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3月のくりっく365、ドル・円は神経質な展開か、ユーロ・円は弱含みか
配信日時:2024/03/07 14:43
配信元:FISCO
*14:43JST 3月のくりっく365、ドル・円は神経質な展開か、ユーロ・円は弱含みか
東京金融取引所(TFX)が手掛ける取引所為替証拠金取引「くりっく365」は、2月の取引数量が前月比13.1%減の178万3795枚、1日の平均取引数量は8万4942枚と前月比で減少した。月末時点の証拠金預託額は4820.82億円と前月比で59.39億円増加した。取引通貨量では、米ドル、メキシコペソ、トルコリラ、豪ドル、南アフリカランドの順となった。一方、取引所株価指数証拠金取引「くりっく株365」は、2月の取引数量が前月比11.7%減の365万4672枚、1日の平均取引数量は17万4032枚と前月比で減少した。月末時点の証拠金預託額は822.96億円となり、前月比で29.47億円の増加となった。
取引数量トップは米ドル・円で54万3736枚(前月比36.2%減)であった。2月2日に発表された米雇用統計が市場予想を上回る好結果となり、米連邦準備制度理事会(FRB)による3月利下げ開始との見方がほぼ消失。1月後半にかけて日銀の金融政策正常化期待とFRBの利下げ期待からドル安・円高方向に進行していた流れが巻き戻され、ドル・円は1ドル=150円台へ。急激な円安進行となったことから、14日に神田財務官によりけん制発言がなされたあとは、1ドル=150円水準で膠着感の強い展開が続いた。月末29日には、日銀の高田審議委員による金融政策正常化に向けて前向きなコメントが報道され、3月のマイナス金利解除期待が高まり、やや円高方向にふれた。
トルコリラ・円は19万1161枚(前月比30.4%増)であった。2月2日にトルコ中央銀行のエルカン総裁が辞任を表明し、新総裁にはカラハン副総裁が就任した。トルコ中央銀行は昨年6月より政策転換し、8.5%だった政策金利を今年1月までに45%まで引き上げている。カラハン新総裁はインフレ低下まで金融引き締め継続を表明しているが、インフレ率に対し、政策金利は十分に高水準でないという見方も多く、なかなかリラ買い材料となっていない。13日に発表された昨年12月の経常収支が市場予想を下回り、年内は改善が進むとの見通しからリラ高が進む場面もあったが、一時的なものに終わった。
3月のドル・円は神経質な展開か。3月18-19日に日銀金融政策決定会合、米連邦公開市場委員会(FOMC)は19-20日に開催予定となっており、金融政策の見通しを巡って波乱含みの展開となりそうだ。日銀に関しては金融政策正常化へ一歩踏み出すかが焦点となっており、春闘の13日集中回答や15日発表の第1回回答集計に注目が集まるとみられる。賃金上昇が確認できるデータとなれば、日銀が金融政策正常化へ向けた行動に出るとの見方から円高にふれやすくなりそうだ。一方、FOMCでは利下げ開始時期が焦点となっている。FRB高官らは「データ次第」との発言を繰り返しており、8日の2月雇用統計や12日の2月消費者物価指数(CPI)などの経済指標発表の結果にふらされる展開が想定される。インフレ減速期待が高まれば、利下げ期待が高まりドル安に進みやすくなるだろう。
ユーロ・円は弱含みか。欧州中央銀行(ECB)においても利下げ期待は高まっており、その開始時期に注目が集まっている。初回利下げは6月との見方が大勢となっており、ECB関係者は利下げに慎重姿勢を示している。ただ、経済指標発表からインフレ減速が確認できれば、市場の早期利下げ期待が高まる可能性もある。特に日本は金融政策正常化へ向かうとの見方から円高進行のバイアスがかかりやすい状況にあるといえ、ECBの早期利下げ期待が高まった場合には、対円でユーロ安が進みやすくなりそうだ。
<CN>
取引数量トップは米ドル・円で54万3736枚(前月比36.2%減)であった。2月2日に発表された米雇用統計が市場予想を上回る好結果となり、米連邦準備制度理事会(FRB)による3月利下げ開始との見方がほぼ消失。1月後半にかけて日銀の金融政策正常化期待とFRBの利下げ期待からドル安・円高方向に進行していた流れが巻き戻され、ドル・円は1ドル=150円台へ。急激な円安進行となったことから、14日に神田財務官によりけん制発言がなされたあとは、1ドル=150円水準で膠着感の強い展開が続いた。月末29日には、日銀の高田審議委員による金融政策正常化に向けて前向きなコメントが報道され、3月のマイナス金利解除期待が高まり、やや円高方向にふれた。
トルコリラ・円は19万1161枚(前月比30.4%増)であった。2月2日にトルコ中央銀行のエルカン総裁が辞任を表明し、新総裁にはカラハン副総裁が就任した。トルコ中央銀行は昨年6月より政策転換し、8.5%だった政策金利を今年1月までに45%まで引き上げている。カラハン新総裁はインフレ低下まで金融引き締め継続を表明しているが、インフレ率に対し、政策金利は十分に高水準でないという見方も多く、なかなかリラ買い材料となっていない。13日に発表された昨年12月の経常収支が市場予想を下回り、年内は改善が進むとの見通しからリラ高が進む場面もあったが、一時的なものに終わった。
3月のドル・円は神経質な展開か。3月18-19日に日銀金融政策決定会合、米連邦公開市場委員会(FOMC)は19-20日に開催予定となっており、金融政策の見通しを巡って波乱含みの展開となりそうだ。日銀に関しては金融政策正常化へ一歩踏み出すかが焦点となっており、春闘の13日集中回答や15日発表の第1回回答集計に注目が集まるとみられる。賃金上昇が確認できるデータとなれば、日銀が金融政策正常化へ向けた行動に出るとの見方から円高にふれやすくなりそうだ。一方、FOMCでは利下げ開始時期が焦点となっている。FRB高官らは「データ次第」との発言を繰り返しており、8日の2月雇用統計や12日の2月消費者物価指数(CPI)などの経済指標発表の結果にふらされる展開が想定される。インフレ減速期待が高まれば、利下げ期待が高まりドル安に進みやすくなるだろう。
ユーロ・円は弱含みか。欧州中央銀行(ECB)においても利下げ期待は高まっており、その開始時期に注目が集まっている。初回利下げは6月との見方が大勢となっており、ECB関係者は利下げに慎重姿勢を示している。ただ、経済指標発表からインフレ減速が確認できれば、市場の早期利下げ期待が高まる可能性もある。特に日本は金融政策正常化へ向かうとの見方から円高進行のバイアスがかかりやすい状況にあるといえ、ECBの早期利下げ期待が高まった場合には、対円でユーロ安が進みやすくなりそうだ。
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