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システム ディ Research Memo(7):2025年10月期業績は2期ぶりに過去最高業績を更新する見通し
配信日時:2025/08/01 19:27
配信元:FISCO
*19:27JST システム ディ Research Memo(7):2025年10月期業績は2期ぶりに過去最高業績を更新する見通し
■今後の見通し
1. 2025年10月期の業績見通し
システム ディ<3804>の2025年10月期の連結業績は売上高で前期比8.5%増の5,024百万円、営業利益で同12.5%増の932百万円、経常利益で同12.2%増の931百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同12.9%増の627百万円と期初計画を据え置き、2期ぶりに過去最高業績を更新する見通しだ。
中間期の進捗率は売上高で55.7%、営業利益で70.0%と直近3年間の平均進捗率(売上高52.3%、営業利益65.8%)を上回るペースとなっており、足元の受注状況にも翳りは見られないことから、売上高は計画を上回る公算が大きい。物価上昇や米国の関税政策の動向など、景気の先行きについては不透明感が強まっているが、慢性的な人手不足が続くなかで、同課題を解消するためのITソリューションに対する投資の優先順位は民間、公共分野ともに高く、同社にとって追い風が吹いている状況に変わりない。一方で、利益の上振れについては小幅なものにとどまる可能性が高い。引き続き持続的成長に向けた経営基盤の強化に取り組んでおり、社員の処遇向上も含めた人的資本投資や新規顧客開拓のための営業活動費の上積みを検討しているためだ。これら先行投資を実施することで2026年10月期以降の収益成長を確かなものとしていく。なお、2025年春の社員の昇給については、前年と同率の5%アップを実施し、2026年春の新卒採用は20~26名程度を計画している。
公会計ソリューション、ウェルネスソリューションは成長路線に復帰する見通し
2. 事業部門別の売上見通し
(1) 学園ソリューション事業
学園ソリューション事業は前期比7.1%増の1,480百万円と2期ぶりの増収に転じる見通し。中間期の進捗率が67.1%と高くなっているが、納品時期が当期は前半に偏重したことが要因だ。とは言え、既存顧客からの追加案件も受注するなど受注は計画を上回るペースで推移しており、売上高も上振れする可能性が高い。
(2) 公教育ソリューション事業
公教育ソリューション事業は前期比8.2%増の1,550百万円と増収基調が続く見通し。山口県と岩手県の県全域大型案件が通年で寄与するほか、2025年4月より稼働を開始した福井県や群馬県の案件が増収に寄与する。Web出願システムについては山形県、秋田県から受注済みで、2026年春の入試から運用を開始する予定となっている。同事業については4月に稼働を開始する案件が多いことから売上高は期の前半に偏重する傾向にあり、2025年10月期も54.1%と同様のペースとなっているが、Web出願システムの新規受注もあって通期売上高は計画を上振れする可能性が高い。
文部科学省「学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(令和5年度)」によれば、2024年3月時点における全国の公立学校約3.2万校のうち、統合型校務支援システムを導入済みの学校は91.4%(うち、高校は98.8%)になっている。ただ、導入済みシステムのうち外部ネットワークに接続していないオンプレミス型システムも相当数あり、今後はオンプレミス型からクラウドサービスへの切り替え需要が出てくるものと見込まれる。クラウドの活用によって、業務のロケーションフリー化や高度化(ペーパーレス化、コミュニケーションツールの活用、各種データ連携やダッシュボード機能の活用によるデータの可視化等)が可能となり、職員の業務負担軽減にもつながるメリットがあるためだ。
同社は公教育ソリューションのシェア拡大に向けて、まずは公立高校向けでさらなるシェア拡大に取り組み、Web出願システムの導入拡大を進めたうえで、小・中学校向けのシェアを拡大していく戦略だ。Web出願システムは「School Engine」と連携しているため、同社のWeb出願システムを導入すれば小・中学校向けのシェアも拡大する可能性が高まると考えられる。なお、Web出願システムの競合先としては三菱総研DCS(株)、(株)システム研究所などがある。
(3) 公会計ソリューション事業
公会計ソリューション事業は前期比8.5%増の640百万円と3期ぶりの増収に転じる見通し。「PPP」の保守・サポート売上が堅調に推移するほか、「PPP」と連携できるメリットを生かして「公有財産管理システム」の導入が進む見通しだ。自治体では学校や病院などの公共施設のほか、道路や橋梁、水道管など多くのインフラ資産を保有しており、これらの維持管理や更新、再開発、拠点統合といった課題を多く抱え、限られた財源の中で毎年計画的にこれらを実行していく必要がある。こうしたなかで、「PPP」と自動連携が可能な「公有財産管理システム」の潜在ニーズは大きく、今後の成長分野として注目される。とりわけ、公共施設等の老朽化対策が課題となる中、政府でも対策を本格的に進めるなかで受注獲得の好機となる。一方、「Common財務会計システム」については、制度の改正時期が未定のため、本格的に収益貢献するのは数年後となりそうだ。
(4) ウェルネスソリューション事業
ウェルネスソリューション事業は前期比11.8%増の800百万円と2期ぶりの増収に転じる見通し。インバウンド需要の活況を背景に、複数のレジャー施設で「Smart Helloチケット」の新規導入が決まっているほか、「Smart Hello」についても、24時間ジム等の会員制スポーツ施設以外に導入が広がっていることが増収要因となる。具体的には、京急線内駅構内に設置・サービス提供されている個室授乳室「Babypeko」に導入されたほか、コワーキングスペースや幼児教室など様々な業種からの引き合い・導入が増加している状況になる。同事業はコロナ禍の影響で低迷が続いたが、2025年10月期以降はこれらクラウド型サービスの導入拡大により成長路線に復帰する見通しだ。
(5) ソフトエンジニアリング事業
ソフトエンジニアリング事業は前期比12.8%増の372百万円と増収基調が続く見通し。中間期までの進捗率は41.8%とやや低くなっているが、コンプライアンスやコーポレート・ガバナンスの強化が引き続き強く求められる環境下において、高機能で使い勝手の良い同社製品に対する引き合いは活発なようで、民間企業や金融機関、学校法人、医療法人などで導入が進む見通しだ。
(6) 薬局ソリューション事業・他
薬局ソリューション事業・他は前期比0.4%増の182百万円と横ばい水準を見込んでいたが、電子処方箋システムの導入が一気に進んだことで中間期の進捗率が80.7%となっており、通期売上高も上振れすることが見込まれる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<KM>
1. 2025年10月期の業績見通し
システム ディ<3804>の2025年10月期の連結業績は売上高で前期比8.5%増の5,024百万円、営業利益で同12.5%増の932百万円、経常利益で同12.2%増の931百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同12.9%増の627百万円と期初計画を据え置き、2期ぶりに過去最高業績を更新する見通しだ。
中間期の進捗率は売上高で55.7%、営業利益で70.0%と直近3年間の平均進捗率(売上高52.3%、営業利益65.8%)を上回るペースとなっており、足元の受注状況にも翳りは見られないことから、売上高は計画を上回る公算が大きい。物価上昇や米国の関税政策の動向など、景気の先行きについては不透明感が強まっているが、慢性的な人手不足が続くなかで、同課題を解消するためのITソリューションに対する投資の優先順位は民間、公共分野ともに高く、同社にとって追い風が吹いている状況に変わりない。一方で、利益の上振れについては小幅なものにとどまる可能性が高い。引き続き持続的成長に向けた経営基盤の強化に取り組んでおり、社員の処遇向上も含めた人的資本投資や新規顧客開拓のための営業活動費の上積みを検討しているためだ。これら先行投資を実施することで2026年10月期以降の収益成長を確かなものとしていく。なお、2025年春の社員の昇給については、前年と同率の5%アップを実施し、2026年春の新卒採用は20~26名程度を計画している。
公会計ソリューション、ウェルネスソリューションは成長路線に復帰する見通し
2. 事業部門別の売上見通し
(1) 学園ソリューション事業
学園ソリューション事業は前期比7.1%増の1,480百万円と2期ぶりの増収に転じる見通し。中間期の進捗率が67.1%と高くなっているが、納品時期が当期は前半に偏重したことが要因だ。とは言え、既存顧客からの追加案件も受注するなど受注は計画を上回るペースで推移しており、売上高も上振れする可能性が高い。
(2) 公教育ソリューション事業
公教育ソリューション事業は前期比8.2%増の1,550百万円と増収基調が続く見通し。山口県と岩手県の県全域大型案件が通年で寄与するほか、2025年4月より稼働を開始した福井県や群馬県の案件が増収に寄与する。Web出願システムについては山形県、秋田県から受注済みで、2026年春の入試から運用を開始する予定となっている。同事業については4月に稼働を開始する案件が多いことから売上高は期の前半に偏重する傾向にあり、2025年10月期も54.1%と同様のペースとなっているが、Web出願システムの新規受注もあって通期売上高は計画を上振れする可能性が高い。
文部科学省「学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(令和5年度)」によれば、2024年3月時点における全国の公立学校約3.2万校のうち、統合型校務支援システムを導入済みの学校は91.4%(うち、高校は98.8%)になっている。ただ、導入済みシステムのうち外部ネットワークに接続していないオンプレミス型システムも相当数あり、今後はオンプレミス型からクラウドサービスへの切り替え需要が出てくるものと見込まれる。クラウドの活用によって、業務のロケーションフリー化や高度化(ペーパーレス化、コミュニケーションツールの活用、各種データ連携やダッシュボード機能の活用によるデータの可視化等)が可能となり、職員の業務負担軽減にもつながるメリットがあるためだ。
同社は公教育ソリューションのシェア拡大に向けて、まずは公立高校向けでさらなるシェア拡大に取り組み、Web出願システムの導入拡大を進めたうえで、小・中学校向けのシェアを拡大していく戦略だ。Web出願システムは「School Engine」と連携しているため、同社のWeb出願システムを導入すれば小・中学校向けのシェアも拡大する可能性が高まると考えられる。なお、Web出願システムの競合先としては三菱総研DCS(株)、(株)システム研究所などがある。
(3) 公会計ソリューション事業
公会計ソリューション事業は前期比8.5%増の640百万円と3期ぶりの増収に転じる見通し。「PPP」の保守・サポート売上が堅調に推移するほか、「PPP」と連携できるメリットを生かして「公有財産管理システム」の導入が進む見通しだ。自治体では学校や病院などの公共施設のほか、道路や橋梁、水道管など多くのインフラ資産を保有しており、これらの維持管理や更新、再開発、拠点統合といった課題を多く抱え、限られた財源の中で毎年計画的にこれらを実行していく必要がある。こうしたなかで、「PPP」と自動連携が可能な「公有財産管理システム」の潜在ニーズは大きく、今後の成長分野として注目される。とりわけ、公共施設等の老朽化対策が課題となる中、政府でも対策を本格的に進めるなかで受注獲得の好機となる。一方、「Common財務会計システム」については、制度の改正時期が未定のため、本格的に収益貢献するのは数年後となりそうだ。
(4) ウェルネスソリューション事業
ウェルネスソリューション事業は前期比11.8%増の800百万円と2期ぶりの増収に転じる見通し。インバウンド需要の活況を背景に、複数のレジャー施設で「Smart Helloチケット」の新規導入が決まっているほか、「Smart Hello」についても、24時間ジム等の会員制スポーツ施設以外に導入が広がっていることが増収要因となる。具体的には、京急線内駅構内に設置・サービス提供されている個室授乳室「Babypeko」に導入されたほか、コワーキングスペースや幼児教室など様々な業種からの引き合い・導入が増加している状況になる。同事業はコロナ禍の影響で低迷が続いたが、2025年10月期以降はこれらクラウド型サービスの導入拡大により成長路線に復帰する見通しだ。
(5) ソフトエンジニアリング事業
ソフトエンジニアリング事業は前期比12.8%増の372百万円と増収基調が続く見通し。中間期までの進捗率は41.8%とやや低くなっているが、コンプライアンスやコーポレート・ガバナンスの強化が引き続き強く求められる環境下において、高機能で使い勝手の良い同社製品に対する引き合いは活発なようで、民間企業や金融機関、学校法人、医療法人などで導入が進む見通しだ。
(6) 薬局ソリューション事業・他
薬局ソリューション事業・他は前期比0.4%増の182百万円と横ばい水準を見込んでいたが、電子処方箋システムの導入が一気に進んだことで中間期の進捗率が80.7%となっており、通期売上高も上振れすることが見込まれる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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