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ジェイ・エス・ビー Research Memo(1):学生マンションの先駆者として2030年長期ビジョンの達成にまい進
配信日時:2024/01/26 14:31
配信元:FISCO
*14:31JST ジェイ・エス・ビー Research Memo(1):学生マンションの先駆者として2030年長期ビジョンの達成にまい進
■要約
ジェイ・エス・ビー<3480>は、Japan Students Bureau(日本学生公社)の頭文字であり、主に学生を対象としたマンション(以下、学生マンション)の企画・賃貸・管理を行い、全国に展開する学生マンションの物件管理戸数85,000戸超を誇る業界トップ企業である。年々物件管理戸数を増やしながら、100%近い入居率を維持し、不動産賃貸管理事業が売上高の95%弱を占めている。高齢者住宅事業にも参入し、関西地区を中心にドミナント戦略を推進してきたが、2023年11月に同事業を譲渡し、今後は不動産賃貸管理事業に経営資源を集中投下する。同社は「豊かな生活空間の創造」を経営理念に成長を続け、2022年4月には東京証券取引所(以下、東証)プライム市場に移行した。新中期経営計画(2024年10月期~2026年10月期)の推進により、2030年長期ビジョンの達成に向けてさらなる進化と成長を目指している。
1. 2023年10月期の業績概要
2023年10月期の業績は、売上高63,781百万円(前期比10.1%増)、営業利益7,187百万円(同13.9%増)の大幅な増収増益を達成した。営業利益は期初予想を6.0%上回る好決算であった。国内経済は新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)からの緩やかな回復が見られる一方、エネルギー・資源価格の高騰や円安の進行、金利上昇など先行き不透明な状況が続いた。不動産賃貸管理事業は、積極的な自社所有物件開発に伴う物件管理戸数の増加や100%に近い入居率の確保により大幅な増収増益を続け、高い利益率を維持した。高齢者住宅事業でも、地域課題を解決するプラットフォームとしての機能強化に伴い稼働率が改善し、大幅増益で利益率が改善した。配当については、期末配当を普通配当20.0円(2023年11月1日付の株式分割を遡及修正後、以下同)、記念配当11.5円、合計31.5円(同9.5円増)とした。配当金総額と自己株式取得とを合わせた総還元性向20%以上を継続しており、株主還元にも十分に配慮している。また、自己資本比率は46.5%と東証プライム市場不動産業平均を大きく上回る高い財務安全性を確保している。ROA(総資産経常利益率)11.3%、ROE(自己資本当期純利益率)16.5%と、こちらも業界平均を大きく上回っており、収益性も高いと評価できる。
2. 2024年10月期の業績見通し
2024年10月期業績については、売上高68,652百万円(前期比7.6%増)、営業利益7,549百万円(同5.0%増)と、引き続き増収増益を計画している。2024年10月期は対面・非対面双方を活用した営業戦略を推進するとともに、原材料価格等の高騰を背景にコスト高を想定している。ただ、同社の期初業績予想は保守的であり、予想を達成する可能性が高いと弊社では見ている。不動産賃貸管理事業では、物件管理戸数の増加、高い入居率の維持、対面・非対面双方を活用した営業戦略を引き続き推進する。2023年11月に高齢者住宅事業を譲渡し、今後は同社グループの主力である不動産賃貸管理事業に集中的に経営資源を投下する。また、株式の流動性を高めるために2023年11月1日付で株式分割を行った。株式分割後の配当については、普通配当41.0円、特別配当20.0円、合計61円(遡及修正後ベースで同29.5円増)への大幅増配を計画している。引き続き自己株式取得と合わせた総還元性向20%以上を目標としており、株主還元にも前向きと言える。順調な業績と株主還元策により、投資家の評価はさらに高まるものと弊社では見ている。
3. 新中期経営計画
同社は、2030年長期ビジョン「Grow Together 2030」実現の第1ステージとして中期経営計画「GT01」(2021年10月期~2023年10月期)を推進し、売上高61,973百万円、営業利益6,074百万円の当初計画を大幅に超過達成して着地した。また、業績目標達成に向けた各施策も、予定どおり、あるいは予定を上回る進捗であった。新たに第2ステージとして新中期経営計画「GT02」(2024年10月期~2026年10月期)を発表し、2026年10月期に売上高78,813百万円(年平均成長率7.3%)、営業利益8,727百万円(同6.7%)を掲げている。また、ROE15%以上、自己資本比率40%以上、物件管理戸数104,000戸、投資総額約300億円などを目標としている。これらの目標達成のために、不動産賃貸管理事業では、業務改革と組織改革による両利きの経営基盤の構築などを目指す。また、新規事業では、若者成長支援サービス事業モデルの確立などを目指す。さらに、ESG環境・社会・ガバナンス、SDGsへの取り組みも戦略に組み込む。なお、2027年10月期からの第3ステージでの飛躍的成長を目指して、新中期経営計画では業務改革や組織改革への投資を先行させるために、これまでの実績に比べて慎重な増益率を想定している。今後の業績及び事業戦略の進捗状況に注目したい。
■Key Points
・学生マンションのトップ企業。全国展開により年々物件管理戸数を増やしながら、100%近い入居率を維持。高齢者住宅事業は譲渡し、今後は不動産賃貸管理事業に経営資源を集中投下
・2023年10月期は期初予想を上回る増収増益を達成。増配と自己株式取得により連結総還元性向20%超を継続し、株主還元に前向き。高い自己資本比率を維持し安全性は高く、ROA・ROEも業界平均を大きく上回り収益性も高い
・2024年10月期は不動産賃貸管理事業を中心に大幅な増収増益を計画するが、従来通り保守的な予想
・中期経営計画は目標数値を大幅に超過達成。新中期経営計画「GTO2」では、2026年10月期に売上高78,813百万円、営業利益8,727百万円などを目標とする
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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ジェイ・エス・ビー<3480>は、Japan Students Bureau(日本学生公社)の頭文字であり、主に学生を対象としたマンション(以下、学生マンション)の企画・賃貸・管理を行い、全国に展開する学生マンションの物件管理戸数85,000戸超を誇る業界トップ企業である。年々物件管理戸数を増やしながら、100%近い入居率を維持し、不動産賃貸管理事業が売上高の95%弱を占めている。高齢者住宅事業にも参入し、関西地区を中心にドミナント戦略を推進してきたが、2023年11月に同事業を譲渡し、今後は不動産賃貸管理事業に経営資源を集中投下する。同社は「豊かな生活空間の創造」を経営理念に成長を続け、2022年4月には東京証券取引所(以下、東証)プライム市場に移行した。新中期経営計画(2024年10月期~2026年10月期)の推進により、2030年長期ビジョンの達成に向けてさらなる進化と成長を目指している。
1. 2023年10月期の業績概要
2023年10月期の業績は、売上高63,781百万円(前期比10.1%増)、営業利益7,187百万円(同13.9%増)の大幅な増収増益を達成した。営業利益は期初予想を6.0%上回る好決算であった。国内経済は新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)からの緩やかな回復が見られる一方、エネルギー・資源価格の高騰や円安の進行、金利上昇など先行き不透明な状況が続いた。不動産賃貸管理事業は、積極的な自社所有物件開発に伴う物件管理戸数の増加や100%に近い入居率の確保により大幅な増収増益を続け、高い利益率を維持した。高齢者住宅事業でも、地域課題を解決するプラットフォームとしての機能強化に伴い稼働率が改善し、大幅増益で利益率が改善した。配当については、期末配当を普通配当20.0円(2023年11月1日付の株式分割を遡及修正後、以下同)、記念配当11.5円、合計31.5円(同9.5円増)とした。配当金総額と自己株式取得とを合わせた総還元性向20%以上を継続しており、株主還元にも十分に配慮している。また、自己資本比率は46.5%と東証プライム市場不動産業平均を大きく上回る高い財務安全性を確保している。ROA(総資産経常利益率)11.3%、ROE(自己資本当期純利益率)16.5%と、こちらも業界平均を大きく上回っており、収益性も高いと評価できる。
2. 2024年10月期の業績見通し
2024年10月期業績については、売上高68,652百万円(前期比7.6%増)、営業利益7,549百万円(同5.0%増)と、引き続き増収増益を計画している。2024年10月期は対面・非対面双方を活用した営業戦略を推進するとともに、原材料価格等の高騰を背景にコスト高を想定している。ただ、同社の期初業績予想は保守的であり、予想を達成する可能性が高いと弊社では見ている。不動産賃貸管理事業では、物件管理戸数の増加、高い入居率の維持、対面・非対面双方を活用した営業戦略を引き続き推進する。2023年11月に高齢者住宅事業を譲渡し、今後は同社グループの主力である不動産賃貸管理事業に集中的に経営資源を投下する。また、株式の流動性を高めるために2023年11月1日付で株式分割を行った。株式分割後の配当については、普通配当41.0円、特別配当20.0円、合計61円(遡及修正後ベースで同29.5円増)への大幅増配を計画している。引き続き自己株式取得と合わせた総還元性向20%以上を目標としており、株主還元にも前向きと言える。順調な業績と株主還元策により、投資家の評価はさらに高まるものと弊社では見ている。
3. 新中期経営計画
同社は、2030年長期ビジョン「Grow Together 2030」実現の第1ステージとして中期経営計画「GT01」(2021年10月期~2023年10月期)を推進し、売上高61,973百万円、営業利益6,074百万円の当初計画を大幅に超過達成して着地した。また、業績目標達成に向けた各施策も、予定どおり、あるいは予定を上回る進捗であった。新たに第2ステージとして新中期経営計画「GT02」(2024年10月期~2026年10月期)を発表し、2026年10月期に売上高78,813百万円(年平均成長率7.3%)、営業利益8,727百万円(同6.7%)を掲げている。また、ROE15%以上、自己資本比率40%以上、物件管理戸数104,000戸、投資総額約300億円などを目標としている。これらの目標達成のために、不動産賃貸管理事業では、業務改革と組織改革による両利きの経営基盤の構築などを目指す。また、新規事業では、若者成長支援サービス事業モデルの確立などを目指す。さらに、ESG環境・社会・ガバナンス、SDGsへの取り組みも戦略に組み込む。なお、2027年10月期からの第3ステージでの飛躍的成長を目指して、新中期経営計画では業務改革や組織改革への投資を先行させるために、これまでの実績に比べて慎重な増益率を想定している。今後の業績及び事業戦略の進捗状況に注目したい。
■Key Points
・学生マンションのトップ企業。全国展開により年々物件管理戸数を増やしながら、100%近い入居率を維持。高齢者住宅事業は譲渡し、今後は不動産賃貸管理事業に経営資源を集中投下
・2023年10月期は期初予想を上回る増収増益を達成。増配と自己株式取得により連結総還元性向20%超を継続し、株主還元に前向き。高い自己資本比率を維持し安全性は高く、ROA・ROEも業界平均を大きく上回り収益性も高い
・2024年10月期は不動産賃貸管理事業を中心に大幅な増収増益を計画するが、従来通り保守的な予想
・中期経営計画は目標数値を大幅に超過達成。新中期経営計画「GTO2」では、2026年10月期に売上高78,813百万円、営業利益8,727百万円などを目標とする
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
<AS>
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