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ウェーブロックHD Research Memo(5):高付加価値型ソリューションビジネス、新規事業・新市場の開拓に注力
配信日時:2024/12/12 15:05
配信元:FISCO
*15:05JST ウェーブロックHD Research Memo(5):高付加価値型ソリューションビジネス、新規事業・新市場の開拓に注力
■会社概要
3. SWOT分析
ウェーブロックホールディングス<7940>の経営を取り巻く外部環境と経営の現状について、SWOT分析を行った。なお、SWOT分析とは、企業が組織の経営ビジョンや戦略を企画立案する際によく用いる経営分析手法の1つで、企業を取り巻く外部環境についての「成長機会(Opportunity)」と「脅威(Threat)」、企業が固有に持つ「強み(Strength)」と「弱み(Weakness)」を4つに区分してまとめたものである。
外部環境面での成長機会としては、アドバンストテクノロジー事業の注力分野であるデコレーション&ディスプレー分野において、自動車内外装品向けの成長ポテンシャルが高いことが挙げられる。特に金属調加飾フィルムは、環境規制に対する対策強化や軽量化・デザイン性向上への需要の高まりを背景に新規採用が相次いでおり、高成長が期待できる状況となっている。また、売上高比率で1割強の水準にとどまっている海外市場向けについては、アドバンストテクノロジー事業だけでなくマテリアルソリューション事業でも成長余地がある。特に農業分野は、異常気象による食糧危機が懸念されるなかで、生産性向上に貢献する各種資材やソリューションの潜在需要は大きく、将来的に各地域のニーズに適した製品・サービスの展開を視野に入れている。また、脱炭素社会の実現に貢献する事業として取り組んでいる地中熱ビジネスの成長も期待される。
一方でリスク要因としては、原油価格が高騰した場合、主要原材料価格の指標となるナフサ価格が上昇することで利益率低下のリスクが高まるほか、防虫網や建築資材、産業資材、食品用パッケージなどは国内市場に依拠しているため、人口減少などにより国内市場が縮小するリスクが挙げられる。また、アドバンストテクノロジー事業は売上規模がまだ小さいため、主要取引先や搭載車種の販売状況によって収益が変動するリスクがある。
同社が固有に持つ強みとしては、複数の素材と加工技術の「組み合わせ」及び「仕組み」により、新たな付加価値を創出し市場を開拓していくソリューション提案力があること、事業領域が住宅、農業、建設、自動車など多岐に広がっているため、特定の業界の好不況に左右されない安定した収益ポートフォリオを形成していること、収益基盤の強化及び成長のために必要となる組織改革やM&Aなどを機動的に行える体制を構築していることなどが挙げられる。
一方、課題としてはマテリアルソリューション事業の拡大を図るための新市場の開拓や新規ビジネスの育成に加えて、市況変動の影響を受け難い収益構造への転換が挙げられる。自社の得意分野や優位性のある分野を見極め、品質だけでなくサービスや営業力でも差別化を図ることができる製品、言い換えれば、売価転嫁を許容してもらえるだけの競合優位性の高い製品や、付加価値が伴うソリューションの提供が可能なビジネスを増やしていくことで、マテリアルソリューション事業の収益力強化を図り、成長を目指す戦略である。環境関連ビジネスとして育成中の地中熱ビジネスを例にすると、農業分野では遮光ネットなどの被覆資材と、工場分野では工場内に設置される間仕切りカーテンなどと合わせて、エネルギー効率の観点から最適なソリューションを提案できる。こうしたソリューション提案は競合の樹脂加工品メーカーではできないため、同社の強みとなる可能性がある。
■業績動向
2025年3月期中間期業績は増収減益となるも期初計画を超過達成
1. 2025年3月期中間期の業績概要
2025年3月期中間期の連結業績は、売上高で前年同期比9.3%増の12,871百万円、営業利益で同39.3%減の289百万円、経常利益で同5.3%減の604百万円、親会社株主に帰属する中間純利益で同5.5%減の403百万円となった。売上高は自動車向け金属調加飾フィルムが順調に拡大したほか、猛暑対策品となる農業向け遮熱・遮光製品の販売が急増したことにより増収となり、期初計画比でも7.3%上回った。一方、営業利益は期初原価改定差益の減少や原材料価格の上昇、賃金改定及び人員増に伴う人件費の増加などにより減益となったが、増収効果に加えて生産性向上や経費抑制に取り組んだことにより、期初計画比では44.5%上回って着地した。また、営業外収支が前年同期比153百万円改善したが、主にはRP東プラに関する持分法による投資利益の増加※や為替差益の増加によるもので、この結果、経常利益や親会社株主に帰属する中間純利益は微減益にとどまった。
※ RP東プラは前第2四半期から持分法適用関連会社となっている。持分法による投資利益は前年同期の25百万円から108百万円に増加した。
事業セグメント別で見ると、売上高はマテリアルソリューション事業で前年同期比6.7%増、アドバンストテクノロジー事業で同18.6%増といずれも増収となったが、営業利益ではマテリアルソリューション事業が同33.3%減となり、アドバンストテクノロジー事業が増益(黒字転換)となった。期初計画比では、マテリアルソリューション事業が利益面でやや苦戦したものの、アドバンストテクノロジー事業は計画を上回る進捗となったようだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<HN>
3. SWOT分析
ウェーブロックホールディングス<7940>の経営を取り巻く外部環境と経営の現状について、SWOT分析を行った。なお、SWOT分析とは、企業が組織の経営ビジョンや戦略を企画立案する際によく用いる経営分析手法の1つで、企業を取り巻く外部環境についての「成長機会(Opportunity)」と「脅威(Threat)」、企業が固有に持つ「強み(Strength)」と「弱み(Weakness)」を4つに区分してまとめたものである。
外部環境面での成長機会としては、アドバンストテクノロジー事業の注力分野であるデコレーション&ディスプレー分野において、自動車内外装品向けの成長ポテンシャルが高いことが挙げられる。特に金属調加飾フィルムは、環境規制に対する対策強化や軽量化・デザイン性向上への需要の高まりを背景に新規採用が相次いでおり、高成長が期待できる状況となっている。また、売上高比率で1割強の水準にとどまっている海外市場向けについては、アドバンストテクノロジー事業だけでなくマテリアルソリューション事業でも成長余地がある。特に農業分野は、異常気象による食糧危機が懸念されるなかで、生産性向上に貢献する各種資材やソリューションの潜在需要は大きく、将来的に各地域のニーズに適した製品・サービスの展開を視野に入れている。また、脱炭素社会の実現に貢献する事業として取り組んでいる地中熱ビジネスの成長も期待される。
一方でリスク要因としては、原油価格が高騰した場合、主要原材料価格の指標となるナフサ価格が上昇することで利益率低下のリスクが高まるほか、防虫網や建築資材、産業資材、食品用パッケージなどは国内市場に依拠しているため、人口減少などにより国内市場が縮小するリスクが挙げられる。また、アドバンストテクノロジー事業は売上規模がまだ小さいため、主要取引先や搭載車種の販売状況によって収益が変動するリスクがある。
同社が固有に持つ強みとしては、複数の素材と加工技術の「組み合わせ」及び「仕組み」により、新たな付加価値を創出し市場を開拓していくソリューション提案力があること、事業領域が住宅、農業、建設、自動車など多岐に広がっているため、特定の業界の好不況に左右されない安定した収益ポートフォリオを形成していること、収益基盤の強化及び成長のために必要となる組織改革やM&Aなどを機動的に行える体制を構築していることなどが挙げられる。
一方、課題としてはマテリアルソリューション事業の拡大を図るための新市場の開拓や新規ビジネスの育成に加えて、市況変動の影響を受け難い収益構造への転換が挙げられる。自社の得意分野や優位性のある分野を見極め、品質だけでなくサービスや営業力でも差別化を図ることができる製品、言い換えれば、売価転嫁を許容してもらえるだけの競合優位性の高い製品や、付加価値が伴うソリューションの提供が可能なビジネスを増やしていくことで、マテリアルソリューション事業の収益力強化を図り、成長を目指す戦略である。環境関連ビジネスとして育成中の地中熱ビジネスを例にすると、農業分野では遮光ネットなどの被覆資材と、工場分野では工場内に設置される間仕切りカーテンなどと合わせて、エネルギー効率の観点から最適なソリューションを提案できる。こうしたソリューション提案は競合の樹脂加工品メーカーではできないため、同社の強みとなる可能性がある。
■業績動向
2025年3月期中間期業績は増収減益となるも期初計画を超過達成
1. 2025年3月期中間期の業績概要
2025年3月期中間期の連結業績は、売上高で前年同期比9.3%増の12,871百万円、営業利益で同39.3%減の289百万円、経常利益で同5.3%減の604百万円、親会社株主に帰属する中間純利益で同5.5%減の403百万円となった。売上高は自動車向け金属調加飾フィルムが順調に拡大したほか、猛暑対策品となる農業向け遮熱・遮光製品の販売が急増したことにより増収となり、期初計画比でも7.3%上回った。一方、営業利益は期初原価改定差益の減少や原材料価格の上昇、賃金改定及び人員増に伴う人件費の増加などにより減益となったが、増収効果に加えて生産性向上や経費抑制に取り組んだことにより、期初計画比では44.5%上回って着地した。また、営業外収支が前年同期比153百万円改善したが、主にはRP東プラに関する持分法による投資利益の増加※や為替差益の増加によるもので、この結果、経常利益や親会社株主に帰属する中間純利益は微減益にとどまった。
※ RP東プラは前第2四半期から持分法適用関連会社となっている。持分法による投資利益は前年同期の25百万円から108百万円に増加した。
事業セグメント別で見ると、売上高はマテリアルソリューション事業で前年同期比6.7%増、アドバンストテクノロジー事業で同18.6%増といずれも増収となったが、営業利益ではマテリアルソリューション事業が同33.3%減となり、アドバンストテクノロジー事業が増益(黒字転換)となった。期初計画比では、マテリアルソリューション事業が利益面でやや苦戦したものの、アドバンストテクノロジー事業は計画を上回る進捗となったようだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<HN>
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