注目トピックス 市況・概況
来週の相場で注目すべき3つのポイント:米CPI、米PPI、日銀支店長会議
配信日時:2024/01/06 18:52
配信元:FISCO
*18:52JST 来週の相場で注目すべき3つのポイント:米CPI、米PPI、日銀支店長会議
■株式相場見通し
予想レンジ:上限33750円-下限33000円
来週のポイントは、米金利上昇に伴う円安進行が継続するかどうかだ。5日の米国株式市場は、NYダウは前日比25.77ドル高(+0.07%)の37466.11ドル、S&P500は8.56ポイント高(+0.18%)の4697.24ポイント、ナスダック総合指数は13.77ポイント高(+0.09%)の14524.07ポイントと総じて小幅な上昇。225ナイト・セッションは通常終値比90円高の33410円で取引を終了した。年末に1ドル140円割れ手前まで円高ドル安が進行したが、能登半島地震を受けて、1月の日本銀行金融政策決定会合では、経済への影響を考慮して金融政策の正常化は先送りするとの観測が強まった。また、足元の米労働市場の堅調さが確認できたことなどから米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利下げ観測も後退。米10年国債利回りが4%台を回復し、10年物国債の日米金利差が3.4%水準まで再び拡大したことから、5日の海外時間の為替市場では1ドル146円台手前まで円安ドル高が加速する場面が見られた。
円安進行は、輸出関連銘柄の追い風となる一方、米ハイテク企業は、円安の要因である米金利上昇がネガティブ材料となることから、日本株への影響はまちまちだ。日経平均の寄与度が高く、2023年の相場をけん引した東エレクやアドバンテストは、ナスダック総合指数やSOX指数につられる傾向があるため、米金利動向は要注意となろう。11日にはFRBが重要視する経済指標である米12月消費者物価指数の発表を控えている。可能性はさほど高くないと考えるが、仮にインフレ再燃につながる強い数字となった場合は、「早期の利下げ観測」から「追加の利上げ観測」に市場の見方が変わる可能性もある。日本の金融政策の正常化は3月以降というコンセンサスが固まりつつあることから、米金利は上昇しやすい地合いと言えよう。
大発会の東京市場では、新しいNISAスタートに伴い、銀行株やJT<2914>など高配当銘柄の一角が強い動きを見せた。NISAの積み立て投資では、月初めを買付日として設定するケースが多いことから、高配当銘柄への資金流入がコンスタントに続くかは微妙なところだが、需給面では一定の効果はありそうだ。金融庁がHPで公開している2023年9月時点のNISA(一般と積み立て)口座の利用状況をみると、昨年1月から9月までで株式市場には1.3兆円の個人投資家の資金が入っていることから、年換算を推測すると1.7兆円ぐらいとなる。新しいNISA導入によって、投資信託よりも株式を購入する割合が高くなるとは考えていないが、利用者増加に伴い個人投資家の資金が株式市場に昨年よりも多く流入する可能性は考えられる。
そして、個人投資家に人気が高い高配当銘柄のなかでも、銀行株への関心は高い。目先、早期の金融政策の正常化観測は後退したが、2024年に開催される日銀金融政策決定会合で、日銀が金融政策の正常化に踏み切る公算は大きい。金利メリット銘柄としても銀行株への関心は高いことから、2024年の注目セクターと言えよう。
■為替市場見通し
来週のドル・円は底堅い値動きか。米国のインフレ指標が注目され、早期利下げ観測をさらに弱める内容だった場合、長期金利は底堅い動きを維持し、リスク選好的なドル買い・円売りが続くとみられる。昨年12月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合の議事要旨によると、政策金利はピークに近づいたとの認識で一致し、同時に2024年の利下げの方向性が示された。ただ、12月雇用統計は予想を上回る内容だったことから、政策金利は長期間据え置きとなる可能性は残されており、リスク回避的なドル売り・円買いがただちに拡大する可能性は低いとみられる。12月消費者物価指数指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)が市場予想を上回った場合、米長期金利高・ドル高の要因になりやすい。
一方、日本銀行は1月開催の金融政策決定会合で、現行の大規模緩和政策を堅持する見通し。金融緩和政策の継続を見込んだ円売りがすみやかに縮小するとの見方は少ないため、ドル・円は日米金利差を意識して底堅い動きを保つことが想定される。
■来週の注目スケジュール
1月8日(月):成人の日で国内市場は休場、独・貿易収支(11月)、欧・ユーロ圏消費者信頼感指数(12月)、欧・ユーロ圏小売売上高(11月)、米・アトランタ連銀総裁が講演、など
1月9日(火):東京CPI(12月)、家計支出(11月)、独・鉱工業生産指数(11月)、米・貿易収支(11月)、米・テクノロジー見本市「CES」(12日まで)、など
1月10日(水):実質賃金総額(11月)、米・ニューヨーク連銀総裁が講演、米・米国証券取引委員会(SEC)がビットコイン現物投資型ETFについて承認の是非を判断する期限、など
1月11日(木):景気先行CI指数(11月)、日銀支店長会議、米・消費者物価コア指数(12月)、米・新規失業保険申請件数(先週)、など
1月12日(金):国際収支(経常収支)(11月)、景気ウォッチャー調査(12月)、中・消費者物価指数(11月)、米・生産者物価コア指数(12月)、中・貿易収支(12月)、など
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予想レンジ:上限33750円-下限33000円
来週のポイントは、米金利上昇に伴う円安進行が継続するかどうかだ。5日の米国株式市場は、NYダウは前日比25.77ドル高(+0.07%)の37466.11ドル、S&P500は8.56ポイント高(+0.18%)の4697.24ポイント、ナスダック総合指数は13.77ポイント高(+0.09%)の14524.07ポイントと総じて小幅な上昇。225ナイト・セッションは通常終値比90円高の33410円で取引を終了した。年末に1ドル140円割れ手前まで円高ドル安が進行したが、能登半島地震を受けて、1月の日本銀行金融政策決定会合では、経済への影響を考慮して金融政策の正常化は先送りするとの観測が強まった。また、足元の米労働市場の堅調さが確認できたことなどから米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利下げ観測も後退。米10年国債利回りが4%台を回復し、10年物国債の日米金利差が3.4%水準まで再び拡大したことから、5日の海外時間の為替市場では1ドル146円台手前まで円安ドル高が加速する場面が見られた。
円安進行は、輸出関連銘柄の追い風となる一方、米ハイテク企業は、円安の要因である米金利上昇がネガティブ材料となることから、日本株への影響はまちまちだ。日経平均の寄与度が高く、2023年の相場をけん引した東エレクやアドバンテストは、ナスダック総合指数やSOX指数につられる傾向があるため、米金利動向は要注意となろう。11日にはFRBが重要視する経済指標である米12月消費者物価指数の発表を控えている。可能性はさほど高くないと考えるが、仮にインフレ再燃につながる強い数字となった場合は、「早期の利下げ観測」から「追加の利上げ観測」に市場の見方が変わる可能性もある。日本の金融政策の正常化は3月以降というコンセンサスが固まりつつあることから、米金利は上昇しやすい地合いと言えよう。
大発会の東京市場では、新しいNISAスタートに伴い、銀行株やJT<2914>など高配当銘柄の一角が強い動きを見せた。NISAの積み立て投資では、月初めを買付日として設定するケースが多いことから、高配当銘柄への資金流入がコンスタントに続くかは微妙なところだが、需給面では一定の効果はありそうだ。金融庁がHPで公開している2023年9月時点のNISA(一般と積み立て)口座の利用状況をみると、昨年1月から9月までで株式市場には1.3兆円の個人投資家の資金が入っていることから、年換算を推測すると1.7兆円ぐらいとなる。新しいNISA導入によって、投資信託よりも株式を購入する割合が高くなるとは考えていないが、利用者増加に伴い個人投資家の資金が株式市場に昨年よりも多く流入する可能性は考えられる。
そして、個人投資家に人気が高い高配当銘柄のなかでも、銀行株への関心は高い。目先、早期の金融政策の正常化観測は後退したが、2024年に開催される日銀金融政策決定会合で、日銀が金融政策の正常化に踏み切る公算は大きい。金利メリット銘柄としても銀行株への関心は高いことから、2024年の注目セクターと言えよう。
■為替市場見通し
来週のドル・円は底堅い値動きか。米国のインフレ指標が注目され、早期利下げ観測をさらに弱める内容だった場合、長期金利は底堅い動きを維持し、リスク選好的なドル買い・円売りが続くとみられる。昨年12月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合の議事要旨によると、政策金利はピークに近づいたとの認識で一致し、同時に2024年の利下げの方向性が示された。ただ、12月雇用統計は予想を上回る内容だったことから、政策金利は長期間据え置きとなる可能性は残されており、リスク回避的なドル売り・円買いがただちに拡大する可能性は低いとみられる。12月消費者物価指数指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)が市場予想を上回った場合、米長期金利高・ドル高の要因になりやすい。
一方、日本銀行は1月開催の金融政策決定会合で、現行の大規模緩和政策を堅持する見通し。金融緩和政策の継続を見込んだ円売りがすみやかに縮小するとの見方は少ないため、ドル・円は日米金利差を意識して底堅い動きを保つことが想定される。
■来週の注目スケジュール
1月8日(月):成人の日で国内市場は休場、独・貿易収支(11月)、欧・ユーロ圏消費者信頼感指数(12月)、欧・ユーロ圏小売売上高(11月)、米・アトランタ連銀総裁が講演、など
1月9日(火):東京CPI(12月)、家計支出(11月)、独・鉱工業生産指数(11月)、米・貿易収支(11月)、米・テクノロジー見本市「CES」(12日まで)、など
1月10日(水):実質賃金総額(11月)、米・ニューヨーク連銀総裁が講演、米・米国証券取引委員会(SEC)がビットコイン現物投資型ETFについて承認の是非を判断する期限、など
1月11日(木):景気先行CI指数(11月)、日銀支店長会議、米・消費者物価コア指数(12月)、米・新規失業保険申請件数(先週)、など
1月12日(金):国際収支(経常収支)(11月)、景気ウォッチャー調査(12月)、中・消費者物価指数(11月)、米・生産者物価コア指数(12月)、中・貿易収支(12月)、など
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