HSBC、気候技術企業への融資でグーグルと提携 目標10億ドル
Simon Jessop Sinead Cruise
[ロンドン 8日 ロイター] - 英銀行大手HSBCは、米グーグルと提携し、急成長している気候技術企業に融資を行うことで合意した。両社の幹部がロイターに明らかにした。
HSBCはグーグルが「グーグル・クラウド・レディー・サステナビリティー」プログラムへの参加を認めた気候技術企業への融資を検討する。
同プログラムへの参加に際しては、開発中の技術の質や効率、集客力をグーグルが検証している。
グーグル・クラウドのグローバル・サステナビリティー担当マネジングディレクター、ジャスティン・キーブル氏は「企業はサステナビリティー目標の達成を急ぎたいと考えているが、どのようなソリューションが問題解決に役立つのか、混乱も生じている」とし「企業がイノベーションにアクセスできるようHSBCが支援する」と述べた。
HSBCの気候技術・サステナブルファイナンス担当グローバルヘッド、マーティン・リチャーズ氏は、グーグルの審査により「一定の安心感が得られ、リスクの高い企業に融資を提供する「ベンチャーデット」契約について自行の判断を補完できると述べた。
HSBCは昨年、経営破綻した米シリコンバレーバンク(SVB)の英国法人を買収。SVBはベンチャーデット分野で重要な役割を果たしていたが、主流の金融機関はリスクを理由にこうした分野への進出を回避する傾向が強かった。
HSBCはSVB英国法人買収の半年後、気候技術企業に2030年までに10億ドルの資金供与を目指すと表明した。対象は電気自動車(EV)、蓄電池、持続可能な食料システムなど。
HSBCはグーグルとの提携に伴い、レベルテン・エナジーと初のベンチャーデット契約を結んだことも明らかにした。レベルテンは再生可能エネルギーの買い手と売り手が参加する市場を運営している。