることからも、その重要性がうかがえる。なお、フリー客の構成比が前期の4.0%から7.0%に上昇したが、低価格ニーズを取り込むために非会員向けに提供を開始した「ティアシンプル」の売上が伸びたことによる。
「ティアの会」とは、入会金を支払うことにより会員特別価格で葬儀や葬儀後の法要、香典返しなどを利用できるほか、提携企業182社、全国242店で特典や割引が受けられる「会員優待サービス」、毎日ポイントがたまり提携先の通販会社などで利用可能な「生き方応援ポイント」、「葬儀保険」といった各種サービスを受けられる同社独自の会員システムとなる。会員数は2024年9月期末で526,374人と年間2~3万人のペースで増加し続けているほか、提携団体も1,402団体と増加し続けており、今後も安定した需要が見込まれる。また、これら会員や提携団体については、新規事業として取り組んでいるTLD事業の有力な顧客ターゲットにもなっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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1. 会社沿革と事業内容
同社は名古屋を地盤とした葬儀会館「ティア」の運営を目的に、1997年に設立された。「日本で一番『ありがとう』と言われる葬儀社」を目指して、「葬儀価格の完全開示」「適正な葬儀費用」を業界に先駆けて提唱し、葬儀業が究極のサービス業であるとの認識のもと、「徹底した人財教育によるサービスの向上」によって顧客からの支持を集め、成長を続けている。2017年に愛知県内で湯灌サービス及びメイク納棺、生花販売業務を行う(有)愛共(現 (株)ティアサービス)を子会社化し、連結決算を開始した。また、葬儀周辺サービスに事業領域を拡大することを目的に2022年11月に(株)ベンリーコーポレーションが展開する生活支援サービス「Benry」にFC加盟し、「ティアの会」会員向けの生活支援サービスや自社葬儀会館の営繕業務を名古屋市内の一部地域で開始した。直近では、2023年11月に葬儀会館を運営する2社を子会社化し※、事業規模を拡大している。
※ 大阪府八尾市を中心に葬儀会館「八光殿」「リエラ」などを運営する八光殿、愛知県豊川市を中心に葬儀会館「東海典礼」「家族の新しいお葬式」を運営する東海典礼を子会社化した。投資ファンドから全株式を7,304百万円(諸経費含む)で取得。のれんは6,889百万円で15年定額償却となる。
事業セグメントは、葬儀・法要の請負、葬儀施行後のアフターフォロー、葬儀会館の運営などで構成される葬祭事業のほか、FC加盟企業向けのサービスとなるFC事業、不動産事業や八光殿で行うリユース事業などで構成されるその他事業に分けて開示しているが、売上高、利益ともに9割超を葬祭事業が占めている。なお、FC事業では、出店エリアの市場調査から会館企画、従業員教育、経営指導、葬儀付帯品などの販売、アフターフォローに至るまでトータルサポートを行っており、売上高は加盟時に支払う加盟金(2百万円)のほか、出店申込金(3百万円)やロイヤリティ収入(売上高の3%)、物品売上、社員に対する教育サービス料などが含まれる。なお、FC加盟に関しては同一商圏内に複数出店が可能な事業者であることを条件としている。以前は同業者の加盟を認めていなかったが、今後は理念に共感する同業者であればFC加盟だけでなく、M&A対象としての検討も進める。
愛知県を中心に店舗展開を進め、「ティア」直営・FC及びグループ会社店舗を含め202店舗に拡大
2. 店舗数の推移
2024年9月期末の店舗数は、同社直営店91店舗(うち、葬儀相談サロン3店舗)、FC店70店舗(うち、サロン1店舗)に、八光殿18店舗、東海典礼23店舗が新たに加わり、グループ合計で202店舗となっている。また、2024年10月末時点の地域別店舗数で見ると直営店は名古屋市内で38店舗、名古屋市内を除く愛知県で32店舗、三重県8店舗、大阪府5店舗(うち、サロン1店舗)、東京都4店舗(うち、サロン2店舗)、埼玉県5店舗、千葉県2店舗となっている。また、FC店は愛知県22店舗、岐阜県20店舗、大阪府17店舗(うち、サロン1店舗)、富山県3店舗、三重県、静岡県、神奈川県で各2店舗、和歌山県、茨城県で各1店舗を展開している。FC加盟社数は14社で前期末と変わりない。
2019年9月期以降の出店形態は、葬儀会館よりも規模の小さい家族葬専用ホールを主に出店している。従来の葬儀会館では敷地面積で500坪前後が必要となり、条件(交通の利便性等)に見合う立地の物件探索が難しいが、家族葬専用ホールは200坪前後の敷地面積、例えばコンビニエンスストアの跡地でも出店可能なため候補物件が見つかりやすいこと、またここ数年は家族葬ニーズが高まっており、店舗運営の面からも家族葬ホールで出店を進めていくことが効率的と考えているためだ。
なお、名古屋市内の斎場シェアは2023年9月期に26.6%と一時的に低下したが、2024年9月期は28.4%と再上昇している。店舗数は37店舗と前期と変わりなかったが、2023年4月より非会員向けに提供を開始した低料金プラン「ティアシンプル」(火葬式・一日葬)※の受注増加が一因となっている。全国のなかで最も競争の激しい名古屋市内でトップシェアの地位を確立したノウハウを他の出店地域やグループ子会社に横展開しながら、グループシェアを拡大していく戦略だ。
※ 火葬式セットプラン(132千円~)、一日葬セットプラン(330千円~)。
将来の見込み顧客となる個人会員数は年間2~3万人のペースで拡大
3. 顧客内訳と会員数の推移
同社は「ティアの会」の会員並びに同等のサービスを受けられる提携団体(法人・各種団体)を獲得することで、売上の成長につなげている。2024年9月期の葬儀売上高(単体)の顧客別構成比を見ると、「ティアの会」会員で66.8%、提携団体で24.4%となっており、会員・提携団体向けで売上高の90%以上を占めていることからも、その重要性がうかがえる。なお、フリー客の構成比が前期の4.0%から7.0%に上昇したが、低価格ニーズを取り込むために非会員向けに提供を開始した「ティアシンプル」の売上が伸びたことによる。
「ティアの会」とは、入会金を支払うことにより会員特別価格で葬儀や葬儀後の法要、香典返しなどを利用できるほか、提携企業182社、全国242店で特典や割引が受けられる「会員優待サービス」、毎日ポイントがたまり提携先の通販会社などで利用可能な「生き方応援ポイント」、「葬儀保険」といった各種サービスを受けられる同社独自の会員システムとなる。会員数は2024年9月期末で526,374人と年間2~3万人のペースで増加し続けているほか、提携団体も1,402団体と増加し続けており、今後も安定した需要が見込まれる。また、これら会員や提携団体については、新規事業として取り組んでいるTLD事業の有力な顧客ターゲットにもなっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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