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為替週間見通し:底堅い値動きか、日米金融政策を巡る思惑でドル買い継続も
配信日時:2024/06/08 14:51
配信元:FISCO
*14:51JST 為替週間見通し:底堅い値動きか、日米金融政策を巡る思惑でドル買い継続も
【今週の概況】
■日銀金融政策を巡る思惑で円売り弱まる
今週のドル・円は弱含み。日本銀行の植田総裁は6月6日に開かれた参議院の財政金融委員会に出席し「大規模な金融緩和の出口戦略を進めていく中で減額することが適当だと考えている」と述べたことから、リスク回避の米ドル売り・円買いが優勢となった。米国の利下げ開始時期は9月以降になるとの見方は変わっていないものの、米長期金利が一時低下したこともドル売りを促した。ただ、鈴木財務相は7日の閣議後記者会見で、「為替介入はある意味で特異な対応」と述べたことを受けて大規模な為替介入が再び実施される可能性は低いとの見方が浮上し、リスク回避の米ドル売り・円買いは一服した。
7日のニューヨーク外為市場でドル・円は一時157円08銭まで上昇した。この日発表された5月米雇用統計で、非農業部門雇用者数は市場予想を上回り、平均時給の伸びは4月実績を上回ったことから、9月利下げ観測は後退し、長期金利の上昇を受けてドルを買い戻す動きが広がった。ドル・円は156円72銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:156円38銭-157円71銭。
【来週の見通し】
■底堅い値動きか、日米金融政策を巡る思惑でドル買い継続も
来週のドル・円は底堅い値動きか。米連邦準備制度理事会(FRB)は引き締め的な政策方針を維持する公算。6月12日発表の米5月消費者物価コア指数(CPI)は前年比+3.5%と上昇率は4月実績を下回る見通し。ただ、2%のインフレ目標を早い時期に達成するために引き締め的な金融政策を長期間継続するとみられる。5月消費者物価コア指数が市場予想と一致した場合、ドル買い・円売りがやや強まる可能性がある。FRBは11-12日、連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、現行の金融政策を堅持する。インフレ指数は伸びが鈍化しているものの、目標値に収まらず、タカ派的なスタンスを堅持すると予想されており、金利高・ドル高に振れやすい。
一方、日本銀行は13-14日開催の金融政策決定会合で、国債買入れ減額などを決定する可能性がある。ただ、実質賃金の長期間マイナスにより金融正常化論議が本格化するかどうかは不透明。市場参加者の間では日銀は現行の緩和的な政策方針をおおむね堅持するとの見方が多く、国債買い入れの減額が決定されてもリスク回避的なドル売り・円買いがただちに拡大する可能性は低いと予想される。なお、日本政府は4月末から5月にかけて9.8兆円規模の為替介入を実施したが、ドルの上昇圧力は強い。イエレン米財務長官の為替介入けん制発言はドル買い・円売り要因とみられ、ドル・円は下げづらく6月中に160円レベルを再度目指す展開となりそうだ。
【米連邦公開市場委員会(FOMC)】(11-12日開催予定)
FRBは6月11-12日、連邦公開市場委員会(FOMC)会合を開催し、現行の引き締め的な政策を維持する見通し。タカ派的な見解に反応しやすく、ドル買い・円売り要因とみられる。
【日本銀行金融政策決定会合】(13-14日開催予定)
日銀は13-14日開催の金融政策決定会合で、現行の金融政策維持の見通し。長期金利は高水準だが、緩和的な金融環境の継続が見込まれ、円売りが主要通貨を押し上げる。
ドル・円の予想レンジ:155.50円-158.50円
<FA>
■日銀金融政策を巡る思惑で円売り弱まる
今週のドル・円は弱含み。日本銀行の植田総裁は6月6日に開かれた参議院の財政金融委員会に出席し「大規模な金融緩和の出口戦略を進めていく中で減額することが適当だと考えている」と述べたことから、リスク回避の米ドル売り・円買いが優勢となった。米国の利下げ開始時期は9月以降になるとの見方は変わっていないものの、米長期金利が一時低下したこともドル売りを促した。ただ、鈴木財務相は7日の閣議後記者会見で、「為替介入はある意味で特異な対応」と述べたことを受けて大規模な為替介入が再び実施される可能性は低いとの見方が浮上し、リスク回避の米ドル売り・円買いは一服した。
7日のニューヨーク外為市場でドル・円は一時157円08銭まで上昇した。この日発表された5月米雇用統計で、非農業部門雇用者数は市場予想を上回り、平均時給の伸びは4月実績を上回ったことから、9月利下げ観測は後退し、長期金利の上昇を受けてドルを買い戻す動きが広がった。ドル・円は156円72銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:156円38銭-157円71銭。
【来週の見通し】
■底堅い値動きか、日米金融政策を巡る思惑でドル買い継続も
来週のドル・円は底堅い値動きか。米連邦準備制度理事会(FRB)は引き締め的な政策方針を維持する公算。6月12日発表の米5月消費者物価コア指数(CPI)は前年比+3.5%と上昇率は4月実績を下回る見通し。ただ、2%のインフレ目標を早い時期に達成するために引き締め的な金融政策を長期間継続するとみられる。5月消費者物価コア指数が市場予想と一致した場合、ドル買い・円売りがやや強まる可能性がある。FRBは11-12日、連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、現行の金融政策を堅持する。インフレ指数は伸びが鈍化しているものの、目標値に収まらず、タカ派的なスタンスを堅持すると予想されており、金利高・ドル高に振れやすい。
一方、日本銀行は13-14日開催の金融政策決定会合で、国債買入れ減額などを決定する可能性がある。ただ、実質賃金の長期間マイナスにより金融正常化論議が本格化するかどうかは不透明。市場参加者の間では日銀は現行の緩和的な政策方針をおおむね堅持するとの見方が多く、国債買い入れの減額が決定されてもリスク回避的なドル売り・円買いがただちに拡大する可能性は低いと予想される。なお、日本政府は4月末から5月にかけて9.8兆円規模の為替介入を実施したが、ドルの上昇圧力は強い。イエレン米財務長官の為替介入けん制発言はドル買い・円売り要因とみられ、ドル・円は下げづらく6月中に160円レベルを再度目指す展開となりそうだ。
【米連邦公開市場委員会(FOMC)】(11-12日開催予定)
FRBは6月11-12日、連邦公開市場委員会(FOMC)会合を開催し、現行の引き締め的な政策を維持する見通し。タカ派的な見解に反応しやすく、ドル買い・円売り要因とみられる。
【日本銀行金融政策決定会合】(13-14日開催予定)
日銀は13-14日開催の金融政策決定会合で、現行の金融政策維持の見通し。長期金利は高水準だが、緩和的な金融環境の継続が見込まれ、円売りが主要通貨を押し上げる。
ドル・円の予想レンジ:155.50円-158.50円
<FA>
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