注目トピックス 日本株
マイクロアド---自社株買い等の株主還元の早期実現を目的とした、資本準備金の額の減少と剰余金の処分を発表
配信日時:2024/11/19 14:18
配信元:FISCO
*14:18JST マイクロアド---自社株買い等の株主還元の早期実現を目的とした、資本準備金の額の減少と剰余金の処分を発表
マイクロアド<9553>は14日、自社株買い等の株主還元の早期実現を目的とし、資本準備金の額を減少し、剰余金を処分することを2024年12月20日開催予定の定時株主総会に付議すると発表した。
同社は、2024年9月期末時点で、3.72億円の繰越利益剰余金の欠損を計上している。同社は、欠損額を解消し財務体質の健全化を図り、株主への剰余金の配当や自己株式取得等の株主還元の早期実現に向け、今後の資本政策の機動性及び柔軟性を確保し、株主利益の最大化を図るとしている。
なお、貸借対照表の「純資産の部」における勘定科目間の振替処理であり、株主の所有株式数や1株当たり純資産額に影響を与えるものではないとしている。
<AK>
同社は、2024年9月期末時点で、3.72億円の繰越利益剰余金の欠損を計上している。同社は、欠損額を解消し財務体質の健全化を図り、株主への剰余金の配当や自己株式取得等の株主還元の早期実現に向け、今後の資本政策の機動性及び柔軟性を確保し、株主利益の最大化を図るとしている。
なお、貸借対照表の「純資産の部」における勘定科目間の振替処理であり、株主の所有株式数や1株当たり純資産額に影響を与えるものではないとしている。
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出来高変化率ランキング(13時台)~いちよし、さくらなどがランクイン
*14:11JST 出来高変化率ランキング(13時台)~いちよし、さくらなどがランクイン
※出来高変化率ランキングでは、直近5日平均の出来高と配信当日の出来高を比較することで、物色の傾向など市場参加者の関心を知ることができます。■出来高変化率上位 [11月22日 13:32 現在](直近5日平均出来高比較)コード⇒銘柄⇒出来高⇒5日平均出来高⇒出来高変化比率⇒株価変化率<9161> ID&EHD 834600 67182.5 380.71% 0.2026%<4583> カイオム 48463100 88393.5 379.80% 0.2266%<3747> インタトレード 3202100 93051.46 283.33% 0.215%<4772> ストリムメディ 2307100 28315.36 256.32% 0.1367%<8185> チヨダ 709200 158607.32 191.83% -0.0109%<7320> Solvvy 93500 75681.6 161.83% 0.0904%<8624> いちよし 289000 83000.9 131.41% 0.036%<5246> ELEMENTS 586600 104432.46 130.67% 0.0514%<2938> オカムラ食品 127000 206119.3 123.27% -0.0227%<3778> さくら 10330200 16014542.2 116.95% 0.1039%<5939> 大谷工業 20800 37153.2 113.72% -0.0789%<4894> クオリプス 1560300 3029658.5 109.27% -0.0369%<9362> 兵機海 12400 42042.1 107.09% 0.0089%<7074> 247 3633900 421434.2 106.49% -0.06%<4833> Defコンサル 8835000 291591.2 104.99% -0.1284%<1976> 明星工 69800 34037.72 99.46% 0.0146%<6366> 千代建 1877400 284751.82 95.50% 0.0495%<7111> INEST 20474000 441255.5 95.20% 0.0327%<8914> エリアリンク 127900 91297.64 92.37% 0.0579%<6584> 三桜工 1657100 486877.8 90.96% -0.0146%<2150> ケアネット 181900 50785.66 89.02% -0.0673%<5025> マーキュリー 214300 85244.04 88.19% -0.0536%<2134> キタハマキャピ 19017600 172079.28 86.84% -0.0454%<4582> シンバイオ 889300 84816.16 86.21% 0.0702%<4597> ソレイジア 12263800 275915.16 84.98% 0.0909%(*)はランキングに新規で入ってきた銘柄20日移動平均売買代金が5000万円以下のものは除外
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2024/11/22 14:11
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極東貿易 Research Memo(9):資本コストや株価を意識したグループ経営の推進
*14:09JST 極東貿易 Research Memo(9):資本コストや株価を意識したグループ経営の推進
■極東貿易<8093>の資本政策と株主還元策1. 株主価値に資する資本政策の実行コロナ禍の影響から脱し、同社の売上高・利益は順調に回復し、収益基盤が盤石になりつつある。中期経営計画では資本コストや株価を意識したグループ経営を推進している。5つの経営指標(ROE、WACC、自己資本比率、株主資本コスト、PBR)と目標値(2026年3月期)を掲げ、資本収益性と資本コストのバランスを図りながら、ROE5.4%(当初目標8%を修正)が株主資本コストを上回ることを追求し、株価を重視した経営に取り組んでいる。利益分配方針を変更、「成長M&A投資」と「積極的な株主還元策」のバランスを図る2. 株主還元策同社の利益分配の基本方針は、「株主への継続的な成果の還元と企業価値の持続的向上を実現するため、適正な資本政策の下、将来の事業展開や財務状況、収益動向を総合的に勘案して配当を実施する」としている。また、中期経営計画「KBKプラスワン2025」では、「株価を意識し、資本効率を高めるために、2022年3月期から3年間は配当性向100%の積極的な株主還元を実施する」と掲げており、2024年3月期の年間配当金は93.5円であった。2025年3月期以降については、「高水準の株主還元を維持しつつ、成長投資により一層注力する」としている。具体的には、利益をM&A(2件を実施済み)などの成長投資に最優先で振り分け、その結果、2025年3月期は年間配当金を70円(中間配当金35円、期末配当金35円)とし、2026年3月期も年間配当金は70円(下限)を予定している。今後も、成長投資を進め、持続的成長を背景とした積極的な株主還元を続ける方針である。(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
<HN>
2024/11/22 14:09
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極東貿易 Research Memo(8):新規事業である洋上風力発電関連事業の拡大に期待(2)
*14:08JST 極東貿易 Research Memo(8):新規事業である洋上風力発電関連事業の拡大に期待(2)
■極東貿易<8093>の中期経営計画と成長戦略3) バイオプロダクツ分野:廃プラ問題を解決に導く事業このテーマは中長期の新規事業テーマと位置付けている。バイオプロダクツ分野は複数のテーマを検討していたが、「生分解促進添加剤販売」と生分解プラスチック:マスバランス式のバイオポリプロピレンの販売」有力とし、注力している。「生分解促進添加剤」は米国のベンチャー企業EcoLogic LLCと代理店契約を結び販売を行っている。「Eco-One」はFDA(米国食品医薬品局)に準拠した添加剤で、オーガニック100%である。樹脂に「Eco-One」を約1%添加することで、樹脂製品に生分解・海洋分解性機能を付与できる。用途はランニングシューズ、オフィス家具、医療用資材、レジ・ゴミ袋など幅広く、環境価値を重視するユーザーに受け入れられると弊社は見ている。生分解性促進添加剤「Eco-One」は、顧客企業が生分解性の実証試験を終え、既に「生分解性機能」を確認し、市場調査や顧客ニーズを検証中である。用途は食品包装用フィルム、農業用資材など多岐にわたり、なかでも発泡スチロール成型品やアパレル向け繊維で注目されている。「生分解プラスチック:マスバランス式のバイオポリプロピレン」は、化粧品容器や工業用フィルムなどにおいて現行樹脂品と性能は変わらないと、顧客企業から好評価を得ていると言う。バイオマス製品を販売するには国際持続可能性カーボン認証(ISCC PLUS認証)が必要である。申請が多く認証受付を一時ストップしている状態であったが、最近ようやく再開したようである。同社は、速やかに国際認証を取得し、マスバランス式のバイオポリプロピレンの販売をスタートさせる考えだ。バイオプロダクツの有望2製品は流れ品であるため、一度流れ出すと継続的に安定受注が期待できる。バイオプロダクツ関連事業は当初の事業計画よりやや遅れているが、3年以内に本格的事業化を目指している。4) 海外事業分野:インド現地法人の事業拡大同社は、2008年にインドへ進出(チェンナイにインド現地法人を設立)し、2011年にグルガオン地区に第2事務所を設立した。進出の初期段階は同社のビジネスにつながらなかったが、2019年5月に日系メーカーと共同でテクニカルセンターを設立したのをきっかけにフィーダー※事業を本格化し、現地の日系メーカーへ拡販を進めた。2024年3月期には、産業用重量式連続フィーダー、潤滑剤、自動車部品等取扱アイテムを強みに現地企業へも事業拡大を図っている。また、精密ファスナー関連事業ではインド市場進出を企図中で、今後の受注拡大が見込まれる。インドはグローバルサウス(Global South)市場として世界の企業から最も注目されており、同社においてもポスト中国事業として有望視されている。※ 産業用連続フィーダーで、樹脂ペレットを流す(フィード)設備。5) 海外事業分野:米国現地法人の新規事業同社の米国法人は1956年の設立以来、重工業向け設備、航空宇宙分野、資源開発分野の最新技術、商材を国内市場に提供してきた。米国に進出する日系顧客のサプライチェーンを支援するため、同社のグローバル調達力、在庫管理で商材の安定供給を図ってきた。また、2022年には米国事務所をニューヨークからインディアナポリスへ移転した。近年は米国進出を狙う高い技術力を持った日系メーカーとともに積極的な顧客開拓を進め、新規事業を創出してきた。2024年6月に、機能性複合材料メーカーである西田技研の米国法人:「Nishida Art Speciality Composite America Inc.(Nasca Elastomers)と協業し、日系及び米国自動車部品メーカーへ熱可塑性エラストマー供給を開始した。今後は、西田技研との協業を深化させ、エラストマー製造分野の顧客へのソリューション提案を展開する予定である。4. M&A戦略とその実行M&Aは、同社のグループ経営を象徴する手法である。2008年の経営危機から脱出するため、同社は大きく舵を切り、中核事業の一つである航空・防衛関連を失った事業構造の再構築に取り組んだ。その際、新たな事業をM&Aにより取り込むことで再建を図った。その後、2018年までに6件のM&A(7年間)を連続して実施し、これらの案件はいずれも全社平均を上回る売上総利益率を達成した。これにより、持続的成長と高収益体質への事業構造転換を果たした。このような成功体験が積み重なった結果、同社ではM&Aが重要な成長戦略となり、中期経営計画でもM&Aの成長投資枠(50億円)が設定されており、望ましいM&A案件が見つかればすぐに対応できる体制が整えてきた。2018年以降、実際にはM&Aは行われてこなかったが、この間も水面下で検討が続けられており、M&Aが直前で破談になった案件もあったと聞いている。そのような状況の中、今回2つのM&A契約が成立した。(2024年8月30日発表)(1) 三幸商会の株式取得(子会社化)三幸商会は、汎用プラスチック&エンジニアリングプラスチック及び溶射材※を取り扱う専門商社であり、自動車部品・電化製品から半導体関連まで幅広い産業分野の樹脂材料のサプライチェーンに貢献している。また、海外進出した顧客の事業を支えるため、中国・東南アジア地域に拠点を設け、幅広く材料供給事業を展開している。同社の産業素材関連部門では、多種多様な細々した商材を扱ってきたが事業の柱がなかった。三幸商会をグループインすることにより、汎用プラスチック&エンジニアリングプラスチック分野の大きな事業の柱ができ、ビジネス展開上大きなメリットとなる。※ 溶射材とは、産業界で広く利用されている溶射と呼ばれる表面改質技術において使用する金属やセラミックス、サーメットなどの材料。(2) 船舶用補修材:ウエルストンの株式取得(孫会社化)同社の機械部品関連部門の基幹子会社であるヱトーは産業向け精密ファスナー及び関連機械器具工具の販売を中心とした専門商社として、国内外の顧客を強力にサポートするため、培った経験をもとに品質保証や技術的ノウハウ、サプライチェーンを進化させ、中国・アセアン地区・北米地域に広く海外事業を展開している。一方、ウエルストンは、船舶補修部品の輸出や国内卸を主体とする専門商社で、幅広い仕入先と東南アジアを中心とした海外の顧客を数多く保有しており、近年拡大を続ける船舶のメンテナンス需要を取り込み、グローバルな事業展開を進めている。ヱトーはウエルストンを子会社化(同社からみれば孫会社)することにより、船舶補修部品という新たな市場に参入し、商材の開拓機会を創出することで収益基盤強化が図れる。一方、ウエルストンはヱトーが保有する資金力や多岐にわたる取引先、商品の管理ノウハウを活用することにより顧客対応力を強化し、ヱトーならびに同社グループのネットワークを生かしながら、船舶補修部品市場における優位性を築き、事業多角化を図る。ヱトーとウエルストンは、業界や取引先は異なるが、金属切削部品という共通商材・技術を活用し、機械部品の商流も類似性があるため、中長期的視点でみれば、事業シナジーが大いに期待できる。(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
<HN>
2024/11/22 14:08
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極東貿易 Research Memo(7):新規事業である洋上風力発電関連事業の拡大に期待(1)
*14:07JST 極東貿易 Research Memo(7):新規事業である洋上風力発電関連事業の拡大に期待(1)
■極東貿易<8093>の中期経営計画と成長戦略(2) 新規ビジネスの開発と育成中期経営計画の最大の目玉は、新規ビジネス(M&A含む)である。5つの成長分野への取り組みを社長直轄プロジェクトとし、経営資源投入を強化している。5つの成長分野とは、1) 再生可能エネルギー、2) 水素・電池、3) 環境衛生、4) バイオプロダクツ、5) 産業向けDX・IoTである。これらの分野についてはこれまで同社も何らかの形で関わっており、市場や技術の知見・経験が生かせる分野でもある。同社はこのなかから、複数の事業化を目論んでいる。ここで注目しておきたいポイントは、同社がM&Aの成功のための知見やノウハウを有していることである。2023年3月期より、5つの成長分野のなかから、重点5新規事業「洋上風力発電関連事業」「自動運転システム関連事業」「バイオプロダクツ」「インド事業」「米国法人の新規事業」に注力している。重点5新規事業の活動状況は逐次、経営企画室へ報告される。社長直轄マターとして、全社的視点で協業・M&Aやリソース配分などを判断し新規事業の舵取りをしている。1) 再生可能エネルギー分野:洋上風力発電関連事業洋上風力発電関連事業は同社にとって最注力分野であり、カーボンニュートラルにも貢献する将来有望なビジネスである。同社は、これまで資源開発関連事業で培ってきた海底探査、掘削の経験と知見を生かし、洋上風力発電に関する事業に注力しており、その一環としてオランダのTWD B.V.(以下、TWD)と戦略的アライアンスを結んでいる。TWDは洋上風車などの建設のための特殊大型治具(Pile Gripper、立て起こし機、Lifting Tool、各種架台、Jacketの抗用のTemplateなど)の設計を行っている。この分野ではTWDはリーディングカンパニーであり、国内外で業界での知名度は高い。2022年1月には、(株)TWD Japanを設立した。同社は設計だけではなく、その設計に基づく製作にも携わり、将来的には保守・メンテナンスサービスへの事業展開を目論んでいる。同社は、設計・製作段階から運営・メンテナンスまで関われば、洋上風力風車に関する経験・ノウハウが蓄積できると考えている。また、TWD Japan関連以外にも洋上風力分野の調査からメンテナンス用まで製品の品揃え(海上特殊タラップシステム、メンテナンス用水中探査/作業ロボット)を拡充しており、引き合いもあるようだ。洋上風力発電関連事業では、「再エネ利用法海域利用法にかかるプロジェクト」と「港湾プロジェクト」の有望案件のなかから、国内のマリコン※やゼネコンと連携して受注活動を進めている。※ マリコンはマリンコントラクターの略で、五洋建設<1893>や東亜建設工業<1885>などが有名。「港湾プロジェクト」は港内に小型洋上風力発電を建設するプロジェクトである。同社では「富山県入善町沖」案件を2023年3月期に受注・納入済みである。それ以外の案件(福岡県北九州港内、茨城県鹿島港内など)も設計及び制作物の受注を目指し積極的に活動している。「港湾プロジェクト」は風車規模が小さいが、受注までのスピードが早く、短期の受注に期待がかかる。「再エネ利用法海域利用法にかかるプロジェクト」は大型洋上風力発電である。取引関係者が多様かつ複雑で、地元住民や漁業関係者との調整に時間を要し、受注まで時間がかかる。「港湾プロジェクト」案件を確実に受注しながら実績を積み重ね、「再エネ利用法海域利用法にかかるプロジェクト」の大型案件の獲得を目指す。「再エネ海域利用法にかかるプロジェクト」では洋上風力発電事業者の選定が行われてきた。ラウンド1(秋田県能代市・三種町及び男鹿市沖、秋田県由利本荘市沖、千葉県銚子市沖の3海域で公募、2021年12月発表)とも三菱商事<8058>グループが圧倒的低価格で“総取り”落札した。ラウンド2※(秋田県八峰町及び能代市沖、秋田県男鹿市、潟上市及び秋田市沖、新潟県村上市及び胎内市沖、長崎県西海市江島沖の4海域で公募、2024年3月発表)では、12事業者応募のなかから“運転開始時期の最も早い”4事業者が選定された。TWD Japanには、ラウンド2、3案件について、大手ゼネコン・マリコンから数多くの引き合いや問い合わせがあり本格的受注活動が始まっている。※ 第1ラウンドの“総取り”落札の反省から1つの事業体が大半の対象海域を落札しないよう、1事業体あたりの発電・送電容量の上限を計100万kWとする落札制限を設けていた。この影響もあって、環境影響評価を事前に実施したにも関わらず、公募参加を見送る事業体が相次いだようである。このような不確定要素が多い事業環境ではあるが、洋上風力発電関連事業は国内・海外問わず市場は大きく成長すると予測され、同社にとって絶好の事業機会と言える。当初の事業計画より2年遅れているが、2026年3月期には売上高5億円を見込んでいる。TWD Japanの商圏は当面、日本・東アジア(台湾)となるが、まずは日本で事業基盤を強化する予定である。洋上風力発電関連事業ではTWD以外にも様々な種まきを行っているもようで、第2弾、第3弾の事業シナリオも注目したい。2) 産業向けDX・IoT分野:自動運転システム関連事業同社は、大手鉄鋼メーカーによる「製鉄所構内で運行する特殊車両を自動運転にできないか」という依頼を機に、製鉄所での構内用特殊車両の自動運転システムの商用化に乗り出した。同社はこれまで、工場向けIoT機器や構内自動運転機関車の開発に取り組んできた。その知見を生かし、自動車試験システムのトップサプライヤーである英国AB Dynamicsグループと、工場構内を走行する現行特殊車両向け障害物検知機能組込み自動運転システムの開発において、パートナーシップ協定を締結した。現時点では、既存車両を改造した自動運転(無人化)の商用化を目指している。構内用特殊車両の自動運転システムの英国での実走試験と国内デモでは顧客の評価も高く、早期の受注を見込む。当初は製鉄所や化学プラント工場の構内での利用を想定していたが、鉱山現場からの引き合いもあるようだ。現在、顧客企業での実証実験が進められている。技術的課題は解決しているものの、安全運行のルールや基準などで難航しており、実用化までにはもう少し時間がかかりそうだ。構内用特殊車両の「完全自動運転」を実現するにはあと5~6年はかかると大手鉄鋼メーカーは見ているようで、同社ではアドオン(改造)型自動運転システムは、当分の間(10~15年間)ビジネスになると考えている。特殊車両は大型かつ高額設備で、現稼働車両は償却期間が相当残っているため、一斉に完全自動運転の特殊車両に切り替わることは考えにくい。同社は、その期間に特殊車両の完全自動運転の知見を習得し、完全自動運転に切り替わる頃には市場をリードしていきたいと考えている。構内用特殊車両の自動運転システム関連事業は、3年以内に本格的事業化を目指している。同社は今後、特殊車両のドライバーの高齢化で自動運転ニーズはますます高まると見ている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
<HN>
2024/11/22 14:07
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極東貿易 Research Memo(6):事業ポートフォリオ戦略の最適化と大型新規事業の開発を目指す
*14:06JST 極東貿易 Research Memo(6):事業ポートフォリオ戦略の最適化と大型新規事業の開発を目指す
■極東貿易<8093>の中期経営計画と成長戦略同社は、中長期的な発展に資する取り組み計画として、2021年5月に中期経営計画「KBKプラスワン2025」(2022年3月期~2026年3月期)を策定した。この計画では事業ポートフォリオの最適化を実行し、注力すべき事業領域を選別して収益力の強化を目指すとともに、サステナブルな社会を実現するための新分野における事業展開と投資を実行することで、新たな収益の源泉を創出するとしている。1. 中期経営計画「KBKプラスワン2025」の概要・環境・社会・ガバナンス体制(ESG)サステナブルな社会を実現していくために、同社が培ってきた技術や顧客資産を生かした多様なESGビジネスを展開し、企業価値を高める。・事業戦略(事業ポートフォリオ戦略)新規事業創出のために3つの事業部門を横断したプロジェクトチームを設置した。また、5年間で総額50億円の投資枠(M&A)を設定した。5年~10年展望で種をまき、新しい事業の柱を同時並行で複数育成する。・財務・資本戦略ROE5.4%以上の水準を目指し資本効率性の向上を図る。自己資本を3年間積み増さず、資本効率性も考慮に入れながら、積極的な株主還元(前半3期は配当性向100%)にも取り組む。・株主価値/企業価値の向上資本コストを上回るリターンの確保とともに、東証プライム市場(流通株式時価総額100億円以上)の上場条件を満たす。2. 中期経営計画(数値目標)の見直し同社は、中期経営計画の前半3年間(2022年3月期~2024年3月期)で、事業ポートフォリオの最適化や新規事業分野への資源配分、株主価値向上のための施策を進めてきた。2024年3月期には、コロナ禍の影響から回復し、収益改善が見られるようになったが、ウクライナ情勢や中国経済の低迷、成長投資の遅れなどにより、当初の目標との差が生じてきている。そのため、2026年3月期の数値目標を再設定し、連結経常利益は当初目標の25億円から19億円に、ROEは当初目標の8.0%から5.4%と修正した。なお、数値目標の一つである「M&Aなど投資枠」(計画期間5年間で総額50億円)の設定はそのまま継続し、引き続き成長投資に取り組む。中期経営計画の最大の目玉は、新規ビジネスの開発と育成3. 中期経営計画3期目の進捗状況(1) サステナブルな社会を実現するための新分野における事業展開と投資実行1) 営業組織の統合同社は2022年4月1日付で営業組織を統合した。基幹産業関連部門と電子・制御システム関連部門の5つの営業部を統合して、「産業インフラソリューショングループ」へ、産業素材関連部門の3つの営業部を統合して「マテリアルソリューングループ」へと、2つの営業グループに統合した。営業組織の統合を行った狙いは3つある。第1に、事業特性や営業特性に適した事業戦略とその実行組織の再編である。2つの営業グループ(産業インフラソリューション、マテリアルソリューション)は、設備エンジニアリング系ビジネスと素材サプライヤー系ビジネスと定義され、売り方やビジネスのやり方が異なる。今後は、それぞれの営業組織で事業戦略と営業戦略を策定し実行する。第2に、将来的に顧客のニーズに応じてプロジェクトチームで動けるよう柔軟な営業体制を組めるようにする。第3に、顧客情報や専門的知見、ノウハウを組織で共有することで営業人材の育成強化につなげる。今回の営業組織改革は合理化や人員削減などの守りの組織改革ではなく、戦略的意味を持った攻めの組織改革であることを付け加えておく。2) 事業ポートフォリオの再編と強化同社では、営業組織改革を機に、事業セグメントの再編も同時に行った。2023年3月期より、「基幹産業関連部門」と「電子・制御システム関連部門」を統合して「産業設備関連部門」を新設し、従来の「産業素材関連部門」「機械部品関連部門」で3事業セグメント体制とした。その背景には、カーボンニュートラル(脱炭素)の潮流を見据え、同社の火力発電所関連の事業から撤退すると決断したこと、電子・制御システム関連部門において主力事業であった「計装システム(火力発電所向け制御装置)」から撤退したことで事業規模が圧倒的に小さくなり、単独で事業セグメントを組む必要がなくなったことがある。そのため実質的には基幹産業関連部門に電子・制御システム関連部門を吸収した形となった。2022年3月期からの会計基準変更により、売上高・売上総利益のトップは基幹産業関連部門セグメントから機械部品関連部門セグメントへ交代となった。中長期的に事業部門ごとに事業ポートフォリオの見直しを図り、リソースを再配置する方針としている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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2024/11/22 14:06
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極東貿易 Research Memo(5):3事業部門いずれも堅調に推移する見通し。新たな成長軌道へ乗る準備が整う
*14:05JST 極東貿易 Research Memo(5):3事業部門いずれも堅調に推移する見通し。新たな成長軌道へ乗る準備が整う
■極東貿易<8093>の今後の見通し1. 2025年3月期の業績見通し2025年3月期の連結業績は、売上高は前期比4.2%増の45,500百万円、営業利益は同7.9%増の1,200百万円、経常利益は同0.9%増の1,500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同3.7%増の1,200百万円を見込んでいる。コロナ禍の影響から脱し、同社の売上高・利益は順調に回復してきたが、2025年3月期は売上高45,000百万円、営業利益1,200百万円の見通しで、過去最高の営業利益(2016年3月期1,203百万円)レベルの実現を目指している。3つの事業セグメント(産業設備関連部門、産業素材関連部門、機械部品関連部門)とも受注見通しは堅調に推移するものと思われ、事業環境によっては売上高・利益は上振れる可能性が高いと弊社は見ている。2. 事業セグメント別見通し(1) 産業設備関連部門売上高は前期比4.1%増の12,825百万円、売上総利益は同7.9%増の3,330百万円と、増収増益の見込みである。産業インフラ関連事業では、基幹産業向け(鉄鋼、化学など)機器・設備事業は回復傾向が継続し、海外プラント向け機器事業も堅調に推移する見通しである。また、地震・振動計事業(地震計事業は2023年3月期より事業承継により連結子会社の日本システム工業で地震計の生産を開始)は売上伸長の見込みである。資源・計測関連事業では、風力発電向け鳥類調査用レーダーシステムや自動車向け計測・検査装置の受注が安定的に推移するとしている。基幹事業である産業設備関連部門の業績は長らく低迷していたが、2023年3月期で底を打ったと見られる。同社でも産業インフラ関連事業及び資源・計測関連事業とも業績のプラス材料が多く、全体的に伸びていくと予想している。(2) 産業素材関連部門売上高は前期比7.6%増の14,160百万円、売上総利益は同6.9%増の2,100百万円と、おおむね堅調に推移する見込みである。機能素材関連事業においては、主力の自動車部品向け樹脂・塗料は米国市場を中心に底堅く推移する見通しである。中国における日系自動車部品メーカーなどの落ち込みにより、厳しい状況にあるため、それを補完する商圏(中国現地の新規取引先など)の開拓が急がれる。成長分野の炭素繊維副資材は、航空機業界の復調により堅調に推移するとみている。炭素繊維の海外市場(特に北米・中国)は日本市場の数十倍と大きく、市場は現在主力の航空機市場から新市場(EV、風車ブレード、液体水素貯蔵用タンクなど)まで幅広く、高い成長が期待される。同社では、国内、欧米向け市場をターゲットに事業を積極的に展開し、2025年3月期以降の売上貢献を見込んでいる。生活・環境関連事業においては、食品向け資材は為替の影響を最小限に抑え、復調した需要により回復の見込みである。(3) 機械部品関連部門売上高は前期比1.8%増の18,515百万円、売上総利益は同2.6%増の4,170百万円と、好調が続く見込みである。精密ファスナー関連事業においては、産業機械向けは中国景気減速の影響の懸念があるものの、車両向けは米・東南アジア向けを中心に堅調に推移するとみている。また今後は、インド拠点を足場に市場開拓強化が課題となっている。特殊スプリング関連事業は、主力の自動車向けが低調のなか、海外や医療・コンビニ向けなど新市場開拓に注力している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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2024/11/22 14:05
注目トピックス 日本株
極東貿易 Research Memo(4):将来の事業活動に必要な財務の健全性・安定性を維持
*14:04JST 極東貿易 Research Memo(4):将来の事業活動に必要な財務の健全性・安定性を維持
■極東貿易<8093>の業績動向3. 財務状況(1) 2024年3月期末の財務状況1) バランスシート(B/S)の概況2024年3月期末の資産合計は、前期末5,124百万円増の49,646百万円となった。その主な要因は、受取手形、売掛金及び契約資産が2,268百万円増加、前渡金が1,104百万円増加したことなどである。負債合計は、同2,987百万円増の23,956百万円となった。その主な要因は、支払手形及び買掛金が1,268百万円増加、契約負債が1,050百万円増加したことなどである。純資産合計は、同2,137百万円増の25,690百万円となった。これは主として為替換算調整勘定が687百万円増加、その他有価証券評価差額金が1,044百万円増加したことなどである。2) キャッシュ・フロー(CF)の概況2024年3月期末の現金及び現金同等物は7,065百万円(前期末比745百万円減)となった。営業活動によるキャッシュ・フローでは1,010百万円の支出(前期比2,600百万円減)となった。その主な要因は、売上債権の増減による4,710百万円の減少、前渡金の増減による574百万円の減少、仕入債務の増減による2,300百万円の増加、契約負債の増減による815百万円の増加したことなどである。投資活動によるキャッシュ・フローは353百万円の収入(同391百万円増)となった。その主な要因は、定期預金の払い戻しによる収入が同985百万円減少したものの、定期預金の預入れによる支出が同1,310百万円増加したことなどである。財務活動によるキャッシュ・フローは498百万円の支出(同1,175百万円増)となった。その主な要因は、長期借入れによる収入が600百万円となったことなどである。(2) 2025年3月期第1四半期末の財務状況2025年3月期第1四半期末における資産合計は、前期末比1,596百万円減少し、48,050百万円となった。その主な要因は、受取手形・売掛金及び契約資産が2,037百万円減少、前渡金が866百万円減少した一方、商品及び製品が1,141百万円増加したことなどである。負債合計は、同1,652百万円減少し、22,303百万円となった。その主な要因は、支払手形及び買掛金が1,459百万円減少したことである。純資産合計は、同56百万円増加し、25,746百万円となった。その主な要因は、利益剰余金が560百万円減少した一方、為替換算調整勘定が477百万円増加したことなどである。上記内容により、将来の事業活動に必要な財務の健全性・安定性を維持していると言える。(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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2024/11/22 14:04
注目トピックス 日本株
極東貿易 Research Memo(3):2024年3月期業績は増収増益、過去最高益の水準に戻りつつある
*14:03JST 極東貿易 Research Memo(3):2024年3月期業績は増収増益、過去最高益の水準に戻りつつある
■極東貿易<8093>の業績動向1. 2024年3月期及び2025年3月期第1四半期の業績概要(1) 2024年3月期通期業績概況原材料価格やエネルギー価格の高騰、円安による物価の上昇、ウクライナ情勢の長期化や中東情勢の緊迫化といった地政学リスクの高まりなど不透明かつ不確実な事業環境が続くなか、同社では新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の業績ショック(2021年3月期営業利益362百万円と前期比6割減)を脱し、営業利益は2期連続の10億円超えとなり、2016年3月期の過去最高益水準(2016年3月期営業利益1,203百万円)近くまで戻り、完全回復した。収益の完全回復のポイントは2つある。まず第1に、同社の基幹事業である産業設備関連部門の売上高・利益の回復である。産業設備関連部門は、国内プラント向け、海外プラント向け機器・設備とも好調で、特に国内プラント向けは直近3期連続受注増である。長らく続いた低迷期を脱し回復期に移行したとみてよい。これは、同社の得意先である国内大手鉄鋼・化学メーカーの設備更新やCO2削減対応の設備最新鋭化に伴う設備投資の増強がプラス要因として働いたものであり、この状況はしばらく続くものと思われる。次に、業績不振が続いた特殊スプリング関連事業(機械部品関連部門)が「構造改革」を断行し、コストカットはもちろんのこと、不採算商品・顧客からの撤退、陥没価格の是正など合理化・リストラ対策は全て実行したようである。2024年3月期の連結業績は、売上高は3事業セグメントとも増収(特に主力のプラント向け産業設備、炭素繊維複合材関連、精密ファスナー関連が好調)であり前期比2.4%増の43,660百万円となった。営業利益は同11.2%増の1,112百万円となった。また、経常利益は為替予約の時価評価で為替差損が発生したことにより、同2.4%減の1,487百万円であり、親会社株主に帰属する当期純利益は前期に計上した特別損失が減少したことなどにより同13.7%増の1,156百万円となった。(2) 2024年3月期第1四半期業績の概況産業設備関連部門においては海外プラント向け機器や国内鉄鋼・化学プラント向け設備の受注が前期に引き続き好調を維持し、資源・計測機関連事業においても資源開発機器及び防衛関連設備の受注が順調に推移した。また、セグメント利益は近年損失が続いていたが損失額が大きく改善された。産業素材関連部門では好調な米国経済を背景に自動車部品用樹脂・塗料が堅調に推移したものの中国日系自動車メーカー向け樹脂・塗料が低迷している。機械部品関連部門では精密ファスナー関連事業は自動車産業向けを中心に引き続き好調に推移した。一方、特殊スプリング関連事業においては「構造改革」が効を奏して収益性が改善し、黒字転換した。これらの状況により、2025年3月期第1四半期の営業利益は214百万円(前年同期比43.8%増)と大幅に回復した。2. 2024年3月期のセグメント別業績事業ポートフォリオを最適化し、事業の「選択と集中」と部門横断的な新規事業の育成を加速させることを目的として、2022年4月より報告セグメントを従来の4事業セグメントから「産業設備関連部門」「産業素材関連部門」「機械部品関連部門」の3事業セグメントへ変更した。また、同時に営業組織も再編した。(1) 産業設備関連部門(旧 基幹産業関連部門及び旧 電子・制御システム関連部門)産業設備関連部門は、事業ポートフォリオの最適化に基づき「産業インフラ関連事業」と「資源・計測関連事業」へと再編した。2024年3月期の売上高は前期比7.2%増の12,323百万円、売上総利益は同7.2%増の3,085百万円の増収増益となり、緩やかに回復している。産業インフラ関連事業においては国内基幹産業(鉄鋼・化学)プラント向け事業に回復傾向(3期連続受注増)が見られ、また海外プラント向け重電事業も引き続き好調をキープしている。一方、資源・計測機関連事業も堅調に推移しており、海洋資源探査機器は引き合いが多く、海外の取引先では多く受注案件を抱え、納期遅れが生じるほど多忙のようである。同部門は全体的に受注回復しており、同社の業績安定化に大きく寄与している。(2) 産業素材関連部門産業素材関連部門は、事業ポートフォリオの最適化に基づき、「機能素材関連事業」と「生活・環境関連事業」へと再編した。2024年3月期の売上高は前期比0.2%増の13,157百万円、売上総利益は同2.9%減の1,964百万円と、ほぼ前年同期並みに推移した。機能素材関連事業において海外向けを中心に炭素繊維複合材料関連事業が堅調に推移した。自動車部品用樹脂・塗料事業は米国においては好調だった一方で、中国向けなどは低調に推移した。生活・環境関連事業においては食品業界向け資材事業など一部事業に持ち直しの兆しがあるものの、本格化には至らず低調に推移した。(3) 機械部品関連部門機械部品関連部門は、ヱトーの精密ファスナー関連事業(旧 ねじ関連)とサンコースプリングの特殊スプリング関連事業(旧 ばね関連)で構成している。現在同部門は、3部門(事業セグメント)のなかで売上高・売上総利益ともトップになり、同社の事業成長基盤の推進力を担っている。2024年3月期の売上高は前期比0.8%増の18,180百万円、売上総利益は同1.6%増の4,065百万円の増収増益となった。精密ファスナー関連事業においては、中国景気減速の影響による需要低迷が続くなか、幅広い市場(建設機械、自動車、FA、医療機器など)での受注活動を活発化し、売上高・利益拡大を継続している。特殊スプリング関連事業は定荷重ばねの自動車産業向け及び中国向け特需が一服したことなどにより低迷したが、機械部品関連部門全体では、精密ファスナー関連事業の高収益が特殊スプリング関連事業の損失をカバーした。(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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2024/11/22 14:03
注目トピックス 日本株
極東貿易 Research Memo(2):技術商社として顧客のベストパートナーを目指す
*14:02JST 極東貿易 Research Memo(2):技術商社として顧客のベストパートナーを目指す
■会社概要1. 会社概要極東貿易<8093>は2024年11月に設立77周年を迎える。第2次世界大戦の終戦後、財閥解体に伴い三井物産<8031>は解散となったが、機械部門(営業課及び貿易課)が主体となり独立して同社が設立された。その後、海外の最先端の建設・鉱山機械や製造装置などを国内の基幹産業(建設、製鉄、化学プラント、電力、繊維、エレクトロニクス)へ輸入販売して日本の経済復興に貢献し、日本の高度経済成長とともに成長してきた。同社は、国内の大手企業から厚い信頼とロイヤリティを得ながら、基幹産業界のなかで一定の地位を確保してきた。同社は、エンジニアリング商社として、1) 経営理念:「ニーズとシーズの橋になる」、2) 社是:「人と技術と信頼と」を掲げ、「顧客からどんな高度な要求をされても、それに応えられる商社でありたい。そのためには、単にモノを提供するだけでなく、技術サポートを行い、ベストな商品を企業に提供する」ことを重視している。2. 事業概要大手商社に比べると企業体力で劣る中堅商社は、得意分野に絞り込み専門商社として事業展開するケースが一般的である。同社は設立76年の歴史のなかで、基幹産業からインフラ、炭素繊維やメタンハイドレートなどの先端分野まで幅広い業種を対象としてきた。事業ポートフォリオの観点から見ても、同社の事業構造は景気に左右されにくい収益構造である。高い成長性は見込めないが安定受注・収益に寄与する重電、鉄鋼、化学プラント向け基幹産業事業や、特定車種に採用が決まれば、3~5年間安定的に受注できる自動車関連事業(樹脂・塗料など)などを事業展開しており、個々の事業での需給変動や価格変動などの各種ビジネスリスクを吸収して事業の好不調を補い合える、安定的かつバランスの取れた事業運営となっている。またエネルギー市場関連ビジネスに関しては、昨今のESG動向に鑑みて火力発電所向け計装システム事業から撤退し、今後は成長分野である洋上風力発電関連事業へシフトしている。地域的には、世界各国に現地法人などを11拠点配置している。また、ヱトーの現地法人11拠点を合わせると22拠点のグローバルネットワークとなり、世界各地に散らばるサプライヤー及びカスタマーに適時的確に質の高いビジネス情報を提供できるようになった。3. 特長と強み(1) 理系出身の営業職・技術営業職は7割以上通常、商社の営業現場は文系出身者が多いとされているが、同社では営業マンの6割以上を大学の理系出身者が占める。顧客へ納入した装置が原因不明の停止や故障になる度に海外メーカーに問い合わせるのでは時間がかかることから、導入・据付、運用・保守までエンジニアリング全般を同社営業マンが仕入れ先の海外メーカーに頼らず、顧客に対して自主的に技術サポートできるように、理系出身者の採用を重視してきた。さらに、同社では点検・保守メンテナンスを適時的確に対応すべく、専門子会社(日本システム工業(株))を設立して運用している。同社では資源開発機器事業を展開しており、大学の地質工学や自然エネルギー資源の研究をしてきた学生を積極的に採用している。同事業の担当者は海外の採掘メーカーの技術者とともに海洋資源探査船に約3ヶ月間乗り込み、採掘装置の動作試験や立会試験まで関わっている。(2) 顧客は大手企業が中心同社はこれまで日本の基幹産業に深く関わってきたため、大手企業との取引が多い。同社設立以来、取引が継続している企業もあり、信頼関係とロイヤリティを得ている。欧米などの海外市場でも米国自動車Big3や独自動車メーカーとも取引がある。これは同業技術商社と比較しても優良な顧客構造になっている。その根拠として、中堅商社の課題である「貸し倒れ」が、同社ではほとんど発生していないことが挙げられる。また、国内主力製鉄所には出張所(室蘭、東関東、知多、広畑、水島、大分)を配置して、細やかな営業サービスで差別化を図ってきた。製鋼の特定プロセス分野の装置を含めたプロセスソリューションの役割を同社が担っている。(3) 「誠実さ」と「粘り強さ」で取引先から高い評価大手企業から厚い信頼を得ている背景には、誠実さと真面目さが挙げられる。顧客との交渉シーンでも顧客から「この価格でお宅は商売になるの」と言われることもあるようだ。また、新商材・新規事業において困難があっても粘り強さを発揮する点も特長だ。(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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2024/11/22 14:02
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