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為替週間見通し:ドルは伸び悩みか、日本の賃金上昇なら円買いも
配信日時:2024/03/09 14:11
配信元:FISCO
*14:11JST 為替週間見通し:ドルは伸び悩みか、日本の賃金上昇なら円買いも
【今週の概況】
■日銀マイナス金利解除観測で円買い強まる
今週のドル・円は下落。「政府関係者の一部は日本銀行が3月か4月の金融政策決定会合でマイナス金利を解除することへの容認姿勢を示している」との一部報道を受けて、リスク回避的な米ドル売り・円買いが拡大した。日本銀行は2%物価目標の実現を判断する上で、賃金と物価の好循環の強まりを重視しているとみられているが、これまでの企業の賃上げ表明やヒアリングなどを通じて、昨年を上回る高水準の賃上げが実現するとの見方が市場関係者や日銀の間で広がっている。また、日銀植田総裁は3月7日に参議院予算委員会に出席し、2%の物価安定目標について「実現する確度が少しずつ高まっている」という認識を改めており、これらが円買い材料となった。日銀はマイナス金利解除後も緩和的な金融環境を維持するとの見方は少なくないものの、「市場の想定を上回る賃上げが実現された場合、長短金利操作の枠組みの大幅修正や将来的な金利引き上げの可能性が高まる」との声も聞かれており、8日の東京市場でリスク回避的な米ドル売り・円買いの取引が一段と拡大した。
8日のニューヨーク外為市場でドル・円は一時146円49銭まで下落した。この日発表された2月米雇用統計で失業率は3.9%と、1月の3.7%から上昇したことや非農業部門雇用者数の1月分が当初発表の前月比+35.3万人から同+22.9万人に下方修正されたことが、リスク回避のドル売り・円買いにつながった。ただ、米長期金利は4%台を維持し、午後に入って前日末の水準まで戻したことから、リスク回避のドル売り・円買いは一服。ドル・円は147円05銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:146円49銭-150円57銭。
【来週の見通し】
■ドルは伸び悩みか、日本の賃金上昇なら円買いも
来週のドル・円は伸び悩みか。3月13日に自動車・電機大手の賃上げ集中回答が予定されており、賃上げが市場予想を上回る水準だった場合、日本銀行は賃金上昇を伴う2%の物価目標の実現に自信を深めて大規模緩和の修正に乗り出す可能性がある。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げペースは市場の想定より緩慢とみられ、リスク選好的なドル買い要因となり得る。先月発表された1月米コアPCE価格指数は前年比+2.8%と市場予想と一致し、3月12日に発表される2月米消費者物価コア指数(CPI)は前年比+3.7%と予想されており、3%を上回る高インフレの状態はしばらく続く見込み。パウエルFRB議長は3月6-7日の議会証言で、金融政策について中立的な見解を示したため、主要通貨に対するドル売りが観測されたが、市場参加者の間では年内数回の利下げが以前から想定されており、米国経済の軟着陸への期待は持続していることから、リスク回避的なドル売り・円買いはやや縮小する可能性は残されている。
【米・2月消費者物価指数(CPI)】(12日発表予定)
12日発表の米2月消費者物指数(CPI)は総合指数が前年比+3.1%、同コア指数は+3.7%と予想されている。総合指数が1月と同水準となった場合、インフレ高止まりの思惑でドル買い要因に。
【米・2月小売売上高】(14日発表予定)
14日発表の米2月小売売上高は、前月比+0.8%と大幅改善が期待されている。個人消費の回復が確認された場合、米国経済の軟着陸が期待されドル買い材料となる。
予想レンジ:145円00銭-149円00銭
<FA>
■日銀マイナス金利解除観測で円買い強まる
今週のドル・円は下落。「政府関係者の一部は日本銀行が3月か4月の金融政策決定会合でマイナス金利を解除することへの容認姿勢を示している」との一部報道を受けて、リスク回避的な米ドル売り・円買いが拡大した。日本銀行は2%物価目標の実現を判断する上で、賃金と物価の好循環の強まりを重視しているとみられているが、これまでの企業の賃上げ表明やヒアリングなどを通じて、昨年を上回る高水準の賃上げが実現するとの見方が市場関係者や日銀の間で広がっている。また、日銀植田総裁は3月7日に参議院予算委員会に出席し、2%の物価安定目標について「実現する確度が少しずつ高まっている」という認識を改めており、これらが円買い材料となった。日銀はマイナス金利解除後も緩和的な金融環境を維持するとの見方は少なくないものの、「市場の想定を上回る賃上げが実現された場合、長短金利操作の枠組みの大幅修正や将来的な金利引き上げの可能性が高まる」との声も聞かれており、8日の東京市場でリスク回避的な米ドル売り・円買いの取引が一段と拡大した。
8日のニューヨーク外為市場でドル・円は一時146円49銭まで下落した。この日発表された2月米雇用統計で失業率は3.9%と、1月の3.7%から上昇したことや非農業部門雇用者数の1月分が当初発表の前月比+35.3万人から同+22.9万人に下方修正されたことが、リスク回避のドル売り・円買いにつながった。ただ、米長期金利は4%台を維持し、午後に入って前日末の水準まで戻したことから、リスク回避のドル売り・円買いは一服。ドル・円は147円05銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:146円49銭-150円57銭。
【来週の見通し】
■ドルは伸び悩みか、日本の賃金上昇なら円買いも
来週のドル・円は伸び悩みか。3月13日に自動車・電機大手の賃上げ集中回答が予定されており、賃上げが市場予想を上回る水準だった場合、日本銀行は賃金上昇を伴う2%の物価目標の実現に自信を深めて大規模緩和の修正に乗り出す可能性がある。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げペースは市場の想定より緩慢とみられ、リスク選好的なドル買い要因となり得る。先月発表された1月米コアPCE価格指数は前年比+2.8%と市場予想と一致し、3月12日に発表される2月米消費者物価コア指数(CPI)は前年比+3.7%と予想されており、3%を上回る高インフレの状態はしばらく続く見込み。パウエルFRB議長は3月6-7日の議会証言で、金融政策について中立的な見解を示したため、主要通貨に対するドル売りが観測されたが、市場参加者の間では年内数回の利下げが以前から想定されており、米国経済の軟着陸への期待は持続していることから、リスク回避的なドル売り・円買いはやや縮小する可能性は残されている。
【米・2月消費者物価指数(CPI)】(12日発表予定)
12日発表の米2月消費者物指数(CPI)は総合指数が前年比+3.1%、同コア指数は+3.7%と予想されている。総合指数が1月と同水準となった場合、インフレ高止まりの思惑でドル買い要因に。
【米・2月小売売上高】(14日発表予定)
14日発表の米2月小売売上高は、前月比+0.8%と大幅改善が期待されている。個人消費の回復が確認された場合、米国経済の軟着陸が期待されドル買い材料となる。
予想レンジ:145円00銭-149円00銭
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