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和田興産 Research Memo(1):神戸市で26年連続でマンション分譲実績1位。中期経営計画の達成はほぼ確実
配信日時:2024/11/19 15:01
配信元:FISCO
*15:01JST 和田興産 Research Memo(1):神戸市で26年連続でマンション分譲実績1位。中期経営計画の達成はほぼ確実
■要約
和田興産<8931>は、1899年の創業以来125年の長い歴史を有する総合不動産会社である。日本有数の住宅地である神戸市、明石市、阪神間を中心に事業展開し、特に本社を構える神戸市では、マンション分譲実績(棟数ベース)は2023年まで26年連続1位を誇る。主力の分譲マンション販売に加えて、戸建て住宅販売、その他不動産販売、不動産賃貸収入の4つのセグメントがあり、中期経営計画(2024年2月期〜2026年2月期)の推進により、さらなる発展を目指す。2022年4月に、東京証券取引所(以下、東証)第2部からスタンダード市場に移行している。
1. 2025年2月期中間期の業績概要
2025年2月期第2四半期(以下、中間期)の業績は、売上高で前年同期比3.1%減の20,149百万円、営業利益で同13.0%減の2,176百万円、経常利益で同14.8%減の1,824百万円、中間純利益で同16.1%減の1,242百万円と、前年同期比で減収減益となった。ただ、売上高は期初予想比6.1%超、営業利益は同14.5%超、経常利益は同30.3%超、中間純利益は同24.2%超と、計画を大幅に上回った。主力の分譲マンション事業では、引渡戸数が前年同期比40戸減で減収減益ながら、販売価格が想定より高くなったことで、売上・利益ともに計画比上振れした。また、その他不動産販売では、収益物件の売却が好調なことに加え、分譲マンション用地の素地売り(未開発の状況での売却)も含め、大幅増収増益を記録し、想定を上回る価格で売却が進んだことで、売上・利益ともに計画比で大きく上振れた。さらに、営業外収入で役員退職慰労金制度廃止に伴う保険解約返戻金を計上したため、経常利益が計画比で大きく上振れた。事業拡大に伴い借入金が増加したことから、自己資本比率は29.7%に低下したが、プライム・スタンダード・グロース市場の不動産業平均に近い水準で、十分な安全性を確保している。中間配当は、期初予想どおり前年同期と同水準の26.0円を実施した。
2. 2025年2月期の業績見通し
2025年2月期の業績は、売上高で前期比3.0%増の40,000百万円、営業利益で同9.3%増の4,950百万円、経常利益で同8.6%増の4,150百万円、当期純利益で同11.8%増の2,950百万円を見込んでいる(売上高・各利益の金額は2024年9月に上方修正したものであり、売上高は期初予想比2.6%増、営業利益は同5.3%増、経常利益は同9.2%増、当期純利益は同9.3%増に修正した)。その他不動産販売セグメントを中心にすべてのセグメントで採算性が向上するほか、営業外収入で役員退職慰労金制度廃止に伴う保険解約返戻金を計上するためである。分譲マンション事業では、下期竣工予定物件の約9割を契約済であり、通期計画の達成を見込む。その他不動産販売では、販売用収益物件の売却が好調であり、下期も上期を上回る物件の販売を計画する。また、不動産賃貸事業でも、高稼働率維持によって安定収益を確保する見通しだ。事業拡大に伴い、用地取得資金として借入金が増加する見通しだが、金融機関と良好な関係を維持しており、資金調達に懸念はない。好決算を反映して、中間配当26.0円、期末配当39.0円、合計65.0円と前期比5.0円の増配を計画しており、引き続き株主還元にも十分に配慮していると評価できる。
3. 中期経営計画
中期経営計画(2024年2月期~2026年2月期)では、3期間合計の数値計画として、売上高1,224億円(前3期間比1%減)、営業利益118億円(同7%増)、経常利益94億円(同8%増)、当期純利益64億円(同6%増)を計画する。また、KPI(重要業績指標)として、ROE8%以上、D/Eレシオ2倍以内を目標としている。将来を展望し、「地域に根差した総合不動産業」への道筋を創ることをテーマとし、目標として前3期間の実績合計を上回る利益水準を確保し、将来を見据えた収益構造の転換による事業セグメントの最適化を図る。重点戦略として、新たな地域・事業・分野等への挑戦や、人材戦略、アライアンスの有効活用、ESG、SDGsの推進等を掲げる。今後の3期間に、将来のさらなる成長の足掛かりを見出そうとする、意欲的な中期経営計画と言えよう。2025年2月期の業績予想に基づけば、数値計画に対する2期合計の進捗率は、売上高64.4%、営業利益80.3%に達する見通しで、順調に推移している。2026年2月期は、計画達成に向けて邁進するとともに、次期中期経営計画の策定に取り掛かる予定だ。今後も重点戦略への取り組み状況や数値計画の進捗状況を注視したい。
■Key Points
・2025年2月期中間期は前年同期比で減収減益となったが、売上高・各利益は期初予想を大きく上回った。その他不動産販売が好調に推移し、営業外収入で保険解約返戻金を計上したことが主因
・2025年2月期業績は、期初予想を上方修正。全セグメントで採算性が向上するため、増収増益を見込む。増配を計画し、引き続き株主還元にも十分に配慮
・中期経営計画では、3期間合計の売上高は横ばいで、利益拡大を見込む。数値計画に対する2期合計の進捗率は、営業利益では80%に達し、順調に推移
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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和田興産<8931>は、1899年の創業以来125年の長い歴史を有する総合不動産会社である。日本有数の住宅地である神戸市、明石市、阪神間を中心に事業展開し、特に本社を構える神戸市では、マンション分譲実績(棟数ベース)は2023年まで26年連続1位を誇る。主力の分譲マンション販売に加えて、戸建て住宅販売、その他不動産販売、不動産賃貸収入の4つのセグメントがあり、中期経営計画(2024年2月期〜2026年2月期)の推進により、さらなる発展を目指す。2022年4月に、東京証券取引所(以下、東証)第2部からスタンダード市場に移行している。
1. 2025年2月期中間期の業績概要
2025年2月期第2四半期(以下、中間期)の業績は、売上高で前年同期比3.1%減の20,149百万円、営業利益で同13.0%減の2,176百万円、経常利益で同14.8%減の1,824百万円、中間純利益で同16.1%減の1,242百万円と、前年同期比で減収減益となった。ただ、売上高は期初予想比6.1%超、営業利益は同14.5%超、経常利益は同30.3%超、中間純利益は同24.2%超と、計画を大幅に上回った。主力の分譲マンション事業では、引渡戸数が前年同期比40戸減で減収減益ながら、販売価格が想定より高くなったことで、売上・利益ともに計画比上振れした。また、その他不動産販売では、収益物件の売却が好調なことに加え、分譲マンション用地の素地売り(未開発の状況での売却)も含め、大幅増収増益を記録し、想定を上回る価格で売却が進んだことで、売上・利益ともに計画比で大きく上振れた。さらに、営業外収入で役員退職慰労金制度廃止に伴う保険解約返戻金を計上したため、経常利益が計画比で大きく上振れた。事業拡大に伴い借入金が増加したことから、自己資本比率は29.7%に低下したが、プライム・スタンダード・グロース市場の不動産業平均に近い水準で、十分な安全性を確保している。中間配当は、期初予想どおり前年同期と同水準の26.0円を実施した。
2. 2025年2月期の業績見通し
2025年2月期の業績は、売上高で前期比3.0%増の40,000百万円、営業利益で同9.3%増の4,950百万円、経常利益で同8.6%増の4,150百万円、当期純利益で同11.8%増の2,950百万円を見込んでいる(売上高・各利益の金額は2024年9月に上方修正したものであり、売上高は期初予想比2.6%増、営業利益は同5.3%増、経常利益は同9.2%増、当期純利益は同9.3%増に修正した)。その他不動産販売セグメントを中心にすべてのセグメントで採算性が向上するほか、営業外収入で役員退職慰労金制度廃止に伴う保険解約返戻金を計上するためである。分譲マンション事業では、下期竣工予定物件の約9割を契約済であり、通期計画の達成を見込む。その他不動産販売では、販売用収益物件の売却が好調であり、下期も上期を上回る物件の販売を計画する。また、不動産賃貸事業でも、高稼働率維持によって安定収益を確保する見通しだ。事業拡大に伴い、用地取得資金として借入金が増加する見通しだが、金融機関と良好な関係を維持しており、資金調達に懸念はない。好決算を反映して、中間配当26.0円、期末配当39.0円、合計65.0円と前期比5.0円の増配を計画しており、引き続き株主還元にも十分に配慮していると評価できる。
3. 中期経営計画
中期経営計画(2024年2月期~2026年2月期)では、3期間合計の数値計画として、売上高1,224億円(前3期間比1%減)、営業利益118億円(同7%増)、経常利益94億円(同8%増)、当期純利益64億円(同6%増)を計画する。また、KPI(重要業績指標)として、ROE8%以上、D/Eレシオ2倍以内を目標としている。将来を展望し、「地域に根差した総合不動産業」への道筋を創ることをテーマとし、目標として前3期間の実績合計を上回る利益水準を確保し、将来を見据えた収益構造の転換による事業セグメントの最適化を図る。重点戦略として、新たな地域・事業・分野等への挑戦や、人材戦略、アライアンスの有効活用、ESG、SDGsの推進等を掲げる。今後の3期間に、将来のさらなる成長の足掛かりを見出そうとする、意欲的な中期経営計画と言えよう。2025年2月期の業績予想に基づけば、数値計画に対する2期合計の進捗率は、売上高64.4%、営業利益80.3%に達する見通しで、順調に推移している。2026年2月期は、計画達成に向けて邁進するとともに、次期中期経営計画の策定に取り掛かる予定だ。今後も重点戦略への取り組み状況や数値計画の進捗状況を注視したい。
■Key Points
・2025年2月期中間期は前年同期比で減収減益となったが、売上高・各利益は期初予想を大きく上回った。その他不動産販売が好調に推移し、営業外収入で保険解約返戻金を計上したことが主因
・2025年2月期業績は、期初予想を上方修正。全セグメントで採算性が向上するため、増収増益を見込む。増配を計画し、引き続き株主還元にも十分に配慮
・中期経営計画では、3期間合計の売上高は横ばいで、利益拡大を見込む。数値計画に対する2期合計の進捗率は、営業利益では80%に達し、順調に推移
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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