注目トピックス 市況・概況
来週の相場で注目すべき3つのポイント:日銀短観、さくらリポート、米雇用統計
配信日時:2024/03/30 18:50
配信元:FISCO
*18:50JST 来週の相場で注目すべき3つのポイント:日銀短観、さくらリポート、米雇用統計
■株式相場見通し
予想レンジ:上限41000円-下限40000円
期末特有の需給イベントを通過し、来週は新年度入り相場となる。週初の4月1日に公表予定の日銀短観(3月調査)の民間企業予想は、大企業・製造業の業況判断DI(中心値)が+10ポイント(12月調査:+13ポイント)と、前回調査から3ポイントの悪化が見込まれている。2023年の3月調査以来、4期ぶりに悪化するとの見方だ。主に自動車メーカーの工場停止が影響したもようだが、既に伝わっている話のため、日銀短観の結果をネガティブ視する動きは限定的となろう。市場では、4月25日から26日に開催される日本銀行の金融政策決定会合で、追加の利上げ判断の前提となる物価や景気の見通しをどう示すかに関心が向かっており、日銀短観の影響は限定的と考える。
ただ、政府・日銀による円買い介入実施によって、株式市場が乱高下するリスクはある。3月28日、岸田首相は会見で、円安への対応について「為替介入について具体的に言うことは控えなければならない」とした上で、「為替相場は、ファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要。少なくとも過度な変動は望ましくない」と指摘。「政府として高い緊張感を持って為替動向を注視していきたい」とした上で、「行き過ぎた動きに対しては、あらゆる手段を排除せず、適切な対応を取りたい。これが政府の基本的な考え方だ」と述べた。強い円安けん制発言という内容ではないが、岸田首相が為替介入も辞さない姿勢を明確にしたことで、投機筋は円売りポジションをより積み上げにくくなったと想定。
一方、市場では、「前日比1.2%円安ドル高が進まなければ介入はできない」との見方もあり、151円台水準でのもみ合っている足元の状況では、政府・日銀は介入に動けないと想定できる。介入実施のタイミングとしては、米経済指標などを材料に円売りドル買いが強まり152円台に乗せた頃合いを考える。152円より上は「ドル売りポジションの巻き戻しのドル買い」が入り、加速的な円安も想定される。来週、鈴木財務大臣、神田財務官は円安けん制発言を連日行った。その発言のなかで、過去の介入直前に出た「断固たる措置」があったことから、既に「スタンバイ」状態にあると推測する。来週は3月の米雇用統計など雇用に関する重要な経済指標の発表が相次ぐことから、投機筋と政府・日銀関係者によるせめぎあいは続くと想定。介入警戒感の高まりは、日経平均の重しとなりそうだ。
■為替市場見通し
来週のドル・円は底堅い値動きか。4月1日発表の日銀短観3月調査などで景気回復への期待が強まれば、今後の利上げを見込んだ円買いがやや強まる可能性がある。また、152円以上の水準にドルが浮上すれば、日本政府の為替介入を警戒した円買いが強まることでドル・円相場を下押ししそうだ。ただ、日銀は緩和的な金融環境を当面維持する方針であり、ドル選好地合いの継続が見込まれる。米連邦公開市場委員会(FOMC)の政策金利見通しでは、利下げは6月から年内3回の可能性が示されているが、利下げ時期の先送りや利下げ幅の縮小などタカ派的な政策を維持するとの見方は少なくない。欧州中央銀行、英中央銀行、スイス中央銀行など他の主要中銀が金融緩和に傾くなか、ドル選好地合いに振れやすい。
日本政府は円安けん制を繰り返すものの、円安抑制は限定的でドル・円相場は徐々に水準を切り上げていることも注視される。日本単独で為替介入を実行しても顕著な効果は期待できないため、152円をしっかりと上抜けるシナリオも想定したい。
■来週の注目スケジュール
4月1日(月):日銀短観(大企業製造業DI)(3月)、中・財新製造業PMI(3月)、米・製造業PMI(3月)、米・ISM製造業景況指数(3月)、など
4月2日(火):独・消費者物価指数(3月)、米・JOLT求人件数(2月)、米・ニューヨーク連銀総裁が討論会で司会、米・クリーブランド連銀総裁が講演、米・サンフランシスコ連銀総裁が討論会に参加、など
4月3日(水):中・財新サービス業PMI(3月)、中・財新総合PMI(3月)、欧・ユーロ圏消費者物価コア指数(3月)、欧・ユーロ圏失業率(2月)、米・ADP全米雇用報告(3月)、米・ISM非製造業景況指数(3月)、米・シカゴ連銀総裁が開会のあいさつ、米・パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が講演、など
4月4日(木):日銀支店長会議、地域経済報告(さくらリポート)(4月、日本銀行)、日本労働組合総連合会(連合)が24年春闘の第3回回答集計結果公表、欧・ユーロ圏サービス業PMI(3月)、欧・ユーロ圏総合PMI(3月)、米・貿易収支(2月)、米・新規失業保険申請件数(先週)、米・フィラデルフィア連銀総裁が討論会に参加、米・シカゴ連銀総裁が質疑応答に参加、米・クリーブランド連銀総裁が講演、米・セントルイス連銀総裁が開会のあいさつなど
4月5日(金):家計支出(2月)、景気先行CI指数(2月)、景気一致指数(2月)、印・インド準備銀行(中央銀行)が政策金利発表、欧・ユーロ圏小売売上高(2月)、米・非農業部門雇用者数(3月)、米・失業率(3月)、米・平均時給(3月)、など
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予想レンジ:上限41000円-下限40000円
期末特有の需給イベントを通過し、来週は新年度入り相場となる。週初の4月1日に公表予定の日銀短観(3月調査)の民間企業予想は、大企業・製造業の業況判断DI(中心値)が+10ポイント(12月調査:+13ポイント)と、前回調査から3ポイントの悪化が見込まれている。2023年の3月調査以来、4期ぶりに悪化するとの見方だ。主に自動車メーカーの工場停止が影響したもようだが、既に伝わっている話のため、日銀短観の結果をネガティブ視する動きは限定的となろう。市場では、4月25日から26日に開催される日本銀行の金融政策決定会合で、追加の利上げ判断の前提となる物価や景気の見通しをどう示すかに関心が向かっており、日銀短観の影響は限定的と考える。
ただ、政府・日銀による円買い介入実施によって、株式市場が乱高下するリスクはある。3月28日、岸田首相は会見で、円安への対応について「為替介入について具体的に言うことは控えなければならない」とした上で、「為替相場は、ファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要。少なくとも過度な変動は望ましくない」と指摘。「政府として高い緊張感を持って為替動向を注視していきたい」とした上で、「行き過ぎた動きに対しては、あらゆる手段を排除せず、適切な対応を取りたい。これが政府の基本的な考え方だ」と述べた。強い円安けん制発言という内容ではないが、岸田首相が為替介入も辞さない姿勢を明確にしたことで、投機筋は円売りポジションをより積み上げにくくなったと想定。
一方、市場では、「前日比1.2%円安ドル高が進まなければ介入はできない」との見方もあり、151円台水準でのもみ合っている足元の状況では、政府・日銀は介入に動けないと想定できる。介入実施のタイミングとしては、米経済指標などを材料に円売りドル買いが強まり152円台に乗せた頃合いを考える。152円より上は「ドル売りポジションの巻き戻しのドル買い」が入り、加速的な円安も想定される。来週、鈴木財務大臣、神田財務官は円安けん制発言を連日行った。その発言のなかで、過去の介入直前に出た「断固たる措置」があったことから、既に「スタンバイ」状態にあると推測する。来週は3月の米雇用統計など雇用に関する重要な経済指標の発表が相次ぐことから、投機筋と政府・日銀関係者によるせめぎあいは続くと想定。介入警戒感の高まりは、日経平均の重しとなりそうだ。
■為替市場見通し
来週のドル・円は底堅い値動きか。4月1日発表の日銀短観3月調査などで景気回復への期待が強まれば、今後の利上げを見込んだ円買いがやや強まる可能性がある。また、152円以上の水準にドルが浮上すれば、日本政府の為替介入を警戒した円買いが強まることでドル・円相場を下押ししそうだ。ただ、日銀は緩和的な金融環境を当面維持する方針であり、ドル選好地合いの継続が見込まれる。米連邦公開市場委員会(FOMC)の政策金利見通しでは、利下げは6月から年内3回の可能性が示されているが、利下げ時期の先送りや利下げ幅の縮小などタカ派的な政策を維持するとの見方は少なくない。欧州中央銀行、英中央銀行、スイス中央銀行など他の主要中銀が金融緩和に傾くなか、ドル選好地合いに振れやすい。
日本政府は円安けん制を繰り返すものの、円安抑制は限定的でドル・円相場は徐々に水準を切り上げていることも注視される。日本単独で為替介入を実行しても顕著な効果は期待できないため、152円をしっかりと上抜けるシナリオも想定したい。
■来週の注目スケジュール
4月1日(月):日銀短観(大企業製造業DI)(3月)、中・財新製造業PMI(3月)、米・製造業PMI(3月)、米・ISM製造業景況指数(3月)、など
4月2日(火):独・消費者物価指数(3月)、米・JOLT求人件数(2月)、米・ニューヨーク連銀総裁が討論会で司会、米・クリーブランド連銀総裁が講演、米・サンフランシスコ連銀総裁が討論会に参加、など
4月3日(水):中・財新サービス業PMI(3月)、中・財新総合PMI(3月)、欧・ユーロ圏消費者物価コア指数(3月)、欧・ユーロ圏失業率(2月)、米・ADP全米雇用報告(3月)、米・ISM非製造業景況指数(3月)、米・シカゴ連銀総裁が開会のあいさつ、米・パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が講演、など
4月4日(木):日銀支店長会議、地域経済報告(さくらリポート)(4月、日本銀行)、日本労働組合総連合会(連合)が24年春闘の第3回回答集計結果公表、欧・ユーロ圏サービス業PMI(3月)、欧・ユーロ圏総合PMI(3月)、米・貿易収支(2月)、米・新規失業保険申請件数(先週)、米・フィラデルフィア連銀総裁が討論会に参加、米・シカゴ連銀総裁が質疑応答に参加、米・クリーブランド連銀総裁が講演、米・セントルイス連銀総裁が開会のあいさつなど
4月5日(金):家計支出(2月)、景気先行CI指数(2月)、景気一致指数(2月)、印・インド準備銀行(中央銀行)が政策金利発表、欧・ユーロ圏小売売上高(2月)、米・非農業部門雇用者数(3月)、米・失業率(3月)、米・平均時給(3月)、など
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