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ダイコク電 Research Memo(8):「スマート遊技機」登場による業績回復・拡大をもとに持続的な成長基盤を整備
配信日時:2024/01/26 16:08
配信元:FISCO
*16:08JST ダイコク電 Research Memo(8):「スマート遊技機」登場による業績回復・拡大をもとに持続的な成長基盤を整備
■過去の業績推移
過去の業績を振り返ると、個人消費の冷え込みと東日本大震災の影響とが重なった2011年3月期に業績の落ち込みがあったが、その後はパチンコホール業界が縮小傾向にあるなかでも、ダイコク電機<6430>の業績は順調に回復した。特に高い市場シェアを誇る「情報システム事業」は、2015年3月期まで3期連続で過去最高の売上高を更新し、同社の業績を支えてきた。ただ、2016年3月期以降は、業界におけるマイナス材料(自主規制や「回収・撤去」の影響、「新規則」に伴う先行き不透明感など)に加え、2020年に入ってからの「コロナ禍」の影響等も重なり、売上高は低調に推移した。ところが、2023年3月期は「コロナ禍」からの回復に加え、2022年11月より市場導入されたスマートパチスロにより市場環境は一変し、それに伴って同社の業績も「情報システム事業」を軸に回復・拡大している。
また、利益面では、「情報システム事業」が同社の収益源となっており、高い利益率が維持されてきた。2014年3月期から2016年3月期までは次世代製品群向けの研究開発費の増加等により利益率は低下している。2018年3月期から2022年3月期までの期間は、次世代製品群向けの研究開発費が一巡したものの、売上高の低迷等により利益率も過去の高い水準には戻ることはなかった。もっとも、2023年3月期は、売上高の回復や高付加価値製品の販売増により、「情報システム事業」の利益率は大きく改善してきた。また、MGサービスの伸長などストック型ビジネスモデルへの転換は着実に進んでおり、その点も収益の下支え要因となっている。
財務面では、財務基盤の安定性を示す自己資本比率は、内部留保の積み上げ等により上昇傾向で推移してきた。2023年3月期は売上高の急拡大により売掛金等の資産が増加し自己資本比率は若干低下したものの、69.2%の高水準を確保している。また、短期の支払能力を示す流動比率についても、潤沢な現金及び預金を中心に約240%の水準を確保しており、盤石な財務基盤は今後の成長に向けた原動力としても強みと言える。一方、資本効率性を示すROEは2015年3月期以降、低調に推移してきた。いずれも最終損益の落ち込みによるものであり、2015年3月期は取引先メーカーの自己破産に伴う損失、2016年3月期は自主規制の影響に伴う専用部材(パチスロ機関連)の評価替えに伴う損失が原因となった。ただ、2023年3月期は利益の回復とともにROEも大きく改善している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<SI>
過去の業績を振り返ると、個人消費の冷え込みと東日本大震災の影響とが重なった2011年3月期に業績の落ち込みがあったが、その後はパチンコホール業界が縮小傾向にあるなかでも、ダイコク電機<6430>の業績は順調に回復した。特に高い市場シェアを誇る「情報システム事業」は、2015年3月期まで3期連続で過去最高の売上高を更新し、同社の業績を支えてきた。ただ、2016年3月期以降は、業界におけるマイナス材料(自主規制や「回収・撤去」の影響、「新規則」に伴う先行き不透明感など)に加え、2020年に入ってからの「コロナ禍」の影響等も重なり、売上高は低調に推移した。ところが、2023年3月期は「コロナ禍」からの回復に加え、2022年11月より市場導入されたスマートパチスロにより市場環境は一変し、それに伴って同社の業績も「情報システム事業」を軸に回復・拡大している。
また、利益面では、「情報システム事業」が同社の収益源となっており、高い利益率が維持されてきた。2014年3月期から2016年3月期までは次世代製品群向けの研究開発費の増加等により利益率は低下している。2018年3月期から2022年3月期までの期間は、次世代製品群向けの研究開発費が一巡したものの、売上高の低迷等により利益率も過去の高い水準には戻ることはなかった。もっとも、2023年3月期は、売上高の回復や高付加価値製品の販売増により、「情報システム事業」の利益率は大きく改善してきた。また、MGサービスの伸長などストック型ビジネスモデルへの転換は着実に進んでおり、その点も収益の下支え要因となっている。
財務面では、財務基盤の安定性を示す自己資本比率は、内部留保の積み上げ等により上昇傾向で推移してきた。2023年3月期は売上高の急拡大により売掛金等の資産が増加し自己資本比率は若干低下したものの、69.2%の高水準を確保している。また、短期の支払能力を示す流動比率についても、潤沢な現金及び預金を中心に約240%の水準を確保しており、盤石な財務基盤は今後の成長に向けた原動力としても強みと言える。一方、資本効率性を示すROEは2015年3月期以降、低調に推移してきた。いずれも最終損益の落ち込みによるものであり、2015年3月期は取引先メーカーの自己破産に伴う損失、2016年3月期は自主規制の影響に伴う専用部材(パチスロ機関連)の評価替えに伴う損失が原因となった。ただ、2023年3月期は利益の回復とともにROEも大きく改善している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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