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ネオマーケ Research Memo(8):売上高・営業利益の増大及び企業価値の向上を目指す(2)
配信日時:2024/12/12 11:38
配信元:FISCO
*11:38JST ネオマーケ Research Memo(8):売上高・営業利益の増大及び企業価値の向上を目指す(2)
■ネオマーケティング<4196>の中長期の成長戦略
2. 成長戦略
中期経営計画の目標達成に向けた成長戦略については、外部環境は大きく変化していないことから、当初の戦略を維持して成果を出す計画だ。すなわち、(1) コンサルタントの採用と戦力化、(2) 対応エリアの拡大、(3) 顧客単価増大の3つの成長戦略を推進し、特に課題であるコンサルタントを早期戦力化できる体制構築に取り組む方針だ。
(1) コンサルタントの採用と戦力化(マーケティングコンサルタント数増員)
同社は人材を最重要課題の経営リソースと位置付けている。特にマーケティングコンサルタントは売上に直結する役割を担っているため、中途採用だけでなく、新卒を戦力化するためのプログラムを充実させて早期の戦力化を目指す。これにより、さらなる競争優位性を獲得する計画だ。
2026年9月末には、マーケティングコンサルタント86人(2023年9月末比49人増)の目標を掲げ、過去と比較して、多くのマーケティングコンサルタントの採用を計画している。そのために採用計画では、中途と新卒をバランスよく採用するとともに、エグゼクティブ人材に対する採用を強化し、リファラル採用※も継続する方針だ。併せて、採用した人材の早期戦力化のための教育体制について、新卒向けの戦力化プログラムや各種研修の充実、リテンション施策としてエンゲージメント維持管理や表彰制度等の活用、フレックス制や選択的テレワーク、副業許可制度等の魅力的な職場環境づくりを計画する。採用後も育成に2~3年を要することから、一時的に1人当たり売上高は減少する見込みだが、新規採用者の戦力化に伴い最終年度は1人当たり売上高の増加を計画する。
※ 従業員や取引先など、社内外で信頼できる人・先から人材を紹介してもらう方法のこと。
このように、マーケティングコンサルタントの増員は、中期経営計画の目標値達成のカギとなる最も重要な成長戦略である。同社では、採用強化・定着率向上・早期戦力化のための社内横断的な新組織を作り、担当者を増員するなどの体制構築を行い、2024年9月期より積極的な採用活動を推進し、計画達成に向けて動き始めている。中期経営計画初年度である2024年9月期のマーケティングコンサルタント人員は52人(前期比15人増)で、当初計画の51人を上回る。優秀な人材を確保できたことで、教育委員会の活用によって早期の戦力化を図り、売上増大への貢献が期待される。
(2) 対応エリアの拡大(顧客数拡大)
2026年9月期に取引社数980社(2023年9月期比238社増)への増加を目指す。2023年9月期では、取引社数は742社のうち関東エリアの顧客が全体の74.3%を占めるが、今後は関東エリア以外の顧客比率の増加も目指す。地方の優良企業には、マーケティング支援を必要としている企業が多数存在するからだ。また、インバウンドの引き合いを増加させるとともに、自社マーケティング強化も計画する。
また、引き続き定期的にWebセミナーを開催することで参加者へのアプローチ、自主調査結果・ホワイトペーパーをダウンロードした見込み客への提案、調査結果を掲載したWebサイト運営を通じて情報発信等の施策を実施し、問い合わせや引き合いを増加させるとともに、顧客数の拡大を図る。中期経営計画初年度である2024年9月期の顧客数は720社(前期比22社減)に終わった。これは、マーケティングコンサルタントの育成に時間がかかったためだが、今後は教育体制の見直しを図り、挽回する計画だ。
同社は、東京本社に加え、大阪・仙台・札幌・福岡に営業所を持ち、横浜・沖縄にはカスタマーサポートやコールセンターを担うオフィスを有する。当面は現有の拠点を活用してクライアントを発掘するために、各拠点の人員増強を計画する。ただ、優良な地方企業の開拓をさらに積極化するために、将来的には新たな地方拠点を設置することも考えられる。2024年9月期には新規の拠点設置はなかったが、大阪・仙台営業所の営業人員を合計で3人増員している。
(3) サービスメニューの拡充(顧客単価増大)
2026年9月期に顧客単価295万円(2023年9月期比6万円増)の実現を目指す。伴走型サービスを引き続き強化することに加えて、同社自身が実行して成果を上げることができた自社マーケティングのノウハウをBtoB企業向けに提供する計画だ。この新規サービス「顧客起点BtoBマーケティングのコンサルティングサービス」は主に1) 新型コロナウイルス感染症拡大においても売上を倍増させた自社マーケティングノウハウ、2) 3,000社以上の累計取引実績から得た顧客起点の戦略立案・実行ノウハウ、3) コンサルティングサービスに留まらず各種マーケティングソリューションをワンストップで提供、という特徴がある。中期経営計画初年度である2024年9月期の顧客単価は、大口案件の終了に伴い278万円に減少したが、大口案件終了の影響を除けば着実に増加しており、2025年9月期からの増加を計画する。
同社の戦略は、従来からマーケティングプロセスの開始地点である生活者インサイトの発見において顧客企業と接点を持ち、取引がスタートした後は商品開発やプロモーション・効果測定といった後に続く工程においても顧客企業と伴走し、顧客1社当たりの取引単価を最大化することにある。その実現のために、同社グループの営業担当となるマーケティングコンサルタントがクライアント企業との窓口となり、クライアントが抱えるマーケティング課題に対して、同社が開発した「マーケティングフレームワーク4K」に基づいて最適な解決策を提案している。4Kとは、「インサイトの発見(核心/カクシン)」「商品開発(開発/カイハツ)」「プロモーション(開拓/カイタク)」「効果検証(改善/カイゼン)」の4つのプロセスの頭文字から名付けた独自のビジネスモデルである。
同社では、こうした従来の伴走型サービスの強化を図るとともに、新規サービスの開始によって顧客単価の増大を目指す。既存サービスのアップセル・クロスセルを積極的に行うとともに、従来のマーケティング支援にBtoB企業向け新メニューを構築することで、クライアントとより密接な関係性を築く計画だ。既に、CRMツール導入・運用コンサルティングとして、世界的CRMプラットフォームであるHubSpotの認定パートナーとして活動している。また、オウンドメディア・コンサルティングとして、自社マーケティングで実証したナレッジを展開している。
2024年9月期には、サービスの拡充として、セルフインタビューツール「リサーチDEMO!」の事業を譲渡した。このサービスは顧客企業が自ら定性調査を実施するもので、同社にとって社員を投入する必要がなく、粗利益率が高い。また、海外サービスでは、マーケティングセンターとの協業やレアジョブとの協業も開始し、日本企業の海外展開や海外からのインバウンド取り込みのニーズにも対応する。これらの取り組みは、単価の増大に貢献すると期待される。さらに、同社では一層のサービス拡充・事業拡大を目指して、M&Aも積極化する方針である。
中期経営計画は、同社の経営方針を明確化し、投資家や従業員が同社の将来像を共有するためにも、有意義であると弊社では考える。同社では、計画初年度の2024年9月期に採用人員の育成に時間を要し、顧客獲得に遅れが生じた等により、やむを得ず2025年9月期と最終年度の2026年9月期の数値目標を下方修正した。ただ、足元では修正計画の達成に向けて精力的に成長戦略を推進しており、弊社では引き続き進捗状況に注目したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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2. 成長戦略
中期経営計画の目標達成に向けた成長戦略については、外部環境は大きく変化していないことから、当初の戦略を維持して成果を出す計画だ。すなわち、(1) コンサルタントの採用と戦力化、(2) 対応エリアの拡大、(3) 顧客単価増大の3つの成長戦略を推進し、特に課題であるコンサルタントを早期戦力化できる体制構築に取り組む方針だ。
(1) コンサルタントの採用と戦力化(マーケティングコンサルタント数増員)
同社は人材を最重要課題の経営リソースと位置付けている。特にマーケティングコンサルタントは売上に直結する役割を担っているため、中途採用だけでなく、新卒を戦力化するためのプログラムを充実させて早期の戦力化を目指す。これにより、さらなる競争優位性を獲得する計画だ。
2026年9月末には、マーケティングコンサルタント86人(2023年9月末比49人増)の目標を掲げ、過去と比較して、多くのマーケティングコンサルタントの採用を計画している。そのために採用計画では、中途と新卒をバランスよく採用するとともに、エグゼクティブ人材に対する採用を強化し、リファラル採用※も継続する方針だ。併せて、採用した人材の早期戦力化のための教育体制について、新卒向けの戦力化プログラムや各種研修の充実、リテンション施策としてエンゲージメント維持管理や表彰制度等の活用、フレックス制や選択的テレワーク、副業許可制度等の魅力的な職場環境づくりを計画する。採用後も育成に2~3年を要することから、一時的に1人当たり売上高は減少する見込みだが、新規採用者の戦力化に伴い最終年度は1人当たり売上高の増加を計画する。
※ 従業員や取引先など、社内外で信頼できる人・先から人材を紹介してもらう方法のこと。
このように、マーケティングコンサルタントの増員は、中期経営計画の目標値達成のカギとなる最も重要な成長戦略である。同社では、採用強化・定着率向上・早期戦力化のための社内横断的な新組織を作り、担当者を増員するなどの体制構築を行い、2024年9月期より積極的な採用活動を推進し、計画達成に向けて動き始めている。中期経営計画初年度である2024年9月期のマーケティングコンサルタント人員は52人(前期比15人増)で、当初計画の51人を上回る。優秀な人材を確保できたことで、教育委員会の活用によって早期の戦力化を図り、売上増大への貢献が期待される。
(2) 対応エリアの拡大(顧客数拡大)
2026年9月期に取引社数980社(2023年9月期比238社増)への増加を目指す。2023年9月期では、取引社数は742社のうち関東エリアの顧客が全体の74.3%を占めるが、今後は関東エリア以外の顧客比率の増加も目指す。地方の優良企業には、マーケティング支援を必要としている企業が多数存在するからだ。また、インバウンドの引き合いを増加させるとともに、自社マーケティング強化も計画する。
また、引き続き定期的にWebセミナーを開催することで参加者へのアプローチ、自主調査結果・ホワイトペーパーをダウンロードした見込み客への提案、調査結果を掲載したWebサイト運営を通じて情報発信等の施策を実施し、問い合わせや引き合いを増加させるとともに、顧客数の拡大を図る。中期経営計画初年度である2024年9月期の顧客数は720社(前期比22社減)に終わった。これは、マーケティングコンサルタントの育成に時間がかかったためだが、今後は教育体制の見直しを図り、挽回する計画だ。
同社は、東京本社に加え、大阪・仙台・札幌・福岡に営業所を持ち、横浜・沖縄にはカスタマーサポートやコールセンターを担うオフィスを有する。当面は現有の拠点を活用してクライアントを発掘するために、各拠点の人員増強を計画する。ただ、優良な地方企業の開拓をさらに積極化するために、将来的には新たな地方拠点を設置することも考えられる。2024年9月期には新規の拠点設置はなかったが、大阪・仙台営業所の営業人員を合計で3人増員している。
(3) サービスメニューの拡充(顧客単価増大)
2026年9月期に顧客単価295万円(2023年9月期比6万円増)の実現を目指す。伴走型サービスを引き続き強化することに加えて、同社自身が実行して成果を上げることができた自社マーケティングのノウハウをBtoB企業向けに提供する計画だ。この新規サービス「顧客起点BtoBマーケティングのコンサルティングサービス」は主に1) 新型コロナウイルス感染症拡大においても売上を倍増させた自社マーケティングノウハウ、2) 3,000社以上の累計取引実績から得た顧客起点の戦略立案・実行ノウハウ、3) コンサルティングサービスに留まらず各種マーケティングソリューションをワンストップで提供、という特徴がある。中期経営計画初年度である2024年9月期の顧客単価は、大口案件の終了に伴い278万円に減少したが、大口案件終了の影響を除けば着実に増加しており、2025年9月期からの増加を計画する。
同社の戦略は、従来からマーケティングプロセスの開始地点である生活者インサイトの発見において顧客企業と接点を持ち、取引がスタートした後は商品開発やプロモーション・効果測定といった後に続く工程においても顧客企業と伴走し、顧客1社当たりの取引単価を最大化することにある。その実現のために、同社グループの営業担当となるマーケティングコンサルタントがクライアント企業との窓口となり、クライアントが抱えるマーケティング課題に対して、同社が開発した「マーケティングフレームワーク4K」に基づいて最適な解決策を提案している。4Kとは、「インサイトの発見(核心/カクシン)」「商品開発(開発/カイハツ)」「プロモーション(開拓/カイタク)」「効果検証(改善/カイゼン)」の4つのプロセスの頭文字から名付けた独自のビジネスモデルである。
同社では、こうした従来の伴走型サービスの強化を図るとともに、新規サービスの開始によって顧客単価の増大を目指す。既存サービスのアップセル・クロスセルを積極的に行うとともに、従来のマーケティング支援にBtoB企業向け新メニューを構築することで、クライアントとより密接な関係性を築く計画だ。既に、CRMツール導入・運用コンサルティングとして、世界的CRMプラットフォームであるHubSpotの認定パートナーとして活動している。また、オウンドメディア・コンサルティングとして、自社マーケティングで実証したナレッジを展開している。
2024年9月期には、サービスの拡充として、セルフインタビューツール「リサーチDEMO!」の事業を譲渡した。このサービスは顧客企業が自ら定性調査を実施するもので、同社にとって社員を投入する必要がなく、粗利益率が高い。また、海外サービスでは、マーケティングセンターとの協業やレアジョブとの協業も開始し、日本企業の海外展開や海外からのインバウンド取り込みのニーズにも対応する。これらの取り組みは、単価の増大に貢献すると期待される。さらに、同社では一層のサービス拡充・事業拡大を目指して、M&Aも積極化する方針である。
中期経営計画は、同社の経営方針を明確化し、投資家や従業員が同社の将来像を共有するためにも、有意義であると弊社では考える。同社では、計画初年度の2024年9月期に採用人員の育成に時間を要し、顧客獲得に遅れが生じた等により、やむを得ず2025年9月期と最終年度の2026年9月期の数値目標を下方修正した。ただ、足元では修正計画の達成に向けて精力的に成長戦略を推進しており、弊社では引き続き進捗状況に注目したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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