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エイシアンスタ Research Memo(6):海外富裕層向け買取再販・仲介事業に注力、不動産管理事業も堅持

配信日時:2024/04/26 16:26 配信元:FISCO
*16:26JST エイシアンスタ Research Memo(6):海外富裕層向け買取再販・仲介事業に注力、不動産管理事業も堅持 ■今後の見通し

1. 2024年12月期業績の見通し
ASIAN STAR<8946>の2024年12月期の連結業績は、売上高が前期比73.0%増の3,678百万円、営業利益が同76.2%増の94百万円、経常利益が同86.5%増の88百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同151.5%増の75百万円と増収増益を見込んでいる。引き続き主幹事業である不動産管理事業で安定的な収益獲得と新規の管理受託件数増加を目指しながら、不動産販売事業と不動産仲介事業の業績拡大に注力する。特に、日本の不動産に対する中国人富裕層の投資ニーズが旺盛であることから、中国人富裕層をターゲットにしたマンションの買取再販と大型物件の斡旋に注力し、業績回復スピードを加速させていく方針だ。都心部の物件を中心に取り組んでいく方針であり、タワーマンションの仕入れに関しては都心部の不動産情報に精通している企業と合弁会社を設立する。これにより、都心部での不動産ネットワークを強化していく。組織面でも中国人富裕層向けの買取再販専門チームを立ち上げた。社長直轄の専門チームでリソースを重点的に配分することにより、買取再販事業を強化していく。その他、不動産賃貸事業に関しても増収増益を見込んでいる。賃貸事業関連では新規事業も検討段階にあり、中国人留学生をターゲットにした新サービスの提供を検討している。なお、親会社株主に帰属する当期純利益の伸びが相対的に大きいのは、前期に発生した第三者割当増資関連の営業外費用がなくなることによるものである。

(1) 不動産販売事業
不動産販売事業は増収増益を見込んでいる。同社の基盤エリアである横浜エリアを中心に、戸建、土地、マンションなどの販路の拡大と販売戸数の増加に注力しながら、海外富裕層向けのマンション買取再販事業を強化する。中国における不動産市況が低迷しているなかで、地理的な近さや円安などを理由に日本の不動産に対する中国人富裕層の投資意欲は高まっている状況である。そうしたなかで同社は、タワーマンション買取再販専門チームを立ち上げた。社長直轄の部署に優秀な人材を重点的に配置することにより、買取再販の実績を積み上げていく方針だ。タワーマンションの仕入れは、都心部を中心に仕入れを積極化していく方針だ。都心部の不動産情報に精通している企業との合弁会社を立ち上げており、優良案件の情報獲得を強化していく。なお、2022年12期より繰越しているリゾート用地に関しては、売却活動は継続するものの業績予想には織り込まず、大規模な物件売却が決定した際には開示する方針である。

(2) 不動産管理事業
不動産管理事業は増収増益を見込んでいる。日本国内及び中国においてサービスの向上及びサービス内容の拡大に努め、安定的な収益獲得と新規の管理受託件数増加を目指していく。国内においては、横浜を中心にドミナント展開している強みを生かし、管理受託棟数を90棟(前期末は60棟)まで拡大していく方針だ。2023年12月期は建物管理業務の受注が好調だった。これらの案件が通期で売上に貢献してくることが見込まれる。加えて、売上拡大に伴い、利益も順調に積み上がる見込みである。

(3) 不動産賃貸事業
不動産賃貸事業は増収増益を見込んでいる。2023年12月期は人材面での先行投資により減益となったものの、2024年12月期は稼働率の維持及び管理契約の内容見直しなどによる収益増加に努める。

(4) 不動産仲介事業
不動産仲介事業は増収増益を見込んでおり、投資用及び居住用物件の積極的な斡旋による取扱件数の増加を目指す。加えて、タワーマンションなどの大型物件の斡旋に注力し、収益性も高めていく方針だ。足元では、都心部の不動産に関する情報ネットワークも強化されてきている。優良案件の情報獲得に注力し、中国人富裕層向けの大型案件の斡旋を伸ばしていく。2023年12月期は同事業が連結ベースの業績に貢献しており、2024年12月期においてもけん引役となることが期待される。

(5) 投資事業
投資事業については業績予想を開示していない。引き続き、中長期的な業績の拡大と企業価値の向上に向けて、中国及び日本企業との協業により投資案件を吟味し、将来の収益事業の1つにすることを目指す。

また同社は、上記以外に複数の新規事業を計画している。賃貸事業関連では、中国人留学生向けの賃貸サービスのほか、中国の超富裕層を対象とした不動産ファンドの組成を検討している状況である。今後の業績拡大に資する事業として期待したい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)

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