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石油大手5社の株主還元、昨年は過去最高の1110億ドル

配信日時:2024/02/08 11:19 配信元:REUTERS

Ron Bousso

[ロンドン 7日 ロイター] - 欧米の石油大手BP、シェブロン、エクソンモービル、シェル、トタルエナジーズの5社が昨年、配当と自社株買いを通じて合計で過去最高となる1110億ドルを株主に還元したことが、ロイターの集計により明らかになった。化石燃料の将来見通しが不透明な中、自社の財務規律と強靭性を訴えて投資家を安心させる取り組みの一環だ。

5社の株主還元額は2022年の1100億ドルから若干増加した。22年はロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギー価格の高騰を受け、5社の合計利益は過去最高の1960億ドルを記録。だが23年の合計利益は1230億ドルに減少した。

シェブロンのマイク・ワース最高経営責任者(CEO)は2日、投資家に「地政学的混乱と経済的不確実性に見舞われた局面で、当社が掲げる目標に変わりはない。リターンの拡大と炭素排出量の削減を確実に実行することだ」と述べた。

年金基金などの機関投資家は伝統的に石油大手の株式を保有し続けている。石油大手の長期的に安定した配当が理由だ。

だがハイテクセクターの台頭に加え、過去10年間の過剰な支出による石油大手業績の大幅な悪化や、石油価格の激しい変動、環境への影響を巡る懸念の増大といった要因が、石油セクターへの投資意欲の減退につながった。

S&Pのデータによると、S&P総合500種にエネルギーセクターが占める比重は1月末時点で4.4%となり、過去10年間の約14%から低下した。

石油大手の経営戦略は近年、米国勢と欧州勢の間で分かれている。シェブロンとエクソンの米国勢が石油生産の拡大に重点を置く一方、BPとトタルエナジーズ、シェルの欧州勢は低炭素事業や再生可能エネルギーへの設備投資の比率を引き上げている。

しかし各社がここ数日間で表明した投資家へのメッセージは大方、「当社株を持ち続けて下さい。株主に還元しますので」という内容でほぼ一致している。

シェルのシニード・ゴーマン最高財務責任者(CFO)は先週、投資家に「当社は株主に魅力的な還元を確実に実行することに極めて大きな重点を置いている」と述べ、リターンを巡る「完璧な予測可能性」を約束した。

シェル、シェブロン、トタルエナジーズは昨年第4・四半期決算で配当を増やした一方、BPは自社株買いを拡大する方針を表明。エクソンは昨年、石油セクターとしては過去最高となる320億ドルを株主に還元した。

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