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英財政赤字、11月は予想を上回る 選挙前の減税余地は限定的

配信日時:2023/12/21 18:41 配信元:REUTERS

Andy Bruce William Schomberg

[ロンドン 21日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が21日発表した11月の公的部門純借入額(財政赤字)は、国有銀行を除いたベースで143億ポンド(181億ドル)と予想を上回った。スナク政権が次期総選挙前に減税を行う余地が限られていることが示された。

ロイターがまとめたエコノミスト調査は129億ポンドだった。

4─11月の財政赤字は1164億ポンドで、前年同期の水準を244億ポンド上回った。過去8カ月分の赤字額が合計37億ポンド上方修正された。

ハント財務相が追加歳出や減税に充てられる財政上の余地は130億ポンドとなった。

パンテオン・マクロエコノミクスのエコノミスト、サミュエル・トムズ氏は、2024年の春季予算案発表までに財政の余地が250億ポンドへ拡大する可能性があるとの見方を示した。

しかし11月の減税発表直後に英債券価格が下落したことから、総選挙を見据えた財政措置は比較的抑制されたものになるだろうと述べた。

ONSによると、4─11月の所得税、法人税、付加価値税の税収は前年同期比8─10%増加した。インフレと賃金上昇が寄与した。社会保障費は12%増加し1950億ポンドとなった。

国債費は15%減の610億ポンド。物価上昇ペースが鈍化し、インフレ連動債による影響が緩和された。

国営銀行を除く公的部門の純債務は2兆6700億ポンドで、対国内総生産(GDP)比97.5%となった。

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