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世界のGDP、経済分断化で最大7%減少する可能性=IMF

配信日時:2023/12/12 04:52 配信元:REUTERS

[ワシントン 11日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のゴピナート筆頭副専務理事は11日、ウクライナでの紛争と米中間の緊張を踏まえると、世界経済の分断化と基調的な二国間貿易の明らかな変化が「新たな冷戦」を引き起こす可能性があると警告した。

コロンビアのメデジンで開催された国際経済学連合で、世界経済が欧米の西側と中国・ロシアの東側の2つに分断された場合、損失額は世界の国内総生産(GDP)の2.5%─7%に達する可能性があると指摘。「グローバリゼーションが広範囲にわたって後退する兆しはないが、地理経済的分断がますます現実のものとなるにつれ、分断が生まれつつある。分断が深まれば、新たな冷戦に突入する可能性もある」とした。

また、このような分断化は、国内経済の回復力と安全保障の向上を上回る深刻な結果をもたらす可能性があると言及。「適切に対処されなければ、その代償は容易に利点を圧倒し、数十億もの人々を貧困から救うのに寄与した約30年間の平和、統合、成長を逆行させる可能性がある」とした。

さらに世界的な分断化は気候変動のような共通の課題への対応を困難にするとし、自由貿易の利益を可能な限り維持する「現実的な」アプローチを実施するよう各国に呼びかけた。

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