注目トピックス 市況・概況
国内株式市場見通し:バブル後高値更新だが「幻のSQ値」が示現、TOPIXコア30銘柄への資金流入継続なるか
配信日時:2024/01/13 14:00
配信元:FISCO
*14:00JST 国内株式市場見通し:バブル後高値更新だが「幻のSQ値」が示現、TOPIXコア30銘柄への資金流入継続なるか
■時価総額が大きい株が買われる展開に
今週の日経平均は週間で2199.69円高(+6.59%)の35577.11円と大幅高。連休明け9日の東京市場は、米国株式市場で、ナスダック総合指数やフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が強い動きを見せたことから、買い優勢で取引を開始。日経平均は取引時間中の昨年来高値(33853.46円)を突破した。その後、半導体株だけではなく、TOPIXコア30銘柄などの時価総額が大きい銘柄をはじめ幅広い銘柄に買いが入ったことから、日経平均は連日でバブル後の高値を更新。為替市場でも、円安ドル高傾向が続いたことで、輸出関連銘柄も買われた。11日が1月限日経平均先物ミニ・オプションの取引最終日であったことから特別清算指数(SQ値)に絡んだ思惑なども影響したもよう。TOPIXも一段高の展開となった。12日は好決算を材料にファーストリテ<9983>が急伸したことから、日経平均は寄り付き直後に35800円台まで上昇。さすがに短期的な過熱感などが意識されて、その後は上げ幅を縮小したが、プライム市場の時価総額が大きい銘柄を中心とした強い地合いは継続した。なお、週末に算出されたSQ値は一度も12日の取引時間中に付けることができなかったため「幻のSQ値」となった。
■15日には東証が「PBR改革」対応リストを開示
昨年、日経平均のけん引役だった東エレク<8035>、アドバンテスト<6857>など半導体株はしっかりだが、相対的には伸び悩んでいる。また、年末にかけて上場来高値を更新するなど強い動きが目立っていた海運株も足元一服。今週は、ソニーグループ<6758>、HOYA<7741>、SMC<6273>、キーエンス<6861>などTOPIXコア30銘柄の上げが目立った。一方、個人投資家の少額投資非課税制度(NISA)資金が流入しやすいと見られているトヨタ自<7203>や三菱UFJ<8306>などは週末に反落した。時価総額が大きく投資単位が100万円を軽く超える銘柄が買われたことから、足元の日本株を押し上げている投資主体は海外投資家と推測する。
今週末の米国株式市場はまちまち。ダウ平均は前日比118.04ドル安(-0.31%)の37592.98ドル、ナスダックは2.58ポイント高(+0.02%)の14972.76ポイント、S&P500は3.59ポイント高(+0.08%)の4783.83ポイントで取引を終了した。12日の大証ナイト・セッションの日経225先物は、日中取引終値比70円安の35540円。週明けの東京市場は横ばいスタートでスタートする公算が大きい。
来週のポイントは、時価総額が大きい銘柄への資金流入が続くかどうかである。週末、バブル後の高値圏の36000円手前で長い上影(上ヒゲ)を残したことから、テクニカル的には買い一服となりやすい状況にある。また、「幻のSQ値」が示現したことも投資家心理にはマイナスとなろう。一方、東京証券取引所が主導するコーポレートガバナンス改革の一環として、週明けの15日に「資本コストや株価を意識した経営の実現」に対応した企業の一覧表を東証が開示する。この開示は毎月更新されることから、「バブル後の高値を更新する日本株を持たざるリスク」を意識した海外投資家の投資マネー流入継続は期待されるところだ。
■CPIの結果に注目
国内では来週、19日に12月消費者物価指数(CPI)の発表を控えている。市場予想は前年比2.6%上昇と11月の同2.8%上昇より鈍化する見通しだ。生鮮食品除くコアの市場予想も同2.3%上昇と11月の同2.5%上昇を下回っている。既に1月末に開催される日本銀行の金融政策決定会合(日銀会合)での「金融政策の正常化」への思惑は後退していることから、市場予想通りの鈍化が確認された場合、為替市場および株式市場への影響は限定的だろう。
一方、3月の春闘の結果後に、4月の日銀会合で「金融政策の正常化」に踏み出すとの思惑は根強く残っている。仮に19日の12月CPIが市場予想を上回る強い数字になった際、「金融政策の正常化」思惑が高まることで、為替市場では円高が進行し、足元の株高のはしごが外される可能性はあろう。もっとも、東証によるコーポレートガバナンス改革を期待した海外投資家の買いが根底にあると考えていることから、TOPIXコア30銘柄や日経平均などの強いトレンドが転換するほど売り込まれる想定はしていない。ただ、足元の日本株買いの背景には、「金融政策の正常化」の後ろ倒しの思惑が存在することから週末の12月CPIの結果は注目したいところだ。
■中国10-12月期GDPなどが予定
来週、国内では、16日に12月国内企業物価指数、18日に11月機械受注、11月鉱工業生産(確報値)、19日に12月消費者物価指数などが予定されている。海外では、15日に欧・11月鉱工業生産指数、16日に英・12月雇用統計、米・1月ニューヨーク連銀製造業景気指数、17日に中・10-12月期GDP、中・12月小売売上高/鉱工業生産指数、英・12月消費者物価指数、米・12月小売売上高/鉱工業生産指数、18日に米・1月フィラデルフィア連銀製造業景況指数などが予定されている。
<FA>
今週の日経平均は週間で2199.69円高(+6.59%)の35577.11円と大幅高。連休明け9日の東京市場は、米国株式市場で、ナスダック総合指数やフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が強い動きを見せたことから、買い優勢で取引を開始。日経平均は取引時間中の昨年来高値(33853.46円)を突破した。その後、半導体株だけではなく、TOPIXコア30銘柄などの時価総額が大きい銘柄をはじめ幅広い銘柄に買いが入ったことから、日経平均は連日でバブル後の高値を更新。為替市場でも、円安ドル高傾向が続いたことで、輸出関連銘柄も買われた。11日が1月限日経平均先物ミニ・オプションの取引最終日であったことから特別清算指数(SQ値)に絡んだ思惑なども影響したもよう。TOPIXも一段高の展開となった。12日は好決算を材料にファーストリテ<9983>が急伸したことから、日経平均は寄り付き直後に35800円台まで上昇。さすがに短期的な過熱感などが意識されて、その後は上げ幅を縮小したが、プライム市場の時価総額が大きい銘柄を中心とした強い地合いは継続した。なお、週末に算出されたSQ値は一度も12日の取引時間中に付けることができなかったため「幻のSQ値」となった。
■15日には東証が「PBR改革」対応リストを開示
昨年、日経平均のけん引役だった東エレク<8035>、アドバンテスト<6857>など半導体株はしっかりだが、相対的には伸び悩んでいる。また、年末にかけて上場来高値を更新するなど強い動きが目立っていた海運株も足元一服。今週は、ソニーグループ<6758>、HOYA<7741>、SMC<6273>、キーエンス<6861>などTOPIXコア30銘柄の上げが目立った。一方、個人投資家の少額投資非課税制度(NISA)資金が流入しやすいと見られているトヨタ自<7203>や三菱UFJ<8306>などは週末に反落した。時価総額が大きく投資単位が100万円を軽く超える銘柄が買われたことから、足元の日本株を押し上げている投資主体は海外投資家と推測する。
今週末の米国株式市場はまちまち。ダウ平均は前日比118.04ドル安(-0.31%)の37592.98ドル、ナスダックは2.58ポイント高(+0.02%)の14972.76ポイント、S&P500は3.59ポイント高(+0.08%)の4783.83ポイントで取引を終了した。12日の大証ナイト・セッションの日経225先物は、日中取引終値比70円安の35540円。週明けの東京市場は横ばいスタートでスタートする公算が大きい。
来週のポイントは、時価総額が大きい銘柄への資金流入が続くかどうかである。週末、バブル後の高値圏の36000円手前で長い上影(上ヒゲ)を残したことから、テクニカル的には買い一服となりやすい状況にある。また、「幻のSQ値」が示現したことも投資家心理にはマイナスとなろう。一方、東京証券取引所が主導するコーポレートガバナンス改革の一環として、週明けの15日に「資本コストや株価を意識した経営の実現」に対応した企業の一覧表を東証が開示する。この開示は毎月更新されることから、「バブル後の高値を更新する日本株を持たざるリスク」を意識した海外投資家の投資マネー流入継続は期待されるところだ。
■CPIの結果に注目
国内では来週、19日に12月消費者物価指数(CPI)の発表を控えている。市場予想は前年比2.6%上昇と11月の同2.8%上昇より鈍化する見通しだ。生鮮食品除くコアの市場予想も同2.3%上昇と11月の同2.5%上昇を下回っている。既に1月末に開催される日本銀行の金融政策決定会合(日銀会合)での「金融政策の正常化」への思惑は後退していることから、市場予想通りの鈍化が確認された場合、為替市場および株式市場への影響は限定的だろう。
一方、3月の春闘の結果後に、4月の日銀会合で「金融政策の正常化」に踏み出すとの思惑は根強く残っている。仮に19日の12月CPIが市場予想を上回る強い数字になった際、「金融政策の正常化」思惑が高まることで、為替市場では円高が進行し、足元の株高のはしごが外される可能性はあろう。もっとも、東証によるコーポレートガバナンス改革を期待した海外投資家の買いが根底にあると考えていることから、TOPIXコア30銘柄や日経平均などの強いトレンドが転換するほど売り込まれる想定はしていない。ただ、足元の日本株買いの背景には、「金融政策の正常化」の後ろ倒しの思惑が存在することから週末の12月CPIの結果は注目したいところだ。
■中国10-12月期GDPなどが予定
来週、国内では、16日に12月国内企業物価指数、18日に11月機械受注、11月鉱工業生産(確報値)、19日に12月消費者物価指数などが予定されている。海外では、15日に欧・11月鉱工業生産指数、16日に英・12月雇用統計、米・1月ニューヨーク連銀製造業景気指数、17日に中・10-12月期GDP、中・12月小売売上高/鉱工業生産指数、英・12月消費者物価指数、米・12月小売売上高/鉱工業生産指数、18日に米・1月フィラデルフィア連銀製造業景況指数などが予定されている。
<FA>
Copyright(c) FISCO Ltd. All rights reserved.
ニュースカテゴリ
注目トピックス 市況・概況
NY市場・クローズ
海外市場動向
注目トピックス 日本株
注目トピックス 経済総合
強弱材料
コラム【EMW】
オープニングコメント
日経225・本日の想定レンジ
寄り付き概況
新興市場スナップショット
注目トピックス 外国株
個別銘柄テクニカルショット
ランチタイムコメント
後場の投資戦略
後場の寄り付き概況
相場概況
本日の注目個別銘柄
JASDAQ市況
マザーズ市況
Miniトピック
来週の買い需要
日経QUICKニュース
みんかぶニュース 投資家動向
みんかぶニュース 為替・FX
みんかぶニュース 市況・概況
みんかぶニュース 個別・材料
みんかぶニュース コラム
みんかぶニュース その他
ビットコインニュース
アルトコインニュース
GRICI
暗号資産速報
Reuters Japan Online Report Business News
金融ウォッチ その他
FISCO その他
グロース市況
