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Chordia Research Memo(5):CTX-712は急性骨髄性白血病を対象とした臨床試験を米国で実施(2)
配信日時:2024/11/19 13:05
配信元:FISCO
*13:05JST Chordia Research Memo(5):CTX-712は急性骨髄性白血病を対象とした臨床試験を米国で実施(2)
■Chordia Therapeutics<190A>の開発パイプライン
(2) 2次治療以降のAML治療薬としての潜在市場規模
AMLの患者数は日米欧の主要国で年間5万人程度と推計されており、このうち一次治療の効果がない又は再発した患者が2次治療に進むことになる。その確率は最大で50%と見ており、このうち治療薬のある遺伝子変異(FLT3、IDH1/2等)を持たない患者と、当該治療薬が効かずに3次治療へ進む患者がCTX-712の最初のターゲットとなる。同社では最大で約1.8万人の患者数がターゲットになると試算している。
これらターゲット患者数に、既存薬を参考にした1日当たり薬価(4万円~9.1万円)と平均治療期間(約270日)を掛け合わせたものが潜在市場規模となり、計算では2,000~4,000億円となる。2次治療以降のAML治療薬として販売承認が得られれば、一次治療やその他のがん種へ順次適応拡大を進めていく戦略であり、ブロックバスターに成長するポテンシャルを秘めている。
(3) 卵巣がんの開発戦略と潜在市場規模
卵巣がんにおける薬物療法としては、プラチナ製剤とタキサン系製剤を組み合わせたTC療法が標準療法として広く普及しており、また、がん細胞に特徴的な分子を標的にした治療薬も開発されている。このため、卵巣がんにおいては、再発・難治性でプラチナ製剤抵抗性を持つ3次治療以降の治療法が限定的な患者を最初のターゲットとして開発を進めていく方針だが、具体的なスケジュールは未定となっている。ターゲットとなる患者数は日米欧の主要国で1.9万人程度と同社では推計している。また、潜在市場規模は対象患者数に仮定上の薬価/日(4万円〜9.1万円)と平均治療期間(約135日)を掛け合わせ、1,000〜2,000億円になると同社では試算している。
(4) 製造販売体制
日本では自社で製造販売する方針としており、製造については2022年に協業契約を行ったシオノギファーマに委託する意向をもっている。また、物流や販売促進活動については業務提携先のメディパルホールディングスが担うことになる。一方、米国等での販売についてはグローバル製薬企業と販売ライセンス契約を締結して市場を開拓していく方針で、既に複数社と秘密保持契約(NDA)を結んで情報提供を行っている。ライセンス契約を締結するタイミングとして、第1相パートの中間成績結果もしくは第2相パートまで含めた最終試験結果を見て、候補先企業が判断することになる。同社では製品価値が最大化するような有利な条件を引き出し、ライセンス契約に結び付けたい意向である。
(5) CLK阻害薬の競合他社の状況
CLK阻害薬を開発しているバイオベンチャーが米国に3社あるが、現段階ではいずれも脅威にはならないと同社では見ている。Biospliceで実施した第1相臨床試験の結果は、単剤投与で奏功率0%という結果に終わっており(6名の患者で10%以上の腫瘍サイズ縮小を確認)、現在は併用療法で前立腺がんや大腸がんなどを対象とした第1相臨床試験を実施するにとどまっており、患者での有効性をしっかりと示せていない状態と言える。また、BlossomHills TherapeuticsはAMLを対象とした第1相臨床試験を開始し、患者登録を始めた段階であり、同社から見ると5年程度遅れており、さらに薬剤もCLK以外のキナーゼを阻害するマルチキナーゼ阻害薬となっており、副作用リスクが大きくなるリスクも持つと見られる。Redona Therapeuticsについても、現状は臨床候補化合物の選択を行っている段階にとどまっており、臨床試験入りするまでにはまだしばらく時間を要するものと見られる。
CLK阻害薬の開発では同社が最も先行している状況となっており、物質特許もすでに世界主要51カ国で権利化済みとなっている。このため、臨床試験で良好な結果を示せればビッグディールにつながる可能性があり、2025年末頃の発表が見込まれる第1相パートの中間成績の内容が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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(2) 2次治療以降のAML治療薬としての潜在市場規模
AMLの患者数は日米欧の主要国で年間5万人程度と推計されており、このうち一次治療の効果がない又は再発した患者が2次治療に進むことになる。その確率は最大で50%と見ており、このうち治療薬のある遺伝子変異(FLT3、IDH1/2等)を持たない患者と、当該治療薬が効かずに3次治療へ進む患者がCTX-712の最初のターゲットとなる。同社では最大で約1.8万人の患者数がターゲットになると試算している。
これらターゲット患者数に、既存薬を参考にした1日当たり薬価(4万円~9.1万円)と平均治療期間(約270日)を掛け合わせたものが潜在市場規模となり、計算では2,000~4,000億円となる。2次治療以降のAML治療薬として販売承認が得られれば、一次治療やその他のがん種へ順次適応拡大を進めていく戦略であり、ブロックバスターに成長するポテンシャルを秘めている。
(3) 卵巣がんの開発戦略と潜在市場規模
卵巣がんにおける薬物療法としては、プラチナ製剤とタキサン系製剤を組み合わせたTC療法が標準療法として広く普及しており、また、がん細胞に特徴的な分子を標的にした治療薬も開発されている。このため、卵巣がんにおいては、再発・難治性でプラチナ製剤抵抗性を持つ3次治療以降の治療法が限定的な患者を最初のターゲットとして開発を進めていく方針だが、具体的なスケジュールは未定となっている。ターゲットとなる患者数は日米欧の主要国で1.9万人程度と同社では推計している。また、潜在市場規模は対象患者数に仮定上の薬価/日(4万円〜9.1万円)と平均治療期間(約135日)を掛け合わせ、1,000〜2,000億円になると同社では試算している。
(4) 製造販売体制
日本では自社で製造販売する方針としており、製造については2022年に協業契約を行ったシオノギファーマに委託する意向をもっている。また、物流や販売促進活動については業務提携先のメディパルホールディングスが担うことになる。一方、米国等での販売についてはグローバル製薬企業と販売ライセンス契約を締結して市場を開拓していく方針で、既に複数社と秘密保持契約(NDA)を結んで情報提供を行っている。ライセンス契約を締結するタイミングとして、第1相パートの中間成績結果もしくは第2相パートまで含めた最終試験結果を見て、候補先企業が判断することになる。同社では製品価値が最大化するような有利な条件を引き出し、ライセンス契約に結び付けたい意向である。
(5) CLK阻害薬の競合他社の状況
CLK阻害薬を開発しているバイオベンチャーが米国に3社あるが、現段階ではいずれも脅威にはならないと同社では見ている。Biospliceで実施した第1相臨床試験の結果は、単剤投与で奏功率0%という結果に終わっており(6名の患者で10%以上の腫瘍サイズ縮小を確認)、現在は併用療法で前立腺がんや大腸がんなどを対象とした第1相臨床試験を実施するにとどまっており、患者での有効性をしっかりと示せていない状態と言える。また、BlossomHills TherapeuticsはAMLを対象とした第1相臨床試験を開始し、患者登録を始めた段階であり、同社から見ると5年程度遅れており、さらに薬剤もCLK以外のキナーゼを阻害するマルチキナーゼ阻害薬となっており、副作用リスクが大きくなるリスクも持つと見られる。Redona Therapeuticsについても、現状は臨床候補化合物の選択を行っている段階にとどまっており、臨床試験入りするまでにはまだしばらく時間を要するものと見られる。
CLK阻害薬の開発では同社が最も先行している状況となっており、物質特許もすでに世界主要51カ国で権利化済みとなっている。このため、臨床試験で良好な結果を示せればビッグディールにつながる可能性があり、2025年末頃の発表が見込まれる第1相パートの中間成績の内容が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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