注目トピックス 日本株
ランサーズ:クラウドソーシング大手、通期黒字化達成後の更なる利益成長フェーズ
配信日時:2024/09/11 10:10
配信元:FISCO
*10:10JST ランサーズ:クラウドソーシング大手、通期黒字化達成後の更なる利益成長フェーズ
ランサーズ<4484>は、フリーランスと企業を仕事領域でマッチングさせるプラットフォーム事業の運営をてがける。
仕事を依頼したいユーザー(クライアント)と仕事を受けたいユーザー(ランサー)をオンライン上でマッチングさせるフリーランスプラットフォーム「Lancers」を運営している。サービスモデルとしては、セルフマッチングとエージェントマッチングが存在しており、ランサーのデータベースは一元化してクライアント向けに複数のサービスを展開。セルフマッチングにおけるランサーの主な職種は、エンジニアやデザイナー、バックオフィスなど。企業のDX運用を支援する職種が中心で、エージェントマッチングのランサーの主な職種はエンジニアが55%、デザイナーが23%、続いてマーケター(8%)、PM(8%)、ディレクター(6%)のほか、中小企業だけでなく大企業に向けて戦略策定からDX導入・運用まで支援するコンサルタントのマッチングも行っている。累計の登録者数は264万人以上で、マッチングペア数は707万ペア。
2025年3月期第1四半期の売上高は前年同期比0.1%増の1,114百万円、営業損益は31百万円の黒字(前年同期は54百万円の赤字)に転換した。前期のマイナス影響を抜け出し、特に利益面でV字回復を果たしている。クライアントあたり利用金額を継続的に向上させながら。営業1人あたり契約決定数が前年同期比55%増と大幅改善した。また、クライアント当たり利用金額も3.1万円と上昇基調を維持。構造改革による黒字化および営業生産性が高まっている。営業人材を中心に採用強化を実施予定で、今期以降は組織規模の拡大によっても、売上高成長を加速させていくようだ。そのほか、生成AIの知識を備えたフリーランスを可視化し、信頼できるAI人材とのマッチングも促進している。通期業績予想は、売上高は5,036百万円(前期比10.1%増)、営業利益は100百万円(前期比32.6%増)を見込む。
来期以降は、中長期で成長性・収益性を継続拡大する構造を継続し、新規事業やM&Aなどでさらなる成長を実現していくようだ。主力のマッチング事業では新市場への進出やフリーランスだけではない市場・顧客に価値を提供していき、マッチング以外の周辺領域に対して事業拡大を行う。フリーランス市場全体は、オンライン化とアウトソース化が浸透していくことで今後も対象市場の拡大が見込まれており、2030年の市場規模は約1兆円が見込まれている。今後も人材の専門性・オンライン完結・圧倒的なスピードという観点から、他人材サービスと差別化を図っていくようで、通期黒字化達成後の更なる利益成長フェーズに入った同社の今後の動向に注目しておきたい。
<NH>
仕事を依頼したいユーザー(クライアント)と仕事を受けたいユーザー(ランサー)をオンライン上でマッチングさせるフリーランスプラットフォーム「Lancers」を運営している。サービスモデルとしては、セルフマッチングとエージェントマッチングが存在しており、ランサーのデータベースは一元化してクライアント向けに複数のサービスを展開。セルフマッチングにおけるランサーの主な職種は、エンジニアやデザイナー、バックオフィスなど。企業のDX運用を支援する職種が中心で、エージェントマッチングのランサーの主な職種はエンジニアが55%、デザイナーが23%、続いてマーケター(8%)、PM(8%)、ディレクター(6%)のほか、中小企業だけでなく大企業に向けて戦略策定からDX導入・運用まで支援するコンサルタントのマッチングも行っている。累計の登録者数は264万人以上で、マッチングペア数は707万ペア。
2025年3月期第1四半期の売上高は前年同期比0.1%増の1,114百万円、営業損益は31百万円の黒字(前年同期は54百万円の赤字)に転換した。前期のマイナス影響を抜け出し、特に利益面でV字回復を果たしている。クライアントあたり利用金額を継続的に向上させながら。営業1人あたり契約決定数が前年同期比55%増と大幅改善した。また、クライアント当たり利用金額も3.1万円と上昇基調を維持。構造改革による黒字化および営業生産性が高まっている。営業人材を中心に採用強化を実施予定で、今期以降は組織規模の拡大によっても、売上高成長を加速させていくようだ。そのほか、生成AIの知識を備えたフリーランスを可視化し、信頼できるAI人材とのマッチングも促進している。通期業績予想は、売上高は5,036百万円(前期比10.1%増)、営業利益は100百万円(前期比32.6%増)を見込む。
来期以降は、中長期で成長性・収益性を継続拡大する構造を継続し、新規事業やM&Aなどでさらなる成長を実現していくようだ。主力のマッチング事業では新市場への進出やフリーランスだけではない市場・顧客に価値を提供していき、マッチング以外の周辺領域に対して事業拡大を行う。フリーランス市場全体は、オンライン化とアウトソース化が浸透していくことで今後も対象市場の拡大が見込まれており、2030年の市場規模は約1兆円が見込まれている。今後も人材の専門性・オンライン完結・圧倒的なスピードという観点から、他人材サービスと差別化を図っていくようで、通期黒字化達成後の更なる利益成長フェーズに入った同社の今後の動向に注目しておきたい。
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システム ディ Research Memo(9):2025年10月期は10期連続の増配を予定
*19:29JST システム ディ Research Memo(9):2025年10月期は10期連続の増配を予定
■株主還元策システム ディ<3804>は株主還元について配当によることを基本としている。配当金については成長のために必要となる開発資金等の内部留保を確保しつつ、安定的な配当を維持することを基本方針としている。配当性向については20%超の水準を目安に累進的配当を実施しており、2024年10月期の1株当たり配当金も、減収減益決算ではあったものの前期比1.0円増配の24.0円(配当性向27.7%)と連続増配を実施した。2025年10月期も1株当たり27.0円(同28.0%)と10期連続の増配を予定しており、今後も業績を着実に成長させることで、連続増配を目指す。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<KM>
2025/08/01 19:29
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システム ディ Research Memo(8):ストック収益比率50%、営業利益率20%を目標に持続的成長目指す
*19:28JST システム ディ Research Memo(8):ストック収益比率50%、営業利益率20%を目標に持続的成長目指す
■今後の見通し3. 成長戦略システム ディ<3804>は中期計画「第一次 システム ディ強靭化計画」(2023年10月期~2025年10月期)において、2025年10月期までを飛躍に向けた体力づくりの期間と位置付けている。シェア拡大とストック収益の積み上げによる持続的な売上成長を図ると同時に、社内(社員や設備)への投資を強化することで大企業としてステージアップを図るための高度な組織体制を構築し、システムベンダーとしての強い技術者集団の形成に取り組んでいる。また、その延長線上として、企業価値の向上とプライム市場への上場挑戦を見据えている。重点テーマとしては以下の3つとなる。(1) 「よりシェアを拡大し、各事業をさらに強靭化する」各ソリューション事業において業界シェアを拡大し、ストック収益のさらなる積み上げを図ると同時に、採用強化により強い技術者集団を形成する。また、無駄なコストの徹底的な削減に取り組むことで着実な売上成長とストック収益比率50%、営業利益率20%、自己資本比率60%以上の継続を目指す。営業利益率に関しては人的資本投資の拡大等もあって20%の水準に若干届かない可能性があるが、ストック収益比率や自己資本比率は目標を達成する見通しだ。シェア拡大については、各事業においてここ数年で今後の成長を担う新製品を相次いでリリースしており、これら製品の拡販が進むなど一定の成果が見え始めている。今後は生成AI技術を活用した新機能の開発と高付加価値化によって製品競争力を高め、さらなるシェア拡大を目指すものと予想される。生成AI技術の活用は、ソリューションごとに開発を進めている。現在はFAQ機能をチャットボットで代替する機能の開発を、学園ソリューション等で進めている。教育分野では教育現場で求められる事柄が異なるため、それぞれの特性に合わせて開発を行うことで、より精度の高いサービスの提供を目指している。また、ガバメントクラウドの動きが加速するなかで、行政分野(公教育&公会計ソリューション)においては、既に豊富な納入実績を持っていることを強みとして、今後数年間はシェアを一段と拡大する好機になると弊社では見ている。(2) 「ワクワクさせる会社になる」企業の成長を支える源泉は人材であるとの認識の下、人的資本経営の強化は継続して進める方針だ。人的リソースを強化するためには「入社したい」と思わせる魅力的な会社になる必要があると考えており、そのために既存事業で圧倒的シェアを獲得し知名度を向上させることや、参画したいと思わせるような魅力的な新規事業の立ち上げが重要と捉えている。新規事業に関して現時点で公表できる具体的なプロジェクトはないものの、中村牧場をグループ化したことでAI分野において新たなソリューションの創出が期待される。(3) 「社員、ステークホルダーと共に成長する」同社は採用強化を進めると共に定着率の向上に向けて、人事制度の高度化や福利厚生制度の充実、職場環境の改善に取り組んでいる。また、従業員の健康維持・増進に向けた取り組みも積極的に推進しており、2024年に「健康経営宣言」を発表、2025年3月には健康経営優良法人(大規模法人部門)※の認定を取得した。IR活動についても今まで以上に強化する方針で、企業価値が適正に評価されるよう情報開示などを積極的に行い、ステークホルダーとともに成長していく考えだ。※ 日本健康会議によって「優良な健康経営を実践している企業である」と認定された法人のことを指す。認定基準の主な評価項目としては、定期健診受診率や社員に対するストレスチェックの実施など複数の評価項目で基準を満たしていることが条件となる。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<KM>
2025/08/01 19:28
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システム ディ Research Memo(7):2025年10月期業績は2期ぶりに過去最高業績を更新する見通し
*19:27JST システム ディ Research Memo(7):2025年10月期業績は2期ぶりに過去最高業績を更新する見通し
■今後の見通し1. 2025年10月期の業績見通しシステム ディ<3804>の2025年10月期の連結業績は売上高で前期比8.5%増の5,024百万円、営業利益で同12.5%増の932百万円、経常利益で同12.2%増の931百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同12.9%増の627百万円と期初計画を据え置き、2期ぶりに過去最高業績を更新する見通しだ。中間期の進捗率は売上高で55.7%、営業利益で70.0%と直近3年間の平均進捗率(売上高52.3%、営業利益65.8%)を上回るペースとなっており、足元の受注状況にも翳りは見られないことから、売上高は計画を上回る公算が大きい。物価上昇や米国の関税政策の動向など、景気の先行きについては不透明感が強まっているが、慢性的な人手不足が続くなかで、同課題を解消するためのITソリューションに対する投資の優先順位は民間、公共分野ともに高く、同社にとって追い風が吹いている状況に変わりない。一方で、利益の上振れについては小幅なものにとどまる可能性が高い。引き続き持続的成長に向けた経営基盤の強化に取り組んでおり、社員の処遇向上も含めた人的資本投資や新規顧客開拓のための営業活動費の上積みを検討しているためだ。これら先行投資を実施することで2026年10月期以降の収益成長を確かなものとしていく。なお、2025年春の社員の昇給については、前年と同率の5%アップを実施し、2026年春の新卒採用は20~26名程度を計画している。公会計ソリューション、ウェルネスソリューションは成長路線に復帰する見通し2. 事業部門別の売上見通し(1) 学園ソリューション事業学園ソリューション事業は前期比7.1%増の1,480百万円と2期ぶりの増収に転じる見通し。中間期の進捗率が67.1%と高くなっているが、納品時期が当期は前半に偏重したことが要因だ。とは言え、既存顧客からの追加案件も受注するなど受注は計画を上回るペースで推移しており、売上高も上振れする可能性が高い。(2) 公教育ソリューション事業公教育ソリューション事業は前期比8.2%増の1,550百万円と増収基調が続く見通し。山口県と岩手県の県全域大型案件が通年で寄与するほか、2025年4月より稼働を開始した福井県や群馬県の案件が増収に寄与する。Web出願システムについては山形県、秋田県から受注済みで、2026年春の入試から運用を開始する予定となっている。同事業については4月に稼働を開始する案件が多いことから売上高は期の前半に偏重する傾向にあり、2025年10月期も54.1%と同様のペースとなっているが、Web出願システムの新規受注もあって通期売上高は計画を上振れする可能性が高い。文部科学省「学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(令和5年度)」によれば、2024年3月時点における全国の公立学校約3.2万校のうち、統合型校務支援システムを導入済みの学校は91.4%(うち、高校は98.8%)になっている。ただ、導入済みシステムのうち外部ネットワークに接続していないオンプレミス型システムも相当数あり、今後はオンプレミス型からクラウドサービスへの切り替え需要が出てくるものと見込まれる。クラウドの活用によって、業務のロケーションフリー化や高度化(ペーパーレス化、コミュニケーションツールの活用、各種データ連携やダッシュボード機能の活用によるデータの可視化等)が可能となり、職員の業務負担軽減にもつながるメリットがあるためだ。同社は公教育ソリューションのシェア拡大に向けて、まずは公立高校向けでさらなるシェア拡大に取り組み、Web出願システムの導入拡大を進めたうえで、小・中学校向けのシェアを拡大していく戦略だ。Web出願システムは「School Engine」と連携しているため、同社のWeb出願システムを導入すれば小・中学校向けのシェアも拡大する可能性が高まると考えられる。なお、Web出願システムの競合先としては三菱総研DCS(株)、(株)システム研究所などがある。(3) 公会計ソリューション事業公会計ソリューション事業は前期比8.5%増の640百万円と3期ぶりの増収に転じる見通し。「PPP」の保守・サポート売上が堅調に推移するほか、「PPP」と連携できるメリットを生かして「公有財産管理システム」の導入が進む見通しだ。自治体では学校や病院などの公共施設のほか、道路や橋梁、水道管など多くのインフラ資産を保有しており、これらの維持管理や更新、再開発、拠点統合といった課題を多く抱え、限られた財源の中で毎年計画的にこれらを実行していく必要がある。こうしたなかで、「PPP」と自動連携が可能な「公有財産管理システム」の潜在ニーズは大きく、今後の成長分野として注目される。とりわけ、公共施設等の老朽化対策が課題となる中、政府でも対策を本格的に進めるなかで受注獲得の好機となる。一方、「Common財務会計システム」については、制度の改正時期が未定のため、本格的に収益貢献するのは数年後となりそうだ。(4) ウェルネスソリューション事業ウェルネスソリューション事業は前期比11.8%増の800百万円と2期ぶりの増収に転じる見通し。インバウンド需要の活況を背景に、複数のレジャー施設で「Smart Helloチケット」の新規導入が決まっているほか、「Smart Hello」についても、24時間ジム等の会員制スポーツ施設以外に導入が広がっていることが増収要因となる。具体的には、京急線内駅構内に設置・サービス提供されている個室授乳室「Babypeko」に導入されたほか、コワーキングスペースや幼児教室など様々な業種からの引き合い・導入が増加している状況になる。同事業はコロナ禍の影響で低迷が続いたが、2025年10月期以降はこれらクラウド型サービスの導入拡大により成長路線に復帰する見通しだ。(5) ソフトエンジニアリング事業ソフトエンジニアリング事業は前期比12.8%増の372百万円と増収基調が続く見通し。中間期までの進捗率は41.8%とやや低くなっているが、コンプライアンスやコーポレート・ガバナンスの強化が引き続き強く求められる環境下において、高機能で使い勝手の良い同社製品に対する引き合いは活発なようで、民間企業や金融機関、学校法人、医療法人などで導入が進む見通しだ。(6) 薬局ソリューション事業・他薬局ソリューション事業・他は前期比0.4%増の182百万円と横ばい水準を見込んでいたが、電子処方箋システムの導入が一気に進んだことで中間期の進捗率が80.7%となっており、通期売上高も上振れすることが見込まれる。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<KM>
2025/08/01 19:27
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システム ディ Research Memo(6):自己資本比率60%台で財務内容は良好
*19:26JST システム ディ Research Memo(6):自己資本比率60%台で財務内容は良好
■業績動向3. 財務状況と経営指標システム ディ<3804>の2025年10月期中間期末の資産合計は、前期末比163百万円増加の7,127百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産は現金及び預金が259百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が32百万円それぞれ増加した。また、固定資産はソフトウェア資産やのれんの償却が進んだことにより無形固定資産が101百万円減少したほか、有形固定資産が13百万円減少した。ソフトウェア資産は仮勘定を含めて1,023百万円を計上しているが、今後は極力資産計上せずに単年度で費用処理する方針としている。負債合計は前期末比152百万円減少の2,304百万円となった。主な増減要因を見ると、未払法人税等が88百万円、賞与引当金が75百万円それぞれ増加した一方で、有利子負債が59百万円、前受収益が169百万円減少した。純資産合計は同316百万円増加の4,822百万円となった。主には利益剰余金が292百万円増加したことによる。経営指標を見ると、経営の安全性を示す自己資本比率が67.7%と引き続き60%以上の水準を維持しており、有利子負債比率も5.3%と低水準にあることから、財務体質は健全な状況を維持していると判断される。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<KM>
2025/08/01 19:26
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システム ディ Research Memo(5):学園ソリューションを中心にすべての事業が増収に(2)
*19:25JST システム ディ Research Memo(5):学園ソリューションを中心にすべての事業が増収に(2)
■業績動向(3) 公会計ソリューション事業システム ディ<3804>の公会計ソリューション事業では、地方自治体向けの公会計システム「PPP(Principal Publicaccounting Package:トリプル・ピー)」※をパッケージ製品及びクラウドサービスで提供している。「統一的な基準」による地方公会計制度に完全準拠する「PPP Ver.5新統一基準対応版」を2015年10月にリリース以降、改善を重ねながら導入先を拡大し、現在の導入自治体数は1,000団体を超え、全国の6割弱を占める自治体で利用されている。※ 自治体会計(現金主義・単式簿記会計)を発生主義・複式簿記に基づいて公会計財務諸表と固定資産台帳を作成する機能を持つ。会計制度の新統一基準に完全対応したソフトウェア製品として業界に先駆けて開発したことで、トップシェアを握るまでに成長した。競合先としては、TKC<9746>のほか未上場のジャパンシステム(株)や(株)ぎょうせい、そのほか各地域に開発ベンダーがある。また、2021年3月にリリースした「Common財務会計システム」は「PPP」の開発ノウハウをもとに、適用範囲を予算編成・執行から決算、出納管理、公会計まで広げたシステムである。地方公共団体が行う「歳入歳出決算」「地方財政状況調査(決算統計)」「統一的な基準による財務書類」の3つの決算を同時に処理することで早期の決算確定が可能となるほか、予算編成の際にPDCAサイクルを回すための各種分析ツールを標準装備するなど、決算処理や予算編成の業務省力化・効率化を支援する。既存製品にはない先進的な考え方を取り入れた製品となっているため自治体への導入実績はまだないが、公共団体で複数導入実績が出始めている。そのほか、2023年10月に地方自治体向けに「公有財産管理システム」をリリースした。庁舎や学校、公園など地方公共団体が所有する財産の保有状況をまとめた「公有財産台帳」を管理するシステムで、「PPP」の「固定資産台帳」と完全連携しているため「PPP」ユーザーにとっては財産管理業務の負担が大幅に軽減されるメリットがある。「公有財産台帳」に関してはExcelなど市販ソフトで管理する自治体も多く、「固定資産台帳」との二重管理により情報が食い違ってしまうリスクがあったが、同システムを導入することで、こうした問題も解消されることになる。2025年10月期中間期の売上高は前年同期比10.2%増の295百万円と3期ぶりに増収に転じた。2022年3月でサービスを終了した競合品からのリプレイス需要が2022年10月期で一巡したことで、その後は減収基調を続けていたが、ようやく底打ちした状況だ。新製品となる「公有財産管理システム」について、新たに県、政令市など複数案件の導入が進んだことが増収要因となった。営業利益も増収効果により前年同期の64百万円から83百万円と増益に転じている。当中間期末の累計導入自治体・関連公共団体数は前年同期比23団体増加の1,359団体(現役ユーザー数1,183団体)、前期末比では13団体増となった。なお、「Common財務会計システム」については、公会計制度の改正時期が本格導入の好機になると見ており、それまでに機能強化や操作性向上など製品力の強化に取り組む方針だ。(4) ウェルネスソリューション事業ウェルネスソリューション事業では、フィットネスクラブ・スポーツ施設向け会員管理システム「Hello EX」、レジャー施設向け運営管理システム「Hello Fun」に加えて、2020年11月にリリースしたクラウド型会員管理システム「Smart Hello」※1、2022年11月にリリースしたクラウド型チケット管理システム「Smart Helloチケット」※2等を展開している。同事業については、情報機器や入退場ゲート等のハードウェア製品を含めて販売するケースがあるため、営業利益率は他の事業と比較して相対的に低くなる傾向にある。2025年4月末の累計顧客数は前年同期比153施設増の1,698施設となった(現役ユーザー数は901施設)。会員管理システムの競合大手としては(株)hacomono(2024年12月末導入実績約8,000施設)や(株)ネスティ(同2,200施設以上)などが挙げられ、レジャー施設向け運営管理システムでは(株)グッドフェローズ(同400施設以上)が挙げられる。※1 月額利用料金が1~4万円と低廉な料金で利用できるコストパフォーマンスの高さが特徴。※2 チケット発券を伴う集客施設の業務を一元管理するシステムで、Webチケット販売・セルフ発券・モバイル着券・団体予約・データ分析など豊富な機能を備えている。初期導入費用(ハードウェア費用除く)が無料で、月額料金プランは機能により3プラン(月額3万円、6万円、10万円)を用意している。2025年10月期中間期の売上高は、前年同期比3.0%増の369百万円と2期ぶりに増収に転じた。24時間ジムなど小規模フィットネス施設や会費制スクール等をターゲットに提供している「Smart Hello」を中心に当中間期で62施設に新規導入したことが増収要因となった。一方で、営業損益は5百万円の損失(前年同期が6百万円の利益)となった。仕入商品となるハードウェアの販売が増加し、販売ミックスが若干悪化したことが主因だ。ただ、一般管理費など間接経費を除いたベースでは営業損益も黒字を維持している。(5) ソフトエンジニアリング事業ソフトエンジニアリング事業では、民間企業や金融機関、公益法人、学校法人等に、文書・契約書等の管理システム等を開発・販売している。具体的には「規程管理システム」や「契約書作成・管理システム」など社内のコンプライアンスやコーポレート・ガバナンスの強化を支援するためのソフトウェア製品で、高機能かつコストパフォーマンスに優れている点が高く評価されている。競合先としては、ぎょうせい、第一法規(株)などがある。2025年10月期中間期の売上高は前年同期比0.2%増の155百万円と若干ながら増収を継続した。当期は下期に納品予定の案件が多く、中間期は伸び悩む格好となったが、コンプライアンス意識の高まりを背景に金融機関や大規模法人などを中心に引き合いは依然活発な状況に変わりない。当中間期末の累計顧客数は前年同期比67法人増加の726法人(現役ユーザー数468法人)、前期末比では24法人増となった。一方、営業利益は前年同期の68百万円から49百万円と減益に転じた。前年同期と比べて小型案件が増えたこともあり、営業費用の増加を吸収しきれなかったものと見られる。ただ、営業利益率は31.6%と同社の中では最も高い事業であることに変わりない。(6) 薬局ソリューション事業・その他薬局ソリューション事業は連結子会社のシンクが手掛けている事業で、大阪府内の小規模の独立系調剤薬局に対してレセプトコンピュータ(レセコン)の「GOHL2」/「OKISS」を中心に各種業務システムを提供している。2025年10月期中間期末の累計顧客数は前年同期比横ばいの1,232店舗(現役ユーザー数330店舗)となっている。そのほか、中村牧場によるAI関連のコンサルティング事業も含まれる。2025年10月期中間期の売上高は、前年同期比37.2%増の146百万円となった。薬局向けに電子処方箋システムを多数導入したことが増収要因となった。中村牧場のコンサルティング収入については、リソースを社内のAI人材の教育研修に振り向けた影響もあって減収となった。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<KM>
2025/08/01 19:25
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システム ディ Research Memo(4):学園ソリューションを中心にすべての事業が増収に(1)
*19:24JST システム ディ Research Memo(4):学園ソリューションを中心にすべての事業が増収に(1)
■業績動向2. 事業部門別の動向(1) 学園ソリューション事業学園ソリューション事業では、学園運営をトータルに支援する学園情報総合管理システム「Campus Plan」を提供している。学校運営を支える情報システムは、学務系(対学生・生徒業務)と法人系(学校法人の財務・総務系業務)の大きく2系統に分けられるが、「Campus Plan」はこれらの業務をトータルで支援するソフトウェアとなっているのが特長であり、強みである。対象は国公立大学と私立学校法人(大学・短期大学・高校・専門学校等)向けで、システム ディ<3804>の製品は全国の国公私立大学(短大含む)1,110校のうち約350校に導入され、業界トップクラスのシェアを確立している※。大学以外にも私立の専門学校や高校で導入が進んでおり、2025年4月末の累計導入校数は前年同期比7校増の1,041校となった(現役ユーザー数は520校)。※ 競合は日本システム技術<4323>で、導入実績は2025年3月末で447校。2025年3月期売上高で4,926百万円。2025年10月期中間期の売上高は、前年同期比40.1%増の992百万円、営業利益率※も約2倍の216百万円となった。次世代学園総合情報システム「Campus Plan Smart」も含めて新たに4校に導入が進んだほか、既存導入校からの追加カスタマイズ案件を受注したこと、さらには下期に計上予定だった案件について顧客事由により前倒しで売上計上したことが増収増益要因となった。※ 全社の間接経費を各事業部に按分後の調整営業利益。以下同様。(2) 公教育ソリューション事業公教育ソリューション事業は公立の小・中・高校向けに統合型校務支援システム※「School Engine」をクラウドサービスで提供している。同じ学校向けでも、私立学校法人や独立行政法人である国公立大学を対象とする学園ソリューション事業とは事業環境が大きく異なる。違いの1つは自治体予算制度で、公立学校は各自治体の教育委員会の管理下にあり、エリア内の学校は共通予算で運営されている。このため、1校当たりの予算は私立学校と比較すると小さく、こうした状況に適合するため同社は「School Engine」を初期投資負担の少ないクラウドサービスでいち早く提供することでシェアを拡大してきた。※ 統合型校務支援システムとは、教務系(成績処理、出欠管理、時数管理等)・保健系(健康診断票、保健室来室管理等)、学籍系(指導要録等)、学校事務系などを統合した機能を有するシステムのこと。同社の「School Engine」はこれらの機能のほかに生徒や保護者とのメール連絡網、グループウェア機能などがオプションで用意されている。営業先も学園ソリューション事業とは異なり、高校は各都道府県、小・中学校は各市区町村の教育委員会が窓口となる。案件を落札できれば当該教育委員会の管轄下にある学校すべてに導入されるケースが多い※。入札公示時期は自治体によって異なるが、7~8月公示の場合は9~10月に落札事業者が決まり、翌年4月までに導入して運用開始となる。※ 高校については、市立、県・府立、特別支援学校など導入対象を細分化している自治体もある。たとえば、同社が導入実績のある京都府では市立高校のみ、滋賀県では特別支援学校のみの導入となっている。2025年4月末の累計導入校数は前年同期比523校増加の5,094校(現役ユーザー数は4,674校)で、このうち公立高校の導入校数は22道県で1,700校を超え市場シェアは約5割※1とトップの地位を盤石なものとしている。公立高校で高シェアを確立した背景としては、2009年に業界で初めてクラウド型校務支援システムの開発・提供を行ったことが大きい。自治体は導入実績を見て製品の採用可否を判断する傾向にあり、同社製品の利便性やコストパフォーマンスの高さが評価され採用が広がったものと考えられる。一方、小・中学校向けに関しては後発だったこともあり、市場シェアは1割強で業界3~4番手となる※2。※1 文部科学省「学校基本調査」(令和6年度)によると、全国の公立高校数は3,438校、小・中学校数は27,539校。公立高校向けの競合はSATT(株)、(株)エフワン、テクノコーポレーション(株)等。※2 小・中学校向けは(株)EDUCOMが約4割とトップシェアを握り(約1.1万校、2024年12月)、スズキ教育ソフト(株)が約2割で2番手に続く。そのほか文溪堂<9471>、(株)両備システムズなどがある。2025年10月期中間期の売上高は、前年同期比6.3%増の838百万円と2期ぶりに増収に転じた。2024年4月より「School Engine」の本格稼働を開始した山口県と岩手県の県全域大型案件が増収に寄与したほか、既存導入校におけるバージョンアップを実施したこと、さらには大阪府と新潟県で高校入試Web出願システム※の導入が進んだことが増収要因となった。また、新規案件として福井県の公立高校及び群馬県の特別支援学校を受注し、当中間期における新規導入校数は283校(前年同期は574校)となった。※ 2024年にリリースした新製品で、入試の出願~受験料の支払い~合格発表・点数開示~入学料の支払いまで、一連の手続きをWeb上で完結できるシステムで、志願者・保護者の利便性向上並びに教員の業務負担軽減につながるシステムとして今後の普及拡大が見込まれている。営業利益は235百万円と前年同期比で若干の減益となった。シェア拡大を図るための体制強化を進めていることや、オンライン出願システムについては小・中学校向けでシェアを拡大していくためのフック役と位置付けており、直接的な利益貢献度は低いことが要因だ。ただ、営業利益率は28.2%と全社平均を上回る収益性を維持している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<KM>
2025/08/01 19:24
注目トピックス 日本株
システム ディ Research Memo(3):2025年10月期中間期は会社計画を上回る増収増益に
*19:23JST システム ディ Research Memo(3):2025年10月期中間期は会社計画を上回る増収増益に
■業績動向1. 2025年10月期中間期の業績概要システム ディ<3804>の2025年10月期中間期の連結業績は売上高で前年同期比17.3%増の2,798百万円、営業利益で同27.2%増の652百万円、経常利益で同27.6%増の654百万円、親会社株主に帰属する中間純利益で同30.3%増の446百万円と2ケタ増収増益となり、半期ベースで過去最高を更新した。また、会社計画に対しても売上高、各利益ともに上回った。前期より着手していた受注済み案件の納品が順調に進んだほか追加案件を受注したこと、また下期に予定していた一部案件を前倒しで売上計上したことなどが上振れ要因となった。前倒しによる売上影響額は数千万円程度と見られる。売上高の内訳を形態別で見ると、ストック収益は顧客数の積み上げにより前年同期比8.5%増の1,326百万円と順調に拡大し、フロー収益※は学園ソリューションの新規及び追加案件が増加したことを主因として同26.5%増の1,471百万円となった。なお、中間期末の累計顧客数は公教育ソリューションを中心に11,150件(現役顧客数で前年同期比8.8%増の8,088件)となり、ストック収益の売上比率は47.4%となった。※ ソフトウェア事業のフロー収益及びその他売上(各種広報宣伝の企画・制作、テナント賃貸収入、中村牧場のコンサルティング収入)含む。売上総利益率は前年同期の45.0%から44.4%と若干低下した。仕入商品やシステム利用料の増加等が主因だが、増収効果により売上総利益は同15.7%増の1,242百万円となった。一方、販管費は人件費を中心に前年同期比28百万円の増加にとどめ、販管費率は同23.5%から21.1%に低下し、この結果、営業利益率は同21.5%から23.3%に上昇した。なお、中間期末の連結従業員数は前年同期比13名増の303名(うちシンク8名、中村牧場2名)と着実に増員が進んだ。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<KM>
2025/08/01 19:23
注目トピックス 日本株
システム ディ Research Memo(2):業務・業種特化型の業務支援ソフトウェアを、6つの領域で展開
*19:22JST システム ディ Research Memo(2):業務・業種特化型の業務支援ソフトウェアを、6つの領域で展開
■会社概要1. 沿革と事業領域システム ディ<3804>は1984年の創業以来、業種・業務特化型の業務支援ソフトウェアの開発・販売を手掛けてきた。情報化に立ち遅れていた私立学校法人向けの業務支援ソフトウェアの開発・販売からスタートし、2001年に事業買収を通じてフィットネスクラブ向けソフトウェアへ進出するなど、その後は事業領域を徐々に拡大しながら成長を遂げてきた。現在は子会社も含めて6つの業種・業務を対象にパッケージソフトの開発・販売、並びにクラウドサービスの提供を行っており、それぞれを事業部門としている。業種特化型ソフトウェアでは、学園ソリューション(国公立大学及び私立学校法人(大学・高校・専門学校)向け)、公教育ソリューション(公立の小・中・高校向け)、公会計ソリューション(地方自治体及び関連公共団体向け)、ウェルネスソリューション(フィットネスクラブ・スポーツ施設及びテーマパーク・文化施設向け)、薬局ソリューション(調剤薬局向け)の5業種について業務支援ソフトウェアの販売またはクラウドサービスを提供している。また、業務特化型ソフトウェアとして、コンプライアンス業務支援の規程管理システム、契約書・マニュアルの作成・管理システム等を開発・販売するソフトエンジニアリング(民間企業や金融機関、公益法人及び学校法人等向け)がある。子会社の(株)シンクが手掛ける薬局ソリューションを除く5つの分野において、業界トップクラスのシェアを獲得している。2025年10月期中間期の事業部門別売上構成比を見ると、学園ソリューション事業が35.4%、公教育ソリューション事業が30.0%となっており、教育分野で全体の6割強を占めているのが特徴だ。そのほか、ウェルネスソリューション事業が13.2%、公会計ソリューション事業が10.6%と続く。ソフトエンジニアリング事業は5.6%と小さいが、ニッチ領域で競合が少なく、追加機能の開発にかかる費用や問い合わせ等も少ないため利益率は6事業の中で最も高い。薬局ソリューション事業・他の売上構成比は5.2%と小さいが、大阪府下の小規模薬局を主たる顧客として安定した事業基盤を確立している。イージーオーダー型モデルで、顧客に最新・最善のトータルソリューションを提供2. 特長と強みソフトウェアのタイプには様々なものがあるが、住宅やスーツ等になぞらえると理解が早いだろう。ソフトウェアは、パッケージソフトとスクラッチ開発に大きく分けることができる。パッケージソフトは住宅で言えば建売住宅であり、スーツではレディメイド(吊るし)に当たる。スクラッチ開発はその対極にあり、完全注文建築あるいはオーダーメイド・スーツに該当する。同社のソフトウェアは、パッケージソフトをベースに顧客の業務上の課題を解決し、また顧客の要求に合わせてカスタマイズしながら使い勝手の良い製品にバージョンアップしているのが特長である。言わば建売住宅やイージーオーダー・スーツに相当し、高い顧客満足度と低コストを両立している点が強みとなっている。またソフトウェアの提供に加えて、導入支援やサポートサービス、関連するハードウェアの仕入販売等を行うなどトータルソリューションを提供している点も特長と言える。同社のパッケージソフトビジネスをイージーオーダー・スーツのイメージで説明したが、その作り込みの過程において同社が最も意識しているのが“進化”であり、これは同社の強みを理解するうえでのキーワードだと弊社では考えている。どのようなソフトウェアも開発時をスタートとして、顧客ニーズへの対応を重ねながら必要な機能を追加し、製品の完成度と品質向上を実現している。その結果顧客数も増加し、売上拡大へとつながる。また、進化したパッケージソフトは“手離れ”が良く、追加の開発費用をかけることなく顧客ニーズを満たせるため利益率も高くなる。こうした正の循環(ポジティブスパイラル)を実現している点が同社の強みであると弊社では考えている。大規模顧客にはカスタムメイド、小規模顧客にはクラウドで対応し、顧客基盤を拡大3. 『Value & Volume Business』戦略同社の販売戦略、ひいては成長戦略を表すコンセプトを『Value & Volume Business』戦略と名付けている。同社の中核製品であるパッケージソフトと顧客層を重ね合わせると、パッケージソフトはボリュームゾーンの中規模事業者がメインターゲットとなり、かつてはそこに注力することで成長を実現してきた。前述のようにパッケージソフトの成長モデルを確立したことで同社は中規模事業者の両側の存在、すなわち大規模事業者と小規模事業者に顧客層を広げることでさらなる成長を目指している。これが『Value & Volume Business』戦略の基本的な考え方となる。具体的には、より規模の大きい事業体に対しては“Value Business”としてカスタムメイドによる対応を充実させることで受注を獲得し、資金力の乏しい中小事業体向けには“Volume Business”として初期投資負担の少ないクラウドサービスで提供することによって顧客を獲得する戦略である。ここ数年は人手不足の解消と生産性向上を実現するために企業や自治体等でDXを進める動きが活発化し、クラウドサービスを活用するケースが増えている。このため、今後はクラウドサービスの売上比率が高まる可能性もあるが基本戦略については変わらず、同戦略を推進することで自然災害や景気変動、パンデミックにも耐えうる強い事業基盤を構築し、持続的な成長を目指す方針だ。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<KM>
2025/08/01 19:22
注目トピックス 日本株
システム ディ Research Memo(1):人手不足問題を解消するソリューションサービスの引き合いが好調
*19:21JST システム ディ Research Memo(1):人手不足問題を解消するソリューションサービスの引き合いが好調
■要約システム ディ<3804>は業種・業務特化型の業務支援ソフトウェアを開発し、パッケージ販売やクラウドサービスで提供している。学園ソリューション(大学及び私立高校・専門学校)、公教育ソリューション(公立の小・中・高校)、公会計ソリューション(自治体及び関連公共団体)、ウェルネスソリューション(スポーツ施設及びテーマパーク、文化施設)、ソフトエンジニアリング(民間企業、公益法人、学校法人等)と5つの事業を展開し、いずれも業界トップクラスのシェアを握る(子会社で薬局ソリューション事業も展開)。2023年6月にAIベンチャーの中村牧場(株)を子会社化し、生成AIを活用した新機能の開発に取り組んでいる。1. 2025年10月期中間期の業績概要2025年10月期中間期(2024年11月〜2025年4月)の連結業績は、売上高で前年同期比17.3%増の2,798百万円、営業利益で同27.2%増の652百万円と2ケタ増収増益となり、会社計画(売上高2,631百万円、営業利益525百万円)を上回る順調な滑り出しとなった。前期から着手していた案件の対応に加え追加案件を受注したこと、さらには下期に予定していた一部案件を先行して売上計上したことが増収増益要因となった。ソリューション別では学園ソリューションが同40.1%増と大幅増となったほか、公教育ソリューションも同6.3%増となるなど教育分野が好調だったほか、公会計ソリューションも新規サービスとなる「公有財産管理システム」が新たに県、政令市等の地方自治体で導入が進み同10.2%増となるなど、すべてのソリューションで増収となった。中間期末の現役顧客数は前年同期比8.8%増の8,088件となり、安定収益基盤となるストック収益は同8.5%増の1,326百万円と順調に増加した。2. 2025年10月期業績見通し2025年10月期の連結業績は売上高で前期比8.5%増の5,024百万円、営業利益で同12.6%増の932百万円と期初計画を据え置いた。中間期の進捗率は売上高で55.7%、営業利益で70.0%と直近(2022年10月期〜2024年10月期)の3年間平均(売上高52.3%、営業利益65.8%)をやや上回るペースとなっているほか、足元の受注動向も順調なことから会社計画の達成は十分に可能と見られる。景気の先行き不透明感は強いものの、人手不足という顧客課題の解消につながる同社製品に対する需要は旺盛で、足元の受注も翳りは見られない。同社では収益が好調なことから人的資本投資を上積みし、中長期的な成長基盤を強化することも視野に入れているため、利益ベースでは若干の上振れにとどまる可能性はあるが、各ソリューションともに引き合いは旺盛なことから、2026年10月期以降も収益は順調に拡大するものと予想される。3. 成長戦略同社は2025年10月期までの「第一次 システム ディ強靭化計画」において、持続的成長を実現可能とする経営基盤の構築を重点課題として取り組み、経営数値目標として売上高営業利益率20%、ストック収益比率50%、自己資本比率60%以上の継続を掲げていた。売上高営業利益率に関しては人材投資を積極化していることもあり若干下回る見込みだが、そのほかの数値目標は超過達成する見通しだ。2026年10月期からスタートする中期経営計画では、ここ数年でリリースした新製品の拡販効果などで各ソリューションともシェアを拡大し、さらなる成長を目指すものと見られる。とりわけ、公共施設の維持・管理支援ツールとなる「公有財産管理システム」は全国で公共施設等の老朽化対策が課題となる中、今後の動向が注目される。また、コロナ禍の影響で低迷していたウェルネスソリューションも大手フィットネスジムやレジャー施設など大型案件を相次いで受注しているもようで、今後は成長路線に復帰する見通しだ。なお、2025年10月期の1株当たり配当金は前期比3.0円増配の27.0円と10期連続の増配を予定している。■Key Points・2025年10月期中間期は教育分野がけん引し、会社計画を上回る増収増益に・2025年10月期業績は成長投資を行いつつ、2期ぶりに過去最高業績を更新する見通し・公会計ソリューション、ウェルネスソリューションは成長路線に復帰する見通し(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<KM>
2025/08/01 19:21
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