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NY市場の強気相場は続くか【フィスコ・コラム】
配信日時:2024/03/31 09:00
配信元:FISCO
*09:00JST NY市場の強気相場は続くか【フィスコ・コラム】
2024年1-3月期のNY株式市場は安定的に上昇したものの、そのペースはやや鈍化しました。連邦準備制度理事会(FRB)の引き締め的な政策が背景にあります。ただ、インフレは想定ほど鈍化せず、6月からの利下げシナリオに狂いが生じた際の失速も警戒されます。
第1四半期最後の取引となった3月28日のNY株式市場で、ダウは史上初の40000ドルを目指したものの、最終的に前日比47ドル高の39807ドルで取引終了。1-3月期の上昇率は+5.6%と堅調ではあるものの、昨年10-12月期の+12.5%を下回りました。バブル期以来の株高に沸く日本は日経平均株価が+19.8%、減速懸念のドイツでもDAX指数は+10.4%とダウを上回っています。
主要株価指数の伸び率はS&Pが+10.2%、ナスダックは+9.1%。最高値更新が続いたせいか、この四半期にかなり上値を伸ばした印象でしたが、振り返ってみるとやや保守的だったと言えそうです。やはり金融政策に不透明感が広がったことが主因でしょう。FRBは昨年7月にFFレートを5.25%から5.50%に引き上げた後、5会合連続で政策を維持。その間、インフレ率は鈍化から再加速に転じました。
直近の米2月消費者物価指数(CPI)は前年比+3.2%と、伸びは1月から上昇。生産者物価指数(PPI)やミシガン大学消費者信頼感指数の期待インフレ率でも高止まりが示されました。それらを受けた3月19-20日の連邦公開市場委員会(FOMC)での政策決定で、6月から3回の利下げが予想されています。株式市場は一段の引き締め的なトーンを予想していたため、安心感による買いが優勢になりました。
逆に、債券市場や外為市場では中立的ながらもタカ派姿勢の維持と受け止め、金利高・ドル高に振れています。FRBの政策方針を大まかに把握するなら、年内の利下げに傾いているものの、今後発表される雇用やインフレの統計次第で6月利下げ開始の市場観測通りには緩めない可能性がある、ということでしょう。だとすれば、4月以降は経済指標が堅調になるほど金利高・株安の地合いを強めると推測されます。
株高を抑えたもう1つの要因として、米大統領選の指名争いが挙げられます。11月の本選は4年前の前回と同じ「バイデンVSトランプ」の顔合わせにほぼ決まり、共和党の予備選はトランプ氏の圧勝が目立ちました。半年以上も先の選挙とはいえ、米国政治の激しい揺り戻しに備える必要が出てきたことは株買いを躊躇させる材料になったはずです。4-6月期はトランプ氏の「利下げ圧力」が株価を押し上げるでしょうか。
(吉池 威)
※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。
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第1四半期最後の取引となった3月28日のNY株式市場で、ダウは史上初の40000ドルを目指したものの、最終的に前日比47ドル高の39807ドルで取引終了。1-3月期の上昇率は+5.6%と堅調ではあるものの、昨年10-12月期の+12.5%を下回りました。バブル期以来の株高に沸く日本は日経平均株価が+19.8%、減速懸念のドイツでもDAX指数は+10.4%とダウを上回っています。
主要株価指数の伸び率はS&Pが+10.2%、ナスダックは+9.1%。最高値更新が続いたせいか、この四半期にかなり上値を伸ばした印象でしたが、振り返ってみるとやや保守的だったと言えそうです。やはり金融政策に不透明感が広がったことが主因でしょう。FRBは昨年7月にFFレートを5.25%から5.50%に引き上げた後、5会合連続で政策を維持。その間、インフレ率は鈍化から再加速に転じました。
直近の米2月消費者物価指数(CPI)は前年比+3.2%と、伸びは1月から上昇。生産者物価指数(PPI)やミシガン大学消費者信頼感指数の期待インフレ率でも高止まりが示されました。それらを受けた3月19-20日の連邦公開市場委員会(FOMC)での政策決定で、6月から3回の利下げが予想されています。株式市場は一段の引き締め的なトーンを予想していたため、安心感による買いが優勢になりました。
逆に、債券市場や外為市場では中立的ながらもタカ派姿勢の維持と受け止め、金利高・ドル高に振れています。FRBの政策方針を大まかに把握するなら、年内の利下げに傾いているものの、今後発表される雇用やインフレの統計次第で6月利下げ開始の市場観測通りには緩めない可能性がある、ということでしょう。だとすれば、4月以降は経済指標が堅調になるほど金利高・株安の地合いを強めると推測されます。
株高を抑えたもう1つの要因として、米大統領選の指名争いが挙げられます。11月の本選は4年前の前回と同じ「バイデンVSトランプ」の顔合わせにほぼ決まり、共和党の予備選はトランプ氏の圧勝が目立ちました。半年以上も先の選挙とはいえ、米国政治の激しい揺り戻しに備える必要が出てきたことは株買いを躊躇させる材料になったはずです。4-6月期はトランプ氏の「利下げ圧力」が株価を押し上げるでしょうか。
(吉池 威)
※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。
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