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ウェーブロックHD Research Memo(4):マテリアルソリューション、アドバンストテクノロジー事業を展開(2)
配信日時:2024/12/12 15:04
配信元:FISCO
*15:04JST ウェーブロックHD Research Memo(4):マテリアルソリューション、アドバンストテクノロジー事業を展開(2)
■会社概要
(2) アドバンストテクノロジー事業
ウェーブロックホールディングス<7940>のアドバンストテクノロジー事業は、デコレーション&ディスプレー分野(金属調加飾フィルム、高透明多層フィルム)、コンバーティング分野、その他(仕入商品)に分けられ、売上高の約6割をデコレーション&ディスプレー分野で占めている。
デコレーション&ディスプレー分野の売上の大半を占める金属調加飾フィルムは、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに特殊金属を蒸着させ、耐候性を保つために表面側にPMMA(アクリル樹脂)シート、下面側にABSフィルムを重ね、ドライラミネート工法※により貼り合わせた6層構造となっている。同フィルムは平面的な形状だけでなく、異型押出成形やフィルムインサート成形、真空成形など様々な加工技術を用いることで立体的な形状にすることも可能である。メッキ加工品との比較における長所は、錆が発生せず車体の軽量化に寄与すること、製造時に廃液が発生しないなど環境負荷が小さいことに加えて、電波並びに光の透過性が高く、成形性、意匠性にも優れるといった点が挙げられる。こうした長所が評価され、自動車や自動二輪車の内外装品向けに採用が広がっている。
※ 基材となるフィルムに接着剤を塗布し、乾燥炉で乾燥させた後、別のフィルムと圧着して貼り合せる加工方法。
自動車向けでは、国内だけでなくアジア、欧米などで販売実績があるが、2022年に入ってからは米国メーカーの電気自動車向け外装部品として採用されるなど、北米向けで販売が急増している。自動二輪車向けでは、エンブレム用としてインドや東南アジアで需要が拡大している。製造拠点は古河工場(フィルム製造)と名古屋工場(パーツ成形加工)の2拠点体制だったが、2022年9月に名古屋第二工場(パーツ成形加工)を新設したほか、2023年4月に一関工場を移転拡張しフィルムの増産体制を整えるとともに、米国でも顧客要請に対応すべく完成パーツ品の加工工場をオハイオ州に開設するなど、需要拡大に対応すべく能力増強投資を積極的に実施している。
金属調加飾フィルムのうち、自動車外装用の競合としてはオランダの大手化学メーカーであるAkzo Nobel N.V.(アクゾノーベル)が挙げられるが、参入企業はまだ少ないようだ。また、金属調加飾フィルムの製法には同社やAkzo Nobelが採用している金属蒸着法のほか転写法などもある。転写法は量産性に優れるためコストが低いものの、耐候性が弱く自動車の外装用としては別途ハードコートが必要となる場合が多いため金属蒸着法が有利と同社では見ている。
高透明多層フィルムについては、光学特性の高さや歪みの少なさ、防塵特性や耐衝撃性などの強みを生かして内装ディスプレーの大型化が進む車載分野(センターインフォメーションディスプレイ(CID)やヘッドアップディスプレイ(HUD)※向けなど)の拡販に注力している。競合は三菱ガス化学<4182>など多いものの、製品特性が評価されフォルクスワーゲンなど欧州系自動車メーカーで採用実績が出ている。
※ HUDは、車のフロントガラスへ映像を投影することで、ドライバーの視線の先に車速やナビゲーションなどのさまざまな情報を表示するシステム。ドライバーの視界の中心近くに情報を投影することで、視線移動によるドライバーの負担を軽減し、安全運転を支援するシステムとして高級車を中心に搭載されている。
コンバーティング分野は、医療用湿布の不織布印刷や離型フィルムへの印刷・シリコン処理加工などが含まれ、売上規模は小さいものの安定収益源となっている。そのほか液晶テレビモニター向けの拡散板や導光板、食品包材向け開封テープなどの仕入販売も行っている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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(2) アドバンストテクノロジー事業
ウェーブロックホールディングス<7940>のアドバンストテクノロジー事業は、デコレーション&ディスプレー分野(金属調加飾フィルム、高透明多層フィルム)、コンバーティング分野、その他(仕入商品)に分けられ、売上高の約6割をデコレーション&ディスプレー分野で占めている。
デコレーション&ディスプレー分野の売上の大半を占める金属調加飾フィルムは、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに特殊金属を蒸着させ、耐候性を保つために表面側にPMMA(アクリル樹脂)シート、下面側にABSフィルムを重ね、ドライラミネート工法※により貼り合わせた6層構造となっている。同フィルムは平面的な形状だけでなく、異型押出成形やフィルムインサート成形、真空成形など様々な加工技術を用いることで立体的な形状にすることも可能である。メッキ加工品との比較における長所は、錆が発生せず車体の軽量化に寄与すること、製造時に廃液が発生しないなど環境負荷が小さいことに加えて、電波並びに光の透過性が高く、成形性、意匠性にも優れるといった点が挙げられる。こうした長所が評価され、自動車や自動二輪車の内外装品向けに採用が広がっている。
※ 基材となるフィルムに接着剤を塗布し、乾燥炉で乾燥させた後、別のフィルムと圧着して貼り合せる加工方法。
自動車向けでは、国内だけでなくアジア、欧米などで販売実績があるが、2022年に入ってからは米国メーカーの電気自動車向け外装部品として採用されるなど、北米向けで販売が急増している。自動二輪車向けでは、エンブレム用としてインドや東南アジアで需要が拡大している。製造拠点は古河工場(フィルム製造)と名古屋工場(パーツ成形加工)の2拠点体制だったが、2022年9月に名古屋第二工場(パーツ成形加工)を新設したほか、2023年4月に一関工場を移転拡張しフィルムの増産体制を整えるとともに、米国でも顧客要請に対応すべく完成パーツ品の加工工場をオハイオ州に開設するなど、需要拡大に対応すべく能力増強投資を積極的に実施している。
金属調加飾フィルムのうち、自動車外装用の競合としてはオランダの大手化学メーカーであるAkzo Nobel N.V.(アクゾノーベル)が挙げられるが、参入企業はまだ少ないようだ。また、金属調加飾フィルムの製法には同社やAkzo Nobelが採用している金属蒸着法のほか転写法などもある。転写法は量産性に優れるためコストが低いものの、耐候性が弱く自動車の外装用としては別途ハードコートが必要となる場合が多いため金属蒸着法が有利と同社では見ている。
高透明多層フィルムについては、光学特性の高さや歪みの少なさ、防塵特性や耐衝撃性などの強みを生かして内装ディスプレーの大型化が進む車載分野(センターインフォメーションディスプレイ(CID)やヘッドアップディスプレイ(HUD)※向けなど)の拡販に注力している。競合は三菱ガス化学<4182>など多いものの、製品特性が評価されフォルクスワーゲンなど欧州系自動車メーカーで採用実績が出ている。
※ HUDは、車のフロントガラスへ映像を投影することで、ドライバーの視線の先に車速やナビゲーションなどのさまざまな情報を表示するシステム。ドライバーの視界の中心近くに情報を投影することで、視線移動によるドライバーの負担を軽減し、安全運転を支援するシステムとして高級車を中心に搭載されている。
コンバーティング分野は、医療用湿布の不織布印刷や離型フィルムへの印刷・シリコン処理加工などが含まれ、売上規模は小さいものの安定収益源となっている。そのほか液晶テレビモニター向けの拡散板や導光板、食品包材向け開封テープなどの仕入販売も行っている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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