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ベルシス24 Research Memo(4):2025年2月期第2四半期は、国策関連業務の影響で減収減益(1)
配信日時:2024/11/22 15:04
配信元:FISCO
*15:04JST ベルシス24 Research Memo(4):2025年2月期第2四半期は、国策関連業務の影響で減収減益(1)
■ベルシステム24ホールディングス<6183>の業績動向
1. 2025年2月期第2四半期の業績概要
2025年2月期第2四半期における日本経済は、雇用・所得環境の改善や各種施策の効果もあり、個人消費や設備投資の持ち直しが続いていることから緩やかな景気回復の動きが見られた。一方で、欧米における高い金利水準の継続や中国における不動産市場の停滞の継続による海外景気の下振れ、中東地域をめぐる情勢の深刻化・長期化によって原油価格のさらなる上昇など、我が国の物価・経済に影響を及ぼし得るため注意が必要な状況が続いている。また、各企業の業況が回復しているのに伴い業種や規模にかかわらず人手不足への対応が課題となっている。このような環境の下、同社グループの主力事業であるCRM事業においては、生成AIなどの新技術を活用し、高い利益率が見込めるソリューションモデルへの変革が重要となっている。
こうした経営環境を踏まえて、同社グループでは中期経営計画で掲げた「人材(総力4万人の最大活躍)」「型化(データ活用の高度化)」「共創(NEW BPOの領域開拓)」の3つの重点施策を加速させることで、持続的な成長の実現を目指した。しかしながら、2025年2月期第2四半期(中間期)の連結業績は、売上収益72,040百万円(前年同期比6.1%減)、営業利益4,810百万円(同26.3%減)、税引前利益4,665百万円(同27.4%減)、親会社の所有者に帰属する中間利益3,024百万円(同32.8%減)と、減収減益決算となった。2025年2月期通期の業績予想に対する進捗率は、売上収益47.1%、営業利益38.5%、税引前利益38.2%、親会社の所有者に帰属する中間利益37.8%にとどまり、期初の想定以上に厳しい決算であった。
売上収益720.4億円(前年同期比46.4億円減)の内訳を見ると、基礎業務では新規案件が増加したものの大口案件が減少したことが影響し、705.1億円(同1.9億円増)と、期待を下回る微増にとどまった。また、高収益のコロナ等国策関連業務が、ワクチン関連業務の減少に伴い13.1億円(同47.0億円減)と大幅に減少したことが響いたが、これは事前の想定どおりであった。収益の柱である基礎業務の増収が想定を大きく下回ったことが、当中間期の減収減益決算に大きな影響を与えたと言えよう。
売上総利益は127.3億円(前年同期比13.9億円減)と減少した。高収益のコロナ等国策関連業務の売上収益減少が大きく影響し、基礎業務は伸びが微増にとどまりカバーできなかったためだ。販管費は79.8億円(同5.0億円減)と、増益要因となった。社員の適正配置(間接部門から直接部門への異動等)による間接人件費の減少に加え、広告宣伝費、設備関連費等を幅広く削減したためである。販管費の削減は、売上減少に伴いコントロールしたものだ。また、前年同期にベトナム子会社の持分法から連結子会社への区分変更に伴い段階取得に係る差益を計上したが、その差益がなくなり8.4億円の減益要因となった。以上から、営業利益は48.1億円(同17.2億円減)に減少した。親会社の所有者に帰属する中間利益30.2億円(同14.8億円減)については、法人所得税費用の同2.4億円減少があったが、営業利益減少の影響が大きく響いた。営業利益の減少により、営業利益率は6.7%(同1.8ポイント低下)となったものの、2024年3月期東証プライム市場サービス業平均の営業利益率5.3%を上回っており、同社の収益性は引き続き高いと評価できる。
2. セグメント別動向
2025年2月期中間期のCRM事業の売上収益は71,817百万円(前年同期比5.9%減)、税引前中間利益は4,603百万円(同27.1%減)で、税引前利益率は6.4%(同1.9ポイント低下)となった。また、CRM事業の全社業績に占めるシェアは、売上収益の99.7%(同0.2ポイント増)、税引前利益の98.7%(同0.4ポイント増)となった。CRM事業のうち収益性の高いコロナ等国策関連業務の売上収益が13.1億円と同78.2%減少したことが、CRM事業の減収減益に大きく響いた。一方、主力の基礎業務の売上収益も705.1億円(同0.3%増)と期待を下回る微増にとどまった。
その他の事業の全社業績に占めるシェアは小さいが、コンテンツ販売収入が減少したことから、売上収益は223百万円(前年同期比35.8%減)、税引前中間利益も62百万円(同42.0%減)となった。
売上収益における「伊藤忠シナジー」については、同社の筆頭株主である伊藤忠商事のネットワークを活用して、伊藤忠グループ関連の案件をはじめとする新規案件獲得を継続することで拡大している。同社が定義する「伊藤忠シナジー」には伊藤忠商事の子会社や関連会社だけでなく、その取引先も含むため、対象とする開拓先は広大である。これら伊藤忠グループ案件による売上収益は、2020年2月期の131.7億円から、2023年2月期には169.9億円へと増加し続けてきた。しかし、2024年2月期はキャンペーンなどの大口案件がなかった影響で160.3億円(前期比9.6億円減)にとどまった。また、2025年2月期中間期も、前年の一部大口案件の業務終了等により76.1億円(前年同期比7.5億円減)にとどまった。今後については、新技術活用における連携(出資、提携など)や海外事業展開など、伊藤忠のデジタル事業群戦略における連携によって、「伊藤忠シナジー」は長期的に拡大する見通しである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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1. 2025年2月期第2四半期の業績概要
2025年2月期第2四半期における日本経済は、雇用・所得環境の改善や各種施策の効果もあり、個人消費や設備投資の持ち直しが続いていることから緩やかな景気回復の動きが見られた。一方で、欧米における高い金利水準の継続や中国における不動産市場の停滞の継続による海外景気の下振れ、中東地域をめぐる情勢の深刻化・長期化によって原油価格のさらなる上昇など、我が国の物価・経済に影響を及ぼし得るため注意が必要な状況が続いている。また、各企業の業況が回復しているのに伴い業種や規模にかかわらず人手不足への対応が課題となっている。このような環境の下、同社グループの主力事業であるCRM事業においては、生成AIなどの新技術を活用し、高い利益率が見込めるソリューションモデルへの変革が重要となっている。
こうした経営環境を踏まえて、同社グループでは中期経営計画で掲げた「人材(総力4万人の最大活躍)」「型化(データ活用の高度化)」「共創(NEW BPOの領域開拓)」の3つの重点施策を加速させることで、持続的な成長の実現を目指した。しかしながら、2025年2月期第2四半期(中間期)の連結業績は、売上収益72,040百万円(前年同期比6.1%減)、営業利益4,810百万円(同26.3%減)、税引前利益4,665百万円(同27.4%減)、親会社の所有者に帰属する中間利益3,024百万円(同32.8%減)と、減収減益決算となった。2025年2月期通期の業績予想に対する進捗率は、売上収益47.1%、営業利益38.5%、税引前利益38.2%、親会社の所有者に帰属する中間利益37.8%にとどまり、期初の想定以上に厳しい決算であった。
売上収益720.4億円(前年同期比46.4億円減)の内訳を見ると、基礎業務では新規案件が増加したものの大口案件が減少したことが影響し、705.1億円(同1.9億円増)と、期待を下回る微増にとどまった。また、高収益のコロナ等国策関連業務が、ワクチン関連業務の減少に伴い13.1億円(同47.0億円減)と大幅に減少したことが響いたが、これは事前の想定どおりであった。収益の柱である基礎業務の増収が想定を大きく下回ったことが、当中間期の減収減益決算に大きな影響を与えたと言えよう。
売上総利益は127.3億円(前年同期比13.9億円減)と減少した。高収益のコロナ等国策関連業務の売上収益減少が大きく影響し、基礎業務は伸びが微増にとどまりカバーできなかったためだ。販管費は79.8億円(同5.0億円減)と、増益要因となった。社員の適正配置(間接部門から直接部門への異動等)による間接人件費の減少に加え、広告宣伝費、設備関連費等を幅広く削減したためである。販管費の削減は、売上減少に伴いコントロールしたものだ。また、前年同期にベトナム子会社の持分法から連結子会社への区分変更に伴い段階取得に係る差益を計上したが、その差益がなくなり8.4億円の減益要因となった。以上から、営業利益は48.1億円(同17.2億円減)に減少した。親会社の所有者に帰属する中間利益30.2億円(同14.8億円減)については、法人所得税費用の同2.4億円減少があったが、営業利益減少の影響が大きく響いた。営業利益の減少により、営業利益率は6.7%(同1.8ポイント低下)となったものの、2024年3月期東証プライム市場サービス業平均の営業利益率5.3%を上回っており、同社の収益性は引き続き高いと評価できる。
2. セグメント別動向
2025年2月期中間期のCRM事業の売上収益は71,817百万円(前年同期比5.9%減)、税引前中間利益は4,603百万円(同27.1%減)で、税引前利益率は6.4%(同1.9ポイント低下)となった。また、CRM事業の全社業績に占めるシェアは、売上収益の99.7%(同0.2ポイント増)、税引前利益の98.7%(同0.4ポイント増)となった。CRM事業のうち収益性の高いコロナ等国策関連業務の売上収益が13.1億円と同78.2%減少したことが、CRM事業の減収減益に大きく響いた。一方、主力の基礎業務の売上収益も705.1億円(同0.3%増)と期待を下回る微増にとどまった。
その他の事業の全社業績に占めるシェアは小さいが、コンテンツ販売収入が減少したことから、売上収益は223百万円(前年同期比35.8%減)、税引前中間利益も62百万円(同42.0%減)となった。
売上収益における「伊藤忠シナジー」については、同社の筆頭株主である伊藤忠商事のネットワークを活用して、伊藤忠グループ関連の案件をはじめとする新規案件獲得を継続することで拡大している。同社が定義する「伊藤忠シナジー」には伊藤忠商事の子会社や関連会社だけでなく、その取引先も含むため、対象とする開拓先は広大である。これら伊藤忠グループ案件による売上収益は、2020年2月期の131.7億円から、2023年2月期には169.9億円へと増加し続けてきた。しかし、2024年2月期はキャンペーンなどの大口案件がなかった影響で160.3億円(前期比9.6億円減)にとどまった。また、2025年2月期中間期も、前年の一部大口案件の業務終了等により76.1億円(前年同期比7.5億円減)にとどまった。今後については、新技術活用における連携(出資、提携など)や海外事業展開など、伊藤忠のデジタル事業群戦略における連携によって、「伊藤忠シナジー」は長期的に拡大する見通しである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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