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システム ディ Research Memo(4):学園ソリューションを中心にすべての事業が増収に(1)
配信日時:2025/08/01 19:24
配信元:FISCO
*19:24JST システム ディ Research Memo(4):学園ソリューションを中心にすべての事業が増収に(1)
■業績動向
2. 事業部門別の動向
(1) 学園ソリューション事業
学園ソリューション事業では、学園運営をトータルに支援する学園情報総合管理システム「Campus Plan」を提供している。学校運営を支える情報システムは、学務系(対学生・生徒業務)と法人系(学校法人の財務・総務系業務)の大きく2系統に分けられるが、「Campus Plan」はこれらの業務をトータルで支援するソフトウェアとなっているのが特長であり、強みである。対象は国公立大学と私立学校法人(大学・短期大学・高校・専門学校等)向けで、システム ディ<3804>の製品は全国の国公私立大学(短大含む)1,110校のうち約350校に導入され、業界トップクラスのシェアを確立している※。大学以外にも私立の専門学校や高校で導入が進んでおり、2025年4月末の累計導入校数は前年同期比7校増の1,041校となった(現役ユーザー数は520校)。
※ 競合は日本システム技術<4323>で、導入実績は2025年3月末で447校。2025年3月期売上高で4,926百万円。
2025年10月期中間期の売上高は、前年同期比40.1%増の992百万円、営業利益率※も約2倍の216百万円となった。次世代学園総合情報システム「Campus Plan Smart」も含めて新たに4校に導入が進んだほか、既存導入校からの追加カスタマイズ案件を受注したこと、さらには下期に計上予定だった案件について顧客事由により前倒しで売上計上したことが増収増益要因となった。
※ 全社の間接経費を各事業部に按分後の調整営業利益。以下同様。
(2) 公教育ソリューション事業
公教育ソリューション事業は公立の小・中・高校向けに統合型校務支援システム※「School Engine」をクラウドサービスで提供している。同じ学校向けでも、私立学校法人や独立行政法人である国公立大学を対象とする学園ソリューション事業とは事業環境が大きく異なる。違いの1つは自治体予算制度で、公立学校は各自治体の教育委員会の管理下にあり、エリア内の学校は共通予算で運営されている。このため、1校当たりの予算は私立学校と比較すると小さく、こうした状況に適合するため同社は「School Engine」を初期投資負担の少ないクラウドサービスでいち早く提供することでシェアを拡大してきた。
※ 統合型校務支援システムとは、教務系(成績処理、出欠管理、時数管理等)・保健系(健康診断票、保健室来室管理等)、学籍系(指導要録等)、学校事務系などを統合した機能を有するシステムのこと。同社の「School Engine」はこれらの機能のほかに生徒や保護者とのメール連絡網、グループウェア機能などがオプションで用意されている。
営業先も学園ソリューション事業とは異なり、高校は各都道府県、小・中学校は各市区町村の教育委員会が窓口となる。案件を落札できれば当該教育委員会の管轄下にある学校すべてに導入されるケースが多い※。入札公示時期は自治体によって異なるが、7~8月公示の場合は9~10月に落札事業者が決まり、翌年4月までに導入して運用開始となる。
※ 高校については、市立、県・府立、特別支援学校など導入対象を細分化している自治体もある。たとえば、同社が導入実績のある京都府では市立高校のみ、滋賀県では特別支援学校のみの導入となっている。
2025年4月末の累計導入校数は前年同期比523校増加の5,094校(現役ユーザー数は4,674校)で、このうち公立高校の導入校数は22道県で1,700校を超え市場シェアは約5割※1とトップの地位を盤石なものとしている。公立高校で高シェアを確立した背景としては、2009年に業界で初めてクラウド型校務支援システムの開発・提供を行ったことが大きい。自治体は導入実績を見て製品の採用可否を判断する傾向にあり、同社製品の利便性やコストパフォーマンスの高さが評価され採用が広がったものと考えられる。一方、小・中学校向けに関しては後発だったこともあり、市場シェアは1割強で業界3~4番手となる※2。
※1 文部科学省「学校基本調査」(令和6年度)によると、全国の公立高校数は3,438校、小・中学校数は27,539校。公立高校向けの競合はSATT(株)、(株)エフワン、テクノコーポレーション(株)等。
※2 小・中学校向けは(株)EDUCOMが約4割とトップシェアを握り(約1.1万校、2024年12月)、スズキ教育ソフト(株)が約2割で2番手に続く。そのほか文溪堂<9471>、(株)両備システムズなどがある。
2025年10月期中間期の売上高は、前年同期比6.3%増の838百万円と2期ぶりに増収に転じた。2024年4月より「School Engine」の本格稼働を開始した山口県と岩手県の県全域大型案件が増収に寄与したほか、既存導入校におけるバージョンアップを実施したこと、さらには大阪府と新潟県で高校入試Web出願システム※の導入が進んだことが増収要因となった。また、新規案件として福井県の公立高校及び群馬県の特別支援学校を受注し、当中間期における新規導入校数は283校(前年同期は574校)となった。
※ 2024年にリリースした新製品で、入試の出願~受験料の支払い~合格発表・点数開示~入学料の支払いまで、一連の手続きをWeb上で完結できるシステムで、志願者・保護者の利便性向上並びに教員の業務負担軽減につながるシステムとして今後の普及拡大が見込まれている。
営業利益は235百万円と前年同期比で若干の減益となった。シェア拡大を図るための体制強化を進めていることや、オンライン出願システムについては小・中学校向けでシェアを拡大していくためのフック役と位置付けており、直接的な利益貢献度は低いことが要因だ。ただ、営業利益率は28.2%と全社平均を上回る収益性を維持している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<KM>
2. 事業部門別の動向
(1) 学園ソリューション事業
学園ソリューション事業では、学園運営をトータルに支援する学園情報総合管理システム「Campus Plan」を提供している。学校運営を支える情報システムは、学務系(対学生・生徒業務)と法人系(学校法人の財務・総務系業務)の大きく2系統に分けられるが、「Campus Plan」はこれらの業務をトータルで支援するソフトウェアとなっているのが特長であり、強みである。対象は国公立大学と私立学校法人(大学・短期大学・高校・専門学校等)向けで、システム ディ<3804>の製品は全国の国公私立大学(短大含む)1,110校のうち約350校に導入され、業界トップクラスのシェアを確立している※。大学以外にも私立の専門学校や高校で導入が進んでおり、2025年4月末の累計導入校数は前年同期比7校増の1,041校となった(現役ユーザー数は520校)。
※ 競合は日本システム技術<4323>で、導入実績は2025年3月末で447校。2025年3月期売上高で4,926百万円。
2025年10月期中間期の売上高は、前年同期比40.1%増の992百万円、営業利益率※も約2倍の216百万円となった。次世代学園総合情報システム「Campus Plan Smart」も含めて新たに4校に導入が進んだほか、既存導入校からの追加カスタマイズ案件を受注したこと、さらには下期に計上予定だった案件について顧客事由により前倒しで売上計上したことが増収増益要因となった。
※ 全社の間接経費を各事業部に按分後の調整営業利益。以下同様。
(2) 公教育ソリューション事業
公教育ソリューション事業は公立の小・中・高校向けに統合型校務支援システム※「School Engine」をクラウドサービスで提供している。同じ学校向けでも、私立学校法人や独立行政法人である国公立大学を対象とする学園ソリューション事業とは事業環境が大きく異なる。違いの1つは自治体予算制度で、公立学校は各自治体の教育委員会の管理下にあり、エリア内の学校は共通予算で運営されている。このため、1校当たりの予算は私立学校と比較すると小さく、こうした状況に適合するため同社は「School Engine」を初期投資負担の少ないクラウドサービスでいち早く提供することでシェアを拡大してきた。
※ 統合型校務支援システムとは、教務系(成績処理、出欠管理、時数管理等)・保健系(健康診断票、保健室来室管理等)、学籍系(指導要録等)、学校事務系などを統合した機能を有するシステムのこと。同社の「School Engine」はこれらの機能のほかに生徒や保護者とのメール連絡網、グループウェア機能などがオプションで用意されている。
営業先も学園ソリューション事業とは異なり、高校は各都道府県、小・中学校は各市区町村の教育委員会が窓口となる。案件を落札できれば当該教育委員会の管轄下にある学校すべてに導入されるケースが多い※。入札公示時期は自治体によって異なるが、7~8月公示の場合は9~10月に落札事業者が決まり、翌年4月までに導入して運用開始となる。
※ 高校については、市立、県・府立、特別支援学校など導入対象を細分化している自治体もある。たとえば、同社が導入実績のある京都府では市立高校のみ、滋賀県では特別支援学校のみの導入となっている。
2025年4月末の累計導入校数は前年同期比523校増加の5,094校(現役ユーザー数は4,674校)で、このうち公立高校の導入校数は22道県で1,700校を超え市場シェアは約5割※1とトップの地位を盤石なものとしている。公立高校で高シェアを確立した背景としては、2009年に業界で初めてクラウド型校務支援システムの開発・提供を行ったことが大きい。自治体は導入実績を見て製品の採用可否を判断する傾向にあり、同社製品の利便性やコストパフォーマンスの高さが評価され採用が広がったものと考えられる。一方、小・中学校向けに関しては後発だったこともあり、市場シェアは1割強で業界3~4番手となる※2。
※1 文部科学省「学校基本調査」(令和6年度)によると、全国の公立高校数は3,438校、小・中学校数は27,539校。公立高校向けの競合はSATT(株)、(株)エフワン、テクノコーポレーション(株)等。
※2 小・中学校向けは(株)EDUCOMが約4割とトップシェアを握り(約1.1万校、2024年12月)、スズキ教育ソフト(株)が約2割で2番手に続く。そのほか文溪堂<9471>、(株)両備システムズなどがある。
2025年10月期中間期の売上高は、前年同期比6.3%増の838百万円と2期ぶりに増収に転じた。2024年4月より「School Engine」の本格稼働を開始した山口県と岩手県の県全域大型案件が増収に寄与したほか、既存導入校におけるバージョンアップを実施したこと、さらには大阪府と新潟県で高校入試Web出願システム※の導入が進んだことが増収要因となった。また、新規案件として福井県の公立高校及び群馬県の特別支援学校を受注し、当中間期における新規導入校数は283校(前年同期は574校)となった。
※ 2024年にリリースした新製品で、入試の出願~受験料の支払い~合格発表・点数開示~入学料の支払いまで、一連の手続きをWeb上で完結できるシステムで、志願者・保護者の利便性向上並びに教員の業務負担軽減につながるシステムとして今後の普及拡大が見込まれている。
営業利益は235百万円と前年同期比で若干の減益となった。シェア拡大を図るための体制強化を進めていることや、オンライン出願システムについては小・中学校向けでシェアを拡大していくためのフック役と位置付けており、直接的な利益貢献度は低いことが要因だ。ただ、営業利益率は28.2%と全社平均を上回る収益性を維持している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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