アマゾンが買い物支援AIサービス開始、自社に有利な商品へ誘導の疑念も
Arriana McLymore Greg Bensinger
[5日 ロイター] - アマゾン・ドット・コムが一部ユーザー向けに、生成人工知能(AI)を使ったネットショッピング支援サービス「Rufus」の提供を開始した。
アマゾンによると、Rufusに質問をすれば、ユーザーの要求に最も適した商品を答えてくれる。
アライアンスバーンスタインのコンセントレーティッド米成長株最高投資責任者を務めるジム・ティアニー氏はRufusの将来性について、AIとの会話を通じて顧客をより深く取り込み、収入や販売数量の増加につなげられると期待を示した。
ただ現時点でサービスの詳しい機能は公表されていない。アマゾンのアンディ・ジャシー最高経営責任者(CEO)はRufusによって「顧客は電子商取引のウェブサイトで可能だったのとは全く違う方法でさまざまな商品を発見できる」とだけ述べた。
一方で米連邦取引委員会(FTC)は2023年にアマゾンを相手取って起こした独占禁止法違反を巡る訴訟で、同社が自らにとって最も有利になる商品や最大の広告料が支払われた商品へ、検索結果の操作などで顧客を誘導してきたと主張。アマゾンはこれを否定して争う姿勢を見せているが、Rufusについてもそうした疑念はくすぶっている。
今のところRufusの回答が広告料金に左右されているようには見えないとはいえ、アマゾンはこれまで繰り返し広告収入を「お勧め商品」に反映させてきたと考えられている。
こうした中でD・A・デビッドソンのシニア・ソフトウエアアナリスト、ジル・ルリア氏は、アマゾンが消費者との信頼関係を構築するためには、当初はRufusの回答が広告の影響を受けないようにする必要がありそうだと指摘。「回答方法の面で信用を失えば、だれも質問しなくなる」と述べた。