注目トピックス 市況・概況
為替週間見通し:底堅い値動きか、リスク回避の円買いは一巡した可能性
配信日時:2024/04/20 14:41
配信元:FISCO
*14:41JST 為替週間見通し:底堅い値動きか、リスク回避の円買いは一巡した可能性
【今週の概況】
■米利下げ先送り予想でドル・円は一時154円79銭
今週のドル・円は強含み。米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げを開始するのは7月以降となる可能性が高まり、週初からドル買い・円売りが優勢となった。4月15日発表の3月米小売売上高は前月比+0.7%と、市場予想を上回ったことから、ドル・円は154円台に上昇した。16日の取引では日本政府による為替介入が実施されるとの思惑が広がり、ドルはやや伸び悩んだが、米国の利下げは年内2回にとどまるとの見方が広がったことでドルは154円79銭まで買われた。その後、中東情勢の緊迫化を背景にドル買いはやや一服し、イスラエルのミサイルがイランの拠点を直撃との報道を受けて19日の東京市場でリスク回避的なドル売り・円買いが活発となり、一時153円台半ばまでドルは反落した。しかしながら、大規模な攻撃ではないと報じられたことでリスク回避的ドル売りは縮小。ドル・円は短時間で154円台に戻した。
19日のニューヨーク外為市場でドル・円は一時154円65銭まで買われた。イランはイスラエルによる無人機攻撃を確認し、イスラエルの企ては失敗し、損害はないと発表したため、中東情勢の一段の悪化への懸念は後退し、リスク回避の円買いは縮小した。また、米シカゴ連銀のグールズビー総裁は「インフレを巡る進展が停滞しているため利下げ前にさらなる時間が必要」との見方を伝えており、現在の政策金利が長期間維持される可能性があることもドル買い・円売りにつながったようだ。ドル・円は154円63銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:152円98銭-154円79銭。
【来週の見通し】
■底堅い値動きか、リスク回避の円買いは一巡した可能性
来週のドル・円は底堅い値動きか。中東情勢の緊迫化が足元の為替相場に与える影響は予測困難との見方が多い。米長期金利の低下や株安を受けてリスク回避的な円買いが強まる可能性はあるが、原油価格の上昇が円売りを誘うケースもある。現時点では米長期金利の低下が、ドル安円高を促す要因になるとみられている。
ただし、リスク回避的な円買いが一巡した後は引き締め的な米金融政策の堅持を見込んだドル買いが再び強まる可能性がある。日本銀行は金融政策の正常化を慎重に進める姿勢を維持していることはドル買い材料となり得る。中東情勢の行方を注視しつつ、時に日本の為替介入を警戒しながらも、ドル・円は底堅い値動きを保つとみられる。
4月25日発表の1-3月期米国内総生産(GDP)速報値は前回から減速が予想されるものの、欧州中央銀行(ECB)や英中央銀行など主要中銀は早期利下げを模索しており、金利要因でドルに買いが入りやすい。
一方、日銀は25-26日に金融政策決定会合を開催し、現行政策を維持する見通し。2024年度と2025年度のインフレ見通しについて上方修正の可能性が報じられているが、現行の緩和的な金融政策をただちに修正する計画はないため、金融政策決定会合の前後でリスク回避的なドル売り・円買いが急拡大する可能性は低いとみられる。
【米・1-3月期国内総生産(GDP)速報値】(25日発表予定)
25日発表の米1-3月期国内総生産(GDP)速報値は前期比年率+2.0%と、10-12月期の3.4%から減速の見通し。ただ、現行政策への影響は限定的で市場予想と一致してもドル売り要因にはなりづらい。
【日本銀行金融政策決定会合】(25-26日開催)
日銀は25-26日に金融政策決定会合を開催し、現行政策を据え置く公算。2024年度のインフレ見通しの上方修正は織り込み済みだが、今後の緩和継続方針が示された場合は円売り材料となりそうだ。
予想レンジ:153円00銭-156円50銭
<FA>
■米利下げ先送り予想でドル・円は一時154円79銭
今週のドル・円は強含み。米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げを開始するのは7月以降となる可能性が高まり、週初からドル買い・円売りが優勢となった。4月15日発表の3月米小売売上高は前月比+0.7%と、市場予想を上回ったことから、ドル・円は154円台に上昇した。16日の取引では日本政府による為替介入が実施されるとの思惑が広がり、ドルはやや伸び悩んだが、米国の利下げは年内2回にとどまるとの見方が広がったことでドルは154円79銭まで買われた。その後、中東情勢の緊迫化を背景にドル買いはやや一服し、イスラエルのミサイルがイランの拠点を直撃との報道を受けて19日の東京市場でリスク回避的なドル売り・円買いが活発となり、一時153円台半ばまでドルは反落した。しかしながら、大規模な攻撃ではないと報じられたことでリスク回避的ドル売りは縮小。ドル・円は短時間で154円台に戻した。
19日のニューヨーク外為市場でドル・円は一時154円65銭まで買われた。イランはイスラエルによる無人機攻撃を確認し、イスラエルの企ては失敗し、損害はないと発表したため、中東情勢の一段の悪化への懸念は後退し、リスク回避の円買いは縮小した。また、米シカゴ連銀のグールズビー総裁は「インフレを巡る進展が停滞しているため利下げ前にさらなる時間が必要」との見方を伝えており、現在の政策金利が長期間維持される可能性があることもドル買い・円売りにつながったようだ。ドル・円は154円63銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:152円98銭-154円79銭。
【来週の見通し】
■底堅い値動きか、リスク回避の円買いは一巡した可能性
来週のドル・円は底堅い値動きか。中東情勢の緊迫化が足元の為替相場に与える影響は予測困難との見方が多い。米長期金利の低下や株安を受けてリスク回避的な円買いが強まる可能性はあるが、原油価格の上昇が円売りを誘うケースもある。現時点では米長期金利の低下が、ドル安円高を促す要因になるとみられている。
ただし、リスク回避的な円買いが一巡した後は引き締め的な米金融政策の堅持を見込んだドル買いが再び強まる可能性がある。日本銀行は金融政策の正常化を慎重に進める姿勢を維持していることはドル買い材料となり得る。中東情勢の行方を注視しつつ、時に日本の為替介入を警戒しながらも、ドル・円は底堅い値動きを保つとみられる。
4月25日発表の1-3月期米国内総生産(GDP)速報値は前回から減速が予想されるものの、欧州中央銀行(ECB)や英中央銀行など主要中銀は早期利下げを模索しており、金利要因でドルに買いが入りやすい。
一方、日銀は25-26日に金融政策決定会合を開催し、現行政策を維持する見通し。2024年度と2025年度のインフレ見通しについて上方修正の可能性が報じられているが、現行の緩和的な金融政策をただちに修正する計画はないため、金融政策決定会合の前後でリスク回避的なドル売り・円買いが急拡大する可能性は低いとみられる。
【米・1-3月期国内総生産(GDP)速報値】(25日発表予定)
25日発表の米1-3月期国内総生産(GDP)速報値は前期比年率+2.0%と、10-12月期の3.4%から減速の見通し。ただ、現行政策への影響は限定的で市場予想と一致してもドル売り要因にはなりづらい。
【日本銀行金融政策決定会合】(25-26日開催)
日銀は25-26日に金融政策決定会合を開催し、現行政策を据え置く公算。2024年度のインフレ見通しの上方修正は織り込み済みだが、今後の緩和継続方針が示された場合は円売り材料となりそうだ。
予想レンジ:153円00銭-156円50銭
<FA>
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