注目トピックス 市況・概況
来週の相場で注目すべき3つのポイント:臨時国会召集、FOMC議事要旨、米PCEデフレータ
配信日時:2024/11/23 15:40
配信元:FISCO
*15:40JST 来週の相場で注目すべき3つのポイント:臨時国会召集、FOMC議事要旨、米PCEデフレータ
■株式相場見通し
予想レンジ:上限38800円-下限37900円
週末の米国株式市場は続伸。ダウ平均は前日比426.16ドル高の44296.51ドル、ナスダックは同31.23ポイント高の19003.65で取引を終了した。大証ナイト終値は、日中終値比240円高の38580円。日経平均は75日移動平均線(75MA)と200日移動平均線(200MA)の狭いレンジ内で推移している。サポートラインとして75日移動平均線が機能していることから下値は固いが、200日移動平均線が意識されて上値は重い。来週は27日が11月の権利取り最終日となるが、11月の権利取り銘柄は約30銘柄しかないため、個人投資家による積極的な権利取りの売買は期待しにくい。
国内、海外ともに重要イベント等も予定されていないことから、来週も今週同様、手掛かり材料難で薄商いの展開が続きそうだ。為替市場も、米金利の上昇傾向が一服したことでドル独歩高の展開は一服。短期的な投資資金は、連日史上最高値を更新しているビットコインなど暗号資産市場に向かっており、株式市場、為替市場ともにボラティリティに欠ける相場展開が続きそうだ。
市場では、12月18-19日に実施される年内最後の日本銀行による金融政策決定会合での追加利上げ実施観測が高まりつつある。18日の講演で、植田和男日銀総裁は、「経済や物価が見通しどおりに推移してもそのつど利上げをするわけではない」とした上で、「金融政策決定会合ごとに経済データなどを確認して、適切な利上げのタイミングを判断していく」との姿勢を示した。また、21日の経済フォーラムにおいて、植田総裁は「現時点で会合の結果を予測するのは不可能だ」と指摘。その上で、12月に向けて「まだ1カ月程度ある。それまでの期間に非常に多くのデータや情報が利用可能となるだろう」と述べた。どちらの発言内容もこれまでの発言と大きな違いはない。
ただ、10月末の日銀会合において、日銀及び植田総裁が、市場が追加利上げ実施への当面の慎重姿勢を示すと判断していた「「時間的余裕はある」との表現を今後使用しないとしたことを受けて、市場では12月会合での追加利上げの可能性もあることを意識。ドルインデックスは昨年10月以来の107水準まで上昇しているが、追加利上げ観測が高まっていることから、為替市場では1ドル154円水準で円安ドル高進行は一服している。東京市場では、地銀やメガバンクがしっかりとした動きを見せているが、金融株など金利上昇メリット銘柄は12月会合まで思惑先行の動きが見られそうだ。一方、不動産など金利上昇デメリット銘柄は、総じてさえない推移となる可能性がある。
■為替市場見通し
来週のドル・円はもみ合いか。米国のインフレ率は高止まりの状態が続いていること、米国経済の軟着陸が期待されていることから、連邦準備制度理事会(FRB)の追加利下げの後退を見込んだドル買い・円売りが強まる可能性がある。ただ、日本の為替介入が引き続き警戒されていること、日本銀行による12月追加利上げの可能性は残されていることから、リスク選好的な米ドル買い・円売りがただちに拡大する可能性は低いと予想される。直近発表の米国の消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)は市場予想を上回っており、パウエルFRB議長は今後の政策運営について、利下げを急がないスタンスを明確に示している。
FRBが政策判断の材料としているPCEコア価格指数の上昇率は9月時点で2%台後半を維持しており、10月も2%台後半となる可能性が高い。そのため、市場予想と一致してもインフレ持続を裏付ける材料になりやすい。12月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の据え置きが決定される可能性があろう。その際にはドル買いを強める可能性がある。
なお、円安進行阻止に向けた日本政府によるドル売り・円買い介入はドル・円が155円以上の水準で実施される可能性が高いとみられているが、市場参加者の間からは「直近におけるドル上昇ペースは急激とは言えない」との声が聞かれている。ただ、米ドル高円安が続いた場合、日本銀行による12月利上げ観測が強まり、ドル・円相場を圧迫する要因となり得る。
■来週の注目スケジュール
11月25日(月):景気先行CI指数(9月)、景気一致指数(9月)、全国百貨店売上高(10月)、独・IFO企業景況感指数(11月)、NZ・貿易収支(10月)など
11月26日(火):月例経済報告(11月)、米・連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(11月6-7日会合分)、米・消費者信頼感指数(11月)、米・S&P/コアロジックCS20都市住宅価格指数(9月)、米・新築住宅販売件数(10月)など
11月27日(水):米・GDP改定値(7-9月)、米・新規失業保険申請件数(先週)、米・個人消費支出(PCE)価格コア指数(10月)、米・耐久財受注(10月)、米・卸売在庫(10月)、米・中古住宅販売成約指数(10月)、NZ・ニュージーランド準備銀行(中央銀行)が政策金利発表、中・工業利益(10月)、豪・消費者物価指数(10月)など
11月28日(木):臨時国会召集日、米・株式市場は祝日のため休場(感謝祭)、独・消費者物価指数(11月)、欧・ユーロ圏消費者信頼感指数(11月)、欧・ユーロ圏景況感指数(11月)、加・経常収支(7-9月)など
11月29日(金):石破首相が国会で所信表明演説、東京CPI(11月)、有効求人倍率(10月)、失業率(10月)、小売売上高(10月)、米・感謝祭翌日のブラックフライデー、米・株式市場は短縮取引、米・MNIシカゴ購買部協会景気指数(11月)、欧・ユーロ圏消費者物価コア指数(11月)、独・失業率(失業保険申請率)(11月)など
11月30日(土):中・製造業PMI(11月)、中・非製造業PMI(11月)など
<YU>
予想レンジ:上限38800円-下限37900円
週末の米国株式市場は続伸。ダウ平均は前日比426.16ドル高の44296.51ドル、ナスダックは同31.23ポイント高の19003.65で取引を終了した。大証ナイト終値は、日中終値比240円高の38580円。日経平均は75日移動平均線(75MA)と200日移動平均線(200MA)の狭いレンジ内で推移している。サポートラインとして75日移動平均線が機能していることから下値は固いが、200日移動平均線が意識されて上値は重い。来週は27日が11月の権利取り最終日となるが、11月の権利取り銘柄は約30銘柄しかないため、個人投資家による積極的な権利取りの売買は期待しにくい。
国内、海外ともに重要イベント等も予定されていないことから、来週も今週同様、手掛かり材料難で薄商いの展開が続きそうだ。為替市場も、米金利の上昇傾向が一服したことでドル独歩高の展開は一服。短期的な投資資金は、連日史上最高値を更新しているビットコインなど暗号資産市場に向かっており、株式市場、為替市場ともにボラティリティに欠ける相場展開が続きそうだ。
市場では、12月18-19日に実施される年内最後の日本銀行による金融政策決定会合での追加利上げ実施観測が高まりつつある。18日の講演で、植田和男日銀総裁は、「経済や物価が見通しどおりに推移してもそのつど利上げをするわけではない」とした上で、「金融政策決定会合ごとに経済データなどを確認して、適切な利上げのタイミングを判断していく」との姿勢を示した。また、21日の経済フォーラムにおいて、植田総裁は「現時点で会合の結果を予測するのは不可能だ」と指摘。その上で、12月に向けて「まだ1カ月程度ある。それまでの期間に非常に多くのデータや情報が利用可能となるだろう」と述べた。どちらの発言内容もこれまでの発言と大きな違いはない。
ただ、10月末の日銀会合において、日銀及び植田総裁が、市場が追加利上げ実施への当面の慎重姿勢を示すと判断していた「「時間的余裕はある」との表現を今後使用しないとしたことを受けて、市場では12月会合での追加利上げの可能性もあることを意識。ドルインデックスは昨年10月以来の107水準まで上昇しているが、追加利上げ観測が高まっていることから、為替市場では1ドル154円水準で円安ドル高進行は一服している。東京市場では、地銀やメガバンクがしっかりとした動きを見せているが、金融株など金利上昇メリット銘柄は12月会合まで思惑先行の動きが見られそうだ。一方、不動産など金利上昇デメリット銘柄は、総じてさえない推移となる可能性がある。
■為替市場見通し
来週のドル・円はもみ合いか。米国のインフレ率は高止まりの状態が続いていること、米国経済の軟着陸が期待されていることから、連邦準備制度理事会(FRB)の追加利下げの後退を見込んだドル買い・円売りが強まる可能性がある。ただ、日本の為替介入が引き続き警戒されていること、日本銀行による12月追加利上げの可能性は残されていることから、リスク選好的な米ドル買い・円売りがただちに拡大する可能性は低いと予想される。直近発表の米国の消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)は市場予想を上回っており、パウエルFRB議長は今後の政策運営について、利下げを急がないスタンスを明確に示している。
FRBが政策判断の材料としているPCEコア価格指数の上昇率は9月時点で2%台後半を維持しており、10月も2%台後半となる可能性が高い。そのため、市場予想と一致してもインフレ持続を裏付ける材料になりやすい。12月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の据え置きが決定される可能性があろう。その際にはドル買いを強める可能性がある。
なお、円安進行阻止に向けた日本政府によるドル売り・円買い介入はドル・円が155円以上の水準で実施される可能性が高いとみられているが、市場参加者の間からは「直近におけるドル上昇ペースは急激とは言えない」との声が聞かれている。ただ、米ドル高円安が続いた場合、日本銀行による12月利上げ観測が強まり、ドル・円相場を圧迫する要因となり得る。
■来週の注目スケジュール
11月25日(月):景気先行CI指数(9月)、景気一致指数(9月)、全国百貨店売上高(10月)、独・IFO企業景況感指数(11月)、NZ・貿易収支(10月)など
11月26日(火):月例経済報告(11月)、米・連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(11月6-7日会合分)、米・消費者信頼感指数(11月)、米・S&P/コアロジックCS20都市住宅価格指数(9月)、米・新築住宅販売件数(10月)など
11月27日(水):米・GDP改定値(7-9月)、米・新規失業保険申請件数(先週)、米・個人消費支出(PCE)価格コア指数(10月)、米・耐久財受注(10月)、米・卸売在庫(10月)、米・中古住宅販売成約指数(10月)、NZ・ニュージーランド準備銀行(中央銀行)が政策金利発表、中・工業利益(10月)、豪・消費者物価指数(10月)など
11月28日(木):臨時国会召集日、米・株式市場は祝日のため休場(感謝祭)、独・消費者物価指数(11月)、欧・ユーロ圏消費者信頼感指数(11月)、欧・ユーロ圏景況感指数(11月)、加・経常収支(7-9月)など
11月29日(金):石破首相が国会で所信表明演説、東京CPI(11月)、有効求人倍率(10月)、失業率(10月)、小売売上高(10月)、米・感謝祭翌日のブラックフライデー、米・株式市場は短縮取引、米・MNIシカゴ購買部協会景気指数(11月)、欧・ユーロ圏消費者物価コア指数(11月)、独・失業率(失業保険申請率)(11月)など
11月30日(土):中・製造業PMI(11月)、中・非製造業PMI(11月)など
<YU>
Copyright(c) FISCO Ltd. All rights reserved.
ニュースカテゴリ
注目トピックス 市況・概況
NY市場・クローズ
海外市場動向
注目トピックス 日本株
注目トピックス 経済総合
強弱材料
コラム【EMW】
オープニングコメント
日経225・本日の想定レンジ
寄り付き概況
新興市場スナップショット
注目トピックス 外国株
個別銘柄テクニカルショット
ランチタイムコメント
後場の投資戦略
後場の寄り付き概況
相場概況
本日の注目個別銘柄
JASDAQ市況
マザーズ市況
Miniトピック
来週の買い需要
日経QUICKニュース
みんかぶニュース 投資家動向
みんかぶニュース 為替・FX
みんかぶニュース 市況・概況
みんかぶニュース 個別・材料
みんかぶニュース コラム
みんかぶニュース その他
ビットコインニュース
アルトコインニュース
GRICI
暗号資産速報
Reuters Japan Online Report Business News
金融ウォッチ その他
FISCO その他
グロース市況