注目トピックス 市況・概況
来週の相場で注目すべき3つのポイント:米大統領選挙、米FOMC政策金利発表、東証取引時間延伸
配信日時:2024/11/02 18:05
配信元:FISCO
*18:05JST 来週の相場で注目すべき3つのポイント:米大統領選挙、米FOMC政策金利発表、東証取引時間延伸
■株式相場見通し
予想レンジ:上限39200円-下限37500円
1日に発表された米10月雇用統計は、非農業部門雇用者数が1.2万人増と市場予想(+10.1万人)を大幅に下回り、2020年来で最低の伸びにとどまったほか、前2カ月間の雇用者数も下方修正された。一方、失業率は4.1%と市場予想通りとなった。この結果を受けた1日の米国株式市場は反発。ダウ平均は前日比288.73ドル高の42052.19ドル、ナスダックは同144.77ポイント高の18239.92で取引を終了した。大証ナイト・セッションの日経225先物は、日中終値比480円高の38600円で取引を終えた。為替市場では、ドル・円相場が一時1ドル151円台を付ける場面もあったが、その後は152円台後半で推移している。日本は3連休のため4日の海外市場の動向を確認する必要はあるが、米雇用統計をきっかけとした日経平均の一段安は回避されそうな状況にある。
来週は5日に米大統領選挙の投開票、6-7日に米連邦準備制度理事会(FRB)による連邦公開市場委員会(FOMC)と重要イベントが相次いで開催されることから米国市場が注目されそうだ。FOMCでは、足下の米経済が非常に強いことや大統領選挙直後であることなどが意識されて、市場想定通りの「0.25%の利下げ」に留まる公算が大きく、ほぼ無風での通過となりそうだ。一方、米大統領選挙は、トランプ元大統領、ハリス副大統領の支持率が拮抗していることから、大勢が判明するのは東京時間6日の午後と遅い時間になりそうだ。
どちらの候補者が勝利しても、流動性の高い東京市場にてファーストインパクトが発生するため、東京市場は神経質な展開となりそうだ。足下の米金利市場は、米経済のソフトランディング期待感にトランプトレードも加わり、金利が上昇していたことから、トランプ氏が勝利しても、いったん材料出尽くし感が先行する可能性がある。米金利低下となれば日米金利差縮小が意識されることから、為替市場では円高ドル安が進行するかもしれない。為替、金利、株式市場いずれも慌ただしい状況となりそうだ。
国内では企業決算が増加する。8日には500社超が予定されており、週間では950社ほどが予定されている。5日から立ち合い時間が30分延伸される関係上、15時ちょうどに決算発表を予定している企業は取引時間中の発表となることから、15時から15時30分は売買代金が増加するだろう。来週は米国の重要イベントに加えて、政局の不透明感も強いことから、決算銘柄を中心とした個別物色の強い相場展開となりそうだ。なお、今週のプライム市場の売買代金は、衆議院選挙投開票前に比べると増加しているが、10月30日の7兆9645億円や31日の4兆9740億円は、TOPIX構成銘柄の浮動株比率の変動に伴うリバランスなど月末要因が背景にある。まだ東京市場に腰の据わった海外投資家の資金はさほど入っていないと見ておいた方が良さそうだ。
■為替市場見通し
来週のドル・円は底堅い値動きか。日本銀行の早期利上げ観測が浮上し、円買い圧力がやや高まる可能性は消えていないが、米大統領選と米連邦公開市場委員会(FOMC)の両イベントはドル買い要因になるとみられ、ドルは下げづらい状態が続くとみられる。日銀は10月30-31日に開催された金融政策決定会合で現行の政策を維持したが、金融正常化に前向きな方針を堅持。市場では12月にも追加利上げに踏み切るとの見方が浮上している。また、日本の総選挙で連立与党の議席数は過半数を割り込み、政権運営が難しくなっているため、政治不安を警戒してリスク回避的な円買いが増える可能性は残されている。
ただ、11月5日投開票の米大統領選で、共和党のトランプ前大統領は激戦州と呼ばれる複数の州で民主党のハリス氏をややリードしていると一部で報じられており、トランプ氏の大統領選勝利を予想する市場参加者が増えている。トランプ氏が主張する経済政策には長期金利の上昇を招く可能性があるものも含まれており、ドル買い材料となり得る。少なくとも大統領選挙の結果判明までは米ドル買い・円売りが優勢の状態が続く可能性がある。
■来週の注目スケジュール
11月4日(月):株式市場は祝日のため休場(振替休日)、米・耐久財受注(9月)、米・製造業受注(9月)、欧・ユーロ圏製造業PMI(10月)、中・全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会会議(8日まで)など
11月5日(火):東京証券取引所の取引時間が15時30分までに延伸、米・大統領選挙・議会選挙、米・貿易収支(9月)、米・ISM非製造業景況指数(10月)、中・財新サービス業PMI(10月)、中・財新総合PMI(10月)、豪・オーストラリア準備銀行(中央銀行)が政策金利発表など
11月6日(水):日銀政策委員会・金融政策決定会合議事要旨(9月19・20日分)、米・連邦公開市場委員会(FOMC)(1日目)、米・サービス業PMI(10月)、米・総合PMI(10月)、欧・ユーロ圏サービス業PMI(10月)、欧・ユーロ圏総合PMI(10月)、欧・ユーロ圏生産者物価指数(9月)、NZ・失業率(7-9月)など
11月7日(木):毎月勤労統計(9月)、米・連邦公開市場委員会(FOMC)が政策金利発表、米・新規失業保険申請件数(先週)、英・イングランド銀行(英中央銀行)が政策金利発表、中・貿易収支(10月)、中・貿易収支(10月)、欧・ユーロ圏小売売上高(9月)、独・鉱工業生産指数(9月)、豪・貿易収支(9月)など
11月8日(金):景気一致指数(9月)、景気先行CI指数(9月)、米・ミシガン大学消費者信頼感指数速報(11月)、中・経常収支速報(7-9月)、加・失業率(10月)など
11月9日(土):中・消費者物価指数(10月)、中・生産者物価指数(10月)、元建て新規貸出残高(10月、15日までに)など
<YU>
予想レンジ:上限39200円-下限37500円
1日に発表された米10月雇用統計は、非農業部門雇用者数が1.2万人増と市場予想(+10.1万人)を大幅に下回り、2020年来で最低の伸びにとどまったほか、前2カ月間の雇用者数も下方修正された。一方、失業率は4.1%と市場予想通りとなった。この結果を受けた1日の米国株式市場は反発。ダウ平均は前日比288.73ドル高の42052.19ドル、ナスダックは同144.77ポイント高の18239.92で取引を終了した。大証ナイト・セッションの日経225先物は、日中終値比480円高の38600円で取引を終えた。為替市場では、ドル・円相場が一時1ドル151円台を付ける場面もあったが、その後は152円台後半で推移している。日本は3連休のため4日の海外市場の動向を確認する必要はあるが、米雇用統計をきっかけとした日経平均の一段安は回避されそうな状況にある。
来週は5日に米大統領選挙の投開票、6-7日に米連邦準備制度理事会(FRB)による連邦公開市場委員会(FOMC)と重要イベントが相次いで開催されることから米国市場が注目されそうだ。FOMCでは、足下の米経済が非常に強いことや大統領選挙直後であることなどが意識されて、市場想定通りの「0.25%の利下げ」に留まる公算が大きく、ほぼ無風での通過となりそうだ。一方、米大統領選挙は、トランプ元大統領、ハリス副大統領の支持率が拮抗していることから、大勢が判明するのは東京時間6日の午後と遅い時間になりそうだ。
どちらの候補者が勝利しても、流動性の高い東京市場にてファーストインパクトが発生するため、東京市場は神経質な展開となりそうだ。足下の米金利市場は、米経済のソフトランディング期待感にトランプトレードも加わり、金利が上昇していたことから、トランプ氏が勝利しても、いったん材料出尽くし感が先行する可能性がある。米金利低下となれば日米金利差縮小が意識されることから、為替市場では円高ドル安が進行するかもしれない。為替、金利、株式市場いずれも慌ただしい状況となりそうだ。
国内では企業決算が増加する。8日には500社超が予定されており、週間では950社ほどが予定されている。5日から立ち合い時間が30分延伸される関係上、15時ちょうどに決算発表を予定している企業は取引時間中の発表となることから、15時から15時30分は売買代金が増加するだろう。来週は米国の重要イベントに加えて、政局の不透明感も強いことから、決算銘柄を中心とした個別物色の強い相場展開となりそうだ。なお、今週のプライム市場の売買代金は、衆議院選挙投開票前に比べると増加しているが、10月30日の7兆9645億円や31日の4兆9740億円は、TOPIX構成銘柄の浮動株比率の変動に伴うリバランスなど月末要因が背景にある。まだ東京市場に腰の据わった海外投資家の資金はさほど入っていないと見ておいた方が良さそうだ。
■為替市場見通し
来週のドル・円は底堅い値動きか。日本銀行の早期利上げ観測が浮上し、円買い圧力がやや高まる可能性は消えていないが、米大統領選と米連邦公開市場委員会(FOMC)の両イベントはドル買い要因になるとみられ、ドルは下げづらい状態が続くとみられる。日銀は10月30-31日に開催された金融政策決定会合で現行の政策を維持したが、金融正常化に前向きな方針を堅持。市場では12月にも追加利上げに踏み切るとの見方が浮上している。また、日本の総選挙で連立与党の議席数は過半数を割り込み、政権運営が難しくなっているため、政治不安を警戒してリスク回避的な円買いが増える可能性は残されている。
ただ、11月5日投開票の米大統領選で、共和党のトランプ前大統領は激戦州と呼ばれる複数の州で民主党のハリス氏をややリードしていると一部で報じられており、トランプ氏の大統領選勝利を予想する市場参加者が増えている。トランプ氏が主張する経済政策には長期金利の上昇を招く可能性があるものも含まれており、ドル買い材料となり得る。少なくとも大統領選挙の結果判明までは米ドル買い・円売りが優勢の状態が続く可能性がある。
■来週の注目スケジュール
11月4日(月):株式市場は祝日のため休場(振替休日)、米・耐久財受注(9月)、米・製造業受注(9月)、欧・ユーロ圏製造業PMI(10月)、中・全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会会議(8日まで)など
11月5日(火):東京証券取引所の取引時間が15時30分までに延伸、米・大統領選挙・議会選挙、米・貿易収支(9月)、米・ISM非製造業景況指数(10月)、中・財新サービス業PMI(10月)、中・財新総合PMI(10月)、豪・オーストラリア準備銀行(中央銀行)が政策金利発表など
11月6日(水):日銀政策委員会・金融政策決定会合議事要旨(9月19・20日分)、米・連邦公開市場委員会(FOMC)(1日目)、米・サービス業PMI(10月)、米・総合PMI(10月)、欧・ユーロ圏サービス業PMI(10月)、欧・ユーロ圏総合PMI(10月)、欧・ユーロ圏生産者物価指数(9月)、NZ・失業率(7-9月)など
11月7日(木):毎月勤労統計(9月)、米・連邦公開市場委員会(FOMC)が政策金利発表、米・新規失業保険申請件数(先週)、英・イングランド銀行(英中央銀行)が政策金利発表、中・貿易収支(10月)、中・貿易収支(10月)、欧・ユーロ圏小売売上高(9月)、独・鉱工業生産指数(9月)、豪・貿易収支(9月)など
11月8日(金):景気一致指数(9月)、景気先行CI指数(9月)、米・ミシガン大学消費者信頼感指数速報(11月)、中・経常収支速報(7-9月)、加・失業率(10月)など
11月9日(土):中・消費者物価指数(10月)、中・生産者物価指数(10月)、元建て新規貸出残高(10月、15日までに)など
<YU>
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