エヌビディア決算、AI相場持続の鍵握る=今週の米株式市場
David Randall Saqib Iqbal Ahmed
[ニューヨーク 16日 ロイター] - 2月19日から週の米国株式市場は、半導体大手エヌビディアの21日の決算発表が最大の注目材料で、同社を含むAI(人工知能)関連株への期待が先行する楽観相場の持続性が試される見通し。
AI用半導体が好調なエヌビディアは年初から46%超急騰し、時価総額は5700億ドル増えた。S&P総合500種の年初来の上昇率の4分の1強に同社が寄与している。
トゥルイスト・アドバイザリー・サービシズのチーフ市場ストラテジスト、キース・ラーナー氏は「今年の市場が好調だと言われるのはハイテクが好調という意味で、エヌビディアがその中核を担っている」と指摘。「AIを巡る楽観論が決算で裏付けされなければすぐに反響を呼び、投資家心理の重しになるだろう」と述べた。
エヌビディアの四半期決算に関してLSEGがまとめた33人のアナリストの平均予想は、1株利益が4.56ドルで、売上高は前年同期の60億5000万ドルから203億7800万ドルに増加すると見込まれている。
無論、市場参加者はエヌビディアの株価が決算発表後に大きく動くと想定。オプション分析を手掛けるORATSのデータに基づくと、市場が織り込むエヌビディア株の決算発表後の変動率は上下いずれかの方向に11%程度となっている。
USバンク・ウェルス・マネジメントのシニア投資ストラテジスト、トム・ヘインリン氏はエヌビディアの見通しに新たに前向きな変化があれば、AIに対する楽観的見方が強まり、エヌビディアを含む巨大ハイテク7銘柄「マグニフィセント・セブン」に集中してきた上昇相場がさらに持続する可能性があると予想した。
一方、さほど芳しくない決算内容となれば投資家が利益確定の好機と見なす可能性がある。
ガベリ・ファンドのリサーチアナリストは、エヌビディアに対する投資家の熱狂度が非常に高いため、同社の業績が予想を上回らずに単に一致するだけであれば株価が少なくとも10%下落する可能性があるとみている。
同アナリストは、アマゾンやマイクロソフトなどの顧客がエヌビディア製チップに依存するクラウド事業への設備投資を増やしていることから、エヌビディアに強気の見方を崩していない。