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神戸物産 Research Memo(1):業務スーパー事業の拡大に加えて、外食・中食事業も成長軌道に乗る
配信日時:2024/02/14 15:51
配信元:FISCO
*15:51JST 神戸物産 Research Memo(1):業務スーパー事業の拡大に加えて、外食・中食事業も成長軌道に乗る
■要約
神戸物産<3038>は農畜産物の生産から製造加工、小売販売まで自社グループで行う国内トップの食の製販一体企業である。食品スーパーの「業務スーパー」をフランチャイズ(以下、FC)展開しているほか、外食・中食事業やエコ再生エネルギー事業も手掛けている。店舗の徹底的な「ローコストオペレーション」と自社グループ商品の開発・生産技術力、輸入商品調達力を強みとし、顧客ニーズに合う商品をベストプライスで提供し続けることで成長を続けている。
1. 2023年10月期の業績概要
2023年10月期の連結業績は、売上高で前期比13.5%増の461,546百万円、営業利益で同10.4%増の30,717百万円と過去最高を更新し、会社計画(売上高440,000百万円、営業利益29,700百万円)に対しても上回って着地した。業務スーパー事業の業績が、「業務スーパー」の店舗数増加(前期末比41店舗増の1,048店舗)や、直轄エリア※の既存店(以下、既存店)向け商品出荷額の伸長(前期比7.7%増)により、売上高で同12.8%増、営業利益で同8.0%増となったことが主因だ。円安に伴う仕入れコストの上昇や原材料価格高騰の影響を値上げ効果などで吸収し、国内グループ会社の収益も総じて回復した。特に、下期に入って業界全体で食品の値上げが広がるなか消費者の節約志向が高まり、「業務スーパー」の来店客数増加につながったことが収益増に寄与した。営業外で為替変動に伴うデリバティブ評価損4,082百万円を計上したため、経常利益は同6.7%減の29,970百万円と減益に転じたが、実態としては好調な決算だったと言える。
※直轄エリアは、関西2府4県(淡路島除く)、関東1都3県、九州(鹿児島県、沖縄県除く)及び北海道で、それ以外は地方エリアとしている。
2. 2024年10月期の業績見通し
2024年10月期の連結業績は、売上高で前期比7.9%増の498,000百万円、営業利益で同0.9%増の31,000百万円となる見通し。業績の前提となる「業務スーパー」の店舗数は前期末比35店舗増、既存店向け商品出荷額は前期比2%以上の伸長を見込んでいる。営業利益率が前期の6.7%から6.2%に低下するが、これは為替前提レートを前期の139.19円/ドルに対して円安水準を見込んでいることに加えて、物流費用の動向が不透明なこともあり販管費を保守的に見積もっていることが要因だ。一方で、経常利益はデリバティブ評価損などが無くなることを前提に、同10.1%増の33,000百万円と増益に転じる見通しである。消費者の節約志向は依然続いており、2023年12月の「業務スーパー」既存店向け出荷額も前年同月比6.9%増と好調が続いていることから、会社計画は達成可能な水準と弊社では見ている。
3. 中期経営計画と長期ビジョン
同社は新たな3ヶ年の「中期経営計画2024-2026」を発表した。最終年度となる2026年10月期に売上高5,430億円、営業利益370億円と年平均成長率約6%の増収増益を目指す。業務スーパー事業では、店舗数を1,130店舗以上、既存店向け商品出荷額を毎期2%以上伸ばすほか、PB商品売上比率を37%(前期34.57%)まで引き上げるため、グループ会社の生産能力増強に向けて毎期100億円以上の設備投資を実施する方針だ。外食・中食事業では、「プレミアムカルビ」のFC展開を開始し、全業態で200店舗(前期末148店舗)を目指す。また、長期ビジョンの数値目標も明らかにしている。具体的には、業務スーパー事業で1,500店舗以上、PB商品売上比率40%以上、外食・中食事業で500店舗以上を目標とし、連結営業利益率で10%以上を目指す。高品質な商品をベストプライスで提供することで顧客支持を得るとともに、ローコストオペレーション体制を維持し続けることができれば、長期ビジョンの達成も実現可能な水準と弊社では見ており、今後も食の製販一体企業として着実な成長が期待される。
■Key Points
・2023年10月期は業務スーパー事業を中心にすべての事業セグメントで過去最高業績を更新
・自己資本比率は50%台と健全な水準を維持、ネットキャッシュは500億円を上回る
・2024年10月期も節約志向の高まりを追い風に業務スーパー事業の好調が続く見通し
・2026年10月期に売上高5,430億円、営業利益370億円を目指す中期経営計画を策定
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SI>
神戸物産<3038>は農畜産物の生産から製造加工、小売販売まで自社グループで行う国内トップの食の製販一体企業である。食品スーパーの「業務スーパー」をフランチャイズ(以下、FC)展開しているほか、外食・中食事業やエコ再生エネルギー事業も手掛けている。店舗の徹底的な「ローコストオペレーション」と自社グループ商品の開発・生産技術力、輸入商品調達力を強みとし、顧客ニーズに合う商品をベストプライスで提供し続けることで成長を続けている。
1. 2023年10月期の業績概要
2023年10月期の連結業績は、売上高で前期比13.5%増の461,546百万円、営業利益で同10.4%増の30,717百万円と過去最高を更新し、会社計画(売上高440,000百万円、営業利益29,700百万円)に対しても上回って着地した。業務スーパー事業の業績が、「業務スーパー」の店舗数増加(前期末比41店舗増の1,048店舗)や、直轄エリア※の既存店(以下、既存店)向け商品出荷額の伸長(前期比7.7%増)により、売上高で同12.8%増、営業利益で同8.0%増となったことが主因だ。円安に伴う仕入れコストの上昇や原材料価格高騰の影響を値上げ効果などで吸収し、国内グループ会社の収益も総じて回復した。特に、下期に入って業界全体で食品の値上げが広がるなか消費者の節約志向が高まり、「業務スーパー」の来店客数増加につながったことが収益増に寄与した。営業外で為替変動に伴うデリバティブ評価損4,082百万円を計上したため、経常利益は同6.7%減の29,970百万円と減益に転じたが、実態としては好調な決算だったと言える。
※直轄エリアは、関西2府4県(淡路島除く)、関東1都3県、九州(鹿児島県、沖縄県除く)及び北海道で、それ以外は地方エリアとしている。
2. 2024年10月期の業績見通し
2024年10月期の連結業績は、売上高で前期比7.9%増の498,000百万円、営業利益で同0.9%増の31,000百万円となる見通し。業績の前提となる「業務スーパー」の店舗数は前期末比35店舗増、既存店向け商品出荷額は前期比2%以上の伸長を見込んでいる。営業利益率が前期の6.7%から6.2%に低下するが、これは為替前提レートを前期の139.19円/ドルに対して円安水準を見込んでいることに加えて、物流費用の動向が不透明なこともあり販管費を保守的に見積もっていることが要因だ。一方で、経常利益はデリバティブ評価損などが無くなることを前提に、同10.1%増の33,000百万円と増益に転じる見通しである。消費者の節約志向は依然続いており、2023年12月の「業務スーパー」既存店向け出荷額も前年同月比6.9%増と好調が続いていることから、会社計画は達成可能な水準と弊社では見ている。
3. 中期経営計画と長期ビジョン
同社は新たな3ヶ年の「中期経営計画2024-2026」を発表した。最終年度となる2026年10月期に売上高5,430億円、営業利益370億円と年平均成長率約6%の増収増益を目指す。業務スーパー事業では、店舗数を1,130店舗以上、既存店向け商品出荷額を毎期2%以上伸ばすほか、PB商品売上比率を37%(前期34.57%)まで引き上げるため、グループ会社の生産能力増強に向けて毎期100億円以上の設備投資を実施する方針だ。外食・中食事業では、「プレミアムカルビ」のFC展開を開始し、全業態で200店舗(前期末148店舗)を目指す。また、長期ビジョンの数値目標も明らかにしている。具体的には、業務スーパー事業で1,500店舗以上、PB商品売上比率40%以上、外食・中食事業で500店舗以上を目標とし、連結営業利益率で10%以上を目指す。高品質な商品をベストプライスで提供することで顧客支持を得るとともに、ローコストオペレーション体制を維持し続けることができれば、長期ビジョンの達成も実現可能な水準と弊社では見ており、今後も食の製販一体企業として着実な成長が期待される。
■Key Points
・2023年10月期は業務スーパー事業を中心にすべての事業セグメントで過去最高業績を更新
・自己資本比率は50%台と健全な水準を維持、ネットキャッシュは500億円を上回る
・2024年10月期も節約志向の高まりを追い風に業務スーパー事業の好調が続く見通し
・2026年10月期に売上高5,430億円、営業利益370億円を目指す中期経営計画を策定
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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