午後3時のドルは横ばい150円近辺、ユーロや豪ドルは対円で3カ月ぶり高値圏
Mariko Sakaguchi
[東京 21日 ロイター] - 午後3時のドルは、前日のニューヨーク市場終盤(149.99/150.02円)と横ばいの150円近辺で推移している。新規材料難で方向感に乏しく、150円を挟んで小動きとなった。一方、ユーロや豪ドルは対円で3カ月ぶりの高値圏で推移した。
ドル売り/円買いの流れを引き継ぎ、東京市場は149円後半で取引を開始。仲値にかけては国内輸入企業の買いに支えられ、ドルはジリ高で推移した。午後に入り、中国株が堅調に推移したことを背景に人民元高/ドル売りとなったことが波及し、ドルは対円でも売られ、一時149.85円付近まで小幅に下落。その後は時間外取引の米長期金利の動向を睨みながら、150円を挟んで小動きとなった。
足元のドルは149ー151円の狭い値幅での推移が続いている。「政府・日銀による為替介入への警戒感が強く、上値は重い。一方、底堅い米経済指標を背景に米金利はそこまで低下せず、日米金利差の観点からドルの下値の堅さにつながっている」と、あおぞら銀行のチーフマーケットストラテジスト、諸我晃氏はみる。
今晩公表される1月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨については、「3月会合での米利下げの見送りを市場は織り込み済みだとみられ、サプライズはないだろう」(諸我氏)との声が聞かれた。
また、米大手半導体決算を受けた株価の動向に関心が集まる。米株価が上昇すればドル高/円安方向に向きやすい。株価が下落したとしても「リスクオフの円買いの勢いは弱いのではないか」と、りそなホールディングスのシニアストラテジスト、井口慶一氏は指摘し、「新NISAによる外国人の日本株買いに伴うヘッジ目的の円売りや日本の個人投資家による米株買いがより意識されやすい」との見方を示した。
ユーロ/円は162円前半と、昨年11月末以来3カ月ぶりの高値圏で推移。恒常的に円売りニーズがあるとみられる中、「(為替介入警戒感が強まっている)対ドルで円売りを仕掛けにくい状況で、他通貨に向いている可能性がある」(井口氏)という。
このほか、豪ドル/円も98円半ばと昨年11月以来の高水準で推移。ニュージランドドル/円は92円後半と2015年1月以来の高値圏で推移している。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 149.98/149.99 1.0813/1.0817 162.22/162.23
午前9時現在 149.95/149.98 1.0808/1.0812 162.11/162.15
NY午後5時 150.00/150.01 1.0806/1.0808 162.12/162.16