注目トピックス 市況・概況
来週の相場で注目すべき3つのポイント:米・フィラデルフィア連銀製造業景況指数、ベージュブック公表、TSMC決算
配信日時:2024/04/13 19:24
配信元:FISCO
*19:24JST 来週の相場で注目すべき3つのポイント:米・フィラデルフィア連銀製造業景況指数、ベージュブック公表、TSMC決算
■株式相場見通し
予想レンジ:上限39500円-下限38500円
今週末の米国市場は下落。ダウ平均は前日比475.84ドル安(-1.24%)の37983.24ドル、ナスダックは267.11ポイント安(-1.62%)の16175.09、S&P500は75.65ポイント安(-1.46%)の5123.41で取引を終了した。大証ナイト・セッションの日経225先物は、通常取引終値700円安の38850円。外部環境の悪化を受けて、週明けの東京市場は売り優勢となる公算が大きい。
4月に入ってプライム市場の売買代金は5兆円台に一度も乗せておらず、9日、10日は4兆円台を割り込んだ。3月は日経平均入れ替えや期末特有の需給などのイベントが多かった影響もあるが、ここまでの4月相場はやや静かな印象だ。市場では、「ラマダンが終了したことから、オイルマネーが再度流入する可能性はある」といった指摘もある。ラマダン明けのイード休暇(2-3日)が終わるのは今週末と見られることから、今週以降、売買代金が増加する可能性もある。仮に今週以降も売買代金が4兆円前後のままであれば、3月企業の決算発表が本格化する4月末まで様子見ムードが続き、日経平均、TOPIXは方向感に乏しい展開となるだろう。
為替の円安進行を受けて、政府・日本銀行による円買い介入への警戒感が高まっていることも、日本株の上値を抑えた要因となっている。2022年9月、10月に実施された為替介入は、いずれも東京株式市場が開いていない時間帯(オセアニア時間やロンドン時間、ニューヨーク時間)で実施されたため、ダイレクトな反応はなかった。ただ、為替市場では瞬間的に4円超円高ドル安に振れたことから、東京時間で円買い介入が実施された場合、輸出関連銘柄などが急落する展開は容易に想像できよう。
一方、足元、鈴木財務大臣や神田財務官などによる口先介入に留まっており、2022年10月に実施された水準である151円90銭台を上回る153円台に入っても、円買い介入は実施されていない。「前日終値+1.2%の円安ドル高」に届いていないため、介入が実施できないといった声も聞かれる。たしかに10日から11日にかけて「急速な円安ドル高」が進んだが、151円90銭台水準から153円20銭台水準と変化率は1%に満たない。今後も「前日終値+1.2%の円安ドル高」が意識されるのであれば、介入実施には1日で1円80銭ほどの大幅な円安ドル高が必要となる。こうした状況が投機筋に見透かされた場合、ドル買いもしくは円安ポジションのさらなる積み上げに伴う円安推移も頭に入れ置かなくてはいけない。輸出関連銘柄には追い風の地合いとなるが、小売関連には逆風となるほか、内需株が多いスタンダード市場やグロース市場は物色の対象外となるだろう。
■為替市場見通し
来週のドル・円は底堅い値動きか。米インフレ持続を受け、米国の早期利下げ観測は後退し、リスク選好的なドル買い・円売りがただちに縮小する可能性は低いとみられる。日本の為替介入が警戒されるものの、目先的にドルは上値を試す展開となりそうだ。直近発表の米3月消費者物価指数(CPI)はコア指数も含め予想を上回り、年内3回の利下げ観測は大幅に後退した。米連邦準備制度理事会(FRB)はタカ派的な政策スタンスを強め、対照的に欧州中央銀行(ECB)など他の主要中央銀行は早期利下げに傾いている。そうした政策方針の違いから、ドル選好地合いが続く見通し。
ドル・円は重要な抵抗線とみられていた152円を明確に上抜け、短期的には155円を試す可能性がある。来週発表の小売売上高やフィラデルフィア連銀製造業景気指数が市場予想を上回った場合、緩やかなドル高が見込まれる。
一方、日本政府は円安けん制を繰り返し、ドル高の進行を抑制したい意向のようだ。日本銀行は今月開催の金融政策決定会合でインフレ見通しの上方修正を示唆し、円安を弱めたい意向だ。ただ、日本銀行が現行の金融緩和方針を維持するとの見方が浮上した場合はドル売り・円買いは抑制される可能性がある。
■来週の注目スケジュール
4月15日(月):コア機械受注(2月)、欧・ユーロ圏鉱工業生産指数(2月)、米・ニューヨーク連銀製造業景気指数(4月)、米・小売売上高(3月)、米・ダラス連銀総裁が東京でパネル討論会に参加、米・サンフランシスコ連銀総裁が講演、ゴールドマン決算など
4月16日(火):中・鉱工業生産指数(3月)、中・小売売上高(3月)、中・GDP(1-3月)、英・失業率(3月)、独・ZEW期待指数(4月)、米・鉱工業生産指数(3月)、米・ジェファーソン連邦準備制度理事会(FRB)副議長が基調演説、国際通貨基金(IMF)が世界経済見通し(WEO)公表、など
4月17日(水):貿易収支(3月)、訪日外客数推計値(3月)、欧・ユーロ圏CPI(3月)、米・G20財務相・中央銀行総裁会議(18日まで)、米・地区連銀経済報告(ベージュブック)公表、米・クリーブランド連銀総裁が講演、米・ボウマンFRB理事が講演、ASMLホールディング決算、など
4月18日(木):野口日銀審議委員が佐賀県金融経済懇談会で講演・同記者会見、工作機械受注(3月)、米・フィラデルフィア連銀製造業景況指数(4月)、米・中古住宅販売件数(3月)、米・ボウマンFRB理事が討論会に参加、米・ニューヨーク連銀総裁が討論会に参加、米・アトランタ連銀総裁が2つの討論会に参加、TSMC決算など
4月19日(金):消費者物価コア指数(3月)、植田日銀総裁が米ピーターソン国際経済研究所で講演、米・シカゴ連銀総裁が質疑応答に参加など
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予想レンジ:上限39500円-下限38500円
今週末の米国市場は下落。ダウ平均は前日比475.84ドル安(-1.24%)の37983.24ドル、ナスダックは267.11ポイント安(-1.62%)の16175.09、S&P500は75.65ポイント安(-1.46%)の5123.41で取引を終了した。大証ナイト・セッションの日経225先物は、通常取引終値700円安の38850円。外部環境の悪化を受けて、週明けの東京市場は売り優勢となる公算が大きい。
4月に入ってプライム市場の売買代金は5兆円台に一度も乗せておらず、9日、10日は4兆円台を割り込んだ。3月は日経平均入れ替えや期末特有の需給などのイベントが多かった影響もあるが、ここまでの4月相場はやや静かな印象だ。市場では、「ラマダンが終了したことから、オイルマネーが再度流入する可能性はある」といった指摘もある。ラマダン明けのイード休暇(2-3日)が終わるのは今週末と見られることから、今週以降、売買代金が増加する可能性もある。仮に今週以降も売買代金が4兆円前後のままであれば、3月企業の決算発表が本格化する4月末まで様子見ムードが続き、日経平均、TOPIXは方向感に乏しい展開となるだろう。
為替の円安進行を受けて、政府・日本銀行による円買い介入への警戒感が高まっていることも、日本株の上値を抑えた要因となっている。2022年9月、10月に実施された為替介入は、いずれも東京株式市場が開いていない時間帯(オセアニア時間やロンドン時間、ニューヨーク時間)で実施されたため、ダイレクトな反応はなかった。ただ、為替市場では瞬間的に4円超円高ドル安に振れたことから、東京時間で円買い介入が実施された場合、輸出関連銘柄などが急落する展開は容易に想像できよう。
一方、足元、鈴木財務大臣や神田財務官などによる口先介入に留まっており、2022年10月に実施された水準である151円90銭台を上回る153円台に入っても、円買い介入は実施されていない。「前日終値+1.2%の円安ドル高」に届いていないため、介入が実施できないといった声も聞かれる。たしかに10日から11日にかけて「急速な円安ドル高」が進んだが、151円90銭台水準から153円20銭台水準と変化率は1%に満たない。今後も「前日終値+1.2%の円安ドル高」が意識されるのであれば、介入実施には1日で1円80銭ほどの大幅な円安ドル高が必要となる。こうした状況が投機筋に見透かされた場合、ドル買いもしくは円安ポジションのさらなる積み上げに伴う円安推移も頭に入れ置かなくてはいけない。輸出関連銘柄には追い風の地合いとなるが、小売関連には逆風となるほか、内需株が多いスタンダード市場やグロース市場は物色の対象外となるだろう。
■為替市場見通し
来週のドル・円は底堅い値動きか。米インフレ持続を受け、米国の早期利下げ観測は後退し、リスク選好的なドル買い・円売りがただちに縮小する可能性は低いとみられる。日本の為替介入が警戒されるものの、目先的にドルは上値を試す展開となりそうだ。直近発表の米3月消費者物価指数(CPI)はコア指数も含め予想を上回り、年内3回の利下げ観測は大幅に後退した。米連邦準備制度理事会(FRB)はタカ派的な政策スタンスを強め、対照的に欧州中央銀行(ECB)など他の主要中央銀行は早期利下げに傾いている。そうした政策方針の違いから、ドル選好地合いが続く見通し。
ドル・円は重要な抵抗線とみられていた152円を明確に上抜け、短期的には155円を試す可能性がある。来週発表の小売売上高やフィラデルフィア連銀製造業景気指数が市場予想を上回った場合、緩やかなドル高が見込まれる。
一方、日本政府は円安けん制を繰り返し、ドル高の進行を抑制したい意向のようだ。日本銀行は今月開催の金融政策決定会合でインフレ見通しの上方修正を示唆し、円安を弱めたい意向だ。ただ、日本銀行が現行の金融緩和方針を維持するとの見方が浮上した場合はドル売り・円買いは抑制される可能性がある。
■来週の注目スケジュール
4月15日(月):コア機械受注(2月)、欧・ユーロ圏鉱工業生産指数(2月)、米・ニューヨーク連銀製造業景気指数(4月)、米・小売売上高(3月)、米・ダラス連銀総裁が東京でパネル討論会に参加、米・サンフランシスコ連銀総裁が講演、ゴールドマン決算など
4月16日(火):中・鉱工業生産指数(3月)、中・小売売上高(3月)、中・GDP(1-3月)、英・失業率(3月)、独・ZEW期待指数(4月)、米・鉱工業生産指数(3月)、米・ジェファーソン連邦準備制度理事会(FRB)副議長が基調演説、国際通貨基金(IMF)が世界経済見通し(WEO)公表、など
4月17日(水):貿易収支(3月)、訪日外客数推計値(3月)、欧・ユーロ圏CPI(3月)、米・G20財務相・中央銀行総裁会議(18日まで)、米・地区連銀経済報告(ベージュブック)公表、米・クリーブランド連銀総裁が講演、米・ボウマンFRB理事が講演、ASMLホールディング決算、など
4月18日(木):野口日銀審議委員が佐賀県金融経済懇談会で講演・同記者会見、工作機械受注(3月)、米・フィラデルフィア連銀製造業景況指数(4月)、米・中古住宅販売件数(3月)、米・ボウマンFRB理事が討論会に参加、米・ニューヨーク連銀総裁が討論会に参加、米・アトランタ連銀総裁が2つの討論会に参加、TSMC決算など
4月19日(金):消費者物価コア指数(3月)、植田日銀総裁が米ピーターソン国際経済研究所で講演、米・シカゴ連銀総裁が質疑応答に参加など
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