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クリレスHD Research Memo(3):2025年2月期中間期は既存店の伸びにより増収増益
配信日時:2024/10/22 13:03
配信元:FISCO
*13:03JST クリレスHD Research Memo(3):2025年2月期中間期は既存店の伸びにより増収増益
■クリエイト・レストランツ・ホールディングス<3387>の決算概要
2025年2月期中間期の業績(IFRS基準)は、売上収益が前年同期比4.8%増の76,467百万円、営業利益が同16.5%増の4,847百万円、税引前利益が同12.6%増の4,421百万円、親会社の所有者に帰属する中間利益(以下、中間利益)が同5.1%増の3,192百万円と増収増益となった。通期予想に対しても順調に進捗している。
夏場における猛暑や台風並びに局地的雷雨といった天候不順の影響はあったものの、実質賃金のプラス転換等を背景とした堅調な外食需要や拡大するインバウンド需要の取り込みにより、すべてのカテゴリーで増収を確保した。既存店売上高(連結)についても客数及び客単価ともに伸び、前年比106.6%(中間期平均)と好調に推移した。特に客単価を引き上げたのは、消費者の「メリハリ外食」活発化やインバウンド需要などによるものである。
出退店については、アフターコロナを見据えたポートフォリオの見直しを進める方針の下、新規16店舗を出店する一方、契約満了等により20店舗を退店し、2024年8月末の店舗数は1,105店舗となった。また、立地環境や顧客ニーズに合わせ、8店舗の業態変更を行った。
損益面では、原材料価格の高騰による影響はメニュー改定等により限定的であった。また、前期からの人的資本投資(スタッフ増員や賃上げの実施)に伴う費用増についても想定内であり、増収効果により大幅な増益を実現した。営業利益率も6.3%(前年同期は5.7%)に改善している。
財政状態については大きな変動はなく、資産合計は前期末比1.5%増の132,721百万円となった一方、「親会社の所有者に帰属する持分」は内部留保の積み増しにより同6.1%増の38,167百万円に増加したことから、「親会社所有者帰属持分比率」(自己資本比率に相当)は28.8%(前期末は27.5%)となった。
各カテゴリー別の業績は以下のとおりである。
(1) CRカテゴリー
売上収益は前年同期比5.7%増の26,967百万円、カテゴリーCF※1は同1.6%減の3,132百万円となった※2。天候不順の影響を受けたものの、都心部の非日常を取り込むレストラン(予約型のファインダイニング系)業態が好調に推移し、既存店売上高(中間期平均)は前年比106.9%に増加した。一方、カテゴリーCFがマイナスとなったのは、前期からの人的資本投資(スタッフ増員及び賃金アップ)によるものである。新規出店10店舗※3、退店13店舗により、2024年8月末の店舗数は499店舗となった。また、業態変更を6店舗で行った。
※1 カテゴリーCF(キャッシュ・フロー)=営業利益(日本基準)+減価償却費+協賛金収入+非経常的費用項目(以下、同様)。
※2 2024年6月1日付けグループ内組織再編((株)LG&EWを専門ブランドカテゴリーからCRカテゴリーに組み替え)を反映した決算数値となっている(専門ブランドカテゴリーも同様)。
※3 五反田にオープンしたニューアメリカンダイニング「GOTTA」のほか、「しゃぶ菜」2店舗、「磯丸水産(金沢)」1店舗(グループ内FC)、「MACCHA HOUSE 抹茶館」(京都祇園四条)、横浜ワールドポーターズのフードコートに4店舗、ゴルフ場内レストランの新規業務受託1店舗。
(2) SFPカテゴリー
売上収益は前年同期比5.3%増の15,037百万円、カテゴリーCFは同4.2%減の1,390百万円となった。台風の影響で一部店舗の休業が発生したものの、首都圏・都心部を中心とした居酒屋需要は堅調に推移したほか、好調なインバウンド需要の取り込みにより、既存店売上高(中間期平均)は前年比104.8%に増加した。一方、カテゴリーCFがマイナスとなったのは、前期からの人的資本投資(スタッフ増員及び賃金アップ)や水光熱費増(補助金剥落)によるものである。新規出店2店舗※、退店2店舗により、2024年8月末の店舗数は202店舗となった。また、業態変更を1店舗で行った。
※ 「磯丸水産」「五の五」の2店舗
(3) 専門ブランドカテゴリー
売上収益は前年同期比4.0%増の25,571百万円、カテゴリーCFは同10.2%増の2,916百万円となった。つけめん・ベーカリー等の日常業態が堅調であったことや、和食「いっちょう」においてメニュー改定が奏功したことなどから、既存店売上高(中間期平均)は前年比106.5%に増加した。また、カテゴリーCFについても、増収効果により大幅なプラスとなった。新規出店4店舗※、退店2店舗により、2024年8月末の店舗数は352店舗となった。また、業態変更を1店舗で行った。
※ ベーカリー&カフェ「IKEDAYAMA」(五反田駅前店)及びJA全農とのコラボによる出店(焼肉「若葉亭」2店舗、「みのるダイニング」(京都ポルタ))
(4) 海外カテゴリー
売上収益は前年同期比3.9%増の9,865百万円、カテゴリーCFは同0.1%増の1,054百万円となった。シンガポールは堅調に推移する一方、北米ではリベンジ消費の一服感やインフレ疲れによりレストラン業界全体が弱含むなか、単価の高めの「Il Fornaio」がやや苦戦するものの、既存店売上高(中間期平均)は円安要因もあり前年比108.6%と増加した。一方、カテゴリーCFは、物価高や人件費増などの影響を受けほぼ横ばいに留まった。新規出店ゼロ、退店3店舗により、2024年8月末の店舗数は52店舗となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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2025年2月期中間期の業績(IFRS基準)は、売上収益が前年同期比4.8%増の76,467百万円、営業利益が同16.5%増の4,847百万円、税引前利益が同12.6%増の4,421百万円、親会社の所有者に帰属する中間利益(以下、中間利益)が同5.1%増の3,192百万円と増収増益となった。通期予想に対しても順調に進捗している。
夏場における猛暑や台風並びに局地的雷雨といった天候不順の影響はあったものの、実質賃金のプラス転換等を背景とした堅調な外食需要や拡大するインバウンド需要の取り込みにより、すべてのカテゴリーで増収を確保した。既存店売上高(連結)についても客数及び客単価ともに伸び、前年比106.6%(中間期平均)と好調に推移した。特に客単価を引き上げたのは、消費者の「メリハリ外食」活発化やインバウンド需要などによるものである。
出退店については、アフターコロナを見据えたポートフォリオの見直しを進める方針の下、新規16店舗を出店する一方、契約満了等により20店舗を退店し、2024年8月末の店舗数は1,105店舗となった。また、立地環境や顧客ニーズに合わせ、8店舗の業態変更を行った。
損益面では、原材料価格の高騰による影響はメニュー改定等により限定的であった。また、前期からの人的資本投資(スタッフ増員や賃上げの実施)に伴う費用増についても想定内であり、増収効果により大幅な増益を実現した。営業利益率も6.3%(前年同期は5.7%)に改善している。
財政状態については大きな変動はなく、資産合計は前期末比1.5%増の132,721百万円となった一方、「親会社の所有者に帰属する持分」は内部留保の積み増しにより同6.1%増の38,167百万円に増加したことから、「親会社所有者帰属持分比率」(自己資本比率に相当)は28.8%(前期末は27.5%)となった。
各カテゴリー別の業績は以下のとおりである。
(1) CRカテゴリー
売上収益は前年同期比5.7%増の26,967百万円、カテゴリーCF※1は同1.6%減の3,132百万円となった※2。天候不順の影響を受けたものの、都心部の非日常を取り込むレストラン(予約型のファインダイニング系)業態が好調に推移し、既存店売上高(中間期平均)は前年比106.9%に増加した。一方、カテゴリーCFがマイナスとなったのは、前期からの人的資本投資(スタッフ増員及び賃金アップ)によるものである。新規出店10店舗※3、退店13店舗により、2024年8月末の店舗数は499店舗となった。また、業態変更を6店舗で行った。
※1 カテゴリーCF(キャッシュ・フロー)=営業利益(日本基準)+減価償却費+協賛金収入+非経常的費用項目(以下、同様)。
※2 2024年6月1日付けグループ内組織再編((株)LG&EWを専門ブランドカテゴリーからCRカテゴリーに組み替え)を反映した決算数値となっている(専門ブランドカテゴリーも同様)。
※3 五反田にオープンしたニューアメリカンダイニング「GOTTA」のほか、「しゃぶ菜」2店舗、「磯丸水産(金沢)」1店舗(グループ内FC)、「MACCHA HOUSE 抹茶館」(京都祇園四条)、横浜ワールドポーターズのフードコートに4店舗、ゴルフ場内レストランの新規業務受託1店舗。
(2) SFPカテゴリー
売上収益は前年同期比5.3%増の15,037百万円、カテゴリーCFは同4.2%減の1,390百万円となった。台風の影響で一部店舗の休業が発生したものの、首都圏・都心部を中心とした居酒屋需要は堅調に推移したほか、好調なインバウンド需要の取り込みにより、既存店売上高(中間期平均)は前年比104.8%に増加した。一方、カテゴリーCFがマイナスとなったのは、前期からの人的資本投資(スタッフ増員及び賃金アップ)や水光熱費増(補助金剥落)によるものである。新規出店2店舗※、退店2店舗により、2024年8月末の店舗数は202店舗となった。また、業態変更を1店舗で行った。
※ 「磯丸水産」「五の五」の2店舗
(3) 専門ブランドカテゴリー
売上収益は前年同期比4.0%増の25,571百万円、カテゴリーCFは同10.2%増の2,916百万円となった。つけめん・ベーカリー等の日常業態が堅調であったことや、和食「いっちょう」においてメニュー改定が奏功したことなどから、既存店売上高(中間期平均)は前年比106.5%に増加した。また、カテゴリーCFについても、増収効果により大幅なプラスとなった。新規出店4店舗※、退店2店舗により、2024年8月末の店舗数は352店舗となった。また、業態変更を1店舗で行った。
※ ベーカリー&カフェ「IKEDAYAMA」(五反田駅前店)及びJA全農とのコラボによる出店(焼肉「若葉亭」2店舗、「みのるダイニング」(京都ポルタ))
(4) 海外カテゴリー
売上収益は前年同期比3.9%増の9,865百万円、カテゴリーCFは同0.1%増の1,054百万円となった。シンガポールは堅調に推移する一方、北米ではリベンジ消費の一服感やインフレ疲れによりレストラン業界全体が弱含むなか、単価の高めの「Il Fornaio」がやや苦戦するものの、既存店売上高(中間期平均)は円安要因もあり前年比108.6%と増加した。一方、カテゴリーCFは、物価高や人件費増などの影響を受けほぼ横ばいに留まった。新規出店ゼロ、退店3店舗により、2024年8月末の店舗数は52店舗となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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