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ビーアンドピー Research Memo(4):主力事業が業績を牽引、シェア拡大・機能拡大・領域拡大を積極的に展開
配信日時:2024/02/01 14:04
配信元:FISCO
*14:04JST ビーアンドピー Research Memo(4):主力事業が業績を牽引、シェア拡大・機能拡大・領域拡大を積極的に展開
■業績動向
1. 2023年10月期の業績概要
ビーアンドピー<7804>の2023年10月期の業績は、売上高3,174百万円(前期比8.9%増)、営業利益452百万円(同20.2%増)、経常利益453百万円(同20.1%増)、当期純利益300百万円(同24.8%増)と増収増益となった。売上高は過去最高を達成し、営業利益ほか各段階利益も大幅な増益となった。新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行に伴う経済活動の正常化に加え、2023年10月期より事業区分を2事業に変更し、新たに掲げた「シェア拡大」「機能拡大」「領域拡大」の3つの重点戦略を積極的に実行したことが増収増益につながった。売上高は案件の期ずれもあり会社計画の3,200百万円にわずかに届かなかったが、利益率の高いインクジェットプリントの受注が順調に推移したこと、インク、紙・シートなどの材料コスト上昇を適正な値上げでカバーしたこと、生産現場での人員配置の適正化が進み労務費が抑制できたことなどにより、売上総利益率は42.2%と前期比で1.2ポイント上回った。従業員の給与水準の引き上げなどで販管費は同68百万円増加したが、販管費率は28.0%と同0.1ポイント下回る水準に抑制し、営業利益率は14.2%と同1.3ポイント上回った。計画していた営業利益409百万円を10.6%上回るなど、各段階利益とも計画を上回る結果となった。
2. 2023年10月期のトピックス
シェア拡大に向けては、2022年11月に京都営業所を開設した。寺社の手書きのサインディスプレイや天井などの装飾をインクジェット印刷で受注するなど実績を積み上げながら、インバウンド増や2025年の大阪・万博開催の販促広告需要を取り込めるよう営業展開している。各拠点の営業体制においては、従来担当者1名が30社程度の取引先を担当していたが、これを2~3名で100社程度の取引先を担当するチーム制に変更し、顧客が常時ストレスなく担当者に連絡・発注できる環境整備を進めた。これにより納期対応が円滑に進み顧客満足度が上がるとともに、従業員の年休取得・リモート対応、情報・知識の共有が可能になり、顧客に対するワンストップ営業も実現したようだ。各拠点においては、併せて営業人員を増強したことで、新規・既往取引先の受注拡大につながった。
機能拡大に向けては、プロモーションセールス事業にオフセット印刷、シルクスクリーン印刷、オンデマンド印刷など少品種の中量・大量生産案件にも対応可能な部門を設けた。インクジェットだけでなく他の印刷も同社にまとめて発注したいという顧客の要望に応えた格好だ。同社としては、新たに設備投資することなく、オフセット印刷などの生産能力を持つ協業先と連携する形で対応している。デジタルサイネージ事業においては、スーパー、家電量販店、ドラッグストアなど量販店に展開するメーカーからの大型受注も確保できた。同社では、量販店など多店舗のサイネージを一括管理し、動画コンテンツなどをクラウドで配信できる「BPクラウド」の導入提案に注力しており、デジタルサイネージのハード機器とのセット購入や導入済みデジタルサイネージの管理ツールとして導入するケースが増加している。また、動画コンテンツ作成やデータ入替作業なども含めたデジタルサイネージの運営代行を依頼されるケースも増えているようだ。さらに、2023年6月に(株)OnePlanetと拡張現実(AR)技術に関する業務提携を行い、セールスプロモーション事業において新サービス「Promotion AR」を開始した。販売促進用広告物に2次元コードを印刷し、それをスマートフォンで読み込むことで販売促進に関連したARの世界を体験できるサービスである。同年8月に東京ビッグサイトで開催された「販促EXPO【夏】」に出展し、同年9月には埼玉西武ライオンズのイベント『西武特急シリーズ』において、同サービスを利用して好きな選手と記念写真が楽しめるARフォトコーナーの広告(看板・デジタルサイネージ)を担った。
生産面においても2023年5月に横浜ファクトリーと大阪本店に最新のカットマシーンを2台増設し、オートメーション化により生産効率が向上し、収益の拡大、省人化を実現した。これによって正社員の増員1名、パート・嘱託社員の増員8名のみで営業への人員再配置が可能となり、生産性も向上した。また、制作知識の共有化のため工程の可視化ソフトの開発を進めるほか、品質担保、クレーム低減に向けた検品システムを2024年10月期より導入するなど、制作原価を案件ごとに設定しながら品質の向上に努めている。
事業領域拡大に向けては、近年着実な成長を示しているキャラクタービジネス市場においてキャラクターグッズを扱う法人やコンテンツホルダーとの連携を目指して、2022年12月にオーダーグッズ制作事業を開始した。2023年1月にはテレビ番組『マヂラブのフラチャレ部!!~SDGsスポーツをやってみよう ~』でタレントが着用する衣装への企業ロゴのプリントを実施した。同社によれば、1年目からいきなりキャラクターを扱うのは権利の侵害、紛争などのリスクがあるため、イベントのノベルティグッズやメーカーの販促グッズの取扱実績を積み重ね、制作ノウハウを蓄積する方針のようだ。また、2022年8月に開設したサインディスプレイ専門サイト「インクイット」では、その運営を通じてネットを利用した集客ノウハウを蓄積した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
<SO>
1. 2023年10月期の業績概要
ビーアンドピー<7804>の2023年10月期の業績は、売上高3,174百万円(前期比8.9%増)、営業利益452百万円(同20.2%増)、経常利益453百万円(同20.1%増)、当期純利益300百万円(同24.8%増)と増収増益となった。売上高は過去最高を達成し、営業利益ほか各段階利益も大幅な増益となった。新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行に伴う経済活動の正常化に加え、2023年10月期より事業区分を2事業に変更し、新たに掲げた「シェア拡大」「機能拡大」「領域拡大」の3つの重点戦略を積極的に実行したことが増収増益につながった。売上高は案件の期ずれもあり会社計画の3,200百万円にわずかに届かなかったが、利益率の高いインクジェットプリントの受注が順調に推移したこと、インク、紙・シートなどの材料コスト上昇を適正な値上げでカバーしたこと、生産現場での人員配置の適正化が進み労務費が抑制できたことなどにより、売上総利益率は42.2%と前期比で1.2ポイント上回った。従業員の給与水準の引き上げなどで販管費は同68百万円増加したが、販管費率は28.0%と同0.1ポイント下回る水準に抑制し、営業利益率は14.2%と同1.3ポイント上回った。計画していた営業利益409百万円を10.6%上回るなど、各段階利益とも計画を上回る結果となった。
2. 2023年10月期のトピックス
シェア拡大に向けては、2022年11月に京都営業所を開設した。寺社の手書きのサインディスプレイや天井などの装飾をインクジェット印刷で受注するなど実績を積み上げながら、インバウンド増や2025年の大阪・万博開催の販促広告需要を取り込めるよう営業展開している。各拠点の営業体制においては、従来担当者1名が30社程度の取引先を担当していたが、これを2~3名で100社程度の取引先を担当するチーム制に変更し、顧客が常時ストレスなく担当者に連絡・発注できる環境整備を進めた。これにより納期対応が円滑に進み顧客満足度が上がるとともに、従業員の年休取得・リモート対応、情報・知識の共有が可能になり、顧客に対するワンストップ営業も実現したようだ。各拠点においては、併せて営業人員を増強したことで、新規・既往取引先の受注拡大につながった。
機能拡大に向けては、プロモーションセールス事業にオフセット印刷、シルクスクリーン印刷、オンデマンド印刷など少品種の中量・大量生産案件にも対応可能な部門を設けた。インクジェットだけでなく他の印刷も同社にまとめて発注したいという顧客の要望に応えた格好だ。同社としては、新たに設備投資することなく、オフセット印刷などの生産能力を持つ協業先と連携する形で対応している。デジタルサイネージ事業においては、スーパー、家電量販店、ドラッグストアなど量販店に展開するメーカーからの大型受注も確保できた。同社では、量販店など多店舗のサイネージを一括管理し、動画コンテンツなどをクラウドで配信できる「BPクラウド」の導入提案に注力しており、デジタルサイネージのハード機器とのセット購入や導入済みデジタルサイネージの管理ツールとして導入するケースが増加している。また、動画コンテンツ作成やデータ入替作業なども含めたデジタルサイネージの運営代行を依頼されるケースも増えているようだ。さらに、2023年6月に(株)OnePlanetと拡張現実(AR)技術に関する業務提携を行い、セールスプロモーション事業において新サービス「Promotion AR」を開始した。販売促進用広告物に2次元コードを印刷し、それをスマートフォンで読み込むことで販売促進に関連したARの世界を体験できるサービスである。同年8月に東京ビッグサイトで開催された「販促EXPO【夏】」に出展し、同年9月には埼玉西武ライオンズのイベント『西武特急シリーズ』において、同サービスを利用して好きな選手と記念写真が楽しめるARフォトコーナーの広告(看板・デジタルサイネージ)を担った。
生産面においても2023年5月に横浜ファクトリーと大阪本店に最新のカットマシーンを2台増設し、オートメーション化により生産効率が向上し、収益の拡大、省人化を実現した。これによって正社員の増員1名、パート・嘱託社員の増員8名のみで営業への人員再配置が可能となり、生産性も向上した。また、制作知識の共有化のため工程の可視化ソフトの開発を進めるほか、品質担保、クレーム低減に向けた検品システムを2024年10月期より導入するなど、制作原価を案件ごとに設定しながら品質の向上に努めている。
事業領域拡大に向けては、近年着実な成長を示しているキャラクタービジネス市場においてキャラクターグッズを扱う法人やコンテンツホルダーとの連携を目指して、2022年12月にオーダーグッズ制作事業を開始した。2023年1月にはテレビ番組『マヂラブのフラチャレ部!!~SDGsスポーツをやってみよう ~』でタレントが着用する衣装への企業ロゴのプリントを実施した。同社によれば、1年目からいきなりキャラクターを扱うのは権利の侵害、紛争などのリスクがあるため、イベントのノベルティグッズやメーカーの販促グッズの取扱実績を積み重ね、制作ノウハウを蓄積する方針のようだ。また、2022年8月に開設したサインディスプレイ専門サイト「インクイット」では、その運営を通じてネットを利用した集客ノウハウを蓄積した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
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