注目トピックス 日本株
PBシステムズ Research Memo(1):人財増強継続で基盤固め7期連続最高益へ
配信日時:2024/12/12 12:01
配信元:FISCO
*12:01JST PBシステムズ Research Memo(1):人財増強継続で基盤固め7期連続最高益へ
■要約
1. 「ハイブリッドクラウド」のプロフェッショナル集団へ
ピー・ビーシステムズ<4447>は、中堅企業をメインターゲットとしつつ、SaaS事業者、公共団体向けに各種情報システムを構築する、システム仮想化技術に精通したクラウド基盤構築力が強みの福岡を地盤とする独立系SIerである。サイバーセキュリティに絡んだレジリエンス構築やDX(デジタルトランスフォーメーション)の実現までをクラウド技術力でトータルにサポートするセキュアクラウドシステム事業を中核とする。また、VR(仮想現実)空間を生み出す、体験共有型VRシアター「MetaWalkers(旧称:4DOH)」シリーズを製造販売するエモーショナルシステム事業との2軸構成だが、新たにメタバース事業、シニア市場をねらった「e(エレクトロニック) × r(リアル)スポーツ」ビジネスを将来的な成長エンジンとして育成中である。
2. 売上高は過去最高を更新、各段階利益は20%超の伸長
2024年9月期の業績は、売上高が前期比7.1%増の3,107百万円、営業利益は同20.1%増の362百万円、経常利益は同22.5%増の362百万円、当期純利益は同24.5%増の255百万円と、売上高と通期営業利益は過去最高を更新し、その他段階利益についても前期比大幅増で着地した。売上高については、大型案件獲得が大きく貢献し、3期連続の増収を達成した。高付加価値製商品が伸長したほか、サイバー攻撃対応等のハイブリッドクラウド基盤も好調だった。期初計画に対しては、売上高は若干届かなかったが、各段階利益は計画をやや上振れた。エモーショナルシステム事業が重しとなった一方、セキュアクラウド事業において高度なクラウド基盤に必須となる高付加価値製商品の販売が増加したことに加え、人員増に伴う内製化で製造コスト最適化を実現したことが貢献した。なお、期末従業員数は前期比11人増の65人と純増しており、注視していた人財の定着についても順調と言える。
3. 人財増強継続しつつ、7期連続最高益更新を目指す
2025年9月期の業績見通しについては、売上高が前期比10.0%増の3,420百万円、営業利益が同4.9%増の380百万円、経常利益が同3.8%増の376百万円、当期純利益が同0.1%増の256百万円を計画する。同社は2025年9月期を「持続的な成長への基盤固め、成長のための準備を加速する一年」と位置付け、積極的な人財増強を継続しつつ、増収増益及び7期連続最高益更新を目標に掲げる。セキュアクラウドシステム事業では、ハイブリッドクラウドのほかサイバーセキュリティ関連での高付加価値化を実現し、高収益率を狙う。ソリューションメニューの拡大で収益基盤拡大に期待がかかる。エモーショナルシステム事業は大幅な増収、セグメント黒字転換の計画である。防災市場、宇宙分野を中心に、有識者などとの協業やデモンストレーションでMetaWalkersとメタバースの可能性を引き出し、新規プロジェクトを推進する。
■Key Points
・2024年9月期は過去最高の売上、コスト最適化で高収益体質に
・2025年9月期も人財増強継続でコスト増加するが増収増益の計画
・最大の鍵はエモーショナルシステム事業のトレンド転換の成否
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<HN>
1. 「ハイブリッドクラウド」のプロフェッショナル集団へ
ピー・ビーシステムズ<4447>は、中堅企業をメインターゲットとしつつ、SaaS事業者、公共団体向けに各種情報システムを構築する、システム仮想化技術に精通したクラウド基盤構築力が強みの福岡を地盤とする独立系SIerである。サイバーセキュリティに絡んだレジリエンス構築やDX(デジタルトランスフォーメーション)の実現までをクラウド技術力でトータルにサポートするセキュアクラウドシステム事業を中核とする。また、VR(仮想現実)空間を生み出す、体験共有型VRシアター「MetaWalkers(旧称:4DOH)」シリーズを製造販売するエモーショナルシステム事業との2軸構成だが、新たにメタバース事業、シニア市場をねらった「e(エレクトロニック) × r(リアル)スポーツ」ビジネスを将来的な成長エンジンとして育成中である。
2. 売上高は過去最高を更新、各段階利益は20%超の伸長
2024年9月期の業績は、売上高が前期比7.1%増の3,107百万円、営業利益は同20.1%増の362百万円、経常利益は同22.5%増の362百万円、当期純利益は同24.5%増の255百万円と、売上高と通期営業利益は過去最高を更新し、その他段階利益についても前期比大幅増で着地した。売上高については、大型案件獲得が大きく貢献し、3期連続の増収を達成した。高付加価値製商品が伸長したほか、サイバー攻撃対応等のハイブリッドクラウド基盤も好調だった。期初計画に対しては、売上高は若干届かなかったが、各段階利益は計画をやや上振れた。エモーショナルシステム事業が重しとなった一方、セキュアクラウド事業において高度なクラウド基盤に必須となる高付加価値製商品の販売が増加したことに加え、人員増に伴う内製化で製造コスト最適化を実現したことが貢献した。なお、期末従業員数は前期比11人増の65人と純増しており、注視していた人財の定着についても順調と言える。
3. 人財増強継続しつつ、7期連続最高益更新を目指す
2025年9月期の業績見通しについては、売上高が前期比10.0%増の3,420百万円、営業利益が同4.9%増の380百万円、経常利益が同3.8%増の376百万円、当期純利益が同0.1%増の256百万円を計画する。同社は2025年9月期を「持続的な成長への基盤固め、成長のための準備を加速する一年」と位置付け、積極的な人財増強を継続しつつ、増収増益及び7期連続最高益更新を目標に掲げる。セキュアクラウドシステム事業では、ハイブリッドクラウドのほかサイバーセキュリティ関連での高付加価値化を実現し、高収益率を狙う。ソリューションメニューの拡大で収益基盤拡大に期待がかかる。エモーショナルシステム事業は大幅な増収、セグメント黒字転換の計画である。防災市場、宇宙分野を中心に、有識者などとの協業やデモンストレーションでMetaWalkersとメタバースの可能性を引き出し、新規プロジェクトを推進する。
■Key Points
・2024年9月期は過去最高の売上、コスト最適化で高収益体質に
・2025年9月期も人財増強継続でコスト増加するが増収増益の計画
・最大の鍵はエモーショナルシステム事業のトレンド転換の成否
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<HN>
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unerry Research Memo(6):2025年6月期は引き続き売上・利益ともに高成長を見込む
*14:06JST unerry Research Memo(6):2025年6月期は引き続き売上・利益ともに高成長を見込む
■unerry<5034>の今後の見通し2025年6月期の業績予想は、売上高3,746百万円(前期比32.2%増)、営業利益240百万円(同34.2%増)、経常利益240百万円(同78.5%増)、当期純利益138百万円(同103.0%増)を見込んでいる。売上高は、リテールDXやリテールメディア事業において2024年6月期の新規顧客をリカーリング顧客化し、クロスセルやアップセルを着実に実行することで、32.2%の成長率達成を目指す。分析・可視化サービスと行動変容サービスを成長エンジンとして積極的に伸ばす計画だ。2024年6月期について、全顧客数203社のうち109社がリカーリング顧客、94社が新規または取引中の顧客となるが、2025年6月期には、新規または取引中94社のうち33社のリカーリング顧客化を目指す。新規顧客数に関しては、分析・可視化サービス等をトリガーにリカーリング顧客化を進める方針で、146社を目標としている。全体としては顧客総数288社を目標に掲げる。同社は、リカーリング顧客について、2024年6月期比で年間顧客単価は同水準の23百万円、NRRは若干低下の119%と保守的に見積もっている。考えられる理由として、2023年7月に同社が採択された「東京都スマートサービス実装促進プロジェクト『Be Smart Tokyo』」では、東京都と連携しながらスマートサービス実装に向けた技術支援を行うことから、スマートシティ基盤となる行政等に向けた新たなプロジェクト案件が増加していることが挙げられる。行政等自治体では単年度契約が多く、リカーリング顧客化の不確実性が高いことを考慮したと推測される。利益面では営業利益の増益を売上高成長と同程度に見込む。売上原価に関し、売上増加に伴い、全体としてデータ量が増えインフラ費用が増加するほか、広告変容サービスでは広告原価が、One to Oneサービスでは外注費が膨らむものの、原価率は直近3期水準の64%程度を維持する。販管費については、後述のプロダクト開発投資に向けた採用強化により、人件費や業務委託費等の増加を見込んでおり、総額としては1,120百万円(前期比26.4%増)となるが、販管費率は増収効果により前期比で1.4ポイント低下と改善する見込みだ。投資計画としては、グローバル、スマートシティ、リテールメディア等の新事業サービスの開発に63百万円、データ量増加に伴うインフラ費用最適化のためのデータウェアハウス開発に20百万円、中期計画実現に向けた資本出資や提携推進のための業務委託費用として10百万円、合計93百万円を予定している。このうちグローバル、スマートシティ、リテールメディア等の新事業サービスについては、システム改善やオペレーション自動化等の機能強化を行うことでサービス改善につなげる。また、データ量増加に伴うインフラ費用最適化のためのデータウェアハウス開発により、前述のデータ分析を効率的に進め、コスト低減を図る。(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<HN>
2024/12/12 14:06
注目トピックス 日本株
unerry Research Memo(5):2024年6月期は増収増益、リカーリング顧客化が堅調に進捗
*14:05JST unerry Research Memo(5):2024年6月期は増収増益、リカーリング顧客化が堅調に進捗
■unerry<5034>の業績動向1. 2024年6月期の業績2024年6月期の業績は、売上高2,834百万円(前期比36.5%増)、営業利益179百万円(同409.3%増)、経常利益134百万円(同286.5%増)、当期純利益68百万円(同629.5%増)と増収増益で着地した。期初計画に対する達成率は、売上高は97.8%とわずかに未達となったものの、売上総利益は103.6%、営業利益は153.0%、当期純利益は104.6%と計画を達成した。売上高の90%を占めるリカーリングの顧客数が堅調に伸び、前期比31社増の109社となったほか、リカーリング顧客に対するクロスセル施策を着実に実行したことで、年間顧客単価23百万円、NRR124%と、前年度同水準の高いレベルを維持し、売上増に寄与した。事業別に見ると、主力の小売・外食産業向けのリテールDX事業で顧客獲得が堅調に推移し、前期比15%増の2,025百万円を計上した。不動産・自治体・官公庁向けのスマートシティ事業は前期比129%増の519百万円を記録した。全国の自治体が行う街づくり関連等の事業を調査して同社サービスを積極的に提案した結果、公募案件の獲得が進み、売上面に大きく寄与した。また消費財メーカー向けのリテールメディア事業は、業務提携先や直販での受注が堅調に伸び、前期比288%増の283百万円となった。サービス別では分析・可視化サービスが大きく伸長し、売上高は870百万円(前期比45.5%増)となったほか、行動変容サービスの売上高は1,191百万円(同36.4%増)と成長した。One to Oneサービスの売上高は773百万円(同27.8%増)と前期比増加した。同社はリカーリング顧客について、4四半期以上連続して取引のある顧客企業、及び直近3ヶ月以上連続で取引のある新規顧客企業と定義し、KPIとしてリカーリング売上高やリカーリング顧客1社売上高、リカーリング顧客数を設定している。大半の新規顧客が翌事業年度にリカーリング顧客となることから、1年契約が基本の分析・可視化サービスで獲得した新規顧客に対し、行動変容サービスやOne to Oneサービスのクロスセル、及び行動変容サービスのアップセルを展開し、リカーリングを生み出す収益モデルを構築している。新規顧客獲得ルートについては、直販、提携先からの紹介、トップリレーションによる取引の3パターンが主である。従来は各種イベント開催やマーケティング活動など直販での顧客開拓が多かったが、2024年6月期は提携先を通した紹介と協働による顧客開拓が成果を挙げた。提携先企業は同社のサービス内容を熟知していることから、見込み客を効率的に開拓でき、今後の売上増加に対する期待は大きい。利益面については、粗利率(売上総利益)37.6%(前期比3.8ポイント増)のほか、特に粗利率の高い分析・可視化サービスが大きく伸びたことや、相対的に原価率の高い行動変容サービスの粗利率改善が寄与した。行動変容サービスに属する広告配信サービス領域については、メディアに支払う広告原価が含まれ、大手の広告代理店でも粗利率は20%程度と言われているが、同社の粗利率は足もと3期で30%半ば水準を維持している。粗利率のさらなる改善に向け、独自性が高く高粗利率であるメディアの利用比率が向上したほか、業務プロセス見直しなど地道な改善により成果を残した。販管費については、従業員採用等人件費に加え、売上拡大に伴って増加した取扱データを処理するサーバーの利用料、イベント等の認知向上活動のための広告宣伝費が増加した。その結果、前期比32.8%増の886百万円となったが、増収効果がそれを上回ったことで販管費率は前期比で0.8ポイント減と改善を見せ、営業利益の増益につながった。なお営業利益については業績予想を大幅に超えたが、要因としては前述の粗利率改善に加えて、サーバー費用の削減効果(37百万円)、間接人件費や業務委託費の削減効果(25百万円)が含まれる。サーバー費用削減については、データ分析時にデータ利用方法を見直し、分析頻度の高いデータを事前集計して効率化したほか、効率的な分析手法の社内共有により費用増加を抑制した。人件費や業務委託費については、削減効果だけでなく、フロントラインで生産性向上が進んだことも成果として表れた。経常利益については、2024年6月期において北米事業展開に想定以上の時間を要していることに伴い、投資全額に対して貸倒引当金(48百万円)を営業外費用に繰り入れたことにより営業利益の伸び率を下回った。自己資本比率は77.4%と高水準。財務の健全化が進む2. 財務状況と経営指標2024年6月期末の総資産は前期末比592百万円増加し2,103百万円となった。このうち流動資産が656百万円増加し2,072百万円となった。主な要因は、現金及び預金531百万円の増加と、売掛金及び契約資産の120百万円増加である。固定資産は64百万円減少し30百万円となった。要因は、同期において北米事業に関する投資金額について貸倒引当金48百万円を計上したことや、繰延税金資産の減少(27百万円)である。負債合計は前期末比60百万円増加し474百万円となった。主な要因は、買掛金21百万円の増加、1年内返済予定の長期借入金104百万円の減少である。これにより借入金はゼロとなった。純資産は前期末比531百万円増加し1,629百万円となった。主な要因は、新株の発行に伴って資本準備金が230百万円増加したこと、その他資本剰余金が新株発行に伴う資本金からの振替や自己株式の処分により238百万円増加したこと、及び当期純利益68百万円の計上である。経営指標では、流動比率は前期比94.6ポイント上昇し437.1%に、固定比率は前期比6.7ポイント減の1.9%と改善を見せた。増収等によって流動性が高く、自己資本比率も77.4%と高水準であり財務は健全である。(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<HN>
2024/12/12 14:05
注目トピックス 日本株
unerry Research Memo(4):リアル空間のデータを収集・蓄積・整理・分析・活用し、UX向上実現(3)
*14:04JST unerry Research Memo(4):リアル空間のデータを収集・蓄積・整理・分析・活用し、UX向上実現(3)
■unerry<5034>の会社概要3. 同社の特徴と強み同社の強みは、ビッグデータの量・質、高度なAI分析、事業提携による事業拡大とクロスセル、リカーリングによる安定した収益基盤に大別できる。(1) 屋外・屋内の人流がわかるリアル行動ビッグデータ同社は217万ヶ所にある、120以上のアプリ(4.2億IDに相当)が登録された「Beacon Bank」を運営し、屋外・屋内双方のデータを蓄積・分析している。月間840億件に上る膨大なログを蓄積し、網羅性のあるデータを保有することにより、詳細な分析を行いターゲットに関する精緻な理解と確度の高い推定を行うことが可能となっている。「Beacon Bank」の最大の特徴は同社が日本・米国・中国で特許を取得した技術※1に基づくものであり、模倣困難性が高いことである。また、「Beacon Bank」にはネットワーク効果※2も働いており、競争優位を持続させる大きな要因になっている。また、人流データを蓄積するなかにあっても、プライバシーに配慮している点も特徴だ。欧州のGDPR(一般データ保護規則)に代表されるようにグローバルレベルでプライバシーへの関心が高まっており、同社事業にとって追い風になると言えるだろう。※1 スマートフォンアプリがキャッチできるビーコンの数を限定しないこと。※2 ビーコンとアプリの登録数がプラスの相互作用を発揮すること。登録しているビーコンが多ければより多くのアプリが登録されるようになり、その逆も然りと言える。(2) AI×豊富なノウハウによるカスタマーサクセス力リアル行動データを意味付ける独自開発のAI群と社内でのデジタルマーケティングにおける最適事例の共有の仕組み構築により、顧客のROIと売上高を向上させるカスタマーサクセス力を実現している。蓄積したデータをAIで分析する際には、160以上の場所カテゴリの訪問傾向をプロファイリングする「プロファイリングAI(行動DNA)」、徒歩・自動車・電車などの移動手段や日常・非日常を推定する「移動手段・状況推定AI」を活用する。さらに、ビルインや地下店舗を含む日本全国254万POI(地図上の特定のポイントのこと)の来店・来店計測を行う「POI来訪計測AI(+混雑推定)」、次にどの店舗を訪問する可能性があるかを推定してレコメンドする「リアルレコメンドAI」、来店可能性の高い人を自動的にターゲティングする「来店可能性予測AI」を運用している。夜間の滞在場所を居住地、昼間を勤務地とし、出社率推移なども特定可能な「居住地・勤務地AI」により、データを顧客にとって価値ある情報に変換している。また、社内でデジタルマーケティングに関する最適な事例が共有される仕組みの構築も促進している。小売・メーカーでDXやデジタルマーケティングの経験を持つメンバーを採用することによって顧客が直面する課題を的確に把握し、AI分析により顧客の業績向上に貢献している。そのほか、過去の成功事例を社内で共有し、社員の提案力・問題解決力を高める取り組みも実践している。(3) 事業提携×クロスセルによる成長サイクル同社はこれまで業界を代表する企業と業務提携・連携し、業績を拡大してきた。2017年6月期に小売・外食向けのデータ支援を目的にコカ・コーラウエスト(株)(現 コカ・コーラボトラーズジャパン(株))と業務提携したことを皮切りに、2018年6月期に電通グループ、三菱地所、アドウェイズ<2489>、2019年6月期に(株)impactTV、2020年6月期に(株)NTTデータ(現 NTTデータグループ)、2021年6月期に三菱商事、(株)カインズなど業界を代表する企業と連携している。2022年6月期には、TOPPANホールディングス<7911>、LINE(株)(現 LINEヤフー<4689>)、三井住友カード(株)、グーグル・クラウド・ジャパン(同)との連携を発表している。業界の大手企業と連携するなかで連携先の顧客を自社の顧客として取り込み、業績を拡大してきた。同社によると、コカ・コーラウエストや三菱地所と連携したことで「業界トップクラスの企業が協業する企業」という認知が広まったと言う。2023年8月には三菱食品と、リテールメディアネットワーク事業の共同推進を目的とした業務提携契約を締結するなど、今後も業界大手企業との連携が加速することが予想される。それとともに同社の顧客数・業績が拡大するものと弊社では見ている。同社は、現在の主戦場であるリテール事業、消費財メーカー、広告、まちづくり事業等の領域に加え、ほかの業界においても提携を重ね、生活者行動ビッグデータへの多様なニーズに対応し、業界横断的なグローバルデータインフラとなることを目指している。また、前述のように「分析・可視化サービス」「行動変容サービス」「One to Oneサービス」からなるサービス群がクロスセルを意識した構成になっている点も特徴であろう。これにより、顧客当たりの単価を上昇させ、同社の業績拡大を実現している。さらに、250店舗のスーパーマーケットを構える顧客の事例においては、「分析・可視化サービス」を月額15万円で利用したところから始まり、最終的には「分析・可視化サービス」「行動変容サービス」「One to Oneサービス」をフルラインナップで利用し、月額1,200万円まで顧客単価が伸びた例もあると言う。(4) リカーリングを生み出す収益モデル「分析・可視化サービス」と「One to Oneサービス」は1年契約が基本である。また、「行動変容サービス」に関しても顧客の店舗数増加に伴って収益が拡大するモデルを採用しているため、継続かつ安定的に売上が増加しやすい収益構造となっている。同社のサービスを使用することによって目に見える形で効果が出ることから、顧客が離反する誘因が働きにくい点も安定収益に寄与している。実際、2024年6月期のリカーリング顧客数は109社であり、2023年6月期の78社から大きく増加した。売上高に占めるリカーリング売上高比率は90.0%(2023年6月期90.0%)と高い水準を維持している。なお、同社の業績は季節要因によって変動することに注意が必要だ。主要顧客である小売業の繁忙期が12~3月であるため、売上高が第3四半期(1~3月)に偏重する傾向がある。一方で、事業にかかる費用は通年で発生するため、売上高の相対的に小さい第1四半期と第2四半期は利益の伸びが低下する傾向がある。しかし、年間を通じた利益成長につながるサービスなどの施策に取り組んでおり、第3四半期偏重の傾向は改善に向かっている。(5) 経験豊富な経営陣同社代表取締役社長CEOの内山英俊(うちやまひでとし)氏は米ミシガン大学大学院でコンピューターサイエンスの修士号を取得したスペシャリストである。大学院卒業後もグローバル戦略コンサルティングファームであるプライスウォーターハウスクーパース(以下、PwC)、A.T.カーニーなどで活躍してきた経歴を持っている。そのほかの経営陣に関しても、PwCをはじめとして(株)経営共創基盤、アクセンチュア(株)などで活躍した人財が揃っている。AI・コンピューターサイエンス分野のスペシャリストである内山氏をはじめとした層の厚い経営陣が肩をならべている点も同社の強みの1つである。(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<HN>
2024/12/12 14:04
注目トピックス 日本株
unerry Research Memo(3):リアル空間のデータを収集・蓄積・整理・分析・活用し、UX向上実現(2)
*14:03JST unerry Research Memo(3):リアル空間のデータを収集・蓄積・整理・分析・活用し、UX向上実現(2)
■unerry<5034>の会社概要2. 事業内容同社は、GPSとBluetoothビーコンより取得した位置情報データをAI群で解析し、主に小売・外食業界、スマートシティの領域に向けソリューションを提供している。具体的には、「分析・可視化サービス」「行動変容サービス」「One to Oneサービス」という3種類のサービスである。「分析・可視化サービス」を導入サービスとして位置付け、その上位サービスとして「行動変容サービス」と「One to Oneサービス」があり、これらのクロスセルを促進する仕組みを構築している点も特徴だ。データ分析による現状把握から顧客に合わせたシステム構築まで一気通貫で提供することにより、顧客を囲い込めるサービス群を擁している。(1) 「分析・可視化サービス」「分析・可視化サービス」は、同社が「Beacon Bank」に収集・蓄積した位置情報データをAIで解析し、小売事業者、商業施設運営事業者、消費財メーカーのほか、自治体等に対してダッシュボードサービスや顧客のニーズに応じてカスタマイズした行動分析レポートを提供している。顧客はリアル行動データに基づく各種行動分析レポートを参照することによって自社のDX推進や店づくりに活用できるほか、街づくりの場面で使用すればスマートシティの構築に活用することができる。主に小売事業者を対象に提供している「ショッパーみえーる」は、全国約4.6万店(2024年9月末時点)における来店者のリアル行動データをAIで分析・推定することによって、商圏の把握、競合店舗とのシェア比較、来店客のデモグラフィー、細かな行動嗜好を簡単に把握することができる可視化ツールである。分析機能の拡張を続けており、2024年10月には従来の個別店舗別の詳細分析だけでなく、チェーン×都道府県における分析や、任意のエリアの来店者数ランキングなど、メーカー企業の販促戦略や小売企業の地域戦略に役立つ分析機能を搭載した。主に小売事業者のマーケティング施策に関わる意思決定の際の根拠として導入されている。クラウドで提供するSaaS方式を採用しており、サービス契約期間は基本的に年間で、分析対象のエリアや業態に応じて月額課金(15万円〜130万円)としている。「リアル行動データ可視化・分析」サービスでは、上記以外も含めたカスタマイズ性の高い分析などを提供しており、EBPM(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング/エビデンスに基づく政策立案)を推進する自治体などにも活用されている。そのほか、観光地やイベント会場などの曜日・時間帯別混雑状況をAIが「混雑」「通常」「閑散」の3段階で推定し可視化する「カスタマイズ混雑マップ」も提供している。顧客は混雑状況を推定したグラフを自社のサイトやアプリに好みのデザインで掲載することができ、密の回避による来訪者・自社スタッフの安全の確保や快適性を実現することができる。(2) 「行動変容サービス(Beacon Bank AD)」「行動変容サービス」は、まずリアル行動ビッグデータのAI解析により小売事業者や消費財メーカーに対し、来店可能性が高い消費者群と商圏を発見する。そして、消費者群へSNS(Instagram、X、LINE、Facebookなど)や動画共有サイト・コネクティッドTV等で情報発信することにより行動変容を促す広告配信サービスを提供している。最大の特徴は、広告配信の効果を測定し、次の意思決定の質向上によって顧客企業のROI(費用対効果)を高めることができる点だ。店頭に設置しているビーコン等を活用することによって、来店数、来棚数、購買数などの単位で効果を計測できる。顧客はその測定結果に基づきPDCAサイクルを回すことによって、より効果の高い広告配信施策を打つことが可能になる。主な用途としては、流通店舗・イベントのデジタル集客、メーカーなどの販促プロモーション、オンラインイベント・ECへの集客である。同社が提供する「分析・可視化サービス」でターゲットを抽出・把握したうえで、「行動変容サービス」によって効果的なプロモーションを行うといった利用方法が主である。同サービスの収益は、デジタルチラシの配信として毎月受領する配信料のほか、新規出店や特売セールなどのイベント、商品のシーズンインに応じて情報配信需要が高まるスポット収入から構成される。(3) 「One to Oneサービス」(Beacon Bank 1 to 1)「One to Oneサービス」は、小売事業者や商業施設運営事業者等に向けてオリジナルアプリの開発や統合マーケティング基盤(CDP:カスタマー・データ・プラットフォーム)を構築・提供し、消費者にパーソナル体験を届けるシステムソリューション全般の構築や運営を担う。「分析・可視化サービス」でターゲットや課題を抽出・把握し、「行動変容サービス」で効果的なプロモーション活動を実践し、顧客エンゲージメントをさらに高めて維持したいという場合には「One to Oneサービス」が導入される。同社の保有するリアル行動ビッグデータをはじめとした各種データソースに顧客が保有するデータ等を集約し、リアル行動、リアル購買、ネット行動、ネット購買のデータを統合・分析し、AIで意味付けする。それにより消費者を深く理解し、個々のターゲットが必要とする情報や興味関心のある情報を最適なタイミング、最適な媒体(インターネット上の広告表示、アプリを通じたプッシュ配信、デジタルサイネージなど)を通じて提供することが可能になる。同サービスの収益は、システム・アプリ等の構築対価と構築後の運用・保守への対価からなっている(月額数十万〜1,500万円)。同社サービスの導入企業の業種は、食品、ドラッグストア、ホームセンター、外食から家電メーカー、金融、不動産、商社、広告、国・自治体、公共交通、メディアなど多岐にわたる。各業界のトップクラスの企業が導入している点も特徴的だ。食品においては三菱食品<7451>、金融においては東京海上日動火災保険(株)、ほかにも三菱地所<8802>、三菱商事<8058>、電通グループ<4324>、NTTデータグループ<9613>、(株)TBSテレビ、自治体では環境省などの企業・省庁が同社の顧客となっている。業界トップクラスの企業が導入する理由は、同社のサービスが自社業績の拡大に直結するためであると弊社では考えている。実際、三菱地所が利用者の平均購買頻度を10%上昇させることに成功したほか、東京海上日動火災保険はeゴルファー保険広告反応率が1.4倍、ファミリーレストランを展開するジョイフル<9942>は顧客の来店頻度が3.5倍に増えた。ほかにも、TBSテレビは広告クリック率が3%超、(一財)箱根町観光協会は来訪率が4.7倍、ECサイトのHANEDA Shoppingはサイト訪問者の購入率を22%高めることに成功した。(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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2024/12/12 14:03
注目トピックス 日本株
GMOリAI Research Memo(4):4つの成長ステップを推進し、着実な成長を目指す
*14:03JST GMOリAI Research Memo(4):4つの成長ステップを推進し、着実な成長を目指す
■GMOリサーチ&AI<3695>の成長戦略今後の成長戦略として、「販売先フォーカスの変更+社内AI生産性の劇的な向上」「業界のAI化、生産性の劇的な向上(プラットフォームAI展開)」「AIによるパネルとの関係性の在り方(負荷軽減・不正排除)変革」「仲間づくり(M&A)、新サービス提供」の4つの成長ステップを掲げている。2024年12月期第3四半期末時点の進捗状況として、「販売先フォーカスの変更+社内AI生産性の劇的な向上」では、2023年後半よりフォーカスする販売先を利益率の高い国内事業会社及び海外調査会社に変更した。そして2024年12月期第3四半期の売上高は事業会社が20.3%増、海外調査会社7.3%増となり、取り組みの成果が表れた形となっている。また2024年10月より、AI技術を活用して社内のリサーチオペレーション業務を大幅に効率化する取り組みを開始した。AI技術の活用(AIヒアリングシステム導入による商談時の情報収集・整理の効率化、AIチャットボット導入による顧客・社内コミュニケーション自動化、AIベースのターゲティング技術によるアンケート配信プロセスの自動化、AIを活用したデータ自動集計など)によって年間23,820時間分の業務効率化を見込み、社内の生産性向上と顧客に対する迅速かつ快適なサービス提供の実現を目指す。「業界のAI化、生産性の劇的な向上(プラットフォームAI展開)」では、ネットリサーチとAIを組み合わせた「GMO Ask for」シリーズの提供を開始し、「GMO Ask for 採用DX」「GMO Ask for 新規事業開発」「GMO Ask for 調査リリース」「GMO Ask for らくらく海外調査」「GMO Ask for らくらくインバウンド調査」などを順次リリースしている。「AIによるパネルとの関係性の在り方(負荷軽減・不正排除)変革」では、高品質な消費者データを提供する使命を推進するため、インターネット調査用パネル「ASIA Cloud Panel」に「Ghost Completes」の特定・除外機能を追加した。「仲間づくり(M&A)、新サービス提供」では、データとAI技術の融合による革新的なマーケティングサービスの開発を目的として、2024年8月にシンガポールのETE HOLDINGS PTE. LTD.と資本業務提携した。同社のビジネスモデルは、日本・アジアを中心とするグローバルなインターネットリサーチ市場において、プラットフォームや調査用パネルを市場調査会社や事業会社等に対して提供することであり、市場調査の事業環境変化(オンライン化・小型化・ライト化・内製化等)に合致した独自のビジネスモデルと考えられ、この点を弊社では高く評価している。業績面で見ても2024年12月期予想を下方修正したものの、第4四半期からは特殊要因の一巡や成長に向けた各種取り組みの成果により急回復する見込みであり、新たな成長ステージに入った可能性があると弊社では考えている。同社は中期経営計画を公表していないが、同社内では毎期20%以上の業績成長と、これを実現するための経営基盤づくりを進めているようだ。引き続き4つの成長ステップの進捗状況に注目したいと弊社では考えている。■株主還元策基本方針は連結配当性向50%を目標に安定した配当を継続同社は、経営体質の強化と今後の事業展開や内部留保等を総合的に勘案したうえで、連結配当性向50%を目標に安定した配当を継続して行うことを基本方針としている。この基本方針に基づいて2024年12月期の配当予想は前期同額の年間114.84円としている。配当性向は、連結業績予想を下方修正したため98.8%と一時的に高まる。しかし、2025年12月期は2023年12月期を上回る水準の業績が見込まれるため、配当予想を据え置いた。そして2025年12月期以降の連結配当性向は50%程度へ収束する見込みとしている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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2024/12/12 14:03
注目トピックス 日本株
GMOリAI Research Memo(3):2024年12月期第3四半期は特殊要因の影響により減収減益
*14:02JST GMOリAI Research Memo(3):2024年12月期第3四半期は特殊要因の影響により減収減益
■GMOリサーチ&AI<3695>の業績動向1. 2024年12月期第3四半期の業績概要2024年12月期第3四半期累計の連結業績は、売上高が前期同期比3.8%減の3,657百万円、営業利益が75.7%減の73百万円、経常利益が78.3%減の67百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が73.1%減の58百万円となった。第2四半期までに発生した国内の調査会社向けや海外案件の特殊要因の影響(前期同期比271百万円の減収影響)を主因として減収減益となった。なお売上高は特殊要因の影響を除くと3.6%増収となった。第3四半期では特殊要因影響セグメントにおいて、下げ止まりが確認できた。売上総利益は3.3%減少したが、売上総利益率は0.3ポイント上昇して48.9%となった。利益率の高い国内事業会社向けの第2四半期までの増収がけん引した。販管費は10.9%増加し、販管費比率は6.2ポイント上昇して46.9%となった。営業体制変更、AI活用関連費用、CASHMART事業譲受、海外子会社に係る為替換算等の影響で増加した。事業別売上高(2024年12月期より区分変更、前期比増減率は組替後)は、事業会社が20.3%増の483百万円、調査会社の国内が6.5%減の2,216百万円、調査会社の海外が7.3%増の697百万円、グローバルパネル会社が31.5減の259百万円となった。事業会社は専任チーム拡充などの拡販活動が奏功し、利用企業数が増加して大幅伸長した。調査会社の国内は資本再編・特定大型案件の減少などの特殊要因の影響で減収となった。ただし一過性要因である。調査会社の海外とグローバルパネル会社については、成長戦略の一環として利益率の低いグローバルパネル会社向けの販売を戦略的に海外調査会社へシフトさせているため、調査会社の海外が増加、グローバルパネル会社が減少となった。2. 財務の状況財務面で見ると、2024年12月期第3四半期末の資産合計は前期末比246百万円減少して2,746百万円となった。主に現金及び預金が121百万円減少、売掛金が125百万円減少した。負債合計は126百万円減少して819百万円となった。主に未払費用が38百万円減少、その他流動負債が36百万円減少、未払法人税等が31百万円減少した。純資産は120百万円減少して1,927百万円となった。利益剰余金が129百万円減少(四半期純利益の計上により58百万円増加、配当金の支払いにより187百万円減少)した。この結果、自己資本比率は1.5ポイント上昇して69.9%となった。特に大きな変動項目はなく、無借金経営であることも勘案すれば、健全な財務体質を維持していると弊社では判断している。■今後の見通し2024年12月期は下方修正し減収減益を予想。第4四半期に利益は急回復へ2024年12月期の連結業績予想は2024年11月6日付で下方修正し、売上高が前期比0.2%減の5,107百万円、営業利益が40.1%減の264百万円、経常利益が40.5%減の255百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が38.2%減の190百万円としている。前回予想(2024年2月5日付公表の期初計画値、売上高5,746百万円、営業利益502百万円、経常利益502百万円、親会社株主に帰属する当期純利益342百万円)に対して、売上高を639百万円、営業利益を238百万円、経常利益を247百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を152百万円、それぞれ下方修正して減収減益予想とした。第3四半期までの特殊要因の影響を勘案して通期予想を下方修正した。ただし第4四半期以降は売上高が回復基調となり、販管費では特筆すべき増加要因を見込んでいないため、業績は急回復する見込みとしている。修正後の第4四半期の売上高計画は、国内(国内事業会社、国内調査会社の合計)が前期比15%増収、海外(海外調査会社、グローバルパネル会社の合計)が5%減収としている。国内事業会社は、第2四半期に前期の大型案件の反動影響があったことに加え、ドメイン変更の影響で同社ホームページへのオーガニック流入が減少したことで第2四半期の有効リード獲得数が減少(有効リード獲得から売上までのリードタイムは約2〜3ヶ月)したため、第3四半期の売上高が伸び悩んだ。しかし第3四半期は有効リード獲得数が大幅に増加して案件単価も上昇したため、第4四半期以降は高成長に回帰する見込みだ。国内調査会社は、前下期に発生した特殊要因(資本再編・特定大型案件の減少)の影響が一巡し、第4四半期以降は増収基調に回帰する見込みとしている。海外調査会社は、第3四半期に期ズレ案件が発生し、粗利率改善を目的とした案件絞り込みも継続するが、グローバルパネル会社向けからの戦略的シフトも寄与して売上改善基調を見込んでいる。グローバルパネル会社については、前期に発生した中国とインドにおける特定案件減少影響が一巡するが、海外調査会社向けへの戦略的シフトにより保守的な計画としている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展
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2024/12/12 14:02
注目トピックス 日本株
unerry Research Memo(2):リアル空間のデータを収集・蓄積・整理・分析・活用し、UX向上実現(1)
*14:02JST unerry Research Memo(2):リアル空間のデータを収集・蓄積・整理・分析・活用し、UX向上実現(1)
■unerry<5034>の会社概要1. 会社概要同社は、「心地よい未来を、データとつくる。」というミッションの下、リアル行動データとAIを活用し、リアル空間を見える化することによってマーケティングや街づくりの領域でソリューションを提供している。中国・北米・日本で特許を取得しているリアル行動ビッグデータプラットフォーム「Beacon Bank」を通じて特定の個人を識別しない人流データを蓄積し、「分析・可視化」「行動変容」「One to One」という3つのサービスを顧客に提供している。人流データは、ユーザーがビーコン電波範囲に入った際に位置情報を取得するBluetoothビーコン(Bluetoothの電波を発信する小さな端末)と、ユーザーの断続的な位置情報を取得するGPSにより位置情報データを取得することで蓄積される。具体的には、同社の「Beacon Bank SDK(ソフトウェア開発キット:ソフトウェアやWebサービスの開発に必要なプログラム、API、仕様書などをパッケージ化したもの)」を組み込んだスマートフォンアプリを介して取得した位置情報データが、リアル行動データプラットフォームである「Beacon Bank」に蓄積され、同社独自開発のAI群によって解析される仕組みだ。同社が分析対象としているデータは膨大であり、4.2億IDのアプリユーザー(約120以上のアプリが同社の「Beacon Bank SDK」を搭載している)と217万ヶ所のビーコンにより取得する月間840億件以上のログを解析している。こうして膨大かつ網羅的な人流データを分析できることも同社サービスの競争優位の1つだ。併せて、同社はプライバシー対応も実践している。SDKを組み込んだアプリで情報を取得する際はユーザーの事前許諾を得ること、ユーザーがデータ許諾を拒否する方法を明示することなどを徹底し、透明性の高い情報の収集・蓄積を可能にしている。さらに、情報の分析の際にも統計処理の方法を工夫し、情報の蓄積・分析を行っている。特定の個人を識別する可能性を排除するために統計データ化や少数サンプルの秘匿処理などを実践し、安全性向上に注力している。デジタル化が高度に発達した現代においても、消費の90.6%は実社会でのリアル購買によるものだ(2023年経済産業省)。一方で、実社会におけるデータの収集・蓄積・整理・分析・活用はまだ十分になされていない。そういった意味では今後同社の事業が貢献できる領域は広大であり、伸び代も大きいと言えるだろう。なお、同社は実社会データを基に一般消費者の状況に応じた最適な情報が提供される世界を「環境知能」とし、「人が意識してコンピュータを操作するのではなく、IoTデバイスが人々を『取り巻く(=ambient)』環境に遍在し、状況を賢くセンシングすることで自然な形で必要な情報が提供され、安全安心な状況が保持される環境が知能を持ち、くらしをサポートしてくれる世界」と定義している。(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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2024/12/12 14:02
注目トピックス 日本株
GMOリAI Research Memo(2):リサーチ業務を完結できるプラットフォームや調査用パネルを提供
*14:01JST GMOリAI Research Memo(2):リサーチ業務を完結できるプラットフォームや調査用パネルを提供
■会社概要1. 会社概要GMOリサーチ&AI<3695>はフィロソフィーに「想いを、世界に」を掲げ、GMOインターネットグループにおいてインターネットリサーチ分野を担い、日本・アジアを中心としてグローバルに市場調査・マーケティングで新しい価値を創造する企業である。傘下にシンガポール、中国、インド、マレーシア、米国の海外5社を擁する。2002年4月にGMO総合研究所(株)を設立した。2006年9月にGMOインターネットグループ内でインターネットリサーチ事業を行う旧 GMOリサーチ(株)を吸収合併し、商号をGMOリサーチ(株)へ変更した。2024年5月には、AI技術をもってリサーチ業界においてリーダーシップを強化し、業界革新の先導を図る意欲を示すために、商号を現在のGMOリサーチ&AIに変更した。2014年10月に東京証券取引所(以下、東証)マザーズへ株式上場したが、2022年4月に東証の市場区分見直しに伴い、東証グロース市場へ上場した。2. ビジネスモデル及び主力サービス市場調査は、消費財メーカー等の一般事業会社が「自社商品の市場における位置付け」「新商品のニーズ」「広告・キャンペーンの施策やその効果」「商品に対する満足度」など、一般消費者の行動や意識の実態・変化を的確に捉えるために、市場調査活動※を行うが、その多くはマクロミル<3978>、クロス・マーケティンググループ<3675>、ネオマーケティング<4196>などの一般事業会社が市場調査専門会社に調査を委託している。※ 対面でアンケート・インタビュー回答する調査、アンケート用紙を郵送・返送する郵送調査、インターネット上でアンケート調査を行うインターネットリサーチなど。同社のビジネスモデルは、日本・アジアを中心とするグローバルなインターネットリサーチ市場において、インターネット上でリサーチ業務※1を完結できるプラットフォームやパネル※2を、市場調査会社や自社で市場調査を行う事業会社等に対して提供することを主力としている。アンケート調査を行う顧客企業(調査会社、事業会社など)と、アンケート調査に回答するパネル(消費者)をつなげるビジネスモデルとなっている。※1 調査設計~Web調査画面作成~アンケート実施~パネル管理・Cloud Panel利用~精査・集計~レポート作成。※2 パネルとは、インターネットを通じて調査に回答する一般消費者やビジネスパーソンのことで、同社はその集合体を消費者側プラットフォームの「ASIA Cloud Panel」と称している。主力サービスは、国内外の調査会社(シンクタンク、コンサルティング会社等を含む)向けプラットフォーム「GMO Market Observer」(同社の登録商標)と、国内の一般事業会社(学校、官公庁等を含む)向け完全DIY型(セルフ型)プラットフォーム「GMO Ask」である。「GMO Market Observer」は、インターネット上でリサーチ業務のすべてを完結できるリサーチソリューションプラットフォームの総称である。従来各社ごとに開発されていたインターネットリサーチツールを標準化し、低コストで提供することを可能にしたことが顧客側のメリットとなっている。「GMO Ask」は、同社のDIY型アンケートツールや調査用パネルネットワークを利用して、一般事業会社が自社でアンケート作成・配信等を行える手軽なセルフ・プラットフォーム・サービスである。市場調査業務のオンライン化・小型化・ライト化・内製化等の需要が高まっているため、「GMO Ask」によって国内事業会社市場の開拓を推進している。日本・アジア最大規模のパネルネットワークが強み3. 特徴・強み同社の特徴・強みとしては、日本・アジア最大規模のパネルネットワーク「ASIA Cloud Panel」を構築していること、不正回答の排除や最適なターゲティング配信など高品質・利便性が高いパネルであることが挙げられる。同社の調査用パネル「ASIA Cloud Panel」は、独自テクノロジーやAIの活用による不正回答の排除・回答品質の確保、アンケート回答のデータベース化によるアンケートの最適なターゲティング配信などにより、常にアップデートされている。パネル数は2024年10月現在で、451社(媒体)のロイヤルティー会員保有企業(媒体)とAPI接続し、アジア(日本を含む)16の国と地域において合計6,744万人に達している。そしてパネル提供市場における同社のシェアは、同社資料によると日本1位(市場シェア80%)、世界9位(同2%)の規模となっている。2024年1月にはパネルネットワーク拡大やパネル会員定着率向上を目的として、SNOWBALLからCASHMART事業を譲り受けた。CASHMART事業は独自開発したスマホアプリにおいて約50万人のユーザーを有するとともに、アンケートを収集する仕組みや動画広告を使った会員エンゲージメントコンテンツを保有している。なお同社は、パネルネットワークに登録された調査対象者に対してアンケートへの参加を依頼し、回答者に謝礼としてポイントを付与している。回答者はポイントを現金・商品券・商品などに交換することができる。このポイント発行費等が案件実施原価として同社の売上原価の大部分を占めている。利益率の高い取引へシフト4. 売上区分同社の報告セグメントはインターネットリサーチ事業の単一セグメントだが、事業売上区分(2024年12月期より変更)を販売チャネル別に「事業会社」「調査会社(国内と海外)」「グローバルパネル会社」としている。2024年12月期第3四半期累計の事業別売上高は、事業会社が483百万円(売上構成比13.2%)、調査会社が国内2,216百万円(同60.6%)で海外697百万円(同19.1%)、グローバルパネル会社が259百万円(同7.1%)となった。同社は成長戦略の一環として、利益率の高い国内事業会社向けの拡販を推進するとともに、利益率の低いグローバルパネル会社向けの販売を戦略的に海外調査会社へシフトさせている。なお2023年12月期の平均粗利率は国内事業会社が74%、国内調査会社が59%、海外調査会社が51%、グローバルパネル会社が37%となった。プラットフォーム・サンプルパネル提供市場は拡大基調5. リスク要因・収益特性及び課題・対策インターネットリサーチ業界の一般的なリスク要因としては、景気変動等による需要変動、競合激化、技術革新への対応遅れ、システム管理・情報セキュリティ対応、法的規制などがある。市場調査全体及びインターネットリサーチの需要については景気減速によって一時的に減少する可能性があるものの、同社が展開するセルフサービスプラットフォーム・サンプルパネル提供市場は、市場調査業務のオンライン化・小型化・ライト化・内製化等のニーズが高まりにより拡大基調となっており、このトレンドは中長期的にも変化はないと考えられる。また、市場革新に対応したサービスの開発や機能拡充などによって競合優位性の維持・強化に取り組んでいる。なお季節要因として、一般的に市場調査は事業会社の次年度のマーケティング計画策定のための調査やクリスマス商戦に向けた事前調査として、1月~3月及び10月~12月に偏重する傾向がある。このため同社の場合は第1四半期(1月~3月)及び第4四半期(10月~12月)に売上が偏重する傾向がある。また第4四半期に売上計上を予定していた案件が期ズレとなった場合等に、一時的要因として業績に影響を与える可能性がある。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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2024/12/12 14:01
注目トピックス 日本株
unerry Research Memo(1):2025年6月期も引き続き売上・利益ともに高成長を見込む
*14:01JST unerry Research Memo(1):2025年6月期も引き続き売上・利益ともに高成長を見込む
■要約unerry<5034>は、「心地よい未来を、データとつくる。」というミッションの下、実社会のデータをAIで分析し、リアル空間を見える化することによって生活のUX※向上に貢献している。リアル行動ビッグデータプラットフォーム「Beacon Bank(R)」(以下、「Beacon Bank」)を通じて特定の個人を識別しない人流データを蓄積し、「分析・可視化」「行動変容」「One to One」という3つのサービスを顧客に提供している。※ UX(ユーザーエクスペリエンス:ユーザーがプロダクトやサービスを通して得られた体験)1. 2024年6月期の業績概要2024年6月期の業績は、売上高2,834百万円(前期比36.5%増)、営業利益179百万円(同409.3%増)、経常利益134百万円(同286.5%増)、当期純利益68百万円(同629.5%増)と増収増益で着地した。期初計画に対する達成率は、売上高は97.8%とわずかに未達となったものの、売上総利益は103.6%、営業利益は同153.0%、当期純利益は同104.6%と計画を達成した。リカーリング顧客数の堅調な伸びに加え、リカーリング顧客に対するクロスセル施策を着実に実行したことで高い顧客単価を維持したこと、リテールメディア事業・スマートシティ事業といった新事業が高い成長を実現したことが売上増に寄与した。利益面については、粗利率(売上総利益)37.6%(前期比3.8ポイント増)のほか、特に利益率の高い分析・可視化サービスが大きく伸びたことや、相対的に原価率の高い行動変容サービスの粗利率の改善が寄与した。営業利益については粗利率の改善に加えて、サーバー費用の削減効果(37百万円)、間接人件費や業務委託費の削減効果(25百万円)もあり、最高益を大きく更新した。経常利益については、2024年6月期において北米事業展開に想定以上の時間を要していることに伴い、投資全額に対する貸倒引当金(48百万円)を営業外費用に繰り入れたことにより営業利益の伸び率を下回った。2. 2025年6月期の業績見通し2025年6月期の業績予想は、売上高3,746百万円(前期比32.2%増)、営業利益240百万円(同34.2%増)、経常利益240百万円(同78.5%増)、当期純利益138百万円(同103.0%増)を見込んでいる。売上高は、リテールDXやリテールメディア事業において2024年6月期の新規顧客をリカーリング顧客化し、クロスセルやアップセルを着実に実行することで計画達成を目指す。分析・可視化サービスと行動変容サービスを成長のエンジンとして積極的に伸ばす計画だ。2024年6月期について、全顧客数203社のうち109社がリカーリング顧客、94社が新規または取引中の顧客となるが、2025年6月期には、新規または取引中94社のうち33社のリカーリング顧客化を目指す。新規顧客に関しては、分析・可視化サービス等をトリガーにリカーリング顧客化を進める。同社は、リカーリング顧客について、2024年6月期比で年間顧客単価は前期並みの23百万円、NRR※は前期比若干低下の119%を見積もっている。利益面では営業利益の増益を売上高の成長と同程度に見込む。売上原価に関し、売上増加に伴い、全体としてデータ量が増えインフラ費用が増加するほか、広告変容サービスでは広告原価が、One to Oneサービスでは外注費が膨らむものの、原価率は直近3期水準の64%程度を維持する。販管費については、後述のプロダクト開発投資に向けた採用強化により、人件費や業務委託費等の増加を見込んでおり、総額としては1,120百万円(前期比26.4%増)となるが、販管費率は増収効果により前期比で1.4ポイント低下と改善する見込みだ。※ NRR:ネットレベニューリテンションレート=(前年度以前に獲得したリカーリング顧客の当期売上高)÷(当該顧客の前期売上高)。3. 中期成長戦略の概要2024年9月に「事業計画及び成長可能性に関する説明資料」を発表し、2023年9月に中期成長戦略として掲げた目標2028年6月期売上高100億円への進捗状況を明らかにした。2023年6月期から2028年6月期までの年平均成長率を36%と計画しているが、2024年6月期は前期比37%の成長を見せており、計画は堅調に進捗している。2028年6月期の売上高100億円達成に向けては、データプラットフォームのデータの幅・量をグローバル水準まで引き上げることにより分析精度と適用サービスを拡大することで中期競争優位による潜在成長率を引き上げることと、「顧客獲得×リカーリング顧客単価向上」の成功方程式を推進する組織基盤整備を着実に推進する。求められる経営目標として「潜在成長率の向上」「新規顧客獲得」「リカーリング顧客化・単価向上」「組織の急成長」の4点を掲げ、それぞれの達成に向け4つの具体戦略を策定し、推進している。■Key Points・2024年6月期は期初予想をほぼ達成し、過去最高の収益利益を確保・2025年6月期は売上・利益共引き続き高成長を見込む・リテールDX・リテールメディア・スマートシティ・グローバル事業を加速度的に展開・中期成長戦略達成に不可欠な4つの戦略を策定(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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2024/12/12 14:01
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