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神戸物産 Research Memo(7):2024年10月期も業務スーパー事業の好調が続く見通し
配信日時:2024/02/14 15:57
配信元:FISCO
*15:57JST 神戸物産 Research Memo(7):2024年10月期も業務スーパー事業の好調が続く見通し
■今後の見通し
1. 2024年10月期の業績見通し
神戸物産<3038>の2024年10月期の連結業績は、売上高で前期比7.9%増の498,000百万円、営業利益で同0.9%増の31,000百万円、経常利益で同10.1%増の33,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同4.6%増の21,500百万円となる見通し。引き続き業務スーパー事業がけん引する格好となる。営業利益率が前期の6.7%から6.2%に低下する見込みであるが、これは為替前提レートを前期の139.19円/米ドルから140~150円/米ドルとやや円安で想定していることや、2024年度から開始される物流業界の総労働時間規制によって物流コストがどのように変化するか不透明なため、販管費を保守的に織り込んでいることが要因である。一方、前期に発生した為替差益やデリバティブ評価損がなくなることを前提に経常利益は2ケタ台の増益となる見通しだ。全体的には保守的な印象が強く、今後為替レートが想定を上回る円安状況にならなければ、業績は計画を達成する可能性が高いと弊社では見ている。
(1) 業務スーパー事業
業務スーパー事業の業績前提として、「業務スーパー」の店舗数で前期末比35店舗増の1,083店舗、既存店向け商品出荷額で前期比2%以上の伸長、及びPB商品売上比率の上昇を見込んでいる。店舗数については関東・九州エリアを中心に店舗開発を進める方針で、FC加盟企業の投資意欲も旺盛なことから達成可能な水準であり、店舗数の拡大効果で3~4%の増収要因になると見られる。また、既存店向け商品出荷額についても、NB商品の値上げが続くなど事業環境は同社にとって追い風となっていることから計画を上回る可能性が高い。実際、2023年12月の既存店向け商品出荷額の前年同月比伸び率は6.9%増と好調な滑り出しとなっている。
利益面では、円安や物流コストの上昇を前提に微増益と保守的な計画となっている。グループ会社の収益性についても人手不足などによる人件費の増加や、能力増強投資に伴う減価償却負担増などもあって前期比横ばい水準で見込んでいる。自社グループ工場の設備投資については、100億円程度と前期の6,572百万円から増加する見通しだ。主な投資案件として、宮城製粉の新本社工場が2024年4月から稼働開始するほか、秦食品(株)でサラダ類の能力増強投資を行う。宮城製粉に関しては新工場稼働によりレトルト商品などの生産能力が1.5倍超に拡大する。
一方、集客施策としては2023年10月期より本格的に導入を開始したクラウド型プリペイド発行システム「Gyomuca(ギョムカ)」の導入促進に取り組んでいく。会員カード又はスマートフォンアプリを使うことでキャッシュレス決済が可能となるシステムで、1,000円単位で現金をチャージすることで入金額の0.5%分のポイントが付与されるほか、各店舗にて一部商品を対象とした購入時ポイントを付与する施策も導入している。アプリでは特売情報をいつでも確認できる。「Gyomuca」導入店舗数は2023年12月時点で約3割程度と順調に拡大しており、客数アップにつながる施策として期待される。
なお、EC販売については現在、神奈川県と東京都(離島除く)にサービスエリアを限定して取り組みを進めており、会員数、流通額ともに順調に増加しているもようだ。取扱品目はPB商品のほか、一部NB商品(競合ストアで売られていないような商品)なども含まれており、ケース単位で販売している。当面は現在のサービスエリアで取扱品目を拡充し、1回当たりの発注金額を引き上げることで物流コストの効率化に取り組む方針である。
(2) 外食・中食事業
外食・中食事業は各業態とも成長が期待でき、2ケタ増収増益となる見通し。「神戸クック・ワールドビュッフェ」については、コロナ禍の収束に伴いインバウンド需要や旅行客の需要回復が続くほか、忘年会・新年会や送迎会の団体客、行楽客の増加も見込めるなど、市場環境の好転により増収基調が続く見通しで、2024年10月期は全店舗でコロナ禍前の売上水準達成を目指している。新規出店としては、2024年1月に千葉県に1店舗を出店した。
「プレミアムカルビ」についても、順調な拡大が見込まれる。新規出店計画は特に定めていないが、首都圏内で条件に適う物件が見つかれば出店する意向のようだ。2023年12月に新規出店した湘南台店(神奈川県藤沢市)では、新たな試みとしてデザートビュッフェに焼き菓子(フィナンシェ、カヌレ)を追加し好評を得ている。引き続きデザートメニューの充実による差別化を図るほか、期間限定フェアの開催により集客力を向上する考えだ。
「馳走菜」についても出店計画を定めていないが、「業務スーパー」との同時出店を計画しているFCオーナーが増えているほか、新規加盟のリクエストも増えていることから店舗数のさらなる拡大が見込まれる。新規加盟については既存オーナーとのカニバリが生じる恐れがないかを十分検討したうえで、加盟の可否を判断している。また、商品戦略としては前期好評だったデザート類のラインナップを拡充する予定で、既存店売上高の伸長を目指す。2023年11月の出店状況は、「業務スーパー」内に3店舗を新規出店した。
(3) エコ再生エネルギー事業
エコ再生エネルギー事業は、2023年10月から売電を開始した約30.0MWの発電所が通年で寄与することにより、売上高は10億円程度の増収となる見込み。一方、売電開始初年度は減価償却負担が重くなるため利益面での寄与は殆ど見込めないことから、営業利益に関しては横ばい水準にとどまる見通しだ。今後は再生可能エネルギー設備の新設計画はなく、既存の発電所の安定運用に取り組む方針となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SI>
1. 2024年10月期の業績見通し
神戸物産<3038>の2024年10月期の連結業績は、売上高で前期比7.9%増の498,000百万円、営業利益で同0.9%増の31,000百万円、経常利益で同10.1%増の33,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同4.6%増の21,500百万円となる見通し。引き続き業務スーパー事業がけん引する格好となる。営業利益率が前期の6.7%から6.2%に低下する見込みであるが、これは為替前提レートを前期の139.19円/米ドルから140~150円/米ドルとやや円安で想定していることや、2024年度から開始される物流業界の総労働時間規制によって物流コストがどのように変化するか不透明なため、販管費を保守的に織り込んでいることが要因である。一方、前期に発生した為替差益やデリバティブ評価損がなくなることを前提に経常利益は2ケタ台の増益となる見通しだ。全体的には保守的な印象が強く、今後為替レートが想定を上回る円安状況にならなければ、業績は計画を達成する可能性が高いと弊社では見ている。
(1) 業務スーパー事業
業務スーパー事業の業績前提として、「業務スーパー」の店舗数で前期末比35店舗増の1,083店舗、既存店向け商品出荷額で前期比2%以上の伸長、及びPB商品売上比率の上昇を見込んでいる。店舗数については関東・九州エリアを中心に店舗開発を進める方針で、FC加盟企業の投資意欲も旺盛なことから達成可能な水準であり、店舗数の拡大効果で3~4%の増収要因になると見られる。また、既存店向け商品出荷額についても、NB商品の値上げが続くなど事業環境は同社にとって追い風となっていることから計画を上回る可能性が高い。実際、2023年12月の既存店向け商品出荷額の前年同月比伸び率は6.9%増と好調な滑り出しとなっている。
利益面では、円安や物流コストの上昇を前提に微増益と保守的な計画となっている。グループ会社の収益性についても人手不足などによる人件費の増加や、能力増強投資に伴う減価償却負担増などもあって前期比横ばい水準で見込んでいる。自社グループ工場の設備投資については、100億円程度と前期の6,572百万円から増加する見通しだ。主な投資案件として、宮城製粉の新本社工場が2024年4月から稼働開始するほか、秦食品(株)でサラダ類の能力増強投資を行う。宮城製粉に関しては新工場稼働によりレトルト商品などの生産能力が1.5倍超に拡大する。
一方、集客施策としては2023年10月期より本格的に導入を開始したクラウド型プリペイド発行システム「Gyomuca(ギョムカ)」の導入促進に取り組んでいく。会員カード又はスマートフォンアプリを使うことでキャッシュレス決済が可能となるシステムで、1,000円単位で現金をチャージすることで入金額の0.5%分のポイントが付与されるほか、各店舗にて一部商品を対象とした購入時ポイントを付与する施策も導入している。アプリでは特売情報をいつでも確認できる。「Gyomuca」導入店舗数は2023年12月時点で約3割程度と順調に拡大しており、客数アップにつながる施策として期待される。
なお、EC販売については現在、神奈川県と東京都(離島除く)にサービスエリアを限定して取り組みを進めており、会員数、流通額ともに順調に増加しているもようだ。取扱品目はPB商品のほか、一部NB商品(競合ストアで売られていないような商品)なども含まれており、ケース単位で販売している。当面は現在のサービスエリアで取扱品目を拡充し、1回当たりの発注金額を引き上げることで物流コストの効率化に取り組む方針である。
(2) 外食・中食事業
外食・中食事業は各業態とも成長が期待でき、2ケタ増収増益となる見通し。「神戸クック・ワールドビュッフェ」については、コロナ禍の収束に伴いインバウンド需要や旅行客の需要回復が続くほか、忘年会・新年会や送迎会の団体客、行楽客の増加も見込めるなど、市場環境の好転により増収基調が続く見通しで、2024年10月期は全店舗でコロナ禍前の売上水準達成を目指している。新規出店としては、2024年1月に千葉県に1店舗を出店した。
「プレミアムカルビ」についても、順調な拡大が見込まれる。新規出店計画は特に定めていないが、首都圏内で条件に適う物件が見つかれば出店する意向のようだ。2023年12月に新規出店した湘南台店(神奈川県藤沢市)では、新たな試みとしてデザートビュッフェに焼き菓子(フィナンシェ、カヌレ)を追加し好評を得ている。引き続きデザートメニューの充実による差別化を図るほか、期間限定フェアの開催により集客力を向上する考えだ。
「馳走菜」についても出店計画を定めていないが、「業務スーパー」との同時出店を計画しているFCオーナーが増えているほか、新規加盟のリクエストも増えていることから店舗数のさらなる拡大が見込まれる。新規加盟については既存オーナーとのカニバリが生じる恐れがないかを十分検討したうえで、加盟の可否を判断している。また、商品戦略としては前期好評だったデザート類のラインナップを拡充する予定で、既存店売上高の伸長を目指す。2023年11月の出店状況は、「業務スーパー」内に3店舗を新規出店した。
(3) エコ再生エネルギー事業
エコ再生エネルギー事業は、2023年10月から売電を開始した約30.0MWの発電所が通年で寄与することにより、売上高は10億円程度の増収となる見込み。一方、売電開始初年度は減価償却負担が重くなるため利益面での寄与は殆ど見込めないことから、営業利益に関しては横ばい水準にとどまる見通しだ。今後は再生可能エネルギー設備の新設計画はなく、既存の発電所の安定運用に取り組む方針となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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