注目トピックス 市況・概況
国内株式市場見通し:FOMC結果待ちで小動きか、中国関連銘柄の動きにも注目
配信日時:2024/01/27 13:33
配信元:FISCO
*13:33JST 国内株式市場見通し:FOMC結果待ちで小動きか、中国関連銘柄の動きにも注目
■日経平均は半導体株に振り回される格好に
今週の日経平均は週間で212.2円安(-0.59%)の35751.07円と1月に入って初めての下落となった。ナスダックやフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が大幅高となったことから、週初から東エレク<8035>やアドバンテスト<6857>など値がさ半導体株に買いが集中。日経平均は36000円台に乗せた後も上げ幅を拡大し、22日には36500円台まで上昇した。23日も買い優勢の地合いは変わらず、37000円まであと少しの水準に迫った。
しかし、日本銀行の金融政策決定会合(日銀会合)の結果が「金融政策の現状維持」と伝わると相場は一変。大型株を中心に売り優勢の展開となった。「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」にて「物価目標の達成に向けた確度は引き続き、少しずつ高まっている」と記載されたことで、「金融政策の正常化」に踏み出す時期は近いと見た投資家が、目先の利益確定売りに動いたもよう。24日には、10年国債利回りが0.7%台まで上昇したことから、不動産株が売られ、銀行株が買われるなど「金利に絡んだトレード」も観測。週末は、米半導体大手インテルの決算内容が嫌気されて、半導体株が総じて売られる展開に。日経平均は36000円台を割り込み、週足ベースでは長い上影(上ヒゲ)陰線を残した。
なお、東証発表の1月第3週(15-19日)の投資主体別売買動向(二市場合計)によると、現物において外国人投資家は3841億円と買い越しを継続している。一方、個人投資家は1855億円と売り越しを継続。1月第2週に続き外国人投資家の買いに個人投資家が売り向かうという構図とはなっていたが、外国人投資家の買い越し幅は1月第2週の9589億円から大幅に減少した。
■FOMC終了まで様子見ムード続くか
日銀会合後の植田和男日銀総裁の記者会見では、展望リポートにあった「物価目標の達成に向けた確度は引き続き、少しずつ高まっている」を複数回発言。また、「3月会合に向けては賃金、経済、物価関係のデータがある程度出てくる」との発言もあった。一方、「長期金利コントロールの枠組みをマイナス金利解除後もある程度残すつもり」とも発言しており、金融緩和政策の基本的な枠組み維持の可能性も示唆した。
市場では、4月のマイナス金利解除がコンセンサスとなりつつあったが、3月解除の期待も高まったことから、「国債利回り上昇、株売り」という相場になった。ただ、為替は日銀会合後も1ドル=146~148円台で推移し、目立った円高ドル安進行とはなっていない。既にマイナス金利解除はある程度織り込まれており、大幅な円高は進まないという見方もある。来週は、米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えていることもあり、引き続き様子見ムードが強まる要因となろう。為替は日米金利差が重要視されるため、為替が動くのはFOMC終了後となりそうだ。
■まだ中国関連銘柄は個別物色に留まるか
中国当局は預金準備率を0.5%引き下げるなど景気刺激策を行ったことから、上海総合指数、香港ハンセン指数はやや持ち直す動きが見られている。ただ、ニデック<6594>が電気自動車部品の中国市場での不振を理由に今期純利益を下方修正するなど中国関連銘柄への風当たりは強いままだ。ファナック<6954>、村田製作所<6981>などの年始からのパフォーマンスは、日経平均およびTOPIX比では弱い。来週以降、決算発表が本格化を迎えることから、決算をきっかけとした「アク抜け」の動きが中国関連銘柄に入るか注目したい。
26日の大引け後に発表されたファナックの決算は、今期業績予想を上方修正し、市場予想を上回った一方、信越化<4063>は、第3四半期営業利益が1776億円と市場予想1945億円前後を下回った。決算を受けての個別物色中心となり、中国関連銘柄が総じて買われる地合いというのは先となりそうな状況か。
なお、今週末の米国株式市場はまちまち。ダウ平均は前日比60.3ドル(+0.16%)高の38109.43ドル、ナスダックは同55.13ポイント安(-0.36%)の15455.36、S&P500は同3.19ポイント安(-0.07%)の4890.97ポイントで取引を終了した。大証ナイト・セッションの日経225先物(225ナイト)は、通常取引終値比230円高の35910円で取引を終えた。週明けの日経平均は35900円前後まで戻してスタートする可能性はあるが、まちまちな外部環境を受けて、強い反発となるかは難しいところだ。
■FOMC、米雇用統計など控える
来週は、国内では、1月30日に12月雇用統計、31日に12月鉱工業生産(速報値)、1月消費者態度指数などが予定されている。
海外では、30日に豪・12月小売売上高、独・10-12月期GDP(速報値)、欧・10-12月期GDP(速報値)、米・11月S&P/コアロジックCS20都市住宅価格指数、米・1月コンファレンスボード消費者信頼感指数、米・12月JOLTS求人件数、31日に豪・10-12月期消費者物価指数、中・1月製造業PMI、独・12月小売売上高、独・1月消費者物価指数(速報値)、米・1月ADP雇用統計、米・FOMC終了後政策金利発表、2月1日に英・英中銀政策金利発表、米・1月製造業PMI(改訂値)、米・1月ISM製造業景気指数、2日に米・1月雇用統計、などが予定されている。
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今週の日経平均は週間で212.2円安(-0.59%)の35751.07円と1月に入って初めての下落となった。ナスダックやフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が大幅高となったことから、週初から東エレク<8035>やアドバンテスト<6857>など値がさ半導体株に買いが集中。日経平均は36000円台に乗せた後も上げ幅を拡大し、22日には36500円台まで上昇した。23日も買い優勢の地合いは変わらず、37000円まであと少しの水準に迫った。
しかし、日本銀行の金融政策決定会合(日銀会合)の結果が「金融政策の現状維持」と伝わると相場は一変。大型株を中心に売り優勢の展開となった。「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」にて「物価目標の達成に向けた確度は引き続き、少しずつ高まっている」と記載されたことで、「金融政策の正常化」に踏み出す時期は近いと見た投資家が、目先の利益確定売りに動いたもよう。24日には、10年国債利回りが0.7%台まで上昇したことから、不動産株が売られ、銀行株が買われるなど「金利に絡んだトレード」も観測。週末は、米半導体大手インテルの決算内容が嫌気されて、半導体株が総じて売られる展開に。日経平均は36000円台を割り込み、週足ベースでは長い上影(上ヒゲ)陰線を残した。
なお、東証発表の1月第3週(15-19日)の投資主体別売買動向(二市場合計)によると、現物において外国人投資家は3841億円と買い越しを継続している。一方、個人投資家は1855億円と売り越しを継続。1月第2週に続き外国人投資家の買いに個人投資家が売り向かうという構図とはなっていたが、外国人投資家の買い越し幅は1月第2週の9589億円から大幅に減少した。
■FOMC終了まで様子見ムード続くか
日銀会合後の植田和男日銀総裁の記者会見では、展望リポートにあった「物価目標の達成に向けた確度は引き続き、少しずつ高まっている」を複数回発言。また、「3月会合に向けては賃金、経済、物価関係のデータがある程度出てくる」との発言もあった。一方、「長期金利コントロールの枠組みをマイナス金利解除後もある程度残すつもり」とも発言しており、金融緩和政策の基本的な枠組み維持の可能性も示唆した。
市場では、4月のマイナス金利解除がコンセンサスとなりつつあったが、3月解除の期待も高まったことから、「国債利回り上昇、株売り」という相場になった。ただ、為替は日銀会合後も1ドル=146~148円台で推移し、目立った円高ドル安進行とはなっていない。既にマイナス金利解除はある程度織り込まれており、大幅な円高は進まないという見方もある。来週は、米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えていることもあり、引き続き様子見ムードが強まる要因となろう。為替は日米金利差が重要視されるため、為替が動くのはFOMC終了後となりそうだ。
■まだ中国関連銘柄は個別物色に留まるか
中国当局は預金準備率を0.5%引き下げるなど景気刺激策を行ったことから、上海総合指数、香港ハンセン指数はやや持ち直す動きが見られている。ただ、ニデック<6594>が電気自動車部品の中国市場での不振を理由に今期純利益を下方修正するなど中国関連銘柄への風当たりは強いままだ。ファナック<6954>、村田製作所<6981>などの年始からのパフォーマンスは、日経平均およびTOPIX比では弱い。来週以降、決算発表が本格化を迎えることから、決算をきっかけとした「アク抜け」の動きが中国関連銘柄に入るか注目したい。
26日の大引け後に発表されたファナックの決算は、今期業績予想を上方修正し、市場予想を上回った一方、信越化<4063>は、第3四半期営業利益が1776億円と市場予想1945億円前後を下回った。決算を受けての個別物色中心となり、中国関連銘柄が総じて買われる地合いというのは先となりそうな状況か。
なお、今週末の米国株式市場はまちまち。ダウ平均は前日比60.3ドル(+0.16%)高の38109.43ドル、ナスダックは同55.13ポイント安(-0.36%)の15455.36、S&P500は同3.19ポイント安(-0.07%)の4890.97ポイントで取引を終了した。大証ナイト・セッションの日経225先物(225ナイト)は、通常取引終値比230円高の35910円で取引を終えた。週明けの日経平均は35900円前後まで戻してスタートする可能性はあるが、まちまちな外部環境を受けて、強い反発となるかは難しいところだ。
■FOMC、米雇用統計など控える
来週は、国内では、1月30日に12月雇用統計、31日に12月鉱工業生産(速報値)、1月消費者態度指数などが予定されている。
海外では、30日に豪・12月小売売上高、独・10-12月期GDP(速報値)、欧・10-12月期GDP(速報値)、米・11月S&P/コアロジックCS20都市住宅価格指数、米・1月コンファレンスボード消費者信頼感指数、米・12月JOLTS求人件数、31日に豪・10-12月期消費者物価指数、中・1月製造業PMI、独・12月小売売上高、独・1月消費者物価指数(速報値)、米・1月ADP雇用統計、米・FOMC終了後政策金利発表、2月1日に英・英中銀政策金利発表、米・1月製造業PMI(改訂値)、米・1月ISM製造業景気指数、2日に米・1月雇用統計、などが予定されている。
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