アングル:ビットコイン、年初から22%上昇 時価総額1兆ドル回復
Lisa Pauline Mattackal Medha Singh
[20日 ロイター] - 暗号資産(仮想通貨)ビットコインの価格が年初から22%上昇して5万2000ドルを超え、時価総額は2021年終盤以降で初めて1兆ドルの大台を回復した。
ビットコインの持ち直しは他の暗号資産にも波及。コインゲッコーのデータによると、暗号資産全体の時価総額は2兆ドルを超えた。
米国でビットコインの現物に連動する上場投資信託(ETF)が承認されたことが、暗号資産市場に追い風となった。
暗号資産自体の取引も活況だ。ロンドンを拠点とする調査会社CCデータの報告書によると、取引所における取引高は1月に4.4%増の1兆4000億ドルとなり、4カ月連続で増加して2022年6月以降で最高を記録した。
ビットコインは、マイニング報酬を4年に1度、半分に減らす「半減期」が4月に到来するのを控えた買いが入っており、多くの市場関係者は見通しが明るいと話している。
バーンスタインのアナリスト、ゴータム・チュガニ氏は、今年は暗号資産が大きく躍進する年になると予想。ビットコイン価格は過去最高値を更新して来年半ばまでに15万ドルに達するとの見方を示した。
一方で暗号資産市場は「FOMO(機会を逃すことへの不安)」が主導している兆候も見られる。
しかしビットコインなどのリスク資産は、金利が高止まりすれば脅かされかねない。一連の強い米経済指標を受け、米連邦準備理事会(FRB)が利下げを始める時期の市場予想は3月から6月にずれ込んでいる。
暗号資産取引会社QCPマーケッツのアナリストは「流動性がリスク資産に大挙して戻っているので当社は強気を維持しているが、インフレ率が3%超に高止まりすることは依然として下振れリスクであり、市場全体のボラティリティーが高まることを意味する」と述べた。