運航停止のボーイング機、緊急点検指示で調整難航 再開見通せず
David Shepardson Valerie Insinna Tim Hepher
[7日 ロイター] - 米アラスカ航空のボーイング「737MAX 9」が飛行中に側壁の一部が吹き飛んだことを受けた緊急点検の手続きがボーイングと当局の意見相違で遅れている。
米運輸安全委員会(NTSB)のホメンディ委員長は6日、原因を説明できる段階ではないと記者団に述べた。吹き飛んだ側壁は同機が緊急着陸したオレゴン州ポートランドの西部郊外に落下したとみられているがまだ見つかっておらず、NTSBは住民に捜索への協力を求めている。
米連邦航空局(FAA)は6日、アラスカ航空機と側壁資材が同じタイプの171機を運航停止とした。
対象機材を所有する航空会社は問題箇所を早急に点検し、必要な回収を行う必要がある。ボーイングは点検事項を取りまとめてFAAに提出し、承認を得なければならない。
FAAは6日、点検にかかる時間は4─8時間との見込みを示し、航空業界では早期の運航再開期待が広がった。
ところが関係筋によると、点検事項を巡りFAAとボーイングの見解が一致していない。このため航空各社はまだ点検の指示をまだ受け取っていないという。
アラスカ航空は7日、点検についてFAAとボーイングからの指示を待っていると説明した。170便を欠航とし、運航の混乱は少なくとも今週半ばまで続くとの見通しを示した。
ユナイテッド航空では所有する79機が全て緊急点検の対象となり、7日にその日の運航予定の8%をキャンセルした。正式な指示書を待つ間、対象機材で予備的な点検を開始したという。
ボーイングのデビッド・カルフーン最高経営責任者(CEO)は7日、社員向けのメッセージで「このような重大事故が発生した場合、顧客や規制当局に透明性をもって対応し、事故の原因を理解し対処することが重要だ」と述べた。