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PBシステムズ Research Memo(2):「ハイブリッドクラウド」のプロフェッショナル集団へ
配信日時:2024/12/12 12:02
配信元:FISCO
*12:02JST PBシステムズ Research Memo(2):「ハイブリッドクラウド」のプロフェッショナル集団へ
■ピー・ビーシステムズ<4447>の会社概要
1. 事業概要
同社は、中堅企業をメインターゲットとしつつ、SaaS事業者、公共団体向けに各種情報システムを構築する、システム仮想化技術に精通したクラウド基盤構築力が強みの独立系SIerである。福岡を地盤に2024年1月からは本格的に首都圏エリアに進出し、2拠点体制で需要をカバーする。身近なところではデジタルワーク推進から、サイバーセキュリティに絡んだレジリエンス構築やDXの実現までをクラウド技術力でトータルにサポートするセキュアクラウドシステム事業を中核とする。VR空間を生み出す、体験共有型VRシアター「MetaWalkers」シリーズを製造販売するエモーショナルシステム事業との2軸構成でビジネスを推進しているが、新たにメタバース事業を育成中である。同社は、これまで「少数精鋭のシステム仮想化のプロフェッショナル集団」を標榜してきた。しかし、さらなる成長に向け2024年9月期から規模拡大へと舵を切り、新たに「ハイブリッドクラウドのプロフェッショナル集団」へと変貌していくことを示している。
例えば、構築から数十年が経過し硬直化しきって生産性も上がらないばかりか、DXのためのデータ活用も行うことができないシステム、積年の場当たり的な補強などによって複雑化・ブラックボックス化してしまったようなシステムを使用している日系企業は、想像以上に多い。その結果、もはや安易にクラウドへ移行ができない状態に陥っており、これを解消しなければ、2025年以降には経済損失が年間12兆円にまで拡大する可能性があるというのが日本経済が抱える「2025年の崖問題※」と呼ばれるものだ。旧式システムの抜本的変革を行うには、まずプライベートクラウドへの移行、そして「ハイブリッドクラウド」へさらに移行するという段階を踏んでいくのが基本となる。ハイブリッドクラウドとは、プライベートクラウドとパブリッククラウドを組み合わせて、それぞれの長所を活かすことで、顧客のデータ集約と利活用を顧客自身が自己管理できる基盤のことを指す。
※ 経済産業省が2018年に発表した「DXレポート」で初めて使用された言葉で、DX推進しなければ競争力が低下し、2025年から年間で約12兆円の経済損失が発生すると予測していること。
ハイブリッドクラウドを実現する際に鍵となるのは、まず第1に基礎となるプライベートクラウド部分となるが、年々顧客が求めるクオリティも上がるプライベートクラウドを高水準で構築することができる国内SIerは実は多くない。理由としては、プライベートクラウドはSIerがハードウェアを設定しなければならず、そのハードウェアの適切な設定には長年、つまり新旧の膨大なノウハウが必要となるからだ。また、プライベートクラウドへの移行が済んでいる、いわゆるDXが進んでいるような企業においても「クラウドロックイン」と呼ばれるような、コアコンピタンス(自社データ)が特定のパブリッククラウドに縛られてしまう新たな課題が表面化してきている。具体的には、新ビジネスへ自社データを活用できない、災害復旧時に高額のダウンロード費用が発生、料金体系が不利に変更されても他のクラウドへ乗換えが困難といったリスク状況に晒されるのだ。プライベートクラウドを高水準で構築するためにも、その先の「クラウドロックイン」のような状況を未然に防ぐためにも、同社がこれまで培ってきた豊富な経験値と実績が、顧客を開拓・維持していくうえで強力なアドバンテージになっている。「2025年の崖問題」は、その名称から一見すると2025年が最大の山場のようだが、実際は旧式システムの抜本的変革が各社で進まない限り、経済的損失や事業継続リスクの危険な状態は高止まりし続ける。象徴的な解決策としてのハイブリッドクラウド、そのプロフェッショナル集団として同社は立ち位置をさらに高めていく。
技術を磨き続け、実績を積み上げて卓抜した存在に成長
2. 沿革
同社は、現 代表取締役社長である野村コンピュータシステム(株)(現 野村総合研究所<4307>)出身の冨田和久(とみたかずひさ)氏が1997年2月に創業した。2004年4月にはシトリックス・システムズ・ジャパン(株)と、シトリックス・ソリューション・アドバイザー/プラチナ契約を締結して、技術を磨き続けながら実績を積み上げ、シトリックスソリューションを筆頭に、システム仮想化やクラウド基盤構築などにおいて、卓抜した存在に成長している。
また、2010年12月にはエモーショナルシステム事業を開始した。その後、2019年9月に福岡証券取引所Q-Boardに株式を上場すると、2020年に株主優待制度を導入、東京営業部も設置した。2022年10月には東京証券取引所グロース市場に上場するなど、着実にステップアップして、順調に上場企業として成長を続けている。2024年には本格的に関東圏での受注活動を加速するべく、東京オフィスを開設した。加えて、本社のある福岡には技術開発拠点「エンジニアハビタット」を開設して体制をさらに拡充したほか、配当開始にも踏み切った。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<HN>
1. 事業概要
同社は、中堅企業をメインターゲットとしつつ、SaaS事業者、公共団体向けに各種情報システムを構築する、システム仮想化技術に精通したクラウド基盤構築力が強みの独立系SIerである。福岡を地盤に2024年1月からは本格的に首都圏エリアに進出し、2拠点体制で需要をカバーする。身近なところではデジタルワーク推進から、サイバーセキュリティに絡んだレジリエンス構築やDXの実現までをクラウド技術力でトータルにサポートするセキュアクラウドシステム事業を中核とする。VR空間を生み出す、体験共有型VRシアター「MetaWalkers」シリーズを製造販売するエモーショナルシステム事業との2軸構成でビジネスを推進しているが、新たにメタバース事業を育成中である。同社は、これまで「少数精鋭のシステム仮想化のプロフェッショナル集団」を標榜してきた。しかし、さらなる成長に向け2024年9月期から規模拡大へと舵を切り、新たに「ハイブリッドクラウドのプロフェッショナル集団」へと変貌していくことを示している。
例えば、構築から数十年が経過し硬直化しきって生産性も上がらないばかりか、DXのためのデータ活用も行うことができないシステム、積年の場当たり的な補強などによって複雑化・ブラックボックス化してしまったようなシステムを使用している日系企業は、想像以上に多い。その結果、もはや安易にクラウドへ移行ができない状態に陥っており、これを解消しなければ、2025年以降には経済損失が年間12兆円にまで拡大する可能性があるというのが日本経済が抱える「2025年の崖問題※」と呼ばれるものだ。旧式システムの抜本的変革を行うには、まずプライベートクラウドへの移行、そして「ハイブリッドクラウド」へさらに移行するという段階を踏んでいくのが基本となる。ハイブリッドクラウドとは、プライベートクラウドとパブリッククラウドを組み合わせて、それぞれの長所を活かすことで、顧客のデータ集約と利活用を顧客自身が自己管理できる基盤のことを指す。
※ 経済産業省が2018年に発表した「DXレポート」で初めて使用された言葉で、DX推進しなければ競争力が低下し、2025年から年間で約12兆円の経済損失が発生すると予測していること。
ハイブリッドクラウドを実現する際に鍵となるのは、まず第1に基礎となるプライベートクラウド部分となるが、年々顧客が求めるクオリティも上がるプライベートクラウドを高水準で構築することができる国内SIerは実は多くない。理由としては、プライベートクラウドはSIerがハードウェアを設定しなければならず、そのハードウェアの適切な設定には長年、つまり新旧の膨大なノウハウが必要となるからだ。また、プライベートクラウドへの移行が済んでいる、いわゆるDXが進んでいるような企業においても「クラウドロックイン」と呼ばれるような、コアコンピタンス(自社データ)が特定のパブリッククラウドに縛られてしまう新たな課題が表面化してきている。具体的には、新ビジネスへ自社データを活用できない、災害復旧時に高額のダウンロード費用が発生、料金体系が不利に変更されても他のクラウドへ乗換えが困難といったリスク状況に晒されるのだ。プライベートクラウドを高水準で構築するためにも、その先の「クラウドロックイン」のような状況を未然に防ぐためにも、同社がこれまで培ってきた豊富な経験値と実績が、顧客を開拓・維持していくうえで強力なアドバンテージになっている。「2025年の崖問題」は、その名称から一見すると2025年が最大の山場のようだが、実際は旧式システムの抜本的変革が各社で進まない限り、経済的損失や事業継続リスクの危険な状態は高止まりし続ける。象徴的な解決策としてのハイブリッドクラウド、そのプロフェッショナル集団として同社は立ち位置をさらに高めていく。
技術を磨き続け、実績を積み上げて卓抜した存在に成長
2. 沿革
同社は、現 代表取締役社長である野村コンピュータシステム(株)(現 野村総合研究所<4307>)出身の冨田和久(とみたかずひさ)氏が1997年2月に創業した。2004年4月にはシトリックス・システムズ・ジャパン(株)と、シトリックス・ソリューション・アドバイザー/プラチナ契約を締結して、技術を磨き続けながら実績を積み上げ、シトリックスソリューションを筆頭に、システム仮想化やクラウド基盤構築などにおいて、卓抜した存在に成長している。
また、2010年12月にはエモーショナルシステム事業を開始した。その後、2019年9月に福岡証券取引所Q-Boardに株式を上場すると、2020年に株主優待制度を導入、東京営業部も設置した。2022年10月には東京証券取引所グロース市場に上場するなど、着実にステップアップして、順調に上場企業として成長を続けている。2024年には本格的に関東圏での受注活動を加速するべく、東京オフィスを開設した。加えて、本社のある福岡には技術開発拠点「エンジニアハビタット」を開設して体制をさらに拡充したほか、配当開始にも踏み切った。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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